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えー、予告通り、Nikonもついにミラーレス市場に参入しましたね。上は、上位機種に当たる「Nikon 1 V1」です。エントリーモデルの「J1」の方は、EVFが無いためフラットな軍艦部になっています。しかしシリーズ名がNikon 1って、凄くないですか。並々ならぬ気合が伝わってきます。が、WEB界隈を見渡すかぎり、市場の反応はけっこう冷ややかです。圧倒的なのが、「デザインが最悪だ」という声。未だかつて、デジカメinfoのスレッドがあそこまでネガティブな意見で埋め尽くされたのを、あまり見たことがありません。実はエンゾー、この画像を一目見た瞬間「イイ!」と思ってしまったクチです。背面の作り込みはNikonのコンデジに共通する悪い癖が出ていて高級感に欠けますし、正面の巨大な「1」というロゴや、まったく実用性がなさそうな細長い指がかりなど、突っ込みどころは随所に見られるものの、スクエアでありつつファインダーの出っ張りがシームレスにつながっているフロントマスクの処理や全体的な佇まいは、それなりに洗練されていると感じます。見方によっては、バウハウスっぽい雰囲気と言えなくもありません。でも、実際には酷評の嵐が吹き荒れており、ちょっと自分の審美眼に自信がなくなりました(TдT)。が、それでもエンゾー的には、カメラとして以前に、モノとしてかなりイイ線行っている良質なデザインだと思いますので、その点において断固支持します。一方で、WEB上にちらほら出てきた作例を見る限り、その描写は「よく写るコンデジ」といった範疇を脱していない印象を受けます。単焦点の10mm(銀塩換算27mm)は、F4.5で既に限りなくパンフォーカスに近い深度の深さを見せていますので、ボケを気軽に演出するような使い方は厳しいようです。1/1.7インチよりは大きく4/3よりは小さいというポジションの素子を選んだ「1」ですが、結果を見る限りでは、コンデジ寄りの製品であると言えそうです。ここで、ちょっと生臭い話を。このNikon 1 V1、店頭売り出し価格は単焦点レンズのキットで94000円辺りと言われていますが、今日現在で、比較の対象となるであろうM4/3の市場流通在庫品(例えばGF2)が36700円、まだ新しいGF3で40000円、APS-CのNEX-5のダブルズームキットでも43000円ですから、単純に価格だけで比較すると倍以上違います。また初値で比較しても、GF2のキットが67733円、NEX-5Dが85299円でしたから、V1がいかに高いかが分かります。「素子はM4/3より小さく、その割にボディは思ったほど小型化出来ていないしデザインも不評、おまけに高い」といくつものウィークポイントを抱えており、V1は最初から苦戦が約束されているモデルと言えそうです。動画の強さは相当なものなんですけどねえ。この「かなり革新的な製品なのに評価が低い」というところがどこかで聞いたことのある話の流れだなあと思ったら、GXRのデビュー直後の状態とよく似ている事に気付きました。そう言えば、V1のでこっぱちスタイルは、GXRにEVFを乗っけた姿ともなんとなく被りいます。エンゾーはこのフォルムが大好きなんですが、やはり不評でした。値頃感というのは、言うまでもなく購買行動において実に大きなファクターで、まったく同じ製品を幾らで提供するのかで、恐ろしいほど評価が変わります。宅配ピザで最低でも1500円からするマルゲリータは、顧客にもう一度食べたいと思ってもらうことがかなり難しい商品ですが、同じレベルのピザを290円で提供するサイゼリアでは、多少直径が小さくてもバカうけです。ここでポイントとなるは、サイゼリアのメニューが、先に戦略価格ありきであるということ。「安いのに思った以上に美味い」というプラスの期待値コントロールをするために、原価率は他のファミリーレストランよりもかなり割高です。低価格路線を堅持し、かつ素材にも手を抜かないことを前提に、その他の部分で徹底的にコストを削って目標価格でも利益が取れるような仕組みを作っています。製品の作りの良さやレンズラインナップの本気度を見る限り、少なくともV1は、道具としてかなり優れているのではないかと思わせるものがあります。にもかかわらず低評価なのは、ひとえにコストパフォーマンスの悪さが大きいように思えます。実情は知るべくもありませんが、なんとなく積み上げ算式にコストを加算して、算出された原価を元に売価を決定しているように感じるのです。言うなれば「良い物は高くて当たり前だろ?」という思想です。バブルの頃ならともかく、現在のミラーレスカメラの市場を見渡したときに、この価格では競争力に乏しいことは想像できたはずですが…。さて、最終的に自分がこのカメラを(仕事も含めて)買うかと問われれば…うーん、やはり手は出さないでしょうね。ペンタックスのQなどもそうですが、光学的なボケを楽しめないレンズ交換式カメラというのは、その存在意義があまり良く分からないというのが個人的な感想です。もちろん、パンフォーカスを前提に、コンデジよりワンランク上の写真を撮りたいというニーズには合致すると思いますが、エンゾーはボカしたいときにはボケないと嫌な人です。なので、自分にとってはGXRで十分なのでした。昨日は「GXRはフェードアウトするんじゃないか」などと不穏な発言をしましたが、それはリコーの戦略予想であって、いちユーザーとしてはもっとたくさんユニットが欲しいのです。あ~、早く明るい35mmユニットが出ないかな…。
2011.09.23
コメント(13)
あまりにも間隔が開いてしまい、何を書いていいのか勘が狂って筆が重い重い。書くという作業に対する耐性は、やらなくなった途端に衰え始めるものですね(^_^;)。ずっと冬眠していて久しぶりに起きてみたらもうすぐ冬だったという、周回遅れなエンゾーですが、全く更新していないにもかかわらず、当ブログには毎日たくさんの方にお越し頂いており、大変申し訳なく思っております。皆さん暇ですね。ありがとうございます。さて、そんな「今浦島」気味のエンゾーが重い腰を上げる気になったのは、久々に面白そうなネタが出てきたから。RICOHが「PENTAXブランドでQよりも大きな素子を使ったミラーレスを企画中」と公式にコメントしたのに触発されました。以前にも取り上げたように、RICOHの近藤社長はGXRの先行きに対してやや消極的ともとれる発言をしていました。この時、ひょっとするとMOUNT A12ユニットを最後に、RICOHはGXRからフェードアウトしようとしているのではないか?と勘ぐりましたが、今回の発表で、またぞろその疑いが出てきたように感じます。以下は完全に妄想ですが。いきなりフルサイズのミラーレスをぶち上げるとは思えないので、Q以上フルサイズ未満の範囲でということであれば、落ち着く先はおそらくAPS-Cあたりになるだろうと思われますが、現在そのポジションにいるのはGXRですから、一本化のために新ミラーレスシステムとリプレイスする可能性もなきにしもあらず。いっそのこと、GXRだけでなく、趣味の道具と言うにはいささか高価過ぎるモノになってしまったQからも手を引き、限られたリソースを新システムに集中させた方が、結果的には将来に渡って長く戦えるという判断があったとしても、それほど不思議には感じません。一見するとQ・GXR・K・645の他に第五のマウントまで登場し、闇雲に規格が乱立しているように見えますが、遠からずその中の2つが淘汰されることまで織り込み済みなのだとすれば、それほど心配する必要も無いと思います。Canon・Nikonと伍すメーカーに育て上げるというのは、近藤社長流のステークホルダー向けのリップサービスだとしても、APS-CサイズのミラーレスがSONYのNEXしかないうちに、対抗馬としての地位を固めてしまおうというのは、面白みは薄いにしても悪くない戦略です。懸念材料があるとすれば、古いユーザーを大事にするPENTAXの体質が裏目に出て、Kマウントをそのまま使えるようにしてしまいかねないことでしょうか。現状でミラーレスを選択するユーザーの多くが、ボディとレンズを装着した状態でのトータルの厚みと大きさを非常に気にしています。つまるところ、ミラーレスクラスのカメラに価値を見いだす購買層にとって一番のプライオリティは、持ち運ぶ気になれるかどうかという点にあると言えます。そういう意味で、ただでさえフランジバックが長すぎるKマウントをそのまま転用するのは、デザイン的にもセールス的にもうまくありません。ここは将来のためと腹をくくって、フランジバックをぐっと短くした全く新規のマウントを立ち上げて欲しいところです。斜め上を行く戦略としては、フルサイズのミラーレスをどこよりも早くリリースするという飛び道具も無きにしもあらずですが、大手三社と比較してリソースが圧倒的に少ないRICOH・PENTAX連合では、ちょっと現実味が薄いですね(^_^;)。ただ、ミラーレスという禁断の果実に手を出したが最後、従来の一眼レフのセールスがガタ落ちして消滅の危機に瀕するのはPanasonicやOLYMPUSの例を見るまでもなく明らかなので、K-5を痛く気に入っているエンゾーとしては、PENTAXのAPS-Cミラーレスを見たいような見たくないような、フクザツな心境ではあります。
2011.09.19
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