森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.03.13
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私たち日本人はグラッサーのいう生存や安全の欲求は完全といわないまでもおおむね達成されていると思います。

ところが次の社会的所属の欲求は達成されているとは思えません。社会的所属の欲求というのは、自分の属している集団から自分を受け入れてもらいたいという欲求です。集団から離れると生きていけなくなるので、集団から見放されて孤立したくないという欲求です。温かい、ぬくもりのある人間関係の中に常に身を置いておきたいという欲求です。自分の所属している集団のすべての人に、自分を守ってもらいたい、信頼してほしい、認めてもらいたい、重要視してもらいたい、かまってもらいたい、保護してもらいたい、味方になってもらいたい、失敗やミスをしても大目に見て許してもらいたいという欲求です。

これは生存や安全の欲求と同じように、本能的欲求といわれています。この欲求が満たされないと、次の向上発展の欲求に進むことはできません。

この欲求は子供のときの親の育て方、特に母親の育て方によって満たされた人と、満たされることなく大人になってしまった人がいるようです。
満たされずにおとなになった人は、小さいころからほめられるという経験が少なく、いつも母親に「かくあるべし」を押し付けられて、叱咤激励を受け続けた人です。つまり自分の存在を受け入れてもらえなかった人です。そういう人が大人になると、人間関係ではいつも対人的な不安、恐怖、不快感、おびえが付きまとい、さらに予期不安で逃げてばかりの防戦一方になりやすいのです。つまり不安定な基盤をなんとか安定しないと、自分が所属集団からはじき出されて、一人孤立の道を歩み、野垂れ死にすることの恐怖を常に感じているのです。

こういう人は今後どのように生きてゆけばよいのでしょうか。2つの道があります。
一つは自分の存在をあるがままに受け入れてくれるような人間関係を探して築くことです。
親、兄弟、祖父母、親戚、地域の人、学生時代の友達、趣味などの仲間、学校の友達、会社の同僚、上司、部下、先生、集談会の仲間などから自分を比較的受け入れてくれる人を見つけることです。それもべったりの人間関係ではなく、少しの心地よい人間関係をたくさん作っていくことです。一つがダメになっても別の人間関係で立ち直れるようにした方がよいと思います。
次に、自分も「かくあるべし」で他人に接するのではなく、あるがままの他人をそのままに認めてあげることです。事実をそのままに認めてあげることです。これは森田理論学習でよく学習してほしいと思います。これは心がけ次第で出来ることです。そうなれば、自分の容姿、素質、性格、弱点、自分の引き起こしたミスや失敗の事実も受け入れることができるようになるのです。






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Last updated  2013.03.13 21:55:13
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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