森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.09.27
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加島祥造さんは伊那谷の老子と呼ばれている。加島さんの著書に、「求めない」というのがある。

誤解しないでほしい。
「求めない」と言ったって、どうしても人間は「求める存在」なんだ。
それをよく承知のうえでの「求めない」なんだ。
食欲、性欲、自己保護欲、種族保存欲
みんな人間の中にあって、そこから人は求めて動く・・・それを否定するんじゃないんだ、いや肯定するんだ。
五欲を去れだの煩悩を捨てろだのと、あんなこと、嘘っぱちだ、誰にもできないことだ。
「自分全体」の求めることは、とても大切だ。ところが「頭」だけで求めると、求めすぎる。「体」が求めることを「頭」は押しのけて、別のものを求めるんだ。しまいに余計なものまで求めるんだ。

これは欲望の暴走の危険性のことを言っていると思う。

森田では欲望のない人は哀れであるという。どこまでも欲望は追及してもよい。
ただ普通の人は精神拮抗作用で説明しているとおり、欲望の暴走には制御がかかるようになっている。制御がかかると欲望が暴走するということない。人を押しのけて自分の私利私欲を満たすような行為、人に迷惑をかけるような行為、自然を自分の意のままに操ろうとするような行為は、普通は歯止めがかかるように人間はできている。

ところが現実には、一部の人間はその自然の摂理を無視して、あくなき欲望の追求に明け暮れている。そういう人はバランス感覚が崩れている。
サーカスの綱渡りの芸でいえば、途中で墜落して地面にたたきつけられるようなものだ。

森田を学習すると「調和」は自然界すべてに通じる普遍的真理であると学ぶ。
神経症に陥るのは、欲望を忘れて、不安のみにとらわれて精神交互作用によって観念と行動の悪循環の果てに引き起こされたものであると学んだ。
一方あくなき欲望の追求に走る人もいる。その人たちは不安を無視して自分たちの欲望を満たそうとしているのである。どちらに転んでも将来に大きな禍根を残すのは明らかである。

「過ぎたるは及ばざるが如し」ということわざもある。
バランス感覚、自然の調和、精神拮抗作用をおろそかにすると必ず破綻が待ち構えている。
私たちは森田理論の通り常にバランスを心がけて生活してゆきたいものだ。






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Last updated  2013.09.27 05:48:38
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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