森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.01.05
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2016年1月号の発見誌に「慢性疼痛と森田療法」の記事があった。
大変興味深い記事であった。
この方は足を酷使しすぎ、足の細かい神経に障害が出て痛みとなったものである。
定年退職して暇になり、家に閉じこもりがちになってきて、自ら痛みを修飾して増大させてきた。
あまりにもつらい思いをしてきたので、痛みの記憶にとらわれて症状が悪化の一途をたどってきたのである。

慢性疼痛は通常の痛み止めはモルヒネといえども全く効かず、ただ日本で開発された古い薬で、うさぎに炎症を起こさせ、その水ぶくれの中の液体を精製して作ったノイロトロビンという薬と、SSRIではなく三環系抗うつ薬のみが効くと書いてあった。
この方はこの薬を飲み始めて2週間後に激痛がこなくなったと言われていた。

これはなんらかのきっかけで、健康に不安を持った人が、それにとらわれて、心の中で不安を増幅させて、ついには家から出られなくなってしまう神経症と同じからくりではないだろうか。
こういう人には森田的な治療方法が功を奏するのであるといわれている。

よく普通神経症の人はよく体の異変があるとガンではないだろうかと心配される。
そして検査される。それも一か所の病院では納得できず何か所の病院に行って同じ検査をされる。
病気を見つけるというよりも、不安をなくして安心感を得たいというのが真の目的になっている。
こうなると体の病気以上に、とらわれによる心の持ち方の問題である。
こういう方は森田療法の不安の特徴、役割、不安と欲望の関係、欲望を主にして、不安を活用した生き方をしっかりと身につけることが大切であると思う。

この記事をきっかけにして、昨年9月号と10月号の記事を再度読み返してみた。
心の健康セミナーで講演された平林万紀彦医師の記事である。
私は永久保存版として切り離してファイルしている。
平林医師は慢性疼痛には森田療法を取り入れておられる。
その際、慢性痛の森田療法9カ条を提唱されている。
1、 痛みが嫌なのは自分が健全だからこそ

3、 堪えがたい痛みをよく我慢してきた
4、 痛みそのものが病である
5、 怠けではなく頑張りすぎて苦しくなる
6、 やりすぎないでほどほどのペースをつくろう
7、 痛みとは闘わず自分が今できることに没頭する

9、 治療は一進一退があるが必ずうまくいく
この関連記事は2014年10月4日にも投稿しています。ご参照ください。





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Last updated  2016.01.05 06:56:16
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