森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.04.08
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カテゴリ: 森田番外編
よくテレビで日本体育大学の「集団行動」というのがある。
大勢の学生がきびきびと動く。交差しても隣の人とぶっつかることはない。

これとよく似たようなもので、マーチングバンドがある。
学生や県警音楽隊等の、楽器を演奏しながらの寸分たがわぬ行進には興奮を禁じ得ない。

一服の芸術作品を見るようである。
これらは誰かがプログラムを組み、カリスマ指導者がいて、強力なリーダーシップのもとで全員が努力精進した結果である。
みんなで協力して一つの作品を作ろうという気持ちがないとなかなかできることではない。

でもこれは、もう一面で人間も鍛え上げれば機械やロボットのように正確に動くことが出来るということを証明しているようにも思う。

これと同じようなものに軍隊の行進がある。

全体が一糸乱れぬ行動を要求される。足の挙げ方、手の振り方、顔の向きまで統一される。
普通では考えられない統制力が要求される。

これらは普通の人間には難しいかもしれない。
それは普通の人は、人から一方的に指示、命令されて動くことに反抗するからである。
自分で好きなように自由に行動したいという欲求を持っているからである。
つまり人間には気があるのである。
普通の人間は意味のある生き方をしたいと思うと同時に、さぼりたい、楽をしたい、もっと楽しみたいと思っている。
つまり機械やロボットのような論理では人間は思い通りに動いてはくれないのである。
人間性を無視して指示、命令、強制などで人を動かそうとすると無理が出てくるのではなかろうか。
私たちは森田理論学習の「かくあるべし」でそのことを学んだ。

その一つを自動車の組み立てラインで見た。

組み立てに必要な部材は横の方からロボットアームによって運ばれて所定の位置に取り付けられる。
人間はネジを締めたり、他の部分との連結作業をしていた。
ロボットと人間の共同作業だった。
どちらかというと、人間が機械やロボットに合わせているような感じだ。
ラインの途中で仕事が遅れてくると、その部分の警告灯がくるくる回り、けたたましい警報音が鳴る。

決してラインを止めてその人にゆっくりやらせるということはない。
ガイドに「あの人たちはどれほどの期間同じ仕事をしているのか」と聞いてみた。
すると最低2年であると言われた。精神障害を発症することはないのかと疑問が湧いた。
自動車は日本の基幹産業である。
でもそこで働く人たちの労働環境は厳しいものがあるのではなかろうか。
人間が人間らしく働いているとはとても感じられなかったが、世間ではこれが当たり前のことなのだろうか。





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Last updated  2016.04.08 06:54:26
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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