森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.07.06
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論理療法を開発したエリス・Aは、自殺願望のクライエントに「死ぬな」とは言わない。
人間には生を選ぶ自由があると同じように死を選ぶ自由もあるという思想があるからである。
そこで「死ぬな」というかわりに「死ぬことは君にとってどんな意味があるのか、私に分かるように説明してくれないか」と発問する。
説得するよりは、まず相手の気持ちをわかろうとする。
クライエントは「死ぬな」といってくれる人がいないとなると、生も死も自分の肝ひとつということがしみじみと分かってくるので、生とは何か、死とは何かを真剣に考えざるを得なくなる。死の選択に慎重になる。

では相手を分かることは具体的にどんなことか。
身体状況(例-病気、空腹、疲労等)、思考(例-認識歪曲、知識不足、価値観の傾向等)、感情(不快、幸福、臆病等)、行動(例-回避、積極的、自己顕示等)の4領域について、情報を集めることである。

情報を集めるとは、日常の立ち居振る舞いをよく観察すること。ありきたりの会話に終始せずにときおりは相手の核心に触れる会話(相手が「よくぞきいてくれました」と思うようなこと)をすることである。
(自己発見の心理学 国分康孝 講談社現代新書 70ページより引用)


そういう人は対人関係にいつも躓いている人です。
それは森田でいう「思想の矛盾」に陥るからです。

そういう人が人間関係に持ち込んでいることは次のようなものです。
相手を非難する、説教をする、命令する、指示する。禁止する。叱責する。
これらのすべてがダメだというわけではないが、弊害が多すぎる。
脅迫、強制して、相手を自分の考え方に従わせて、事がうまく進んだと思っている。
自己満足すればするほど、事態は悪化していく。

そういう人はアドラーのいう友好的な横の人間関係を築こうとしている人とは違う。
いつも他者を自分のいいなりに支配しようとしている縦の人間関係に縛られて身動きできなくなっている人である。
そういう人は少し付き合っただけですぐに分かる。そして敬遠したくなる。
そして多かれ少なかれ、胸の内に沸々と反抗心が芽生えてくる。


そのためにカウンセラーに徹底した受容、再陳述、反射、明確化を求めている。
我々も「かくあるべし」で相手を説得しようとした時は、「相手のことをもっと分かってからにしよう」という気持ちに立ちかえることが大切であると思う。





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Last updated  2016.07.06 06:40:46
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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