森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.12.03
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「生活の発見」という機関紙(自助グループ「生活の発見会」の会員登録をすれば送られてくる)がある。神経症の人には大変役に立つ本である。
これだけで神経症を克服していく人もいる。
神経症の人で苦しんでいる人には是非読んでみることをお勧めしたい。

さて今月号に神経症の悩み相談が載っていた。こういう相談があった。
嫌いというわけではないが、ある特定の人と二人きりになると、何を話してよいのか混乱して、頭が真っ白になりパニックになる。どうしたらよいでしょうかという相談です。

その方はああでもない、こうでもないと話題を探す。
でもお天気ぐらいのことしか思い浮かばない。話題が思い浮かばず沈黙するようになる。
その時なんともいえない重苦しい気持ちになる。
身の置き所のない居心地の悪さ、不快感が襲ってくる。そこでその場を取り繕うとする。

それではいけないと思うので何か改善策があればアドバイスしてほしいと言われていた。

私も体験がある。ここで嫌いではないがある特定の人というのはどういう人だろうか。
それをまずはっきりさせよう。
職場の同僚、学校の友だち、異性、上司や部下、父親等ではなかろうか。
これらの人と二人きりになったとき話が続かずに気まずい気持ちになる。

ではどうすればよいのか。私の経験から2つのことを話してみたい。
まず、話すことが見つからないというのは、相手のことが見えていない状態だと思うのです。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という話があります。相手が見えてないと疑心暗鬼になります。
相手の情報がいろいろと分かっていれば話の糸口は容易に見つかります。
相手が今抱えている問題は見えていますか。
仕事、家庭、人間関係、家計、趣味など関心を持って観察していますか。

頭の中は自分の症状のことばかり。
相手のことが見えていないので、話題が見つからないのではないですか。
その人がどんなことに悩み、どんなことに苦しんでいるのか。どんな生活をしているのか。
どんな目標を持っているのか。どんな欲望を持っているのか。

あるいは最近テレビニュースではどんなことが話題になっているか関心を持って見ていますか。

外に目を向けていればいくらでも話題は見つかるのではありませんか。
新聞を見る。ニュースをみる。相手のことが分からなければ人から情報を得る。

外に目を向けずに、自分が相手にどう思われているのか。
相手が自分をどう取り扱ったかばかりに注意を向けていると話題は自分の悩みしかなくなります。それを話題にするわけにはゆきません。つまり目の付け所が違うのではないでしょうか。
そして気持ちが内向きになり、相手との間に身の置き所のない不安感がある。
その不快感を取り去っていつもスッキリとしていたい。不安は自然現象でどうすることもできないのに、できないことをしようとしているのではありませんか。
その不安を持ちこたえ、そのエネルギーを相手の観察などに振り替えていく必要があるのではないでしょうか。

次にその人といるとバカ話ができない。一緒にいるといつも緊張してしまう。
リラックスできない。身構えて固まってしまって、ありのままの自分を出せないという場合があります。無言の圧力を感じて、萎縮して、親しく話をする状態にはないということです。

そういう関係は対等な人間関係にはなっていないと思います。
たとえばその人が親分で自分は子分か手下のような関係にある。人間関係に上下があるのです。
しかも自分がいつも下にいる。いつも相手のいいなりになっている。
また相手が自分に対して敵対関係にある。自分の存在を軽く見たり、無視したりしている。

そのような人に対してフレンドリーな人間関係を築くことはできません。
敵対関係になるか、その人を避けるようになると思います。
そういう人とは誰でも心を開いて話はできないと思います。もともとソリが合わない人です。
そういう人とは森田理論学習で言う不即不離を応用するとよいと思います。
この場合は強いて親しく話しかけなくてもよい。むしろ離れることを選ぶ。
でも挨拶だけはきちんとする。愛想笑いをする。仕事上の最低限の会話だけにする。
これだけを心掛ける。

人間関係というのは、必要な人と、必要なときに、必要なだけ付き合っていくのが基本だと思います。
またコップにいっぱいの人間関係よりも、コップに少しだけ飲物が入っているような人間関係をたくさん作っておく。
そういう気持ちでいるとある特定の人に振り回されることは少なくなると思います。

自分を叱咤激励して無理矢理、親しそうに会話しようとすると、苦しくなります。
苦手意識のある人の前でも、堂々として、うまく立ち回れる人間にならなくてはいけない。
どんな相手でも、相手の気をひく話ができなければならない。等と考えていると「かくあるべし」で葛藤と苦悩が出てきて対人恐怖症にまで増悪してしまいます。





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Last updated  2016.12.03 06:34:42
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