小学 5 年生で 1985 年 12 月号に掲載された「嫌いなテストにがんば・ ・ ・ 」は、ドラえもんマンガのエッセンスを凝縮したもの、と言っても過言ではありません。
このお話では、のび太は「今度こそ、
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点取るわけにいかない。徹夜で勉強しなくちゃ」とドラえもんに力説し、勉強を始めます。
でも「いつも同じことを言っている」とドラえもんが軽くいなすと、
「そう、そこが問題なんだ。
いつも今度こそやろうと決心して、結局、何もしないで朝を迎えるんだ」とのび太も同調しています。
それに対して、
「わかっているんだね」と相槌を打つドラえもんに、
「だが、今度こそそうはいかない。せめて
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点は取らなきゃ人間やめるしかない」とまでのび太が主張したので、ドラえもんも「よし、そこまで言うなら力をかそう」と応援を決心します。
そうしてのび太は勉強始めますが、続かないので、ひみつ道具やしずかちゃんに協力してもらいます。
それでも勉強始めないのび太を、ドラえもんは見放してしまいます。
すると、のび太は大粒の涙を流しながら「許して!君に見放されたらおしまいだよ。どうやら僕は
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人いるらしいんだ。机に向かうまでは本当にやる気満々なんだよ。それが・
・
・机に向かった途端・
・
・コロッと人が変わって怠ける事しか考えない・
・
・
」とドラえもんに訴えます。
のび太の
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つの心、つまり怠け心を持った黒いのび太と、がんばり心を持った白いのび太が突き出されました。
そこから、何度も何度も黒いのび太と白いのび太が激烈に戦うことになります。
白の勝利を願えば、白が強くなります。白が勝利すると苦労は消えて、のび太はバリバリの頑張り人間になることができます。
でも、のび太が「少しぐらい昼寝をしたり、遊んだりしたいな」と考えると、黒いのび太が白いのび太をノックアウトしてしまいます。
黒いのび太に比較して、白いのび太はひ弱です。
しかし何度ノックアウトされても、よろよろしながら立ち上がる白いのび太の健気な姿を見て、ドラえもんは白いのび太を消さないように根気よく育てることが自分の天職だと考えるのです。
(
「のび太」という生きかた
横山泰行 アスコム
170
ページ引用)
この話では、森田理論で言うと生の欲望に関係があります。
不安に振り回されることがなく、生の欲望の発揮に向かうことができても、目的や目標に向かって精進を続けると言う事は並大抵の事ではありません。
高い壁に阻まれて意欲を失ってしまうこともあります。
また、人間は、もともと 「休みたい!楽をしたい!人が見ていないとサボりたい」という面もあります。つまり、のび太が言うように、常に黒い自分と白い自分がいます。しかし、ここで大切な事は何度ノックアウトされて、一方後退しても二歩前進していくという気持ちを持ち続けることです。目標は大きく実践目標は小刻みに着実に歩み続けることが重要です。
森田では不安に翻弄されることなく、生の欲望の発揮にまい進することを学びますが、生の欲望の発揮にはそれなりに乗り越えなければならないハードルが待ち構えているということだと思います。
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