森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.06.04
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森田理論の講話などを聞いていると「人と比較しないこと」が大事だと言われる。
今日はこの問題について考えてみたい。
私たちは普段誰でも、容姿とか、性格とか、能力とか、資格とか、地位とか、立場とか、権力とか、実績とか、名誉などといったものを他人と比較しています。そして一喜一憂しているのではないでしょうか。
人と比較するからこそ、自分のことが、より深く理解できます。
比べるものがないと、自分の特徴や能力を正しく認識することは難しいと思います。

これは海外旅行に行って感じることとよく似ています。
海外旅行に行くと、好むと好まざるとにかかわらず、日本という国や日本人と外国人を比較することになります。そしてお互いの違いについて考えるようになります。
例えば、ハワイに行くとなぜアメリカの人は半端でなく太っている人がいるのだろうか。
貧しいと言われている国の子どもたちの目が、どうしてあんなにキラキラと輝いているのだろうか。

どうして飲み物を注文すると入れ物のサイズがバカでかいのだろうか。
私がシンガポールへ行ったとき感じた事は、ホテルを出るときは必ずベットの上にチップを置いておくこと。また、街中でチューインガムを道端で吐き捨てると逮捕されるリスクがあるということだった。
シンガポールでは自分の家で料理を作るよりも、外食した方が安く上がるということだった。
外国に行くと珍しいことばかりで、唖然とすることによく遭遇します。

私は他人と比較して自分の特徴や能力を再認識するということはとても大事だと思います。
他人と比べて優れている点や、自分にもともと備わっている能力は、他人と比較しなかったらわかりません。しかし反面、他人と比較するということは、大きな弊害があります。
それは他人の長所や優れた能力と、自分の短所や自分の持っていない能力等を比較して落ち込んでしまうということです。比較して、自分と他人の違いを明確にするだけなら良いのですが、その次にどちらが良いとか悪いとか価値判断をしているのです。普通他人の優れた点と自分の劣った点を比較して自己嫌悪したり、自己否定しているのです。

自動思考で比較した後に、どちらが良いとか悪いとか価値判断することは問題です。
この2つの明確に切り分けることが必要です。
他の動物や他人と比較することは、自己洞察や自覚を深めていくために必要なことです。
ただし比較する場合は、違いを認識するだけにとどめておくことが大切です。

森田で言うところの「かくあるべし」で、物事を価値判断して、理想や完全主義を自分や他人に押し付けるということになります。
これが神経症を作り出す原因にもなっており、何としても避けなければなりません。
そのために森田理論では、 「かくあるべし」を少なくして、事実に基づいた考え方や生き方を推奨しています。
事実の観察、事実に基づいた言動、「純な心」の活用、私メッセージの活用などがあります。
放っておくと、人と比較してすぐに、是非善悪の価値判断をしてしまうのか人間の性ですので、よほど注意して生活することが大切です。





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Last updated  2024.06.02 07:53:45
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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