森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.08.22
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森田先生は、友達や親戚の不幸のお悔やみに行った時は、決して余計なことを言わない方がよいと言われている。
自分で経験もないものが、当て推量に、いろいろなことを言うのは大間違いの元である。
例えば、早く悲しみを忘れる方法とか、人間は誰でも死んでいくものだから気にしないほうがいいとかくどくどとお悔やみを述べる事はやめた方がいい。 「死んだ人はもう帰ってこないから、早くも諦めた方がいい」などは余計なことだ。
お悔やみに行った時は、お辞儀の仕方も、投げかける言葉も簡単なほどよい。
常に相手の人の時と場合に気をつけて、同情し、共感するように心がけ、決して余計なこと言わないのがいいのである。

形外会に参加されていた馬場さんという女性の方が次のように話されている。
昨年、主人が急に亡くなった時、他の人たちから、様々に慰められた時、私は「諦められるものではないですが、諦められないままに、時が解決してくれるのです」と言いました。
以前ならば、この人達の言うように、どうしたら、諦められるか、どうすればこの悲しみを忘れることができるかと、様々に苦しんだことでしょうが、森田先生のおかげで、そんな考えはなくなり、大変楽で、悲しみや苦痛もひどくはありませんでした。
お悔やみに来られた人が、おとなしく挨拶してくれれば、私も「ありがとうございます」と言って済ますことができます。


森田先生は先に子供さんや奥さんを亡くされたが、お悔やみも、簡単ならば、 「ありがとう」ですむが、しつこく言われるときには、私は黙って返事をしない。これによって相手に反省させるつもりである。それでも反省しない相手には反発することになる。(森田全集第5巻 285頁参照)

確かに葬儀に参列すると、葬儀前の慌ただしい時間にやってきて、喪主に対して長々と話をしている人がいる。
そういう人は、自分がいかに相手の身になって同情しているのかをアピールしているようである。
小さな親切、大きなおせっかいと言うような状態だ。親切の押し売りをしているようにも見える。
また、相手から聞かれてもいないのに、葬儀の段取りなどを説明している。
いかにも自分が親身になって相手のことを思いやっているのかを押し付けているように見える。
こういう人は、自己中心的で、時間や場所をわきまえるという気持ちがさらさらないようである。

喪主の人が親しい人であればあるほど、お悔やみの前に様々に投げかける言葉を考える。
できるだけ相手の心に響くような哀悼の気持ちがこもった言葉を用意するのである。
しかし実際には、相手も放心状態でそれどころではないのだ。
なかには参列してくれたこと自体を忘れていることもある。

葬儀に参列し、香典を渡すことに意味がある。これが本当の思いやりというものである。
当たり前の礼儀作法であると思う。

これは葬儀だけに限らないと思う。
集談会でも相手から聞かれてもいないのに、親切心でいろいろとアドバイスをすることがある。
こちらから話をするのではなく、相手から話をしてもらうことに力点をおいたほうがよいようである。





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Last updated  2017.08.22 06:36:25
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森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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