森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.12.11
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昨日の続きです。相談者にそのことを理解してもらうことが先である。
そこまでくれば、あとは森田療法によっていかにしてして対人恐怖症をいかに克服していくかという話をすることになる。傾聴、共感、受容は大切であるが、信頼関係ができたあとは、適切な助言に進まないと相手に不安や不満が残る。

まず、どんな不安や恐怖も時間が経てば、それが薄まったり、消えてなくなってしまうということを理解してもらう。これはどんな人でも経験されていることだ。学生時代に友達とけんかなどをした経験があっても、いまだに腹が立って感情が高ぶっているといることは、まずありえない。時間が怒りを自然に解決しているのだ。また、場所や環境を変えるだけでも不安は変化して、消長してしまうことも理解してもらう。いわば感情の法則の理解を深めるということだ。

次に新しい行動を起こすと、以前の不安や恐怖は次第に収まってくる。
新しい行動をとると、新しい感情が発生するという事を理解してもらう。
これは意外と見落としがちであるが、不安や恐怖の解消に一役買っている。

対人恐怖症の不安に取りつかれているときは、不安を1つに絞って格闘しています。
新しい感情が生まれると、以前の不安にばかり関わってはおられなくなります。
たとえば仕事中に何か問題が発生した場合、神経症の悩みは横において、問題解決に注意や意識を集中することになる。これを意識して行うことができるようになればいいのだ。

行動に弾みがついてくれば、以前の不安は変化してくるということが体験的に分かるようになります。
注意と意識を対人不安だけに向けるのではなく、目の前の仕事や日常茶飯事、興味や関心に向けるようにするとよいのです。
この時、対人恐怖症の人は、特に人の役に立つ行動が有効になる。
意識や注意が自己内省的、自己中心的に働く傾向が強いので、それを打破することにつながる。
自分のできるちょっとしたことで、人の役に立つことを見つける習慣を作ることだ。

この事を森田療法では、「生の欲望の発揮」と言っています。
その基本は、規則正しい生活をする。日常茶飯事を丁寧に行うということです。
興味や関心があれば、好奇心を生かしていろんなことに手を出してみるということです。
そういう習慣が身についてくると、次第に活動的になり、日常生活が好循環してきます。
それに伴ってもともとあった不安は次第に小さくなってきます。
この体験の後で、不安や恐怖がどのように変化してきたかを振り返ってみてください。


不安や恐怖をすべてなくすることを目指すことは不可能だということも理解する必要があります。
それはあなたに、人と仲良くしたい、人によく思われたいという強い欲求があるからです。
そのような強い欲望のある人は、強い対人不安が生まれるのは当然のことです。
不安と欲望はコインの裏と表のような関係にあります。
欲望の強い人は不安も強くなるのです。それは避けることのできないものなのです。

人と仲良くしたい、人からよく思われるたいという欲望の達成のためには、人に役立つことをどう手がけいくかということを常日頃から実践することが大事なのです。





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Last updated  2017.12.11 06:52:00
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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