森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.01.14
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私は友人とカラオケ店に行ったとき、自分の歌唱のどこに問題があるのか把握するためにビデオを撮りました。後で見返してみると、音程と安定感をそれぞれ2点程度高めることができると、全国平均に達することが分かりました。

ここでいう安定感は、音程が不安定に震えてしまっていないか、まっすぐに発音できているかどうかを採点しているということでした。
自分ではどこに問題があるか分かりませんが、ビデオに撮って第3者の立場から客観的に観察すると改善点ははっきり分かるようです。
対策としては、腹式呼吸とビブラートをかけることを意識する事でした。

それ以外に、ビデオを見ていてショックを受けたことがありました。
歌唱の最後に歌唱力の採点が発表されるのですが、そのときに「ああ、ダメだ」「悪すぎる」「最低だ」という言葉を、曲が終わるたびに連発していたのです。
85点以下の時はほぼ間違いなく否定的な言葉を発している。
今日はこの否定語の弊害について考えてみたいと思います。

このような否定的な言葉を聞かされた友達はイヤになったのではないかと思いました。


否定語には、「ダメだ」「悪い」「最低だ」以外にどんなものがあるか。
「間違っている」「改善しなさい」「限界だ」「これ以上はできない」「能力不足だ」「馬鹿だ」「耐えられない」「我慢できない」「もう打つ手がない」「救いようがない」「難しすぎる」「厳しすぎる」「運がない」「ついてない」「あきらめるしかない」などがあります。

国語辞典によると否定語は、そうではないと打ち消す言葉とある。反対することです。
それに対して肯定語は、その通りで間違いないと認めることです。賛成することです。
この方が人生に対して前向きになれます。希望が持てます。明るくなれます。

否定語を使うことが多い人は、それが習慣となっていて、物事の良し悪しを判断するときに、ほぼ毎回ネガティブ、悲観的、否定的に見下している場合が多いように思います。
始末が悪いことに、この実態が自分では全く分からない。無自覚です。これが問題です。
他人が親切心でそのことを忠告してくれても、「そんなことを言われる筋合いはない。そんなことを平気で指摘するあなたに、その言葉をそのままお返しします」などと言う。
それが自分だけならまだしも、配偶者、子供、友達、同僚、上司などにも向けられています。
それが習慣化している人は、人間関係が悪化します。
葛藤や苦悩を抱えて苦しむことになります。


この否定語を無意識に使いこなしているということは、森田理論の世界では無視できません。
それは、事実、現実、現状を「かくあるべし」という観念で価値判断して、絶対に容認しないという態度につながるからです。素直ではない。天邪鬼な態度です。
否定語を連発する人は、事実本位になれないので、益々神経症の克服から離れていきます。
苦渋に満ちた人生に甘んじることしかできなくなります。

これを実感するために、自分の会話などを録音や録画して第3者の立場から見ることが有効です。あるいは配偶者や親や子供や友達に、自分はどんな否定語をよく使っているか、素直な気持ちになって聞いてみることです。

人間関係がぎくしゃくする理由の一端が垣間見れるようになると思います。
ついでに言えば、みっともない何気ない仕草も見えてくることがあります。

そういう人は、 意識して肯定語を使うように心がけることです。
森田でいう形から整えていくようにするのです。
肯定語を使い慣れて習慣化することを目標とするのです。

「ありがとう」「感謝しています」「この次はきっと大丈夫だ」「成功するまであきらめないぞ」「頑張ってるよ。今のままで大丈夫だ」「またチャンスはやってくる」「たいしたもんだ」「課題がはっきりしてきた」「失敗の中に成功のヒントが見つかった」「ここは改善してみよう」「あきらめるには早すぎるぞ」「家族のためにも頑張るぞ」「英気を養って出直そう」「ここはよかった」「いいところもあった」「神様は乗り越えられない課題は与えない」「ここを乗り越えれば自信になるはずだ。自分は成長できる」「自分ならきっとできるはず」「運命を切り開いて、つきを呼び寄せるぞ」「力になってくれる人がいる」「絶対できる」「そうなんだ」

自分なりにそれぞれに納得できる肯定語をいくつか持っておくことです。
それを日常会話の中で使えるようになるまで繰り返すのです。
肯定語が習慣的に口をついて出てくるようになればよいと思います。

さらに、否定語が出る時は、事実を軽視している場合があります。
否定語が出てきそうなときこそ、 事実だけを述べることを心掛ける。
決めつけや先入観や思い込み、感情やイメージはご法度とする。
「かくあるべし」で良し悪しの判断を慎むようにする。
私のカラオケの場合でいえば、「85点か。全国平均は89点だ。平均まであと4点だ。
ロングトーンは満点に近い。得点をアップするためには安定感を改善すればよいのか」

誰が見ても能力もお金も知識も力もないからダメだろうと思われるような人でも、物事を肯定的に捉えている人には何とか応援してあげたいと思うものです。
それは相手が、一緒になって人生の困難に立ち向かおうというエールを発していることを感じるからかもしれません。





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Last updated  2021.01.14 06:46:23
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森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
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