森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.08.21
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森田先生のお話です。

犬にほえかかられた。
赤ちゃんは、母親に自分を投げ出して、これを頼り帰依する。
普通の人は、その犬の一挙一動に対して、逃げるか、立ちすくむか、追い払うか、自然に臨機応変の対応になる。恐怖の対象である犬に集中している。
神経質はこのどちらでもない。この恐怖に対して一時逃れの安心を得ようとして犬を見ないように、顔をそむける。
この時本人の注意はどこに向かうか、と言えば自分の不安の状態、すなわち自分の胸騒ぎ、脱力感とか、さむけやふるえとかいう事だけに集中し、心を奪われ、事実の対象を忘れ、自分の不安、恐怖の結果がどうなるかということが恐ろしくなる。

普通の人は犬に対して自己を忘れ、神経質者は犬を忘れて自己に執着する。
神経が内向するのである。外向きの場合は外界の事実に当面しているから、その事実が去ればまあよかったという歓喜が起こり、大丈夫という自信もできる。
内向的なものは自分の気分を目標としていて、気分は事実とは無関係にいつまでも自分に内在しているから、日夜その恐怖に悩まされるようになる。

そして、この気分に対する、恐怖、不安を中心として、様々な不安に広がって行くのである。(神経質の本態と療法 森田正馬 白揚社 180ページ)

煩悩の犬を追い払うにはどうすればよいのか。
森田先生は、「そのまま恐怖に当面しなさい。いたずらに恐怖を恐怖しないようにしてはならない」ということに帰着するといわれている。

「けっして恐怖を起こさないようにしようとか、忘れようとか、一時逃れの方法をとってはいけない。そのまま恐ろしいままに、自分の実際生活上やるべきことをやらなければいけない。そのために神経衰弱が起こるとか、精神錯乱することは決してない」
森田に「自然に服従し、境遇に柔順になれ」という言葉があるが、まさにこのことを言われているのである。

私は不安や怖い感情は自然現象なのでどうすることもできないので「あるがまま」に受け入れる。そのうえで、規則正しい生活習慣をつくり、小さな楽しみや感動、問題点や課題をできるだけ多く見つけ出すように心がけている。
人生の醍醐味は案外身近なところにあるのではないかと感じている。





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Last updated  2025.08.21 06:30:34
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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