森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.09.17
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森田先生は「修養」「自覚」という言葉を大切にされています。

「修養」とは、行動・実践を通して、これまでとは異なる「事実」を積み重ね、それが最終的には自分の「体験」となり、症状に支配されない生き方を身につけていくことです。
頭で理解するだけではなく、実際に体を動かし、感情を伴って経験することで、本当の意味で変化が起こります。

入院森田では、積極的に家事の体験をしてもらいました。
ご飯炊き、風呂を沸かす、動植物の世話、エサ集め、下肥の処理、掃除、整理整頓など多岐にわたります。
最初はおっかなびっくりの取り組みでしたが、弾みがついてドンドン積極的に取り組むようになりました。
さまざまな日常茶飯事に丁寧に取り組み、ささやかな成功を積み重ねて自信をつけて自己肯定感を高めることが可能になったのです。
神経質者は観念的に考える傾向が強いのですが、行動・実践・体験なくして悟りなしということになります。

他人が怖い、犬が怖い、高いところが怖い、飛行機に乗るのが怖いと思っているときに、ハードルの低いところから行動してみると、特に問題になるようなことは何も起きなかったという体験ができます。

そういう体験を積み重ねることで修養が進み人間的に一回り大きな自分に成長できます。

森田では、神経症的な苦しみの背景には「思想の矛盾」があると考えます。
観念と事実の間に横たわっている溝のことです。
例えば、「○○であるべきだ」「○○でなければならない」といったとらわれや、「こうなったらどうしよう」という未来への過度な取り越し苦労などがあげられます。
森田理論を学び、ネガティブな思考の癖や、感情や気分や症状をコントロールしようとする努力が逆に苦しみを増幅させていることに気づくことを自覚と言います。
森田理論では、神経症の成り立ち、神経質の性格特徴、感情の法則、認識の誤り、生の欲望、不安の役割、不安と欲望の関係、事実本位などを学習します。
これらの学習が自覚を深めるために大いに役立ちます。

「修養」と「自覚」は同時並行で取り組むことが有効です。
「自覚」によって認識の間違いに気づき、「修養」(行動や実践)によって新たな成功体験を積み重ねていく。
その繰り返しが生涯森田で目指すところとなります。

敬老会真っ盛りです。





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Last updated  2025.09.17 06:33:09
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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