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挿絵とか挿絵本が好きなので・・・『アール・デコの挿絵本』という本を復刻して読み返してみようと思ったのです。*********************************************************図書館で『アール・デコの挿絵本』という本を手にしたが・・・版画と造本に触れていて、大使のツボをクリーンヒットしているのです。それになにより、彩色挿絵の頁が多くて、きれいな本になっています。【アール・デコの挿絵本】鹿島茂著、東京美術、2015年刊<商品の説明>より■1920年代前後に登場したアール・デコの豪華挿絵本は、モード・ジャーナリスム隆盛を背景に、優れたイラストレーターや版画職人、裕福な購買層に支えられ、手間暇かけて少部数出版されたため、今日では稀覯本としてコレクター垂涎の的となっている。 ■本書は、イラスト、活字組版、複製技術、アート・ディレクションが一体となって生まれる総合芸術の魅力を、さながら実際にページを繰るがごとく、表紙から奥付まで、造本上の部位毎に項目をたて、役割や特色を、名作から厳選した実例を添えて解説。また、バルビエ、マルティ、マルタン、ルパップの挿絵本の中から、その世界観をじっくり味わえる傑作をテーマ別に多数紹介。 <読む前の大使寸評>版画と造本に触れていて、大使のツボをクリーンヒットしているのです。それになにより、彩色挿絵の頁が多くて、きれいな本になっています。Amazonアール・デコの挿絵本挿絵本といえば版画との関係が深いが、そのあたりにふれたところを見てみましょう。<ポショワールと板目木版>よりp92~94 アール・デコの挿絵本を支えた二つの版画技術ポショワールと板目木版。一流のイラストレーターと卓越した技術をもつ職人との幸福な出会いが、後世まで語り継がれる見事な挿絵を生み出した。■ポショワール 現代のように写真製版によって、原画を複製する技術が未熟だった20世紀初め、一流のイラストレーターたちが多用したのがポショワール技法だった。版画職人ジャン・ソデによって完成されたこの技術によって、鮮やかな色彩表現となめらかで均一な彩色が可能となった。■板目木版 木材を縦割りにした板を使う板目木版は、木目を効果的に生かして、シンプルながら大胆な表現が可能な版画技法。1922年、ジョルジュ・バルビエが初めて板目木版による複製技法で制作した『チビリスの歌』は、浮世絵の研究によって独自の技術を開発した彫り師であり刷り師のF=L・シュミットの手によって、造本芸術史上に残る大傑作となった。この本でもジョルジュ・バルビエの挿絵を多数紹介しているけど・・・ええでぇ♪ネットでジョルジュ・バルビエの画像を探してみました。ジョルジュ・バルビエの画像よりネットで、この本の著者・鹿島茂氏によるトークイベントを見つけたのです。2015/6/17稀代のブックコレクター鹿島茂氏が本を「解体」してまで見せたかった! アール・デコ挿絵本の美より2015年5月20日(水) 代官山 蔦屋書店にて、『アール・デコの挿絵本: ブックデザインの誕生』(東京美術)の刊行を記念して、著者のフランス文学者でブックコレクターの鹿島茂氏によるトークイベントが開催された。『アール・デコの挿絵本: ブックデザインの誕生』は、鹿島氏が所有する古書コレクションを例に、20世紀初頭のアール・デコ期につくられた豪華な挿絵本の楽しみ方を案内する一冊だ。本トークイベントでは、鹿島氏が新刊のテーマでもあるアール・デコの挿絵本の特徴と誕生の経緯を、日本の出版文化と比較しながら紹介した。<貴重な『アール・デコの挿絵本』を徹底解体!?> アール・デコとは、1910年代から30年代にかけてフランスを中心に世界的に流行した、装飾美術のスタイルのこと。この時代は、数々の上質の挿絵本が生まれた頃でもある。鹿島氏はこれまで、練馬区立美術館で2011年から2013年まで3回、「鹿島茂コレクション」として、30年以上にわたって収集してきた挿絵本や版画の展覧会を行ってきたが、そのうち2012年と2013年はアール・デコに特化していた。今回の書籍の刊行は、過去の展覧会での「限界」が発端だったという。「ケースに入れて本を展示するので、表紙を見せるか中の本文を見せるかの、どちらか一つしかなかったのです。既にボロボロになった本を数冊だけ、泣く泣く解体して展示しました。でも本のコレクターとしては、できればそれはやりたくない。しかし、こんなに美しい挿絵本を、全ページ見せたい。なんとかならないかなと思って作ったのが、この本なのです」(鹿島氏)こうした経緯から本書は、ヴァーチャルな「徹底解体」を行った。つまり、挿絵本の複数ページを掲載することで、読者がさながら挿絵本を手にするような感覚で読めるように編集されている。表紙やジャケットから始まり、次に見返し、フォ・ティトル(仮扉)、フロンティスピス(口絵)、オール・テクスト(別丁の挿絵)、ヴィニェット(文字と組み込んだ小さな挿絵)、キュ・ド・ランプ(章末および巻末の空白部を埋める小さな挿絵)、巻末目次、限定部数を示したジュスティフィカシオン・デュ・ティラージュ(限定刷り詳細)と、アール・デコの挿絵本の構造を理解することができる。
2023.06.30
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図書館で『不謹慎な旅』という本を、手にしたのです。副題が「負の記憶を巡る「ダークツーリズム」」となっているのだが・・・ぱらぱらとめくると、戦中から戦後にかけての不幸なエピソードが並んでいて、ついチョイスしたのです。【不謹慎な旅】木村聡著、弦書房、2022年刊<「BOOK」データベース>よりそこを訪ねてみなければわからないことがある。忘れてはならない戦跡や被災地、公害・差別・事故現場で耳を澄ませる。現地の人々の声を写真とともに伝える渾身のルポ!!<読む前の大使寸評>副題が「負の記憶を巡る「ダークツーリズム」」となっているのだが・・・ぱらぱらとめくると、戦中から戦後にかけての不幸なエピソードが並んでいて、ついチョイスしたのです。rakuten不謹慎な旅 昨今では、高い気温、梅雨前線がもたらす湿気で記録的な降雨が発生して、防災インフラの能力ではおっつかないケースが頻発するようになりましたね。この本で、吉野川の防災資源が語られているので、見てみましょう。<川には矛盾が流れる>p47~49 そこは“暴れ川”のほとり。高い台座の上に石地蔵がいた。近所の人が「うつむき地蔵さん」と呼ぶそれは、少し目線を下げてほほ笑み、ポツンと道端に座っている。 江戸後期の文化8(1811)年造立とある。聞けば、洪水のたびに地蔵が水に浸かり流されてしまうのがかわいそう、申し訳ないとの思いから、当時の人々が高所に据え直したのだそうだ。ちょっと高みから土地の暮らしを見守る地蔵尊の姿は、阿波徳島の人たちとの心やさしき情景である。■堤防を築かなかった川 台座に乗った独特の「高地蔵」は、吉野川の下流沿岸では数多く見られる。上流の高知県の山に大雨が降ると、中下流の徳島平野を鉄砲水が襲い、一挙に氾濫を起こす吉野川。流域はくり返し洪水に苦しめられてきた歴史を持つ。高地蔵の由来にひそむのは、そうそうやさしい物事ばかりじゃない。 高地蔵が建てられた時期は記録的な洪水被害が出た江戸後期から明治にかけてが多く、また地形的に土地が低く浸水しやすい場所ほど台座が高いという。台座高1メートル以上の高地蔵は190ヵ所。地図上に並べると、国土交通省作成の「洪水浸水想定区域図」とピタリ一致する。徳島大学環境防災研究センターの上月康則教授は、「水害の警鐘として、高地蔵は現代人も理解しやすいシンボル」と話す。 もっとも高いものは先のうつむき地蔵(徳島市国府)だ。約3メートルの台座、全高は4メートル超。想定される浸水水位が2~5メートルの洪水常襲地区にあって、その高さはいまも洪水時の目安になる。点在する高地蔵それぞれは、先人が遺してくれた貴重な“ハザードマップ”と言えるかもしれない。 吉野川の洪水は、長らくこの川に堤防が築かれなかったことも要因だ。江戸時代、徳島藩は台風襲来と収穫時期が重なる稲作より藍の生産を奨励した。藍の栽培は地力を奪い連作を嫌うが、吉野川の氾濫は沃土を運び、いつでも藍が育つ豊かな土壌に流域を変えた。莫大な富を生み阿波国の経済を支える藍生産のため、藩はあえて川の水をあふれさせる「無堤防政策」を続けたのである。 吉野川中流、美馬市の舞中島地区は毎年のように吉野川の濁流にのまれ、ゆえに阿波国有数の藍産地となった。対岸の脇町は吉野川の水運も利用し阿波藍の集散地として栄える。災害を運ぶ一方、人力およばぬ恵みをもたらす川。背反する事象がそこに流れていることを人は知る。無堤防政策は暴れ川を前になすすべのない藩の「言い訳」だったとも語られるが、ただ無意味に無抵抗に自然災害を受け入れていたのではなさそうだ。
2023.06.30
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図書館に予約していた『羊と日本人』という本を、待つこと5日ほどでゲットしたのです。日本の緬羊史・・・なんじゃそれというテーマではないか、でもジンギスカン料理が好きなこともあって、予約したのです。【羊と日本人】山本佳典著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より明治維新、植民地朝鮮、農村恐慌、満蒙開拓、御料牧場、三里塚…忘れられた日本の緬羊史を在野の若手研究者が独自の視点でとらえ、執念とも言える膨大で緻密な調査と関係者への聞き取りで浮かび上がらせた、渾身のノンフィクション。<読む前の大使寸評>日本の緬羊史・・・なんじゃそれというテーマではないか、でもジンギスカン料理が好きなこともあって、予約したのです。<図書館予約:(6/17予約、副本1、予約1)>rakuten羊と日本人「第6章 復興を支える」に戦中、戦後の開拓および引揚げのシーンが出ているので、見てみましょう。p235~240<敗戦難民> 1945(昭和20)年8月15日の敗戦により、国内外に居住する多くの国民が混乱に陥った。特に外地に居住する人々は、自分たちが一夜で難民と化したことを受け入れ、身の安全を確保しなければならなかった。 満州国建国後から開拓民入植地の調査を行い、満州拓殖公社や満州国立開拓研究所を通じて開拓事業に携わり続けた中村考二郎は、晩年に記した『原野に生きる―ある開拓者の記録』(開拓使刊行会)で悲劇に至った1945年の時局認識とソ連侵攻を振り返っている。「非常時局に際して、万一にも国防線が後退する場合には、まず日本人開拓民を始めとする在留日本人を安全線内に後退させ、その後に抵抗線を後退させるものと万人が常識的に考えていたことは当然であった。/しかるに現実には国際政局の微妙なる動きと関連し、軍の方針は当然のごとく極秘に附されており、開拓関係当局はほとんど俗にいうつんぼ桟敷に置かれた格好であり、また日満両国の開拓最高機関に、昔式の逆艪の用意を全く欠いていた。/しかもソ連軍が満州の東、西、南の三正面から雪崩を打って侵入して来た時期は、軍当局の予想より約1ヶ月も早く、まったく手の打ちようもなかったのが現実であった。/加うるに開拓民を根こそぎ軍に動員することは、最終時期までつづけられ、開拓地における引揚げ対策をやたらに混乱させるに役立っただけである。はなはだしきに至っては、ソ連軍が国境に殺到した8月9日に至っても、なお東部国境に近い開拓団に最後の招集が下令され、開拓民は狂乱する家族を後に招集部隊に馳せつけたものの、その時点には応召部隊はすでにもぬけの殻となっていたため、ふたたび開拓地に引き返し、混乱する家族を引きまとめて苦難の引き揚げに出発するというがごとき不手ぎわがいたるところに演じられて、引揚げ中の開拓民とその家族に、やたらに損害を与える結果となった。」 満州開拓全体の送出人数は約27万人、そのうち命を落とした人は約8万人と言われる。北満に入植した開拓団の引揚では、いくら紙幅を割いても書ききれない数多の惨劇が敗戦の混乱のなかで生じた。そのことは、苦難を乗り越えた引揚者の先陣たちが記憶を辿って綴った記録の各所に見ることができる。 五族協和のユートピアを目指して拓かれた龍爪緬羊牧場に隣接する龍爪開拓団も、9日未明のソ連侵攻の急報を受けて南への避難が議論された。しかし団長の和田章蔵はあくまで龍爪に留まり、そこに骨をうずめるという考えで、退避の号令は8月12日のぎりぎりまで控えられたが、差し迫る危機に団員からの養成を受け入れ、ようやく逃避を決定した。食料や生活品を駄車に載せた千人もの難民を引き連れて龍爪をあとにしながら、もう二度と帰らぬと振り返って涙していた和田団長の姿が、生きて故郷に戻った人々の記憶に残っていた。 龍爪開拓団は、逃避開始から2週間後の8月25日、キャランスキー製材所という場所で解散したという。「ことここに至っては団体行動はもう駄目だ。開拓団は解散して各人自由行動に移るほかに道はない。各人は1日でも早く祖国に帰り、祖国の再建に役立ってもらいたいと思う」と和田団長が挨拶し、そこから先は各自の意思で判断していくことになった。移動を開始してから1ヶ月もの間、ソ連兵や現地民の強襲を避けて山中を彷徨い歩き、食糧はとうに無く、山中で生まれた子は母乳のあてもなく捨て置かざるを得ず、体力のない者から命を落とす苦難をただ生き抜くほかなかった。 やがて上空から「日本は降伏した」という「伝単」が撒かれ、山中からソ連兵の元へ降伏していった。和田団長は自分の意思を貫いて龍爪に戻り、引揚げも近づいた頃に病死して北満の土となった。 捕虜となった人々は無蓋車にすし詰めに乗せられ、「新京」から「長春」へと名前を戻した街でそれぞれ小学校などの収容所に送られた。過酷な冬を衣食住不測のまま過ごしたため、疾病や栄養失調によって多くの命が失われ、亡骸は大きな公園の凍てつく土の下に埋められた。累計在籍数1254人を数えた龍爪開拓団で戦後生存が確認されたのは575人だった。満蒙開拓に関するネット情報では満洲国の「理想」というサイトが充実しています。ちょっと驚いたことですが、100ページほど割いて主要参考文献と注の情報が、延々と続いていて論文のような装丁になっているのです。本書は著者の初めての著書とのことですが・・・その詳細な取材にはジャーナリストの執念が伝わってくるのです。
2023.06.29
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図書館に予約していた『小川さゆり、宗教2世』という本を、待つこと2ヵ月ほどでゲットしたのです。国会の法案の審議にも参考人として証言した根性が、ええではないか♪【小川さゆり、宗教2世】小川さゆり著、小学館、2023年刊<「BOOK」データベース>よりなぜ彼女は「涙の告発」を決意したのか?「神の子」じゃなく私として生きたい。両親や教会からの妨害に負けず、統一教会での体験を明かす覚悟の手記。<読む前の大使寸評>国会の法案の審議にも参考人として証言した根性が、ええではないか♪<図書館予約:(4/06予約、副本1、予約5)>rakuten小川さゆり、宗教2世「おわりに」にカルトの実態や著者の心構えが語られているので、見てみましょう。p213~218<おわりに 恨むのではなく許したい> 外国特派員協会での会見からほどなくして、私は27歳になりました。その誕生日に、父と母から荷物が届きました。じゃがいもと昔よく好んで食べていたカップラーメン、お風呂の入浴剤と共に、両親からの手紙が入っていました。 母は「愛がないお母さんでごめんね。淋しい思いをさせて本当にごめんね」と書いていました。 父からの手紙には、私がそれまで知らされていなかった母と祖母の葛藤について綴られていました。 若かりしころの母は、高校を出てからスーパーで働いた給料を祖母に毎月全部渡し、祖母はそれを定期預金に入れ、母には毎日昼食代として1000円を渡していたとのことでした。母が祖母に渡した金額は300万円くらいになるだろうと父は書いていました。「29歳でお父さんと祝福を受けるときに費用とか感謝献金がいるので、あのころ渡していた給料から出してもらえないかとばあちゃんに頼んだそうだ。ばあちゃんからの返事は『そんなものあるか。全部〇〇(祖母が入信していた宗教団体)に献金した。いまごろ何言ってる。頭かち割ったろか』だった」 この悲しみは私の家族にとって初めてのことではなかったのか。父からの手紙の内容が真実であれば、祖母と母の間で起きたことが、自分と母の間にも繰り返されていたのかと驚きました。 人はどうして神様を信じたいんだろう。どうして宗教にすがってしまうのだろう。脱会してからも、私は何度もそのことばかり考えていました。 結局、人は拠り所となる何かが必要なのでしょう。それは神様だけではなく、人や物に依存する人もいます。 社会での人間関係がうまくいかないということも、宗教にはまり込むきっかけになると思います。 以前、妻が統一教会の信者で、高額の献金により家庭が崩壊し息子さんが自殺してしまったという橋田達夫さんという方にお会いしました。橋田さんの妻は高知から大阪に引っ越しされたとき、周囲に友達が誰もいなくて不安だったといいます。そんなとき、統一教会のような宗教には、「優しい人」がたくさんいます。集会などに行くと本当に優しく受け入れてくれます。 寂しさを抱えていたり、人間関係に不安を抱いたりしているとき、そうやtって輪のなかに入れてくれる彼らの存在は大きな力を持っています。誰かとかかわりたい、人の輪に入りたいという人間なら誰もが持っている思いに、統一教会のような宗教はすっと入り込んでくるわけです。(中略) 母は幼少期、友達がいなくて孤独な人だったと聞きました。動物が好きで、ひとりで山登りをしていた母は、統一教会に入って初めて友達らしい友達ができたと言っていました。 私が国会に参考人として出席して、被害者救済法案が可決されたとき、結果的に内容に不足はあったかもしれないけど、「奇跡のようなことだ」と思いました。自分の発信もささやかながらに、世の中の変化に寄与していけることに驚きました。(中略) いま思うのは、神様の存在を自分で確かめるには、人生は短すぎるということです。 それぞれが自分の神様を信じたり、信じなかったり自由にできる。そして、その神様は人を傷つけない神様であってほしい。そんな当たり前のことを願うばかりです。『小川さゆり、宗教2世』1:安倍首相の銃撃事件
2023.06.29
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図書館に予約していた『70歳の正解』という新書を、待つこと9ヶ月ほどでほどでゲットしたのです。老年医学の第一人者が説く老人向けの「老後の要領」が興味深いではないか。【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>老年医学の第一人者が説く老人向けの「老後の要領」が興味深いではないか。<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解「第6章 死ぬまで勉強の正解」でブログ発の出版が語られているので、見てみましょう。p174~177<本を書くための設計図の描き方> では、本を1冊書くために、何をどう勉強しはじめればいいのか?この項では、その参考に、本を書く実践テクニックからご紹介してみましょう。 まずは、本を書くためには、テーマが必要です。そのテーマは、あなたが最も興味があること、勉強したいことでOKです。ただし、それを将来、売り物にする(本にする)ためには、「具体性」が必要です。テーマは具体的であればあるほどベターです。 たとえば、あなたが日本史好きなら、「日本史→戦国時代史→戦国大名→織田信長→その兄弟」というように、テーマを絞っていくのです。 今どき、「織田信長」をテーマに素人が原稿を書いても、まず出版業界からは相手にされないでしょう。ところが、たとえば、信長の兄弟姉妹の人生が、信長という「魔王」によって、どのように翻弄されたかを調べれば、出来によっては、プロが注目する企画として成立するかもしれません。 より実践的にいうと、老後、本を書くための最も手っ取り早い方法は、「現役時代の専門」について、1冊書くことです。たとえば、「半沢直樹」シリーズの著者の池井戸潤さんは、小説家としてデビューする前は、優秀なビジネス書のライターでした。 池井戸さんは、その頃のことを振り返って、「自分のしていたことについて吐き出すだけだから、さほど難しいことはなかった」という意味のことを語っています。「リタイアしたら、最も学びたいことを書く」「現役時代の知識・経験をシェイプアップして書く」・・・どちらの道でもいいのですが、テーマが決まれば、次は「コンテ」を作ることです。 コンテはいわば「本の設計図」であり、コンテ作りの命ともいえる作業です。いいコンテさえ書ければ、それを1冊にすること、具体的にいえば、400字詰め原稿用紙250枚以上を書くことは、そう難しいことではありません。まさしく、「本作りはコンテ作りが9割」だと、私は思っています。 私は、本のテーマが決まったあとは、次のようにコンテを作っています。 1.まず、仮タイトルをつける 2.次に、章立てを考える 3.各章に書きたいことの「小見出し」を書き出してみる すると、À4、2枚程度の「ラフな目次」ができあがります。ウン 多数の著書を出している和田さんのハウツーだけあって、納得しますね♪あとはすっきり書ける文章のコツ80などを参照して、コンテ作りに踏み出すだけでんがな。
2023.06.28
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図書館に予約していた『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』という本を、待つこと7日ほどでゲットしたのです。米中が対峙する境界線といえば、台湾海峡と南シナ海であり、インドを加えた日米豪印クアッド(QUAD)は対中防衛軍でもあるわけで・・・必読書とも言えるこの本をチョイスしたのです。【南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史】ビル・ヘイトン著、河出書房新社、2015年刊<「BOOK」データベース>より境界線と領有権の「なぜ」を詳説!人工島の拠点化、緊張する周辺国、衝突の危険と不測の事態。「南シナ海の歴史」は「世界の歴史」であり、その未来は世界の関心事だ。ここで起こることは世界の未来を決めることになる…歴史、国際法、資源、政治、軍事など、あらゆる角度から解説する必読書。<読む前の大使寸評>米中が対峙する境界線といえば、台湾海峡と南シナ海であり、インドを加えた日米豪印クアッド(QUAD)は対中防衛軍でもあるわけで・・・必読書とも言えるこの本をチョイスしたのです。中国外務省の報道官は「クアッドは時代遅れの冷戦思考に満ちており、軍事的な対抗の色彩が強く、時代の流れに逆行し、人々の支持を得られない」とけん制しています。<図書館予約:(6/09予約、副本2、予約1)>rakuten南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史「エピローグ」で、南シナ海の平和共存を、見てみましょう。p357~359<エピローグ> 2014年3月、マレーシア航空MH370便からの連絡が途絶えると、ただちにベトナム、中国、フィリピン、シンガポール、インドネシア、タイ、アメリカの船が南シナ海で生存者の捜索にかかった。海上でこのような協力が見られるのはかつて例のないことだった。 しかし、墜落したとみられる場所がもっと南東寄りだったら、見苦しい国際的な論争が始まっていたかもしれない。「U時型ライン」の内側では、いかなる捜索救難活動も時刻が主導すると中国が主張し、中国の主権を認めることになってはたまらないと、他の国々は協力を拒否していただろうからだ。しかし今回は、領有権の問題がおおむね解決されている海域での事故だったおかげで、関係国すべてが協調して作業にあたることができた。 このような事例が積み重なれば、南シナ海に平和共存の新時代が開かれる・・・そう考える楽観主義者もいるかもしれない。信頼感が生まれ、自信が深まり、好循環が始まるというわけだ。実際的な協力はつねに喜ばしいことだし、正しい方向への一歩なのはまちがいないが、根本的な対立が解消されないかぎり、平和はたえず領土問題におびやかされることになるだろう。 事実、MH370便の自己から2ヶ月とたたないうちに、協力は衝突に変わった。パラセル諸島沖で中国が石油を採掘しようとし、それにベトナムが抵抗したのである。この地域はふたたび、衝突から破滅に向かいつつあるように見えた。当事国の一方が、海の果ての環礁から他方を追い出そうとして武力を用いる可能性があるし、また米中の戦略的な対立から摩擦が生じ、その摩擦が思わぬところで火を噴く可能性もある。どこかで火の手があがれば、たちまちほかの場所へも飛び火して、好循環が悪循環に早変わりするだろう。 南シナ海に島がひとつもなかったら、なんの問題も起こらなかっただろう。占拠すべき土地もなく、この土地がだれのものと言っても意味がなく、広大な海の領有権を主張する根拠もなく、重要な国際航路を封鎖する手段もなければ、戦略的アクセスに関するいさかいが起こることもなかっただろう。しかし、これらの豆粒のような土地から歴史的な議論が生じ、現代的な海域への利権が生じ、国際的な威嚇競争の舞台が生まれる。 そしてその舞台では、一国のステータス、というよりその国を運営するエリートのステータスが、外国から、さらに重要なことには国内からも、そこでの演技によって判定される。 これらの海上の土地を所有して実際的にどんな利益があり、どれだけ費用がかかるのか。それに関する具体的などんな計算よりも、心理的・認知的影響のほうが優先される・・・ここはそういう意味なのだ。 南シナ海における中国の主張は、戦略的ポーカーゲームでの壮大なはったりにすぎないという見かたもある。テーブルの座席を確保し、観客を感心させるためだけにやっているのだと。私はこの問題はもっと根が深いと思っている。小学校から政治局まで「U時型ライン」は世俗の宗教になっている。この神話の起源は、帝国から共和国に移行するさいの中国の混乱の歴史にあり、容易なことでは振り払えないだろう。 はるか海中の岩礁の帰属が、国内問題から目をそらせたい指導者にとって完璧なめくらましになるいっぽうで、政府が大言壮語のレベルを上げれば上げるほど、あがった梯子をおりて地道な決着をつけるのがむずかしくなっていく。「U時型ライン」は、今後も東南アジアの国際関係を毒しつづけるだろう。20世紀を通じて、ナショナリズムに駆られた地図制作者たちが政治的な地図を作りつづけたせいで、新たな「アジアの世紀」はおびやかされ、何十億という人々にいやます繁栄をもたらすチャンスが危うくなっているのだ。『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』2:南シナ海の海洋資源『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』1:「九段線」の根拠
2023.06.28
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図書館で『室町は今日もハードボイルド』という本を、手にしたのです。この本の副題が「日本中世のアナーキーな世界」となっているが・・・・面白そうなのでチョイスしたのです。【室町は今日もハードボイルド】清水克行著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より僧侶は武士を呪い殺し、農民は合戦を繰り広げ、浮気された妻は相手の女を襲撃するー。あなたたち、本当にご先祖様ですか?数々の仰天エピソードから浮かび上がる中世の日本人像は実は凶暴でアナーキーだった!想像の斜め上を行く驚愕の日本史エッセイ。<読む前の大使寸評>この本の副題が「日本中世のアナーキーな世界」となっているが・・・・面白そうなのでチョイスしたのです。rakuten室町は今日もハードボイルド北条政子(「鎌倉殿の13人」より)「第3部 中世人、その愛のかたち」で中世人の恋愛が語られているので、見てみましょう。p129~137<第9話 婚姻のはなし>■女たちの復讐「みなさんは“うわなり打ち”って聞いたことありますか?」 この問いかけで始まる授業を、私はもう何年繰り返しただろう。大学の教壇に立ってかれこれ10年以上になるが、毎年、大教室の講義で話題にすると妙に盛り上がるのが、このネタである。漢字で「後妻打ち」と書いて、「うわなりうち」と読む。その内容を簡単に説明すれば、こういうことになる。 妻になる男性が別の女性に浮気をする。というのは、好ましいことではないにせよ、現代でも時おり耳にする話である。しかし、これが「浮気」でなく「本気」になってしまったとき、悲劇は起こる。夫が現在の妻を捨てて、べつの新しい女性のもとに走る。そんな信じがたい事実に直面したとき、現代の女性たちならどうするだろうか? ただ悲嘆に暮れて泣き明かす?証拠を揃えて裁判の準備?週刊誌に告発?あまい、あまい。そんなとき、過去の日本女性たちは、女友達を大勢呼び集めて、夫を奪った憎い女の家を襲撃して徹底的に破壊、ときには相手の女の命を奪うことすら辞さなかったのである。 これが平安中期から江戸前期にかけてわが国に実在した、うわなり打ちという恐るべき慣習である。(中略)■“女傑”北条政子 うわなり打ちを行った人物として、おそらく史上最も有名なのは、北条政子(1157~1225)だろう。源頼朝(1147~99)の“糟糠の妻”として鎌倉幕府の創業を陰で支え、頼朝死後は“尼将軍”として幕府に君臨した、いわずと知れた女傑である。 まだ頼朝が平家を滅ぼす以前の話。頼朝と政子は親の反対を押し切って駆け落ちのすえゴールインしたとされる相思相愛の夫婦だったのだが、ただひとつ、頼朝には浮気性の悪癖があった。頼朝は政子という妻がいながら、かねて亀の前という名の女性を愛人にして、彼女の身を密かに家来のもとに預けていたのである。不遇時代を政子に支えてもらった義理もあって、頼朝は政子には生涯、頭が上がらなかった。 そこで彼の浮気は隠密裏に進められていたのであるが、ちょうど政子が出産のために別の屋敷に移ったこともあって、頼朝の動きは公然となった。鎌倉幕府の歴史書『吾妻鏡』によれば、亀の前は「*1」とされるから、“女傑”政子とは正反対のタイプの女性だったのかも知れない。 ところが、この浮気の事実が出産を終えた政子の耳に入ってしまったから、大変である。怒った政子は、寿永元年(1182)11月、牧宗親という配下の者に命じて、亀の前を庇護している伏見広剛の屋敷を襲撃させる。驚いた伏見は亀の前を連れて、命からがら大多和義久という同僚の屋敷に逃げ込むことになる。このとき、もし伏見の機転が利かなかったら、亀の前はさきの上原郷の下女のように殺されてしまったかも知れない。 この事件を聞いて顔面蒼白となったのは、他ならぬ頼朝である。浮気がばれた・・・。しかも政子、すごく怒っている・・・。さいわい愛人の命が無事だというのは救いだ。とはいえ、政子の手前、すぐに駆けつけるわけにもいかない・・・。 震えて眠る夜を二晩過ごし、頼朝は翌々日を待って、亀の前が匿(かくま)われている大多和の屋敷に、いそいそと駆けつける。しかし、このとき頼朝は一計を案じ、実行犯である牧宗親を騙して大多和屋敷まで同行させることを忘れなかった。 そうとは知らず、頼朝にノコノコついていった牧は、大多和の屋敷で伏見と不意の対面をさせられる。唖然となって言葉を失う牧に向かって、頼朝は、烈火のごとく怒って、こう言い放つ。「政子を大事にするのは大変けっこうなことだ。ただ、政子の命令に従うにしても、こういう場合は、どうして内々に私に教えてくれなかったんだ!」(中略) 恐懼(きょうく)して地べたに頭を擦りつけて謝る牧に対して、頼朝の怒りはなおも収まらず、ついにみずからの手で牧のマゲをつかんで、切り落としてしまう。当時の人々にとってマゲを切られるのは最大級の屈辱である。気の毒にも牧は泣きながら、その場を逃げ去ったという。なんとも頼朝の器の小ささがうかがえる、みっともないエピソードである。*1:亀の前の説明が載っていたのだが、この本を図書館に返却してしまったので、もう分かりません(汗)『清水克行さん「室町は今日もハードボイルド」インタビュー 自粛しない人々の正義感がお奨めの書評です。『室町は今日もハードボイルド』1:悪口のはなし
2023.06.27
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図書館で『室町は今日もハードボイルド』という本を、手にしたのです。この本の副題が「日本中世のアナーキーな世界」となっているが・・・・面白そうなのでチョイスしたのです。【室町は今日もハードボイルド】清水克行著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より僧侶は武士を呪い殺し、農民は合戦を繰り広げ、浮気された妻は相手の女を襲撃するー。あなたたち、本当にご先祖様ですか?数々の仰天エピソードから浮かび上がる中世の日本人像は実は凶暴でアナーキーだった!想像の斜め上を行く驚愕の日本史エッセイ。<読む前の大使寸評>この本の副題が「日本中世のアナーキーな世界」となっているが・・・・面白そうなのでチョイスしたのです。rakuten室町は今日もハードボイルド「第1部 僧侶も農民も! 荒ぶる中世人」で中世人の実態が語られているので、見てみましょう。p13~17<第1話 悪口のはなし>■戦国なぞなぞ のっけから、楽しい「なぞなぞ」を一つ。 母は二度会うけど、父とは一度も会わないもの、な~んだ? これは戦国時代に書かれた『後奈良院院御撰何曾』という、なぞなぞ本に書かれている問題である。原文は「母には二たびあひたれども、父には一度もあはず」である。わかるかな? 正解は、「くちびる」。なぜなら、「母」と発声するときは唇は二度触れ合うけど、「父」と発声するときは唇は一度も触れ合わせることがないから。どうです? ・・・え? 腑に落ちない? そう。自分で発声してみるとわかるが、残念ながら「ハハ」も「チチ」も、どちらも発声する際に唇は一度も触れ合わないのである。これでは、まったく「なぞなぞ」にならない。いったいどういうことなのだろうか。 では、本当の答え合わせをしよう。じつは、戦国時代以前と以後では、「はは」という言葉の発声の仕方は異なっていたのである。現代では「はひふへほ」はそのまま「ハ(ha)・ヒ(hi)・フ(hu)・へ(he)・ホ(ho)」と読むが、戦国時代以前の日本語では「ファ(fa)・フィ(fi)・フ(fu)・フェ(fe)・フォ(fo)」と読んでいたらしいのである。だから、「母」は「はは」ではなく、当時は「ファファ」。そう読めば、「母」と発声しようとすれば、いやでも唇が二回触れ合うことになる。 信じられない人は、あたりに他人がいないことを確認したうえで、自分で声を出してみてください。ね? ちゃんと口が閉じるでしょ? ちなみに、江戸後期の国学者、本居内遠(本居宣長家の三代目)も、このなぞなぞの意味がわからなかった。苦心して、母は「歯々」、父は「乳」の意で、「くちびるで自分の歯に上唇・下唇で合計二回触れることはできるけど、自分で自分の乳首を一回も吸うことはできないから」という、トンチンカンな解答を書き残している(「後奈良院院御撰何曾」)。残念!本居先生、ちょっと考えすぎ! ここからもわかるように、江戸後期になると、「はひふへほ」は現代と同じ「ハヒフヘホ」と発音するようになってしまっていたため、かの本居家の家督を継ぐ大国学者でも、このなぞなぞの意味が理解できなくなってしまっていたのである。 以前、歴史ドラマの時代考証の仕事をやったとき、徹底的に史実に忠実なドラマを、という制作側の要望に応えて、この「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」の発音の完全再現を真面目に提案したことがあるが、さすがにイヤな顔をされた。「本能寺(ふぉんのうじ)に火(ふぃ)の手が!」「なに、謀(ふぁか)られたか!」では、やはり緊迫感がなさ過ぎるか・・・。 ドラマや映画などでは現代人の俳優がもっともらしく義経や信長を演じていて、鎌倉~戦国時代は、私たちにも身近に感じる時代である。しかし、言葉や発音の麺だけをとっても、江戸時代以降の日本人と、その前の日本人では、だいぶ異なっていた。 現実に私たちが戦国時代の人々と出会ったら、同じ日本人とはいえ、そもそもリスニングにかなりの困難がともなうはずである。今日は、そんな現代とは異質な日本中世の「ことば」の問題、それから「母」をめぐる、ちょっとした謎について考えてみたい。■謎の悪口「母開」 少しまえからインターネットやSNS上のヘイト発言や罵詈雑言が目に余るようになった。自分はいったい何様のつもりだ、というような“上から目線”の発言の数々は、正直いって、かなり見苦しい。ただ、そこで展開されている悪態の数々は、冷静になって見てみると、「氏ね」とか「厨房」とか「マジキチ」とか、「左巻き」「ネトウヨ」「マスゴミ」とか・・・。 どれもこれも、どこからか借りてきたような紋切り型の表現ばかりではないだろうか。いわれた側もさすがに唸ってしまうような絶妙な表現にネット上で出会うことは、ほとんどない。そもそも日本社会はあまり悪口や罵倒語のボキャブラリーが多くないとは、よくいわれるところである。 1960年代後半に作家の筒井康隆が「悪口雑言罵詈讒謗私論」というエッセイを書いて、日本語の悪口語彙の列挙、分類を試みたことがある(『筒井康隆全集』第9巻所収)。それなどを読むと、さすがは筒井康隆、よくぞこれだけの悪口が思いつくものだ、と感嘆させられる。しかし、こちらもよくよく読み返してみると、半世紀以上前の作品だけあって、いまや死語となってしまったものも多数含まれている。「ラリ公」とか「フラッパー」とか「パン助」とか、現在の若者には、それが悪口であるかどうか識別するのも難しいだろう。 また、そこにあげられた言葉の大半は動物名(いぬ)や植物名(もやし)など、それ単独で悪口と分類するには躊躇を覚えるものばかりだ。やはり、総じて日本語が少ないというのは、これを見ても当たっている気がする。
2023.06.27
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図書館で『太平洋戦争への道1931‐1941』という新書を、手にしたのです。表紙に名前が出ているお三方は、日本のリベラルな論客とも言えるような人選であり・・・チョイスしたのです。【太平洋戦争への道1931‐1941】 半藤一利, 加藤 陽子著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より2017年の終戦の日にNHKラジオで放送されて話題を呼んだ鼎談に、保阪正康の解説と図版・写真を加えて再構成した「開戦八十年企画」。1931年の満州事変から、1941年の真珠湾攻撃へ。昭和日本が犯した「最大の失敗」に至る道筋を六つの転換期から検証し、私たちが学ぶべき教訓と、令和日本が進む道を提言する。<読む前の大使寸評>表紙に名前が出ているお三方は、日本のリベラルな論客とも言えるような人選であり・・・チョイスしたのです。rakuten太平洋戦争への道1931‐1941 かなり、中抜きというか、飛ばしてしまいますが・・・「第3章 言論・思想の統制」でテロの時代が語られているので、見てみましょう。p95~100<1931五・一五事件―1936二・二六事件> 満州事変の翌年の1932年(昭和7年)、日本国内では、テロ事件が相次いでいました。 右翼団体の血盟団によって、前大蔵大臣の井上準之助と三井財閥の団琢磨が暗殺されました。その2ヶ月後、五・一五事件では、海軍青年将校の一団が総理大臣官邸を襲撃し、犬養毅総理大臣を暗殺しました。 陸軍士官学校生や農本主義者らも参加し、内大臣官邸や警視庁なども同時に襲撃しました。国家改造を目指すとして引き起こされた事件は、日本社会を大きく揺るがしました。*********************************************************■五・一五事件が社会に与えた影響保阪:1932年(昭和7年)から1936年にいたる4年間は、テロやその予備的な事件が起こりますが、そういう国内テロの最も象徴的な事件が五・一五事件です。 実は、この事件の二、三カ月前には血盟団事件がありました。井上日召という人物に指導されている右翼団体の青年たちが、「一人一殺」というスローガンを掲げて、前大蔵大臣の井上準之助と三井合名会社理事長の団琢磨を暗殺したわけです。 こうしたテロ活動に刺激を受けた人たちが起こしたのが五・一五事件です。この事件の最大の特徴は、決起の際の檄文を読めばわかりますが、支配階級そのものを糾弾するということです。当時の日本は、大恐慌の影響で農村が疲弊し、また日本は国際的に侮られているという被害者意識も高まっていました。「どうしてこんな状態になるのか。それは国の支配層、つまり天皇を周辺で支える支配層に問題があるからだ」。官僚、軍人指導者、経済指導者、文化的な指導者も含めて、そういった国の指導層が、国民と天皇との間を邪魔し、阻害になっている・・・と彼らは考えます。そして、現状を打破するためには革新行動を起こさなければならないと考え、ついには首相官邸を襲撃し、犬養毅首相を殺害するに至るのです。 ところがこの事件は、いわゆるテロ以外の、別な意味を持ってしまいます。裁判の過程で、陸軍の士官候補生や海軍の士官、あるいは農本主義団体の愛郷塾の塾生など、事件の決行にかかわった者たちに、自分たちの主張を思う存分語らせてしまうのです。 加藤:そうですね。保阪:その結果、法廷が「国家改造運動」のプロパガンダの場になってしまう。そうなると、たとえば吉原政巳という、陸軍士官学校を一番か二番で卒業すると言われていた優秀な候補生がいたのですが、その彼が「なぜ自分は参加したかといえば、この国を救わなければいけないと思ったからだ」と説明する。それは、西南戦争を起こした西郷隆盛の遺訓にある「名も金も名誉もいらぬ」の心境で、こういう行動を起こしたのだと涙ながらに自らの行動を訴えるわけです。 すると、それを聞いた軍事法廷の判士長も泣く。新聞記者に至っては、自分は泣きながらこの記事を書いていると平気で記している。そして、在郷軍人会が中心になって、彼らの助命嘆願運動が起きるのです。加藤:ああ、なるほど。保阪:全国から百万通と言われる嘆願書が集まります。そして、彼らは国士であり、その行動は義挙だということになり、テロリズムが肯定されていく。五・一五事件の裁判が行われた昭和8年、1933年という1年間に、テロリズムそのものを悪とするのではなく、動機が正しければ何をやってもいいという空気ができ上ってくるわけです。 私はこれを日本の一つの特徴だととらえて、「動機至純論」読んでいます。これによってテロリズムが肯定される。その結果、むしろ亡くなった犬養首相の家族などが、世間で冷たい目で見られるという事態が起きる。ある雑誌に至っては、事件を起こした、その「国士」がどういう家庭に育ったのかを紹介するという、まるで英雄扱いするような記事を書いている。日本は、この昭和8年を境に、テロリズムの公然たる容認の時代に入ったと思います。『太平洋戦争への道1931‐1941』2:満州国建国『太平洋戦争への道1931‐1941』1:はじめに
2023.06.26
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図書館に予約していた『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』という本を、待つこと7日ほどでゲットしたのです。米中が対峙する境界線といえば、台湾海峡と南シナ海であり、インドを加えた日米豪印クアッド(QUAD)は対中防衛軍でもあるわけで・・・必読書とも言えるこの本をチョイスしたのです。【南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史】ビル・ヘイトン著、河出書房新社、2015年刊<「BOOK」データベース>より境界線と領有権の「なぜ」を詳説!人工島の拠点化、緊張する周辺国、衝突の危険と不測の事態。「南シナ海の歴史」は「世界の歴史」であり、その未来は世界の関心事だ。ここで起こることは世界の未来を決めることになる…歴史、国際法、資源、政治、軍事など、あらゆる角度から解説する必読書。<読む前の大使寸評>米中が対峙する境界線といえば、台湾海峡と南シナ海であり、インドを加えた日米豪印クアッド(QUAD)は対中防衛軍でもあるわけで・・・必読書とも言えるこの本をチョイスしたのです。中国外務省の報道官は「クアッドは時代遅れの冷戦思考に満ちており、軍事的な対抗の色彩が強く、時代の流れに逆行し、人々の支持を得られない」とけん制しています。<図書館予約:(6/09予約、副本2、予約1)>rakuten南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史「第5章 ゼロよりはまし」で、南シナ海の海洋資源を、見てみましょう。p171~173 1990年8月、東南アジア諸国は「中国の復帰」で大騒ぎをしていた。天安門事件から1年がたち、多くの有力者がそろそろほとぼりも冷めるころだと考えた。李鵬首相は虐殺を後押しした人物のひとりだが、それが9日間の東南アジア諸国歴訪に出ることになったのだ。 二番目の訪問国はシンガポールで、通常の表敬行事と公式晩餐会のあと、8月13日に李鵬は記者会見を開いた。両国の外交的な交流がもとに戻るのかという点に質問は集中し、彼の表向きは友好的な言葉―「領有権の問題はしばらく棚上げにし、東南アジア諸国と協力して南沙諸島の開発に取り組む用意がある」―に気を留めたジャーナリストはほとんどいなかった。しかし、これはたんなる思いつきの言葉などではない。 この政策を言い出したのは鄧小平で、初めて正式に表明されたのは1978年10月、東シナ海に関して日本と会談したさいのことだった。次に持ち出されたのは、1986年および88年のフィリピン首脳陣との私的な会合でのことだ。いわく、「われわれの世代には、このようなむずかしい問題を解決するだけの知恵がない。解決は知恵のあるのちの世代に任せるのも一案だと思う」。この声明はそれ以来、東シナ海と南シナ海両方における中国の国家的政策の基礎になっている。 1990年、中国指導部はエネルギー問題に気をもんでいた。ここ30年間は、内陸部の大慶油田のおかげで石油を自給できたが、鄧小平の経済開放で一気に需要が増大したため、遠からず産出量が不足するのは明らかだったからだ。新たな供給源が必要だ。1987年4月、中国は南シナ海で科学的調査をおこない、その後ただちにボルネオ沖の「曾母暗礁(ジェームズ礁)に豊富な石油と天然ガス」が眠っていると発表した。 1989年12月に『中華日報』が報じた公式発表によれば、スプラトリー諸島(南沙諸島)には250億立方メートルの天然ガスと1050億バレルの石油が、さらにジェームズ礁周辺には910億バレルの石油が埋蔵されている計算になるという。鄧小平ら政治的指導者は、迫り来るエネルギー危機の打開策は南シナ海にあると口にするようになった。この主旋律は、エネルギー部門や軍の奏でる基調によって増幅されていく。 『解放軍報』は、1987年から90年にかけての連載記事で、国土防衛の「崇高な」意義を訴えつつ、海洋資源の開発という実利的な議論を展開している。 こういう論説は東南アジアでは聞き流されていた。中国は遠く離れているし、岸から何キロも離れた場所でなにを開発する手段も能力も持っていなかったからだ。李鵬がスプラトリー諸島の共同開発を申し出たときは、ただの絵に描いた餅だと解釈されたものだ。しかしその見かたは変化することになる。鄧小平のねらいは、たんに意見の相違を棚上げにすることだけではなかったのだ。 彼の言葉には三つの要素が含まれる。すなわち「領有権は中国にある」、「議論は棚上げにする」、「共同開発を推進する」。このうち最も重要なのは一番めの要素である。つまり事実上、「U時型ライン」内で海洋資源を開発しようとする国は、中国の主権を認めるか、さもなければ物理的な中国のプレゼンスと真っ向から対決することになるのだ。どこの国も中国の主権を認めていないから、李鵬のシンガポールでの宣言が今日の紛争のもとになっていると言える。 このときまでは、中国がもっぱら関心を向けていたのは、1974年および1987~8年に占拠した島や礁だけのようだった。それがこの1990年以降には、中国政府ぶないの多くの利益集団が、「主権はわが国」というドクトリンをU時型ラインの全域で実現したがっていることが明らかになってきた。その利益集団を主導していたのは〈中国海洋石油総公司〉だ。しかし、この〈中国海油〉を最初にそそのかしたのはひとりのアメリカ人だった。 1992年、コロラド州出身のひとりの男が、南シナ海のゲームを変えてしまった。それはまさに、無から黄金を生み出す現代の錬金術だった。彼は東南アジアの石油探査のルールを書き換え、ふたつの国を紛争の瀬戸際まで追い込んでおいて、数百万ドルをふところにして立ち去った。その過程で初めて明らかになったことだが、中国の「U時型ライン」に関する主張はたんなる歴史問題ではなく、将来的な意図のある声明だったのだ。 そして周辺諸国は、中国がエネルギー安全保障を追及すれば、自国のそれが脅かされると気がついた。しかし、東南アジアの資源獲得戦争の物語は意外な始まりかたをする。このあと、ランドル・C・トムスンが〈中国海油〉との契約にいたるお話が続きます。『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』1:「九段線」の根拠
2023.06.26
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図書館に予約していた『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』という本を、待つこと7日ほどでゲットしたのです。米中が対峙する境界線といえば、台湾海峡と南シナ海であり、インドを加えた日米豪印クアッド(QUAD)は対中防衛軍でもあるわけで・・・必読書とも言えるこの本をチョイスしたのです。【南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史】ビル・ヘイトン著、河出書房新社、2015年刊<「BOOK」データベース>より境界線と領有権の「なぜ」を詳説!人工島の拠点化、緊張する周辺国、衝突の危険と不測の事態。「南シナ海の歴史」は「世界の歴史」であり、その未来は世界の関心事だ。ここで起こることは世界の未来を決めることになる…歴史、国際法、資源、政治、軍事など、あらゆる角度から解説する必読書。<読む前の大使寸評>米中が対峙する境界線といえば、台湾海峡と南シナ海であり、インドを加えた日米豪印クアッド(QUAD)は対中防衛軍でもあるわけで・・・必読書とも言えるこの本をチョイスしたのです。中国外務省の報道官は「クアッドは時代遅れの冷戦思考に満ちており、軍事的な対抗の色彩が強く、時代の流れに逆行し、人々の支持を得られない」とけん制しています。<図書館予約:(6/09予約、副本2、予約1)>rakuten南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史「第4章 南シナ海と国際法」で、中国共産党が説く「九段線」の根拠を、見てみましょう。p161~164 2013年1月22日、フィリピン政府は南シナ海論争の条件を変更しようと試みた。従来の「歴史的権利」に関する議論は打ち切って、海洋法条約に基づいて議論の仕切り直しをしようとしたのだ。広い海域の領有権をめぐって感情的な論争を続けるより、特定の地点からの距離によって、具体的にどこをどうするという議論にもっていこうとしたわけである。 フィリピンは、ハーグの常設仲裁裁判所に20ページの文書を提出したが、そこで明確にされているとおり、フィリピンが求めていたのは歴史的な領有権に関する判断ではなく、また海上の国境線を定めることでもなかった。純粋に、どれが島でどれが岩礁であって「領土」と分類できるのかということ、そしてまたそこから法的にはどんな種類のゾーンが引けるのかということだった。 フィリピン政府が期待していたのは、中華人民共和国が実効支配している場所はいずれも、人間の居住または経済活動を維持できる島ではなく、したがって排他的経済水域は生じないと判断されることだったのだ。 これらの論争を仲裁裁判に持ち込むことで、フィリピンがなにをねらっていたかは明らかだ。いわゆる「U時型ライン(九段線)」(従来型の国際法の解釈に基づき、中国が引いた国境線)内の海域はすべて歴史的に中国のものだとする主張に対し、それは無効であるという判決を引き出すことである。 どの国がどの岩を所有していようと、周囲の海域に対する権利は、最大でも半径12カイリの範囲に限られるわけだ。とすればフィリピンは、自国のEEZ内の油田を開発したり魚を獲ったりできることになる。その資源が、中国の支配する場所から12カイリ以上離れていればいいのだ。その場所の所有権については、いずれべつの裁判所に判断をあおげばよい。 1980年代に中国がスプラトリー諸島のパーティに加わったころには、よいテーブルはすでにとられたあとで、あとは安い席しか残っていなかった。中国が実効支配している場所八つのうち、五つ(ミスチーフ礁、ケナン礁、スビ礁、ガヴェンノース礁、ガヴェンサウス礁)はせいぜいよくて低潮高地だ。そして残る三つも、フィリピンの申立によればせいぜい岩でしかなく、12カイリの領海は生じてもEEZは生じない。 国連海洋法条約に明記されているとおり、それが低潮高地であるかぎり、そこにいくら大きな要塞を建てても無意味である。その下にあるもともとの土地が満潮時に水没するなら、そこからはいかなる領海も生じない。マレーシアが実効支配するすべての地点(スワロー礁も含めて)、ベトナムの支配するほとんどの地点、そしてフィリピンが押さえている少なくとも三つの地点にも同じことが言える。 低潮高地や暗礁になにを建てようが、海洋法条約のもとでは島どころか岩とすら見なされないのだ。 フィリピン、ベトナム、そして中華民国(台湾)はたしかに、島と分類されそうな、したがってEEZが生じそうな場所をいくつか実効支配している。しかしこれを裁判所に認めさせるためには、海洋法条約の文言を借りるなら、その島が「それじたいで人間の居住または経済生活を維持」できることを証明する必要がある。 だからこそ、この三ヵ国はいずれも、さんざん骨を折ってできるかぎり民間施設を開発してきたわけだ。住宅や学校は明らかに人間の居住の一形態だし、漁業施設や観光業は経済生活の一形態だ。九九を覚えるシツ島の子供たちや、教をあげるスプラトリー島の僧侶たちは、母国の領有権を下支えするのにささやかながら役立っているのである。(中略) DX遠征隊が決定的に証明したように、スカバロー礁では人はとうてい暮らすことができない。材木や発電機や傘があっても、一度に数時間以上滞在するのは無理だった。したがって12カイリの領海は生じるが、EEZも大陸棚もいっさい無関係なのだ。 それにもめげず、中国の海洋関係当局は尋常でない労力を注ぎ込み、2012年にはフィリピンからスカバロー礁を奪いとっている。にらみ合いが始まったのは4月10日。八隻の中国漁船が、大量の珊瑚、オオシャコガイ、生きたサメまでも密漁しようとしていたため、それを発見したフィリピンの沿岸警備隊が検挙しようとしたところ、中国の大型の海洋監視船二隻がやってきてそれを阻止した。 フィリピンはそこで、自国海軍で最大の軍艦〈グレゴリオ・デル・ピラール〉を派遣したが、のちにこの決定を考え直し、沿岸警備隊の艦船に交代させることになる。台風が接近してきていたため、両国政府とも艦船を撤退させることに合意した・・・が、引きあげたのはフィリピンの船だけで、中国船は残ってスカバロー礁を物理的に支配しつづけた。 中国が領有権を主張する南シナ海の「土地」には、これらとはまた種類のちがう「土地」がある。しかしそのきわだった特徴は、国連海洋法条約の文章にまったく出てこない場所だということだ。つまり水中の土地なのである。国連海洋法条約では、干潮時にも水面下にある暗沙や暗灘に対しては、いかなる国も所有権を主張する根拠を持たないと決まっている。たんに海底の一部と見なされるのだ。 国連海洋法条約第五条では、干潮最低水位線などあるはずもなく、したがって独自の領海など生じようがない。それにもかかわらず中国は、「歴史的権利」に基づいてマックルズフィールド堆およびジェームズ礁(どちらも海面よりずっと下にある)に領有権を主張している。
2023.06.25
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図書館で『そして映画館はつづく』という本を、手にしたのです。副題が「あの劇場で見た映画はなぜ忘れられないのだろう」となっていて興味深いのだが・・・ぱらぱらとめくると、日本各地のミニシアターとか映画パンフの作り方なんかが載っていて面白そうである。【そして映画館はつづく】フィルムアート社編、フィルムアート社、2020年刊<「BOOK」データベース>より全国の映画館主をはじめとして、配給、上映関係者、ミニシアター・エイド事務局(濱口竜介、深田晃司ほか)、黒沢清(映画監督)、橋本愛(俳優)、大島依提亜(グラフィックデザイナー)が語る「映画館のこれまでとこれから」。全国の映画館ガイド掲載。<読む前の大使寸評>副題が「あの劇場で見た映画はなぜ忘れられないのだろう」となっていて興味深いのだが・・・ぱらぱらとめくると、日本各地のミニシアターとか映画パンフの作り方なんかが載っていて面白そうである。rakutenそして映画館はつづくグラフィックデザイナーの大島依提亜さんが映画パンフについて語っているので、見てみましょう。p197~200*********************************************************■パンフレットは誰のために?Q:映画パンフレットは映画をこれから観る人、すでに観た人ではどちらに向けて作られるものなのでしょうか。 すでに作品を観た人ですね。ポスターや宣伝ビジュルアルとはまったく違います。チラシやポスターなど宣伝物担当の流れでパンフのデザインもやる場合が多いんですけど、宣伝に伴うパブリックな開かれた部分の仕事と、パンフ作りにある内省的な部分にはかなり差があります。 たとえば試写に来た人に向けてのプレスシートというものがあるじゃないですか。これってメインビジュアルなどを創る宣伝の初期段階に着手するものなんです。その映画に携わったばかりの、暗中模索な時点でつくるものなので、取り組む姿勢がまったく違う。Q:たとえばここに黒澤清監督の『岸辺の旅』(15)のプレスシートとパンフレットがあるんですが、中身がかなり近いところもあれば、まったく違うところもありますね。『岸辺の旅』は僕にしてはわりと踏襲してパンフを制作しているほうかもしれませんが、プレスシートってやはりマスコミ向けの情報をまとめたものなので、広告的な側面がどうしても大きい。ミニシアター・ブームのときなんか、むしろプレスの方が豪華だった時期もあるくらいだったと聞いています。今でもプレスシートとほぼ同じようにつくられているパンフもあるんですが、僕はそれはあまりよくないと思うところがあって。個人的にはもうプレスシートは作らなくていいんじゃないかとさえ思います。Q:ミニシアター・ブームの時代が、いわゆる宣伝・広告文化の花盛りの時代だった名残もあるんでしょうか。 当時はまだバブルの余波もあって資金はあったんでしょうね。いずれにせよ、プレスシートの段階で世界観が完成され過ぎてしまうと、作品の見方の誘導になってしまいます。作品の見方を提示することを目的にプレスシートを作るのは、正攻法ではあるんだけど、そこであまり強く提示しすぎちゃうと、作品がそこからぜんぶ同じトーンで見られたり語られることになっちゃうんじゃないかと危惧するんです。もっと多角的な見方を提示するために、プレスシートは単純に情報をテキストだけで追えるものでいいんじゃないかって気持ちが個人的にはあって。Q:配給や宣伝の方針によっては、パンフの内容がプレスシートを強く踏襲した宣伝・広告的なものに近づくケースもあると思うんです。そうした場合、やはり表紙や仕様へのこだわりで、そういうバイアスを払拭するようなことも考えられるのでしょうか。 あ、いや、こういうことはケース・バイ・ケースですね。そもそも僕はミニシアター・ブーム以前、アメリカの大作映画だけを観て熱狂していた時代から、パンフレットを買うのがすごく好きだったんですよ。 実を言えば理想はこれなんです(写真)。このパンフは『スターウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)ですが、もう表紙に「スターウォーズ」って文字が箔押しで入っていたら、中身がどんなものであろうがそれでいい(笑)。僕の中でのその映画においてのパンフレットの価値は表紙の時点でほぼ達成されたといっていい。 これは自明のことですが、映画パンフレットは映画作品そのものにはなれないんです。パンフを作るときにはいつもその命題に自分も向き合っているんですけど、実はパンフを買うときも同じなんですよ。自分が映画館で観た映画を、なんとか物質化して家に持ち帰りたいという思いがあるわけですよね。でも実際に持ち帰って中身を見ていくうちに、だんだんと萎えてきて、「俺が観た映画はこれじゃない・・・」というような気持になる時ってないですか?Q:わかります。 でも、そうやって再現できないものが映画であるということに、パンフを読んでみると初めて気付かされる。そのことによって逆説的に映画自体も映画館で観た体験も尊いものになる気がするんです。だからこそ、こういうパンフレットも重要だと思ってる。*********************************************************手持ちの映画パンフレットを映画パンフレットR3に収めています。
2023.06.25
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古本屋で買い足したこの際、手持ちの映画パンフレットのリストを作ってみたのです。ざっと見渡したところ・・・・戦争映画が多いようですね。なお、近年は極力、ハリウッド作品を抑えておるところです(笑)R3:手持ちの映画パンフ画像を追加**********************************************************************【日本映画】・あひるのうたがきこえてくるよ(1993年)・Shall weダンス?(1996年)・もののけ姫(1997年)・千と千尋の神隠し(2001年)・たそがれ清兵衛(2002年)【アメリカ映画】・スター・ウォーズ(1977年)・太陽の帝国(1987年)・ブラック・レイン(1989年)・ダンス・ウィズ・ウルブス(1990年)・スターゲイト(1994年)・ウォーターワールド(1995年)・エイリアン4(1997年)・プライベート・ライアン(1998年)・スター・ウォーズエピソード1(1999年)・U-571(2000年)・ラスト・サムライ(2003年)・アレキサンダー(2004年)・父親たちの星条旗(2006年)・硫黄島からの手紙(2006年)・FURY(2014年)・スター・ウォーズTHE FORCE AWAKENS(2015年)・ブレードランナー2049(2017年)【ヨーロッパ映画】・アラビアのロレンス(1962年英)・遠すぎた橋(1977年英)・Uボート(1981年独)・ラストエンペラー(1988年伊)・真珠の耳飾りの少女(2002年英)・戦場のピアニスト(2002年ポーランド、仏)・ナイロビの蜂(2005年英)・サンジャックへの道(2006年仏)・onceダブリンの街角で(2006年アイルランド)・エディット・ピアフ愛の賛歌(2007年仏、英、チェコ)【その他】・ブラザーフッド(2004年韓国)・牛の鈴音(2008年韓国)**********************************************************************【ブレードランナー 2049】ドゥニ・ビルヌーブ監督、松竹、ソニーピクチャー、2017年刊<商品の説明>よりリドリー・スコット監督がフィリップ・K・ディックの小説をもとに生み出した1982年公開の傑作SF「ブレードランナー」から、35年の時を経て生み出された続編。スコット監督は製作総指揮を務め、「メッセージ」「ボーダーライン」などで注目を集めるカナダ出身の俊英ドゥニ・ビルヌーブ監督が新たにメガホンをとる。脚本は、前作も手がけたハンプトン・ファンチャーと、「LOGAN ローガン」「エイリアン コヴェナント」のマイケル・グリーン。<大使寸評>このパンフレットは劇場で700円くらいで買ったのだが、今のアマゾン価格は1800円となっています。・・・でも、売る気はないで!amazonブレードランナー 2049【ラストエンペラー】ベルナルド・ベルトルッチ監督、1987年イタリア・中国制作<商品の説明>より映画パンフレット「ラスト・エンペラー」(1988年刊)、出演 ジョン・ローン/坂本龍一/ジョアン・チェン/ピーター・オトゥール/高松英郎/立花ハジメ<大使寸評>新開地の古書店で、このパンフレットを300円で買ったのだが・・・定価500円だからリーズナブルなんでしょうね。amazonラストエンペラー【スター・ウォーズTHE FORCE AWAKENS】J・J・エイブラムス監督、東宝、2015年刊<登録情報>より発送重量: 358 gASIN: B019HWVQFEAmazon.co.jp での取り扱い開始日: 2015/12/18おすすめ度: 5つ星のうち 4.5 <大使寸評>この映画パンフはアマゾンでは5800円であるが、三宮の古本市で300円でゲットしたのです。だいたい古本市では、映画パンフなどは稀少なものでなければ十羽一からげの300円となっていました。・・・つまりネットオークションのほうが法外な値段でおます。amazonスター・ウォーズTHE FORCE AWAKENS【ブラック・レイン】リドリー・スコット監督、東宝、1989年製作<解説>よりニューヨーク市警の刑事ニックとチャーリーはヤクザの佐藤を逮捕し、日本に連行する。しかし目的地の大阪に到着するなり、佐藤が仲間の手によって逃亡。言葉も通じない国で困惑しながらも、ニックとチャーリーは佐藤の追跡に乗り出す。そんなふたりを監視するベテランの松本警部補。やがてチャーリーが佐藤に惨殺されるという事態に。復讐に燃えるニックは松本とともに佐藤を追う。日米の刑事の友情、そしてその激闘を描くサスペンスアクション。これが遺作となった松田優作も強烈な印象を残す。<大使寸評>ガン治療を取るか、映画出演を取るか?と医者に言われた松田優作の鬼気迫る演技が凄い。eiga.comブラック・レイン『ブラック・レイン』徹底解説!デ・ニーロも松田優作と共演を切望!?『ブレードランナー』との共通点は?**********************************************************************ジョン・ル・カレ著『The Constant Gardener』と映画『ナイロビの蜂』を紹介します。原作が先か、映画が先か風の並べ方になっていますが、もちろん、映画が先でした。『The Constant Gardener』復刻より【The Constant Gardener】ジョン・ル・カレ著、POCKET BOOKS、2001年刊<商品説明>よりイギリス人外交官ジャスティン・クウェイルの趣味はガーデニング。自己流のフリージア栽培に凝り、暇さえあれば、ナイロビにある自宅の庭園で過ごしている。それに、かなり年下の魅力的な妻、テッサを溺愛する夫でもある。一方、テッサはジャスティンとは正反対。社会改革を熱烈に望み、「この世で一番珍しいもの、つまり正義を信じる弁護士」として働いている。その活躍ぶりは、「アフリカ貧者のダイアナ妃」の異名をとるほどだ。しかしそのテッサが、こっそり訪れていた人里離れたケニアのトゥルカナ湖で、死体となって発見される。衣服をはぎ取られ、レイプされて。旅の同行者である、コンゴ系ベルギー人のハンサムな医師、アーノルド・ブルームの姿は消えていた。と同時に、クウェイルの、のんびりした生活も消し去られたのである。 <読む前の大使寸評>映画『ナイロビの蜂』の原作The Constant Gardenerということで、借りたが・・・読破はいつになるやら?AmazonThe Constant Gardener**********************************************************************ところで、阪急三宮駅にミニシアター阪急文化があった頃、若き日の大使はATG作品を鑑賞すべく足繁く通ったのでおます。そのATG作品リストです(パンフレットを入手した作品を●印で示す)#1 尼僧ヨアンナ●#3 おとし穴#4 2ペンスの希望#5 野いちご#8 アレクサンドル・ネフスキー#9 みんなわが子#11 二十歳の恋●#12 5時から7時までのクレオ● #13 夜の終わりに#14 ピアニストを撃て●#15 僕の村は戦場だった●(パンフレット無し)#16 彼女と彼●#19 女ともだち#21 私はそんな女#25 ビリディアナ#26 パサジェルカ●#28 アメリカの影#52 戦艦ポチョムキン●#53 戦争は終わった●#54 華氏451●#56 召使●#57 ベトナムから遠く離れて●#56 初恋・地獄篇●#59 男性・女性●#60 ヒットラーなんか知らないよ●#61 夜のダイヤモンド#62 肉弾●#63 マルキ・ド・サドの演出のもとに・・・#64 小さな兵隊#65 新宿泥棒日記●#67 ポリー・マグーお前は誰だ●#68 心中天網島#69 少年●#74 地の群れ●#76 バルタザールどこへ行く●
2023.06.24
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今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「奇妙な味」でしょうか♪<市立図書館>・羊と日本人・不謹慎な旅・翻訳のさじかげん<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【羊と日本人】山本佳典著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より明治維新、植民地朝鮮、農村恐慌、満蒙開拓、御料牧場、三里塚…忘れられた日本の緬羊史を在野の若手研究者が独自の視点でとらえ、執念とも言える膨大で緻密な調査と関係者への聞き取りで浮かび上がらせた、渾身のノンフィクション。<読む前の大使寸評>日本の緬羊史・・・なんじゃそれというテーマではないか、でもジンギスカン料理が好きなこともあって、予約したのです。<図書館予約:(6/17予約、副本1、予約1)>rakuten羊と日本人【不謹慎な旅】木村聡著、弦書房、2022年刊<「BOOK」データベース>よりそこを訪ねてみなければわからないことがある。忘れてはならない戦跡や被災地、公害・差別・事故現場で耳を澄ませる。現地の人々の声を写真とともに伝える渾身のルポ!!<読む前の大使寸評>副題が「負の記憶を巡る「ダークツーリズム」」となっているのだが・・・ぱらぱらとめくると、戦中から戦後にかけての不幸なエピソードが並んでいて、ついチョイスしたのです。rakuten不謹慎な旅【翻訳のさじかげん】 金原瑞人著、ポプラ社、2009年刊<「BOOK」データベース>より料理に骨董、三味線に歌舞伎…翻訳しているヒマがない?人気翻訳家の最新エッセイ集。三浦しをん氏との「文楽対談」も収録。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten翻訳のさじかげん図書館大好き597
2023.06.24
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在91位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在8位・西加奈子『くもをさがす』(5/10予約、入荷待ち)現在81位・村上龍『ユーチューバー』(5/20予約、入荷待ち)現在29位・『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』(5/23予約、副本1、予約26)現在23位・スヴェン・ベッカート『綿の帝国』(6/14予約、副本3、予約7)現在7位・楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(6/23予約、副本1、予約55)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・養老孟司『形を読む』・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・菊間晴子「犠牲の森で」・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・『失われた30年を取り戻す』:図書館未収蔵・動的平衡3:あるいは購入<予約分受取:5/28以降> ・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、5/28受取)・砂漠と異人たち(2/25予約、6/03受取)・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、6/07受取)・『小川さゆり、宗教2世』(4/06予約、6/10受取)・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、6/13受取)・言葉の周圏分布考 (8/15予約、6/13受取)・『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』(6/09予約、6/16受取)・山本佳典『羊と日本人』(6/17予約、6/22受取) **********************************************************************【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【くもをさがす】西加奈子著、河出書房新社、2023年刊<商品説明>よりカナダで、がんになった。「私は弱い。徹底的に弱い」。でもーーあなたに、これを読んでほしいと思った。祈りと決意に満ちた著者初のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/10予約、入荷待ち)>rakutenくもをさがす【ユーチューバー】村上龍著、幻冬舎、2023年刊<出版社>より20代半ばにしてデビューをした作家・矢崎健介、70歳になった。「世界一もてない男」を自称するユーチューバーが、矢崎をユーチューブに誘う。承諾した矢崎が語り出したのは、自由である人間について。自由な人間は滅多にいないのだと言った。自由であるということは、唯一の希望を生む。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/20予約、入荷待ち)>rakutenユーチューバー【千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話】済東鉄腸著、左右社、2023年刊<「BOOK」データベース>より日本どころか千葉の実家の子供部屋からもほとんど出ない引きこもりの映画オタクの下に差し込んだ一筋の光、それはルーマニア語ールーマニア人3000人に友達リクエストをしてルーマニアメタバースを作り猛勉強、現地の文芸誌に短編小説を送りつけ、『BLEACH』の詩へのリスペクトと辞書への愛憎を抱きながらルーマニア語詩に挑戦する。受験コンプレックス、鬱、クローン病。八方塞がりの苦しみから、ルーマニア語が救ってくれた。暑苦しくって切実で、好奇心みなぎるノンフィクションエッセイ。千葉の片隅から、魂の故郷・ルーマニアへの愛を叫ぶー。本、映画、音楽…ルーマニアックのための巻末資料も収録!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/23予約、副本1、予約26)>rakuten千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話【綿の帝国】スヴェン・ベッカート著、紀伊國屋書店、2022年刊<「BOOK」データベース>より奴隷制、植民地主義、強制労働…社会的・経済的不平等や差別は資本主義の歴史の例外ではなく、その核心だった。膨大な資料をもとに5000年、5大陸にわたる綿とそれにかかわる人々の歩んだ道をたどり、現代世界の成り立ちを追究した、バンクロフト賞受賞作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/14予約、副本3、予約7)>rakuten綿の帝国【台湾漫遊鉄道のふたり】楊双子著、中央公論新社、2023年刊<「BOOK」データベース>より昭和十三年、五月の台湾。作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴と台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。ただ、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子の焦燥感は募り…国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差。あらゆる壁に阻まれ、近づいては離れるふたりの旅の終点はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/23予約、副本1、予約55)>rakuten台湾漫遊鉄道のふたり【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.06.24
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図書館に予約していた『言葉の周圏分布考』という本を、待つこと10ヶ月ほどでゲットしたのです。テレビ番組『探偵!ナイトスクープ』を通じて著者・松本修さんが敢行した“方言の全国市町村アンケート”が気宇壮大ですごいのです。【言葉の周圏分布考】松本修著、集英社インターナショナル、2022年刊<「BOOK」データベース>よりテレビ番組『探偵!ナイトスクープ』で「全国アホ・バカ分布図」を完成させた著者が敢行した、方言の全国市町村アンケート。膨大な回答を基に作成した圧巻の五十数枚のカラー方言分布図で、懐かしい言葉に楽しく再会!分布図は文献にない言葉の歴史解明にも力を発揮。『源氏物語』に登場する「戻る」の謎を解く壮大な知の旅に誘います。また分布図には、京都を中心に見事な多重の円が現れました。日本語の「周圏分布」についても、深く論じます。<読む前の大使寸評>テレビ番組『探偵!ナイトスクープ』を通じて著者・松本修さんが敢行した“方言の全国市町村アンケート”が気宇壮大ですごいのです。<図書館予約考:(8/15予約、副本1、予約16)>rakuten言葉の周圏分布考「方言周圏論」の登場したあたりを、見てみましょう。p27~29<古語は辺境に残る> 「言語地理学」を、もっとわかりやすく説明しましょう。 まず「古語は辺境に残る」という大原則からスタートしなくてはなりません。つまり、古い表現は、都から遠い地方に見いだされることが少なくないのです。(中略) また徳川中期に生きた国学者・本居宣長(1730~1801)は、エッセイ集『玉勝間』の中の「田舎にいにしへの雅び言の残れる事」の項で、こう語っています。 すべて田舎にはいにしへの言の残れること多し。ことに、遠き国人のいふ言の中には、、面白きことどもぞ、混じれる。 この本居宣長の考えと同様のことを、明治41年(1908)、柳田國男もまた、宮崎県内奥の椎葉村で感じました。当時満32歳の官僚だった柳田は、山の神を信仰し焼畑に生きる人びとの暮らしに大きな感銘を受け、椎葉のイノシシ狩りの言葉を集めた『後狩詞記』(1909)を50部だけ、自費出版しました。その序で、柳田は次のような文章を書いています。 思うに古今は直立するひとつの棒ではなくて、山地に向けてこれを横に寝かしたようなのが、我が国のさまである。 つまり、もし日本の歴史を1本の棒にたとえるならば、過去から現在へと延びている棒は、上下、縦に「直立している」のではなくて、平地から「山地に向けて横に寝かしたよう」に存在している。つまり、平野部よりも山間部に古い日本の姿が残っている、というのです。 <方言周圏論の登場> それから18年たって、柳田國男は全国に向けて、32語の方言の通信調査を貴人で独自に行い、その中の「カタツムリ」の呼び名の方言分布を分析して、昭和2年(1927)、のちに「方言周圏論」と命名される考えを打ち立てました。その趣旨はこうです。 古語は単に辺境に残るというばかりでなく、その残り方には、きちんとした規則性がある。すなわち、首都であったなら・京など近畿の都から見て、より古い言葉ほど日本の遠くの地域に残っているのである、と。 たとえば、ひとつの池がある。そこに小石を投げ込むと、円い波紋が広がる。同じところにまた小石を投げ込むと、ふたつ目の波紋が広がる。こうして次々に同じところに石を投げ込むと、多数の同心円が広がっていく。その中心点が都である、というわけなのです。 今、東京が、圧倒的な影響力で全国に文化を発信しています。京もまた、明治維新で首都の地位を東京に奪われるまで、千年以上、言葉の文化を発信し続けました。方言とは、そんな京の文化の波及の跡を現代に留めたものなのです。それが方言周圏論の考え方です。 柳田國男は、「カタツムリ」の呼び名の例から、その原理を導き出しました。京というかつての中央に立てられた歴史の棒は、いわば、「東北や九州に向けて、これを横に寝かしたようなのが、我が国のさま」だった、ということなのです。柳田はその原理を、イメージしやすく、目に浮かぶように伝えようとして、昭和2年『人類学雑誌』5月号、連載の論文「蝸牛考」の二回目で、次のように書き記しました。 もし日本が、このような細長い島でなかったら、方言はおおよそ近畿をぶんまわし(著者註:コンパス)の中心として、段々にいくつかの圏を描いたことであろう。 方言は、近畿地方、正確に言えば「京の都」を中心軸としてコンパスで円を描けば、同心円の円周上に同じ方言があたかもバウムクーヘンのように、いくつもの圏をなして分布していることだろう。柳田國男はそういう内容を主張したかったのです。「全国アホ・バカ分布考」読書レポート#2にも「カタツムリ」の五重の同心円が出ています。『言葉の周圏分布考』1:はじめに
2023.06.23
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図書館で『太平洋戦争への道1931‐1941』という新書を、手にしたのです。表紙に名前が出ているお三方は、日本のリベラルな論客とも言えるような人選であり・・・チョイスしたのです。【太平洋戦争への道1931‐1941】 半藤一利, 加藤 陽子著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より2017年の終戦の日にNHKラジオで放送されて話題を呼んだ鼎談に、保阪正康の解説と図版・写真を加えて再構成した「開戦八十年企画」。1931年の満州事変から、1941年の真珠湾攻撃へ。昭和日本が犯した「最大の失敗」に至る道筋を六つの転換期から検証し、私たちが学ぶべき教訓と、令和日本が進む道を提言する。<読む前の大使寸評>表紙に名前が出ているお三方は、日本のリベラルな論客とも言えるような人選であり・・・チョイスしたのです。rakuten太平洋戦争への道1931‐1941「第1章 関東軍の暴走」で述べているので、見てみましょう。p43~48<1931満州事変―1932満州国建国> 昭和のはじめ、日本は国際連盟の常任理事国で世界の五大国(米・英・仏・日・伊)の一つでした。しかし、1929年(昭和4年)の世界恐慌により、経済は冷え込み、農村は困窮していました。 日本にとって特別な権益があるとされていたのが、「満州」とも呼ばれていた中国東北部でした。 日露戦争の結果、日本はロシアから、中国東北部を走る鉄道と、大連と旅順の租借権を手に入れ、鉄道防備のための軍隊=関東軍を置いていました。 1910年(明治43年)に大韓帝国を併合し朝鮮半島まで支配していた日本医とって、北隣りに位置する満州は、ソ連に対する国防や、鉄や石炭の供給地として重視され、日本の「生命線」とも言われました。*********************************************************■大日本帝国にとっての満州加藤:大日本帝国にとって満州が、なぜ「生命線」と位置づけられたのかについて、考えてみたいと思います。半藤:満州というのは、日露戦争の結果、日本が日露戦争で勝ったことで、当時のロシアから得た権益です。「二十億の資材と二十万の生霊」というスローガンがありました。日本を守るために、二十万の人の命と、それから二十億のお金がかかって、多くの犠牲を出して権益を獲得したのだから、この権益を守らなければならない。だから関東軍は、満州を日本の生命線として一生懸命に守り抜いているのだと訴え、国民はそれを信じました。加藤:まず「名前を与える」ということはとても大事で、たとえば元老にして元勲の山形有朋が「主権線」「利益線」ということを唱えました。韓国、朝鮮半島は日本にとって利益線である。だから、ここをまもらなければいけないということで、日清、日露戦争に進むわけです。一方で、満州を日本の「生命線」と名づけたのは松岡洋右ですが、大日本帝国にとって、満州を日本の「生命線」と位置づけることに、どのような同時代的意味があったと思われますか。保阪:日清、日露、第一次世界大戦、そして昭和に入っての満州事変へと進んでいきますが、私はこの満州に入っていく一連のプロセスを見ていて、主に経済的な権益の確保ということが重視されたと感じます。つまり、満州への進出は生存権の拡大であるとする財界・経済界が、軍を支えたわけです。自分たちの国は貧しい国で、こんな狭い国土で、とてもではないが生活するのもやっとである。 私たちの国や民族にも、生存権を拡大する権利がある・・・ということで、満州に入っていることを正当化したのです。********************************************************* 1931年(昭和6年)9月18日、中国東北部の柳条湖で、日本の経営する南満州鉄道の線路が何者かによって爆破されました。 関東軍は、これを中国軍によるものとして、武力攻撃を開始します。政府は「不拡大」の方針でしたが、朝鮮駐屯軍は、独断で越境して満州に入りました。 陸軍は自衛を名目に、5ヶ月でほぼ満州全域を制圧します。満州事変です。 しかし、鉄道爆破は、実は関東軍が自ら行ったものでした。関東軍は、政府に無断で謀略を進め、内閣が決定した不拡大の方針に逆らって、軍を動かしたのです。 そして、翌1932年(昭和7年)には、満州国を独立させました。満州国は民族自決で生まれたとされましたが、実際は、行政や軍事を関東軍が握る傀儡国家でした。*********************************************************■なぜ関東軍の独断を許してしまったのか加藤:では、次に「なぜ関東軍による独走、独断が許されてしまったのか」について。 当時、大日本帝国の出先軍、現地軍というと、朝鮮半島に朝鮮軍二個師団がいて、中国には関東軍がいました。外地ですので、中央からの制御ができにくい。天皇の命令を現地軍に伝える奉勅命令というものがありますが、これで現地軍をとめるというのも、なかなか政党内閣ではやりにくかったと思いますね。半藤:中央部、つまり、政府ばかりでなく、東京の陸軍参謀本部が不拡大という指令を出しています。しかしながら、関東軍はそれを聞かなかった。ということは、これは統帥権干犯にあたりますから、本来は違反行為です。軍法で言えば、とんでもないことをやっている。 ところが、ソ連がこうした関東軍の動きに干渉してこないとわかった瞬間に、参謀本部も一緒に乗っかってしまいます。昭和天皇の命令が「不拡大」で、できるだけ戦争を早くやめろというのを、参謀総長は「は、承りました」と言っておきながら、参謀総長から参謀へ、さらには参謀から関東軍の参謀へ、「おい、おまえたち、いい加減にしろ」というようなことをただ口で言うだけで、後半はずるずると一緒に乗っかってしまっています。ですからこれは、独断を許したというよりも・・・。加藤:陸軍中央も乗ってしまったわけですね。半藤:このチャンスに、満州国の権益をできるかぎり広げようとして動いたと見ざるをえないと思いますね。そういう意味では、まさに「侵略」であったと言えると思います。昭和天皇は、統帥権を持っている大元帥として、これは侵略であるから止めろと明らかに言っています。参謀総長はそれを承っている。だから、本当は統帥権の干犯なんです。 ところが困ったことに、昭和天皇は政府が決めてきた国策にはノーと言わないのが、きつい“しきたり”というか、心得なんですね。ですから、大元帥としては軍を止めろ、迫害をやめろと言っているけれども、政府のほうはごちゃごちゃしているうちに朝鮮軍越境の予算を出すことを決定してしまい、天皇はそれを認めます。 つまり、昭和天皇は「大元帥」としては抑えているんです。ところが、「天皇陛下」としては、残念ながら国家の決めてきたことに対しては、ノーと言わない、と。それで、「では許す」ということになる。ですから、これは統帥権の干犯なんですよ、違反なんです。『太平洋戦争への道1931‐1941』1:はじめに
2023.06.23
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図書館で『太平洋戦争への道1931‐1941』という新書を、手にしたのです。表紙に名前が出ているお三方は、日本のリベラルな論客とも言えるような人選であり・・・チョイスしたのです。【太平洋戦争への道1931‐1941】 半藤一利, 加藤 陽子著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より2017年の終戦の日にNHKラジオで放送されて話題を呼んだ鼎談に、保阪正康の解説と図版・写真を加えて再構成した「開戦八十年企画」。1931年の満州事変から、1941年の真珠湾攻撃へ。昭和日本が犯した「最大の失敗」に至る道筋を六つの転換期から検証し、私たちが学ぶべき教訓と、令和日本が進む道を提言する。<読む前の大使寸評>表紙に名前が出ているお三方は、日本のリベラルな論客とも言えるような人選であり・・・チョイスしたのです。rakuten太平洋戦争への道1931‐1941NHKラジオセンターの児島芳樹さんがこの新書の成り立ちを「はじめに」で述べているので、見てみましょう。p3~6<はじめに>「この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本の在り方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」 2015年(平成27年)元旦、当時天皇だった上皇さまが、戦後70年を迎えて表された感想です。1931年(昭和6年)の満州事変に始まった中国大陸での戦争は、やがて日中戦争へと広がり、1841年(昭和16年)にはアメリカやイギリスを相手に加えた太平洋戦争へと拡大しました。一連の戦争は、「15年戦争」とも呼ばれます。 今年(2021年)は太平洋戦争の開戦から80年。日本は、なぜ、無謀な戦争への道を選んだのでしょうか。 本書は、NHKラジオの特集番組「太平洋戦争への道~戦前日本の歴史の選択~」(2017年8月15日放送)をもとに、ノンフィクション作家の保坂正康さんに本編の議論を補足する解説を書き下ろしていただき、まとめたものです。 番組では、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』で太平洋戦争へと至る歴史に新たな光をあてた東京大学教授の加藤陽子さんを案内役に、戦争の時代を体験し『昭和史』で歴史のドラマを生き生きと伝えた作家の半藤一利さん、『ナショナリズムの昭和』など戦争と昭和史についてさまざまな角度から検証してきた保坂正康さんを迎え、三人の議論を通して満州事変から太平洋戦争へと至る日本の選択について考えました。 三人の皆さんには、2017年夏の暑い日にNHKに集まっていただきました。議論を始めたところ、昭和史の革新ともいうべき十年間について語るべきことは山のようにあり、それぞれのテーマについて話は尽きません。 進行役の加藤さんの必死の努力で何とか最後まで辿り着くことができたものの、収録が終わったときには夜になっていて、みなさん疲労とともに安堵の表情を浮かべていたのが印象的でした。限られた時間で収録するには無謀な企画だったと反省しました。けれども、昭和史に精通する三人の議論は時を忘れさせ、歴史の奥深さを改めて教えてくれるものでした。放送は幸い好評で、戦争への歩みを“一筆書き”で辿ったことで、戦争の時代の輪郭を描き出せたように思います。 私の母方の祖父は、1944年(昭和19年)に仕事で赴任していたフィリピンのマニラで現地招集され、妻と子ども三人を残して38歳で戦死し、遺骨も戻りませんでした。 私は、1980年代後半の学生時代に鶴見俊輔や丸山眞男を読むことで、先行する世界がいかに深く戦争という経験に向き合ってきたのかについて、知るようになりました。「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になります」(『荒れ野の40年』) 1985年、西ドイツのヴァイツゼッカー大統領による有名な演説の言葉です。ナチスという過去は、決して過ぎ去るわけではありません。「ヒトラーはいつも、偏見と敵意と憎悪とを掻きたてつづけることに腐心しておりました。若い人たちにお願いしたい。他の人びとに対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないようにしていただきたい」(同) いま、世界では、「事実」を巡って認識が分かれ、対立が深まっているとも言われます。SNSの普及により、人びとは事実か否かよりも「信じたいものだけ信じる」傾向が強まっているとの分析もあります。歴史認識を巡っても、国や民族など立場の違いから意見が分かれ、それぞれの言い分を主張するばかりの「水かけ論」に終始する場合が見られます。「水かけ論」は、どうすれば脱却できるのでしょうか。対立から先に進むには、立場を超えた共通の前提にまで立ち戻る必要がありますが、それは「事実」と「論理」をおいて他にありません。自然科学をはじめ学問の発展を支えてきた実証的な考え方です。 半藤一利さんは、自らを「歴史探偵」と称しました。あくまでも事実に基づく証拠を集め、その意味を批判的に考えることを通して歴史を解明する努力を大切にされました。 近年、政府内部での公文書改竄が明らかになりましたが、戦争への歴史は、たとえ都合の悪いことであっても「なかったこと」にしてはならないことを教えています。 半藤さんは、『昭和史』の最後の部分で、「昭和の歴史というのはなんと多くの教訓を私たちに与えてくれるかがわかる」としたうえで、「しっかりと見なければ見えない、歴史は決して学ばなければ教えてくれない」と締めくくっています。 本書を通して、読者のみなさんが昭和史への関心を深め、三人の著者たちの豊かな仕事の世界にふれるきっかけにしていただければ、幸いに思います。
2023.06.22
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今お騒がせ中のチャットGPTであるが・・・マイクロソフトBingの文書作成機能でカジュアル文体を選んで試しに「闇バイトに応募」をトライすると以下の応答が得られたのです。「闇バイトに応募」という検索ワードで検索したところ、ニュース記事が出てきました。闇バイトとは、違法な仕事をすることでお金を稼ぐことを指します。しかし、闇バイトに応募することは違法行為であり、危険です。また、闇バイトに応募することは、社会的信用を失うことにもつながります。私たちは、法律を遵守し、安全な方法でお金を稼ぐことをお勧めします。ここで、「成功報酬の大きい闇バイトは」と茶々を入れると以下の応答がありました。「成功報酬の大きい闇バイト」について検索したところ、一連の広域強盗事件で、逮捕された実行役の多くがSNSなどで高額報酬をうたう、いわゆる「闇バイト」で集められていた実態が明らかになっています。1 また、闇バイトは報酬額が大きいため、応募してしまう人が多いとされています。2ただし、「闇バイト」は違法行為に加担することになるため、法律に違反することになります。また、報酬が高額であることから、危険な仕事や過酷な労働条件が課せられることもあります。2 そのため、「闇バイト」に応募することは、自身の安全や法的問題を考慮する必要があります。ウン 健全で、そつのない応答ですね。以前 チャットGPTより低レベルのAIと酷評してしまい失礼いたしました。(チャットGPTは取りこみデータがやや古いのでおかしな応答があり、Bingの正確さに及ばないようです)・・・だけど今、この高機能AIを犯罪者がチャットで活用する状況は、怖いものがあるのです。「ChatGPT」とは一味違ってさらに便利! Googleとの違いは? Microsoft Bingの「AI検索」を試して分かったことを読んで研究してみるか。今お騒がせ中のチャットGPTであるが 4:シシド・カフカのテレビ出演今お騒がせ中のチャットGPTであるが 3:神戸新開地音楽祭今お騒がせ中のチャットGPTであるが 2:チャットGPTの危険性今お騒がせ中のチャットGPTであるが 1:中国の権威主義的資本主義
2023.06.22
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図書館に予約していた『言葉の周圏分布考』という本を、待つこと10ヶ月ほどでゲットしたのです。テレビ番組『探偵!ナイトスクープ』を通じて著者・松本修さんが敢行した“方言の全国市町村アンケート”が気宇壮大ですごいのです。【言葉の周圏分布考】松本修著、集英社インターナショナル、2022年刊<「BOOK」データベース>よりテレビ番組『探偵!ナイトスクープ』で「全国アホ・バカ分布図」を完成させた著者が敢行した、方言の全国市町村アンケート。膨大な回答を基に作成した圧巻の五十数枚のカラー方言分布図で、懐かしい言葉に楽しく再会!分布図は文献にない言葉の歴史解明にも力を発揮。『源氏物語』に登場する「戻る」の謎を解く壮大な知の旅に誘います。また分布図には、京都を中心に見事な多重の円が現れました。日本語の「周圏分布」についても、深く論じます。<読む前の大使寸評>テレビ番組『探偵!ナイトスクープ』を通じて著者・松本修さんが敢行した“方言の全国市町村アンケート”が気宇壮大ですごいのです。<図書館予約考:(8/15予約、副本1、予約16)>rakuten言葉の周圏分布考「全国アホ・バカ分布図」まず「はじめに」を、見てみましょう。p3~7<はじめに> 日本語。私たちが使っているこの言葉は、長い年月、二重の意味で日本を旅してきました。 徳川前期の俳人・松尾芭蕉(1644~94)が『おくのほそ道』(1702刊)の冒頭で、時について、旅になぞらえてこう綴っているのを、私たちは知っています。 月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた“旅”人なり。 つまり月日とは、永遠の時を行き過ぎる客であり、去来する年もまた旅人であると・・・。であるならば、時を生きる言葉もまた歴史の旅人であったと言うべきでしょう。 しかしその言葉の旅には、ただ時を流れゆく旅とまったく別に、さらにもうひとつ、驚くべき旅が重なっていました。日本語は、都(みやこ)で日々新たな生まれては、地方に向けて、地を這うような、まったく違う旅をもまた続けていたのです。 都で栄えた新しい日本語の語彙や文法事象は、やがて都を出で発って地方へと歩みを進め、峠を越え川を遡って諸国の町々に、さらにそこを拠点に、辺境の村々まで旅しました。 古くから、政治・文化の中心であった日本の首都は、主に畿内のエリアで変遷しました。その中で九重(ここのえ)に花ぞ匂える京は、西暦794年もの長きにわたって首都の地位にあり、威光に満ちた日本文化の発信センターでした。もちろん、言葉においてもこの地位は変わらず、京は、新しい日本語を生み出す聖地だったのです。現在の日本の言葉、そして方言の多くは京で育まれ、地を這う旅を四周に続けた結果として存在しているのです。 私たちのテレビ番組『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)で「アホ・バカ」の謎を解明するため、私が方言学を学んだ師は、当時、おおさか大学教授だった徳川宗賢先生(1930~99)でした。徳川幕府八代将軍、徳川吉宗に繋がるお方で、「殿」と見まがう風格のある先生でいらっさいました。 京の都で生まれた言葉は、マスコミも教育制度もなかった昔、人から人へ「口伝て」で全国に広まりました。徳川先生にお会いした当時、先生のご研究では、言葉が都から地方に向けて伝播する速さは、定規で測った直線距離で、1年間に930メートルという計算でした。年速は1キロ弱。長い年月の間に政治や交通などさまざまに変化・進展があったにもかかわらず、言葉の旅の年速は1キロ弱であっただろうというのです。 方言学の泰斗・井上史雄先生(1942~)に、『日本語は年速1キロで動く』(2003)という著作があります。主として現代を生きる若者らの「新方言」が広がる速度を考察した研究ですが、そこでも「大きな傾向として、年速1キロ弱というのを手がかりにしてよさそうである」と結論されています。 都の言葉は地方に向けて、東西南北同じような速度で広まりました。その結果、京の古語が、日本の東西に「周圏」(周りに圏をなす)分布をする跡を残したのです。 たとえば京から現代の首都・東京のある武蔵国までは、直線距離で360キロばかりです。この地に辿り着くために京を旅立った言葉は、およそ400年もの年月をかける、遥かな旅をゆかねばなりませんでした。つまり、これは記憶すべき重要なポイントですが、関東の言葉は、室町後期から徳川前期にかけての京の古語をベースに成立しているのです。 東北の北部や九州の西南部は、京から600~800キロも離れているため、ここまで辿り着くには、さらに長い年月がかかりました。本土両端のこれらの地域には、700~800年も前かもしれぬ、さらに古い京の言葉が残されることになりました。 ただ北海道は、この言葉の旅にはあまり縁がありません。西南部の渡島半島など一部を除き、北海道は近世までアイヌ人の地、すなわち蝦夷地であり、和人が大量に入植した歴史は明治以降と、きわめて新しいからです。 また、琉球列島についても、言葉の旅の仕方は、本土とは異なります。古代より、本土の人々が九州南部から舟に乗って移住するという形で和語を運びました。1500年以上前から和人がこの南の島々に移り住み、1429年に琉球王国が建設されると、本土と隔絶された国家として、独自の歴史を歩みました。 その結果、琉球王国が支配した沖縄県と鹿児島県の奄美地方とは、日本語の祖先を豊かに残す、奇跡の地となったのです。 ところで「日本」という国号が公的に定まったのは、飛鳥浄御原令の施行(689)以来と言われます。それまでは「ヤマト」と名乗っていました。これは千数百年の時を経て、現代でも琉球の人々が本土の人を「ヤマトゥンチュ」と呼ぶのに反映されています。 私はこの本で、日本の魅力ある言葉たちが、どんな風に生まれ、どのくらいの歳月をかけて日本列島を旅したかを、できるだけわかりやすく、かつ楽しく解き明かそうと試みます。
2023.06.21
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朝日デジタルに『好書好日』というコラムがあり、気に入ったものをスクラップしているのだが・・・、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。<予約済み>・山本佳典『羊と日本人』:図書館に6/17予約済み・西加奈子『くもをさがす』:図書館に6/17予約済み<予約候補>・楊双子「台湾漫遊鉄道のふたり」・菊間晴子「犠牲の森で」<図書館で見っけ>・清水克行「室町は今日もハードボイルド」**********************************************************************【「羊と日本人」書評 国家・戦争と連動した牧畜事業】朝⽇新聞掲載:2023年06月17日 文明開化以降の日本には、いつも羊がいた−。在野の研究者が忘れられた日本の緬羊史を独自の視点でとらえ、膨大で緻密な調査と関係者への聞き取りを行い、たゆまぬ努力を続けた羊をめ… 村上春樹の初期作品『羊をめぐる冒険』を想起する人も多いだろう。小説に登場する羊博士は、若き頃農林官僚として満州に渡り、洞窟で羊に取り憑(つ)かれた。 憑依(ひょうい)こそないが、本書にも羊に人生を捧げた人物が数多く登場する。欧米で牧羊を視察した農林省の技師は、建国直後の満州国で緬羊(めんよう)改良計画に関わったという。民間人でも、渡米中に羊に魅了され、十勝で牧場を開いた後、朝鮮や内モンゴルに渡った人がいる。 著者はこうした群像を時系列に配置して、羊をめぐる近代日本史を描いた。そこから見えてくるのは、日本の牧羊事業と国家・戦争との密接な関わりだ。 明治政府は直営事業として、千葉県に牧羊場を造った。のちに、三里塚地区を含む下総御料牧場となる。だが事業は容易に根付かなかった。19世紀末の日本で飼育された羊の数は2400頭、自給率は1.6%に過ぎない。羊は繊細な動物で、疥癬(かいせん)などの病気や寄生虫によってダメージを受けやすく、飼育は簡単ではなかった。事業を興すにも、海外から羊を大量に輸入する費用がかかる。国による支援が不可欠だ。 日露戦争以降、日本の牧羊事業の舞台は外地に向かった。中国東北部・朝鮮に牧羊場を設けたのだ。大正期には「緬羊百万頭増殖計画」が打ち出され、両地に加え、台湾・南樺太などでも羊の牧畜が試みられた。 満州事変後、現地の人びとの抵抗に遭いながらも、牧羊は満蒙開拓の一環として進められた。満州国の牧場建設に携わった日本人の思想に、他民族への優越感を著者は見て取る。 下総御料牧場が閉鎖されたのは、1969年。成田空港の建設を受けてのことだ。「明治大帝偉業達成」の地として牧場の存続を訴える運動の様子を本書は伝える。ここには、牧羊が天皇制国家と連動して展開したことが象徴的に表れていよう。羊から国―個人―時代を見通した、読み応えある文化史だ。 ◇やまもと・けいすけ 1981年生まれ。専門誌記者などを経て、フリーランスで執筆・翻訳業を始めた。【羊と日本人】山本佳典著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より明治維新、植民地朝鮮、農村恐慌、満蒙開拓、御料牧場、三里塚…忘れられた日本の緬羊史を在野の若手研究者が独自の視点でとらえ、執念とも言える膨大で緻密な調査と関係者への聞き取りで浮かび上がらせた、渾身のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/17予約、副本1、予約1)>rakuten羊と日本人**********************************************************************【「くもをさがす」 乳がん闘病で得た「私は私という確信」】朝⽇新聞掲載:2023年5月31日 西加奈子さん初のノンフィクション「くもをさがす」(河出書房新社)は、語学留学先のカナダで自身に乳がんが見つかってから寛解するまでの8カ月を中心につづる。治療の記録であるとともに、言葉によって自分をつかみ直した記録でもある。 家族といっしょにカナダに渡った西さんは、2021年5月、胸にしこりを見つける。検査の結果は、ステージ2Bの浸潤性乳管がん。宣告を受けてから日記をつけ始めた。ほぼ同時に本作も書き始めていた。抗がん剤治療による体の変化、カナダの医療体制の下で思い通りにならない出来事や不安に直面し、涙を流した経験も正直に明かす。 書き始めたのは、「こんな状況ないぞ」という作家の性(さが)に突き動かされたから。自分を救うためでもあった。「日記には、『しんどい』としか書いていない日が何日もある。でも、そこにはもっと複雑な思いがあったはず。書くことで『しんどい』だけではない感情を取り戻していった」と西さんは話す。 試練の時期を書きながらも、一冊を貫くのは悲壮感ではない。カナダで出会った女性医師の言葉は関西弁に訳され、明るい雰囲気を作り出している。「彼女たちの言葉が、大阪のおばちゃんの声で再生されたんです」。カラッとした力強さが、心地よかった。「がん患者に対しても、風邪引いたんかな?くらいのテンションで接してくる。かわいそうな患者として扱われたことが一回もなかった」 西さんのがんは右胸だが、転移や再発の可能性が高い変異遺伝子を持っているため、手術で両乳房を切除した。乳房の再建はしないと決断するのに迷いはなかった。だが医師から、「将来再建したくなるかもしれない。そのときのために乳首を残しておくこともできる」と言われ、悩んだ。確かに、数年後の自分の気持ちはわからない。 乳がんサバイバーの担当看護師にそのことを話すと、目を見開いて驚かれた。「乳首って、いる??」。迷いは吹っ切れた。〈私たちはどのような状態であっても、自分自身の身体で生きている。何かを切除したり、何かを足したりしても、その体が自分のものである限り、それは間違いなく本物なのだ〉。「言葉は呪いでもあり、祝福でもある。乳房、乳首の切除は、言葉にすることで祝福できた。自分の体を愛している、と心から思うことができました」 これまで、社会から押しつけられる価値観に、小説を通して「じゃかましわ!」と言ってきたつもりだった。でも、まだまだ足りなかったと気付いた。「こんなに自分の体がいとおしいと思えたことはなかった。『じゃかましわ!』が大きくなりました」。誰かのジャッジに委ねず、自分で自分を愛する。両乳房を失った西さんが得たのは、私は、私だという確信だ。 本作には、西さんが闘病中に力をもらった小説や詩、歌詞の一節が随所に盛り込まれている。「出会った本や歌に救われたのは、作品に力を見つける力が私にあったから。読者には力がある。だから私の本に何かを感じ取ってくれる人がいるとしたら、その人に力があるんです」(田中瞳子)=朝日新聞2023年5月31日掲載【くもをさがす】西加奈子著、河出書房新社、2023年刊<商品説明>よりカナダで、がんになった。「私は弱い。徹底的に弱い」。でもーーあなたに、これを読んでほしいと思った。祈りと決意に満ちた著者初のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/10予約、入荷待ち)>rakutenくもをさがす**********************************************************************【「台湾漫遊鉄道のふたり」書評 「どうして?」に誘われる心の旅】朝⽇新聞掲載:2023年06月17日【金鼎賞(2021年)】昭和13年、台湾。作家・青山千鶴子は台湾人通訳・王千鶴と出会う。千鶴と台湾縦貫鉄道に乗りこんだ千鶴子は、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。ただ、い… 〈どうあっても、一度台湾に行かねばなるまい〉 そう決意した若き作家・青山千鶴子が、南国、台湾に上陸したのは昭和十三年五月。そこから約一年にわたる「漫遊」が綴られていく。日本の統治下にあった時代の台湾の様子が活写され、読者もまた新鮮な驚きと興味に心惹かれること確実の物語だ。 「ほとんど妖怪ですよ!」と揶揄(やゆ)される食欲を持つ千鶴子が目を奪われる食べものは、いかにも旨(うま)そうで、その地の民俗風土を深く知るには「生活」することが重要だという彼女の持論にも納得させられる。 当初はお仕着せの行程に従っていたものの、次第に不満を募らせていく千鶴子の様子を察し、専属通訳として日本人婦人会が手配したのが、四つ年下の本島(台湾)人、王千鶴だった。 かくして「生活」を実践すべく千鶴子が台中に借りた日本式の家を拠点とし、幹線鉄道である「台湾縦貫鉄道」を軸として、ふたりは各地を旅してまわる。珍しい景色に興奮し、美食に喜び、感興の赴くまま動く千鶴子に対し、千鶴は万全のサポートを行う。日本語の通訳のみならず、千鶴子の食事の世話も滞りなく、旅の手配も完璧。手先は器用で所作は美しく教養もある。気をよくした千鶴子は友達になろうとはしゃぎ、親友だと思っていると頻繁に好意を口にし、着物を贈り日本へ行こうとも誘う。 しかし季節が廻(めぐ)り新年を迎えて間もなく、千鶴は千鶴子が態度を変えなければ通訳を辞めなければならない、と言い出す。常に感謝を表し、大切に接してきたつもりなのに何故(なぜ)――? 本書で描かれる「旅」は、強い衝撃を受けた千鶴子がこの「どうして?」を追求していくことから始まるとも言える。複雑な台湾の時代背景。ふたりの生い立ち。更に作品に施されたとある企みと試みが、見たことのない景色を楽しんでいた読者を更なる迷宮へと誘い込む。其々(それぞれ)の「心の旅」がある。 ◇よう・ふたご 1984年生まれ。小説家。双子の姉で、楊双子は亡き妹との共同筆名。著書に『花開時節』(未邦訳)など。**********************************************************************【「室町は今日もハードボイルド」インタビュー 自粛しない人々の正義感】朝⽇新聞掲載:2021年8月14日掲載 コロナ禍で、強制されなくても協力、自粛する日本人の国民性は世界の注目の的だ。しかし、今から700年ほど前はそうではなかった。自己の利益を守るための暴力が容認される、苛酷な自力救済の世だった。「やられたらやり返す。場合によっては、やられてなくてもやり返す」が美徳だったとさえ著者は記す。 中世民衆史に関する多くの著書があり歴史番組に出演、「室町ブームの火付け役」とも称される。本書は「初のエンタメ」として書いた歴史エッセーで「前振りとオチをつなげたり、室町が現代と地続きだと伝わるように工夫したりした」。軽妙な文章を支えるのは、史実を踏まえて詳細が書き込まれた逸話の数々だ。 何と言っても鉄板ネタは、浮気された妻が仲間を募って相手の女を襲撃する「うわなり打ち」。度が過ぎて女が殺害されることもあった。年貢を横領した武士を呪い殺そうとする僧侶には、本来人を救済すべき立場ではないかとツッコミを入れつつ「現代人の感覚で非常識で非道徳なことにも、中世なりの正義やルールがあった」と説明する。 教科書にはないような事例をどのように集めるのか。「多くの研究者は史料から幕府の構造を明らかにしようとするのですが、私は本筋とは関係のない、たまたま書かれた三面記事的なことが気になる。でも、そこに中世らしさが出ている」。そんなニッチな興味が「おまえのカアちゃん、でべそ」のルーツの考察や、寺の屋根瓦に落書きされた同性愛の恋文の発見につながった。 歴史にはまったのは小学3年生ごろ。テレビドラマがきっかけで、家康や三成の評価が見方によって変わることに衝撃を受けた。「室町には私たちが安住する価値観を揺るがす破壊力がある」。面白がるツボは子供の頃から変わっていないようだ。(文・久田貴志子 写真・小山幸佑)=朝日新聞2021年8月14日掲載【室町は今日もハードボイルド】清水克行著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より僧侶は武士を呪い殺し、農民は合戦を繰り広げ、浮気された妻は相手の女を襲撃するー。あなたたち、本当にご先祖様ですか?数々の仰天エピソードから浮かび上がる中世の日本人像は実は凶暴でアナーキーだった!想像の斜め上を行く驚愕の日本史エッセイ。<読む前の大使寸評>この本の副題が「日本中世のアナーキーな世界」となっているが・・・・面白そうなのでチョイスしたのです。rakuten室町は今日もハードボイルド**********************************************************************好書好日トップ
2023.06.21
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?このところ、早めの台風到来、降れば大雨、晴れると真夏かと・・・季節感に混乱が起きるではないか。宇宙や占星術の記事を見たり、書いたりしているが『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、夏至のあたりを見てみましょう。和暦p17<夏至>昼が一番長く、夜が一番短い日 夏至節季は、現代の暦で6月20、21日ころから始まり、次の節季「小暑」の前日までを指す。夏至に入った初日を特に「夏至日」あるいは「夏至の日」と呼び区別されている。 地球の北半球では、夏至の日は1年で昼がいちばん長い日であり、1年で昼がいちばん短い冬至の日から約半年後が夏至の日となっている。 『暦便覧』に記されている言葉は「陽熱至極し、また、日の長きのいたりなるを以てなり」である。また、陰暦6月の異称には、「水無月」、「風待月」、「常夏月」、「青水無月」などがあり、いずれも田植えにかかわった名称となっている。 水無月について、「田には田植えのための水が張られているのに、水が無い月?」―よく聞かれる疑問だ。諸説あるが、「無」は連帯助詞で「の」と解釈し、「水の月」とする説と、梅雨が明けると「水が無くなる」ので文字通り「水無月」とする説がある。 夏至の期間は、梅雨の真っ只中。農家は田植えに「大忙し」の時期ですが、燕は飛来し、筍は地上に顔を出し、蝉の初音など、気候風土の風物詩は一変する。 この時期の七十二候には 初侯「乃東枯」(ないとう、かるる)夏枯草が枯れる、 次候「菖蒲華」(あやめ、はなさく)あやめの花が咲く、 末候「半夏至」(はんげ、しょうず)など。「半夏生」は、一部の葉が白色に変わるドクダミ科の植物・カラスビシャクのことである。カラスビシャク和名の由来は、仏炎苞を「柄杓」に見立て、人が使うには小さいということで名づけられた。 塊茎は半夏(はんげ)という生薬に用いられる。 鎮吐作用があり、半夏湯(はんげとう)などの漢方薬に配合される。 俳句の季語は夏である。 二十四節季の立夏に注目(復刻)
2023.06.20
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今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「歴史」でしょうか♪<市立図書館>・南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史・室町は今日もハードボイルド・太平洋戦争への道1931‐1941<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史】ビル・ヘイトン著、河出書房新社、2015年刊<「BOOK」データベース>より境界線と領有権の「なぜ」を詳説!人工島の拠点化、緊張する周辺国、衝突の危険と不測の事態。「南シナ海の歴史」は「世界の歴史」であり、その未来は世界の関心事だ。ここで起こることは世界の未来を決めることになる…歴史、国際法、資源、政治、軍事など、あらゆる角度から解説する必読書。<読む前の大使寸評>米中が対峙する境界線といえば、台湾海峡と南シナ海であり、インドを加えた日米豪印クアッド(QUAD)は対中防衛軍でもあるわけで・・・必読書とも言えるこの本をチョイスしたのです。なお、中国外務省の報道官は「クアッドは時代遅れの冷戦思考に満ちており、軍事的な対抗の色彩が強く、時代の流れに逆行し、人々の支持を得られない」とけん制しています。<図書館予約:(6/09予約、副本2、予約1)>rakuten南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史【室町は今日もハードボイルド】清水克行著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より僧侶は武士を呪い殺し、農民は合戦を繰り広げ、浮気された妻は相手の女を襲撃するー。あなたたち、本当にご先祖様ですか?数々の仰天エピソードから浮かび上がる中世の日本人像は実は凶暴でアナーキーだった!想像の斜め上を行く驚愕の日本史エッセイ。<読む前の大使寸評>この本の副題が「日本中世のアナーキーな世界」となっているが・・・・面白そうなのでチョイスしたのです。rakuten室町は今日もハードボイルド【太平洋戦争への道1931‐1941】 半藤 一利, 加藤 陽子著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より2017年の終戦の日にNHKラジオで放送されて話題を呼んだ鼎談に、保阪正康の解説と図版・写真を加えて再構成した「開戦八十年企画」。1931年の満州事変から、1941年の真珠湾攻撃へ。昭和日本が犯した「最大の失敗」に至る道筋を六つの転換期から検証し、私たちが学ぶべき教訓と、令和日本が進む道を提言する。<読む前の大使寸評>表紙に名前が出ているお三方は、日本のリベラルな論客とも言えるような人選であり・・・チョイスしたのです。rakuten太平洋戦争への道1931‐1941図書館大好き596
2023.06.20
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在103位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在9位・西加奈子『くもをさがす』(5/10予約、入荷待ち)現在90位・村上龍『ユーチューバー』(5/20予約、入荷待ち)現在31位・『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』(5/23予約、副本1、予約26)現在24位・スヴェン・ベッカート『綿の帝国』(6/14予約、副本3、予約7)・山本佳典『羊と日本人』(6/17予約、副本1、予約1)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・養老孟司『形を読む』・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・『失われた30年を取り戻す』:図書館未収蔵・動的平衡3:あるいは購入<予約分受取:5/23以降> ・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、5/23受取)・横尾忠則『見えるものと観えないもの』(5/16予約、5/23受取)・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、5/28受取)・砂漠と異人たち(2/25予約、6/03受取)・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、6/07受取)・『小川さゆり、宗教2世』(4/06予約、6/10受取)・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、6/13受取)・言葉の周圏分布考 (8/15予約、6/13受取)・『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』(6/09予約、6/16受取)**********************************************************************【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【くもをさがす】西加奈子著、河出書房新社、2023年刊<商品説明>よりカナダで、がんになった。「私は弱い。徹底的に弱い」。でもーーあなたに、これを読んでほしいと思った。祈りと決意に満ちた著者初のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/10予約、入荷待ち)>rakutenくもをさがす【ユーチューバー】村上龍著、幻冬舎、2023年刊<出版社>より20代半ばにしてデビューをした作家・矢崎健介、70歳になった。「世界一もてない男」を自称するユーチューバーが、矢崎をユーチューブに誘う。承諾した矢崎が語り出したのは、自由である人間について。自由な人間は滅多にいないのだと言った。自由であるということは、唯一の希望を生む。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/20予約、入荷待ち)>rakutenユーチューバー【千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話】済東鉄腸著、左右社、2023年刊<「BOOK」データベース>より日本どころか千葉の実家の子供部屋からもほとんど出ない引きこもりの映画オタクの下に差し込んだ一筋の光、それはルーマニア語ールーマニア人3000人に友達リクエストをしてルーマニアメタバースを作り猛勉強、現地の文芸誌に短編小説を送りつけ、『BLEACH』の詩へのリスペクトと辞書への愛憎を抱きながらルーマニア語詩に挑戦する。受験コンプレックス、鬱、クローン病。八方塞がりの苦しみから、ルーマニア語が救ってくれた。暑苦しくって切実で、好奇心みなぎるノンフィクションエッセイ。千葉の片隅から、魂の故郷・ルーマニアへの愛を叫ぶー。本、映画、音楽…ルーマニアックのための巻末資料も収録!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/23予約、副本1、予約26)>rakuten千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話【綿の帝国】スヴェン・ベッカート著、紀伊國屋書店、2022年刊<「BOOK」データベース>より奴隷制、植民地主義、強制労働…社会的・経済的不平等や差別は資本主義の歴史の例外ではなく、その核心だった。膨大な資料をもとに5000年、5大陸にわたる綿とそれにかかわる人々の歩んだ道をたどり、現代世界の成り立ちを追究した、バンクロフト賞受賞作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/14予約、副本3、予約7)>rakuten綿の帝国【羊と日本人】山本佳典著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より明治維新、植民地朝鮮、農村恐慌、満蒙開拓、御料牧場、三里塚…忘れられた日本の緬羊史を在野の若手研究者が独自の視点でとらえ、執念とも言える膨大で緻密な調査と関係者への聞き取りで浮かび上がらせた、渾身のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/17予約、副本1、予約1)>rakuten羊と日本人【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.06.19
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<SF風イラスト R1>先日、ショーン・タンの『遠い町から来た話』『アライバル』という絵本を見て衝撃を受けたのです。おおSFテイストのイラストやんけ♪・・・・大使のツボが騒ぐのです。ということで、SF風イラスト(ファンタジー風を含めて)を集めてみたのです。なお、手塚治虫や松本零士、大友克洋らが抜け落ちているけど・・・メジャー過ぎる、あるいは大使好みでないという勝手な理由ですので、ご容赦ください。・アルザック:メビウス(1975年~1976年)・アダムの肋骨:諸星大二郎(1978年)・王と鳥:監督ポール・グリモー、脚本ジャック・プレヴェール(1980年)・天空の城ラピュタ:宮崎駿(1986年)・風の谷のナウシカ:宮崎駿(1984年)・ロスト・シング:ショーン・タン(2000年)・ナンバーファイブ 吾:松本大洋(2000年~2005年)・千と千尋の神隠し:宮崎駿(2001年)・PLUTO:浦沢直樹(2003~2009年)・アライバル:ショーン・タン(2006年)・スカイ・クロラ:押井守(2008年)・まっくら、奇妙にしずか:アイナール・トゥルコウスキィ(2008年)・うみべのまち:佐々木マキ(2011年)・遠い町から来た話:ショーン・タン(2011年)・星を追う子ども:新海誠(2011年)・闇の国々:スクイティン(2011~2013年)・夏のルール:ショーン・タン(2013年)・2つの月の出る世界、高速道路くものかけはし:村上隆(2014年)・総特集 星野之宣(2020年)・パシフィック・リム(2020年)R1:「パシフィック・リム」を追加【アルザック:メビウス】メビウス-アルザックの画像「メビウス アルザック・ラプソディ」予告編**************************************************************【アダムの肋骨:諸星大二郎】**************************************************************【王と鳥:ジャック・プレヴェール】王と鳥byドングリ**************************************************************【天空の城ラピュタ:宮崎駿】**************************************************************【風の谷のナウシカ:宮崎駿】**************************************************************【ロスト・シング:ショーン・タン】それらしい場所扉が開いた『ロスト・シング』byドングリ**************************************************************【ナンバーファイブ 吾:松本大洋】**************************************************************【千と千尋の神隠し:宮崎駿】『千と千尋の神隠し』を読む40の目(その1)byドングリ**************************************************************【PLUTO:浦沢直樹】PLUTOこの人たちについての14万字ちょっと1byドングリ**************************************************************【アライバル:ショーン・タン】アライバルbyドングリ**************************************************************【スカイ・クロラ:押井守】**************************************************************【まっくら、奇妙にしずか:アイナール・トゥルコウスキィ】**************************************************************【うみべのまち:佐々木マキ】佐々木マキの世界byドングリ**************************************************************【遠い町から来た話:ショーン・タン】葬送ぼくらの冒険旅行遠い町から来た話byドングリ**************************************************************【星を追う子ども:新海誠】新海誠アートワークスより**************************************************************【闇の国々:スクイティン】**************************************************************【夏のルール:ショーン・タン】**************************************************************【2つの月の出る世界、高速道路くものかけはし:村上隆】ちょっと、蛇足かもしれないが、SF風の絵ではあるなぁ♪熱闘!日本美術史byドングリ**************************************************************【パシフィック・リム】徹底的にこだわった“KAIJU”とロボット、『パシフィック・リム』にみるギレルモ・デル・トロの日本カルチャー愛より
2023.06.19
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今お騒がせ中のチャットGPTであるが・・・マイクロソフトBingの文書作成機能でカジュアル文体を選んで試しに「シシド・カフカのテレビ出演」をトライすると以下の応答が得られたのです。シシド・カフカさんは、2021年に放送されたテレビ朝日のドラマ「漂着者」に出演されたそうです1。また、2023年には、生田斗真さん主演のテレビ朝日のドラマ「警部補ダイマジン」に出演される予定です。以上の情報がお役に立てますように。ここで、「シシド・カフカさんのドラム演奏シーンを見たい」と茶々を入れると以下の応答がありました。シシド・カフカさんのドラム演奏シーンを見たい場合は、YouTubeで検索すると、いくつかの動画が見つかります。例えば、「ラヴコリーダ」のMVや、「絶体絶命」のカバーなどがあります。また、イベントでのパワフルなドラム演奏シーンもあります。以上の情報がお役に立てますように。、「ラヴコリーダ」のMVウン そつのない応答ですね。以前 チャットGPTより低レベルのAIと酷評してしまい失礼いたしました。(チャットGPTは取りこみデータがやや古いのでおかしな応答があり、Bingの正確さに及ばないようです)・・・だけど今、この高機能AIを犯罪者がチャットで活用する状況は、怖いものがあるのです。今お騒がせ中のチャットGPTであるが 3:神戸新開地音楽祭今お騒がせ中のチャットGPTであるが 2:チャットGPTの危険性今お騒がせ中のチャットGPTであるが 1:中国の権威主義的資本主義新しい Bing へようこそ:何でも聞いてください
2023.06.18
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図書館で『SF映画術』という本を、手にしたのです。副題が「ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」となっていて興味深いのだが・・・創作講座というよりもSFが大好きな巨匠たちによるSF賛歌になったような本になっています。画像も多くてビジュアルなところもいけてます。【SF映画術】ジェームズ・キャメロン著、DU BOOKS、2020年刊<「BOOK」データベース>より映画『月世界旅行』(1902)からドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』まで。映画、小説、ドラマ、神話…各巨匠が自身のインスピレーション源を語り尽くす。知られざる「フォース」の正体とは!?ここでしか語られていない、驚愕の映画制作の舞台裏も。<読む前の大使寸評>副題が「ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」となっていて興味深いのだが・・・創作講座というよりもSFが大好きな巨匠たちによるSF賛歌になったような本になっています。画像も多くてビジュアルなところもいけてます。rakutenSF映画術「LESSON5 美しきモンスター」でリドリー・スコットとジェームズ・キャメロンが「ブレード・ランナー」、「エイリアン」などについて語っているので、見てみましょう。p234~237<雨の中の涙のように> 広告業界で数多くのCMを制作していたリドリー・スコットは、映画監督に転向後、1979年のスペースホラー映画『エイリアン』でSFジャンルに大改革をもたらしたが、それ以前に撮った長編映画は、1977年の『ヂュエリスト/決闘者』のたった1作だった。 美大出身の画家的な視点を持つスコットは、宇宙船ノストロモ号の天井の低さや通路の狭さを、平面も角度も細部まで手を抜かずに表現したのだが、そこには、ある計算があった。悪夢のような捕食者が解き放たれ、何も知らない乗組員に忍び寄る前に、閉所恐怖症的な感覚をしっかりと観客の中に植えつけていたのだ。 エイリアンの成体ゼノモーフが黒い身体を怪しく光らせ、新たな獲物を求めてさまようとき、シガニー。ウィーバー演じるエレン・リプリーは勇気を奮い起こす。その危険な存在に対峙するため、そして生き延びるために。 スコットの次なる作品は、未来の捜査官リック・デカード役にハリソン・フォードを起用した1982年の『ブレードランナー』だったが、彼は再び、SF映画のスタンダードのレベルを引き上げてしまう。そのアイデアはあまりにも時代を先取りしていたため、『ブレード・ランナー』の精神はその後何年も経ってようやく評価されることになった。それでも、スコットはハリウッドを象徴する存在であり続けた。 彼は、驚くほど多才かつ多産なフィルムメーカーで、視覚芸術家としての素晴らしい才能を思い存分作品に注ぎ込み、誰も見たことないほど美しい銀幕の映像を創り上げていく。しばらくSFから離れていたスコットだったが、『プロメテウス』(2012)と『エイリアン:コヴェナント』(17)で、最近同ジャンルに戻ってきている。この2作は、彼が誕生させた『エイリアン』ワールドの前日譚。さらに、『オデッセイ』(15)は、火星に取り残された宇宙飛行士が生き延びる様を綴ったアンディ・ウィアーの小説「火星の人」(11)が原作で、アカデミー賞7部門にノミネートされた。 このインタビューで、スコットとジェームズ・キャメロンは、AIの危険性、映画史上最も偉大で息の長い人気を誇るモンスターであるエイリアン、『ブレードランナー』の最高に印象的なシーン(レプリカントのロイ・バッティが「雨の中の涙のように」と語るモノローグ)のメランコリックな美しさなどについて語り合う。■アッシュとレイチェル・・・理想的人造人間JC:私は年齢を重ねたら、あなたのようになりたいと思っているのです。今日も、その気持ちに変わりはない。あなたのように、エネルギーと映画に対するパッションを維持したい。あなたはひとつの作品が終わると、すぐに次の作品の撮影に入る。それが終わると、また次の作品・・・というように。そして、信じられないほど審美眼の持ち主だ。RS:結果として、たまたま、そういう道を歩んできただけだよ。私の人生プランは、プランがないことだからね(笑)。JC:今日ここに私たちが揃っているのは、ふたりともSFというジャンルが大好きだから。そして、私と同じく、あなたも子供の頃にありとあらゆるSF作品を観てきたはずだ。そもそもは、デザイナーとしてキャリアを始めたんでしたよね? 大学はロイヤル・カレッジでしたよね。RS:そう。ロンドンのロイヤル・カレッジ・アートでね。当時は娯楽といっても、我が家にテレビはなかった。1954年に初めて、イギリスの自宅にテレビが届いた。しかも、白黒テレビがね。だから、私は本をたくさん読んでいた。SF小説に夢中になったね。初めてのお気に入り作家は、H・G・ウェルズだった。宇宙ものには食指が動かなかったから、アイザック・アシモフに傾倒することはなかった。JC:アシモフは初期に、ロボット工学やロボット三原則に関する本を結構書いていた。あなたは『ブレードランナー』を作り、『エイリアン』シリーズでは第1作の他、『プロメテウス』と『エイリアン:コヴェナント』を監督した。それら全てに人造人間が登場するから、人造人間が出てくるあなたの監督作は4作品だ。RS:『ブレードランナー』のロイ・バッティはAIだが、大陸間弾道ミサイルだってAIだよ。あれがコンピュータで管理された爆弾だということを皆は忘れているようだけどな。コンピュータの美しさは、感情を持っていないということ。否定的な感情も肯定的な感情も、何も持っていない。『エイリアン』の1作目で、自責の念を持たないアンドロイドのアッシュが出てくるが、彼は、なかなか素晴らしいテーブルスピーチを行える、完璧なAIだ。自身の決断や選択を変えてしまうような感情的なものが全くない。JC:だが、あなたは『ブレードランナー』でレイチェルという感情を抱くAIを取り扱った。あれはラブストーリーだった(最後にはラブストーリーだとはっきりする)わけで、そう成立させるためには、彼女は感情を持っていなければならなかった。RS:レイチェルはパーフェクトなネクサス6型(レプリカントの最新モデル。安全装置として寿命は4年に設定されていた)だった。まあ、人間がそう呼んでいるわけだが。とにかく、エルトン・タイレル博士(タイレル社社長で、レプリカントを開発した科学者)が誇る最高傑作だった。彼女は白紙の自慢の種で、博士は、彼女がどこに行こうと誇らしげに見ている。JC:レイチェルは、“人間であることの意味”を常に学び、吸収し続けているという印象を受けました。彼女が人造人間だという結論を下すのに、デカードはすごく時間がかかっている。他の物ごとを決めるときの5倍の時間はかかっているんじゃないかな。だが現実の我々は、AIについての最も重要な問題をのらりくらりとかわしているような気がしてなりません。もし機械が人間に十分近づき、人間同様に複雑な思考をするようになったら、どの時点で、我々は彼らと人間の区別がつかなくなると思います?RS:AI開発を行う人間が本当に優秀であれば、絶対に機械に組み込まないもののひとつとして感情を選ぶはずだ。プログラムの方程式から、感情を除外する。感情は実に多くの様相を導く。愛情と同様に、欺瞞、憤怒、憎悪といったものまでもね。H・R・ギーガーが描くエイリアンについては『リドリー・スコットの世界3』がお奨めです。『SF映画術』2:錆び付いた「未来」『SF映画術』1:『スター・ウォーズ』という革命
2023.06.18
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図書館で『アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ』という本を、手にしたのです。横書きで論文調の構成ではあるが・・・何やらマニアックであり、面白そうである。【アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ】 池田 淑子編著、大阪大学出版会、2019年刊<「BOOK」データベース>よりゴジラはついに星になった(ゴジラ座、2018)。なぜ半世紀以上も日米で愛されているのか。ゴジラを愛してやまない日米の6人の研究者がその問いに挑む。<読む前の大使寸評>横書きで論文調の構成ではあるが・・・何やらマニアックであり、面白そうである。rakutenアメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ「第3章」でアメリカでリメイクされたゴジラ映画を、見てみましょう。p52~55<第1節 序論> 2014年7月、初代『ゴジラ』(1954)のリブート版『GODZILLAゴジラ』(2014)が公開されてからアメリカでは再びゴジラブームが巻き起こった。 当時、「手がつけられないほど勢いに乗った」(unstoppable)次期大統領候補であったトランプ氏をGodzillaのようだと語ったメディアは、その年の冬に北米を襲った記録的な大寒波を“Snowzilla”、過去最大のエルニーニョ現象を“Godzilla EL Nino”と呼んだ。ゴジラという名前のレストランや伐採サービスを行う会社が現れたかと思うと、最近新しく発見された天体はNASAとその研究チームに「ゴジラ座」と名付けられた。 このようにGodzillaという語は、アメリカ文化の一つの基準となっている。なぜアメリカ人はGodzillaにこれほど愛着を示すのだろうか。本章は、この問を初代のゴジラ映画の需要にさかのぼり、考察を試みるものである。 特に、初代『ゴジラ』(1954)のゴジラ表象は、象徴として多義的ではあるものの、当時の日本人にとっては、明らかにアメリカの代理表象でもあり、反戦・反核・反米の色彩が強いものである。にもかかわらず、当時、大部分の国民が原爆投下の正当性を信じていたアメリカで、なぜゴジラは広く受け入れられたのだろうか。第1章と第2章で論じられた当時のGodzillaのニューヨークへの軟着陸に関する解説を基盤に、本章ではさらにこの問いの探求を進めたい。 初代『ゴジラ』(1954)は、アメリカでどのようにアメリカ版Godzilla, King of the Monsters!(『怪獣王ゴジラ』)(1956)となったのだろうか。どのように新しい映像が付加され、編集され、修正され、吹き替えられ、変容され、そしてそれが宣伝され、受容されたのか。 また、第二作『ゴジラの逆襲』(1955)、第三作『キングコング対ゴジラ』(1962)および第四作『モスラ対ゴジラ』(1964)もアメリカ版においてどのような修正・編集が加えられ、受容されたのか。本章は、初代作品をはじめとする昭和シリーズ前半4作品の受容について相対的に検討したい。また、それらの作品群を同時代の核や怪獣を描きヒットしたアメリカのサイエンス・フィクション映画の作品群と比較・対照する。 そうして縦横的に、「怪獣王」について歴史的・政治的・社会的・文化的な考察を深め、当時のアメリカ社会におけるゴジラ表象が担う文化的な役割を探求し、その後のゴジラ映画の受容を分析する手がかりとしたい。<第2節 Godzilla, King of the Monsters!『怪獣王ゴジラ』(1956)、『ゴジラ』(1954)>■2.1 辛辣な批評と記録的なヒット アメリカ版ゴジラの制作・配給の鍵を握るのは、ボストンを拠点にした配給会社のジョセフ・レヴィーンである。東宝から映画『ゴジラ』(1954)の版権を購入したジュエル・エンタープライズのリチャード・ケイとハロルド・ロスがレヴィーンのもとに映画を持ち込んだのである。彼は、映画業界では、マーケティング戦略においてパイオニア的存在であった。映画市場をテレビ番組に普及させたのも彼である。 アメリカ版のタイトルはGodzilla, King of the Monsters!であり、日本では文字通り『怪獣王ゴジラ』と訳されている。この『怪獣王』の監督にアメリカ人のテリー・モースが採用されたのである。 第4章で、デイビッド・カラハン氏が詳細に説明するように、『怪獣王』は、アメリカでは、まず大都市の主要な市場で上映され、それから次第に小さな市場で、別のホラー映画と同時上映された。その後、全国放送もしくはローカルなテレビ局で放送されたのだが、1950年代、1960年代、1970年代、1990年代に繰り返し放送されている。また、1980年代以降、VHSやDVD版が利用できるようにもなった。 後に、特殊効果や音楽についてポジティブに評価する記事が多数みられたが、当時の映画批評は、大部分が辛辣な批判だった。『アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ』1:はじめに
2023.06.17
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図書館で『アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ』という本を、手にしたのです。横書きで論文調の構成ではあるが・・・何やらマニアックであり、面白そうである。【アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ】 池田 淑子編著、大阪大学出版会、2019年刊<「BOOK」データベース>よりゴジラはついに星になった(ゴジラ座、2018)。なぜ半世紀以上も日米で愛されているのか。ゴジラを愛してやまない日米の6人の研究者がその問いに挑む。<読む前の大使寸評>横書きで論文調の構成ではあるが・・・何やらマニアックであり、面白そうである。rakutenアメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ「ゴジラ(1956年)」のアメリカ版「怪獣王ゴジラ (GODZILLA KING OF THE MONSTERS)」のポスター「はじめに」の冒頭部分で日米のゴジラ映画を、見てみましょう。pi~ⅲ<はじめに> およそ60年以上も前、核に対する強いメッセージが吹き込まれた日本のゴジラ映画は、2011年3月の東日本大震災(3.11)による福島第一原子力発電所の事故以降、国の内外で再評価が始まった。 なかでもアメリカでの反響は非常に早いものだった。2012年1月、初代『ゴジラ』(1954)に英語の字幕が付けられたオリジナル版が、そのアメリカ版であるGodzilla, King of the Monsters!(1956)とともに、2枚組DVDの形でクライテリオンコレクション(The Criterion Collection)から発売され、さらに、2014年には、初代ゴジラ映画のリブート版Godzillaが制作され、世界中で大ヒットを収めた。 一方、国際的な再評価を目の当たりにした東宝は、2014年6月、ゴジラ60周年記念のイベントに、当時主役を演じた俳優、宝田明氏とアメリカの新作映画Godzillaのギャレス・エドワーズ監督を招待し、初代『ゴジラ』のデジタル・リマスター版を劇場公開した。そして2016年7月、一度は自ら終止符を打ったゴジラシリーズを復活させ、新作『シン・ゴジラ』(2016)を制作・配給したのである。 このように、アメリカにおけるゴジラ映画の需要は、日本よりも進んでいる。チョン・ノリエガ(Chon Noriega)の論文「ゴジラと日本の悪夢」(“Godzilla and the Japanese Nightmare”1987年にアメリカで刊行)など、研究もかなり早くから行われてきた。一方、日本でゴジラ映画に関する学術書が現れたのは、1990年代後半になってからのことである。 日本の地政学的な文脈の中で、『ゴジラ』を「怪獣神話」として分析した高橋敏夫が第一人者であろう。3.11以降、日本でのゴジラ研究は急速に増え、なかでも吉見俊哉は、『夢の原子力』のなかでゴジラが戦後の日米関係の象徴であると同時に日本の戦争と戦後の象徴でもあると論じ、ゴジラ表象の社会的・文化的意味を深く掘り下げている。 『シン・ゴジラ』の制作・上映以降のゴジラに関する研究は、『ユリイカ』2016年12月臨時増刊号の総特集「『シン・ゴジラ』とはなにか」、藤田直哉の『シン・ゴジラ論』(2017)、小野俊太郎の『新ゴジラ論』(2017)など、めざましく進んでいる。 しかし、日米両国におけるゴジラ映画の分析は、ほとんどが日本の地政学的文脈で行われたものであり、アメリカの文脈ではあまり行われていないのが現状である。ゴジラ映画がなぜこれほどアメリカで受容され、流通し消費され、半世紀以上も繰り返し制作されてきたのかについて探求した研究は、残念ながら非常に少ない。 ましてやアメリカではGodzillaが2億ドル以上の売り上げを獲得したにもかかわらず、日本で大ヒットした『シン・ゴジラ』が非常に限定された劇場で、しかも短期間しか上映されず、わずか100分の1の約190万ドルしか売上げを獲得できなかった理由を、探求する糸口となるものは見つかっていない。 本書は、編者の2014年から2015年の米国コロンビア大学での学外研究中にアメリカのゴジラ研究者とアメリカでの受容について交わした議論を基に、立命館大学国際関係学部の研究者とともに、ゴジラ映画の日米両国における受容について考察するものである。「不気味なもの」として、またある時は「ヒーロー」として現れるゴジラ表象の正体を明らかにし、日米両国でゴジラ映画が長く受容されてきた理由を解読する手口を見つけることが本書の目的である。 また、それは、ゴジラ映画がなぜ国境を越え、往来するトランスナショナルな存在になったのか、という問いに対する解答を模索する試みでもある。日本のポピュラー・カルチャーの先駆者であるゴジラの「下からのグローバル化」、アメリカでの「ローカル化」を経て、トランスナショナルな存在へと至る過程を紐解く糸口としたい。 池田淑子
2023.06.17
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図書館に予約していた『小川さゆり、宗教2世』という本を、待つこと2ヵ月ほどでゲットしたのです。国会の法案の審議にも参考人として証言した根性が、ええではないか♪【小川さゆり、宗教2世】小川さゆり著、小学館、2023年刊<「BOOK」データベース>よりなぜ彼女は「涙の告発」を決意したのか?「神の子」じゃなく私として生きたい。両親や教会からの妨害に負けず、統一教会での体験を明かす覚悟の手記。<読む前の大使寸評>国会の法案の審議にも参考人として証言した根性が、ええではないか♪<図書館予約:(4/06予約、副本1、予約5)>rakuten小川さゆり、宗教2世「第6章 “小川さゆり”の誕生」で安倍首相の銃撃事件が語られているので、見てみましょう。p188~191<「被害者」は私だけじゃなかった> 2022年7月8日、安倍晋三元首相が奈良で撃たれた事件を知ったとき、私は横浜の自宅で仕事をしていました。生まれたばかりの子どもの世話をしながらだったので、日中はニュースを全く見ていませんでした。「安倍さんが殺されたみたいだよ」 夕方、帰宅した夫にそう聞いたときは、「えっ」と大きな声が出ました。 でも、私がもっと驚いたのはその日の夜、テレビのニュースを見ていた時です。山上被告が「特定の宗教団体に恨みを持っていた」と語っているという報道を聞いて、息を呑みました。「これは絶対に統一教会のことだ・・・」 すぐにそう思ったのは、安倍元首相が韓鶴子総裁に祝電を送っていたということを、私は教会で知っていたからでした。父も「安倍さんは原理を知っている人だから」と言っていました。「原理」とはもちろん『原理講論』のことです。 また、「政治家のなかにも統一教会のみ言(ことば)、原理を知っている人はいるんだよ」ということは、教会で聞かされていたことでもありました。 2019年の参議院選挙のときには、2世の友人からこんなメッセージが送られてきたこともあります。「もしまだ投票しに行っていなければ、全国比例で応援している議員がいて、協力してもらえないかな・・・?」 友人があげたのは自民党の当時の安倍派議員の名で、「ちなみに、この〇〇さんは、安倍首相を支える側の人だよ」とメッセージが続きました。 私は「特定の宗教団体に恨みを持っていた」という話を聞くまでは、元首相の命が奪われたというただただ恐ろしい事件が起きたんだと感じ、哀しくて不安な気持ちでいっぱいでした。 安倍元首相が撃たれた瞬間の動画がTwitterに投稿されているのを見て、「日本は安全な国ではなかったの?」と憤りを感じました。 山上被告に対する気持ちも同じです。この日本でこんなテロをするなんて、絶対に許せないと私は思いました。 ところが、「特定の宗教団体に恨み」という言葉を聞き、また山上被告は奈良の人だと報道されているのを見て、不気味な感覚に陥りました。私は統一教会の修練会で奈良の教会に行ったこともあり、他人ごとだった事件が急に自分の問題として迫ってくるようでした。 その後、マスメディアでも「統一教会」という名前が具体的に報じられるようになっていくなかで、私の胸には何かが芽生え始めました。 山上の親が1億円を超える多額のお金を統一教会に献金していたこと、それによって彼が極貧生活を強いられた家庭が崩壊したこと、山上の母親が清平に行っていたこと・・・。 教会との関わりのひとつひとつの話は、私にとって身近に感じられてしまうものでした。 わたしは一言では言い表せない複雑な気持ちになりました。テロリストだと思って深く嫌悪したその人は、一方で自分と同じ教会の被害者だったのだと同情し、共感してしまう自分がいる。いったいどう考えればいいのだろう、とひどく混乱しました。 私がTwitterで2世問題について語り始めたのは7月13日のことでした。アカウント名は「統一教会の教会長の娘」としました。 Twitterを始めたのは、事件後に統一教会の元2世の人たちの多くが、ネットで声を上げているのを見たからでもありました。小川さんがカルト2世として訴えたいあたりを見てみましょう。p194 私が特に訴えたかったのは、「子どもには罪がない」ということと、「悪質な団体を規制する必要がある」ということです。 親は騙されたり強引に勧誘されたのではなく、自分の責任と選択で宗教を信じ、献金をすることもあるでしょう。ですが、その子どもには何の選択肢もありませんでした。生まれた頃から、「神の子」と勝手に言われ、世の中はサタンだと教えられ、人間の本能である恋愛も禁じられました。そして生活費や教育費を切り詰め、子どものことよりも教会に目を向けている親に育てられた2世たちの悲痛な叫びを聞きました。 いまこの日本で被害を受けている子どもたちは、声を上げることもできないでいるでしょう。親元にいるから、身元がばれるわけには絶対いかないからです。 また、統一教会がこうした被害を認めないせいで、世間からの目も厳しくなっていて、それは何の罪もない信者の子どもたちへの差別にもつながりかねません。 子どもたちを救うことは私にとって最優先のことでした。旧統一教会の元2世信者 小川さゆりさん 被害者救済新法成立へがお奨めです。
2023.06.16
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ドイツ政府が初の安全保障戦略を発表したが、中国に厳しい見方を示しています。ロシアばかりでなく、ロシアに近づく中国は新たな脅威ではないかと思うわけで・・・中国の歴史をおさらいする意味で、以下の通り復刻してみます。*********************************************************図書館で『実録アヘン戦争』という新書を、手にしたのです。かなり古い本であるが、毎日出版文化賞受賞の本ということで・・・期待できそうである。【実録アヘン戦争】陳舜臣著、中央公論新社、1971年刊<「BOOK」データベース>より古書につき、データ無し<読む前の大使寸評>かなり古い本であるが、毎日出版文化賞受賞の本ということで・・・期待できそうである。amazon実録アヘン戦争英メネシス号の中国兵船砲撃アヘン戦争開戦前夜あたりを、見てみましょう。p128~130<実力行使> 公行は大へんな問題を背負い込んだ。 夷人がこの国に来るのは、アヘンを売って、茶葉を買うためである。 アヘンを持ち込めば殺されてもよい。・・・そんな誓約書に、夷人たちがおいそれとサインをするはずがない。 そのうえ、現在夷人が〇〇沖にストックしているアヘンを、ぜんぶ没収されるために供出せよというのだ。 困ったことに、天朝である中国には対等の国家がなく、したがって外交関係もありえないという“たてまえ”である。したがって、外交を担当する役所もない。夷人のことは、すべて公行というルートを通してなされる。たとえば、すべての外国船が広州にはいるとき、公行のメンバーの誰かが保証人とならねばならない。国家の外交と通商事務を、民間の同業組合が一手に引受けているという変則的な形態である。商売のうえでは独占ということになって、大そうけっこうであるが、こんどのような難題がもちあがると、たちまち頭が痛くなるのだった。 期限と定められた三日のあいだに、公行総商の伍紹栄はげっそりと痩せてしまった。問題が解決する見通しはまったくなかった。 いったい、公行は正式の特許商人だから、アヘンは扱うことができない。それなのに、アヘン問題から起こったゴタゴタで、こんな苦しい板挟みになるのだから、割の合わない話である。 かつて公行のメンバーであった同泰行という店が、自分が保証人になった外国船からアヘンが発見されたというだけで、貨物の50倍の罰金刑を受けたことがあった。 …弛禁論が実現しておれば、こんな苦労もなかっただろう。 そんな愚痴がメンバーの口からもれたであろう。 夷人たちは、公行から示された諭帖を、頭から拒絶した。話し合いの余地もないという態度であった。 約束の期限は2月7日であった。新暦では3月21日で、春分にあたる。そのためか、林則徐はその日、なんの行動も起こさなかった。翌日も代理の役人を十三行街に派遣いただけである。 伍紹栄はけんめいに夷人たちのあいだを説いてまわった。 …どうせこの国の役人のことだ。こけおどしにすぎない。賄賂をはずめということだろうが、そうはさせないぞ。 夷人の大部分は、そんなふうに考えていた。これまで清国の役人は、ソデの下をつかませると、どうにでもなったからである。 伍紹栄は、「欽差大臣」という役職を説明し、これは非常のときにしか任命されないもので、最近では7年まえの台湾叛乱にさいして、福州将軍瑚松額が任命された一例のみだから、ことは重大だ、と熱っぽく説く。やっと夷人たちも、こんどは金で解決できそうもないとわかったようだ。 欽差大臣ともあろう者が、いったん言い出したことを、かんたんに引っ込めることはできないだろう。では、すこし奮発して、面子を立ててやるか。…こうして、夷人たちもちょっぴり譲歩した。 誓約書のことにはふれずに、ストックのアヘン1037箱を供出しようと答えたのである。だが、林則徐は各方面の情報を検討して、アヘン母船にストックされているアヘンは、約2万箱あると推定していた。 …千箱などでは問題にならん! と、その申し出は一蹴された。 追い打ちをかけるように、欽差大臣から夷館内の一英人に逮捕状が出された。 デント商会のデントである。 もともと林則徐は代表的アヘン商人としてジャーディン・マセソン商会のジャーディンを逮捕して、みせしめにするつもりであった。ところが、かんじんの本人が、林則徐着任五日まえに、イギリスに帰国していたのである。デントはその身代りであった。この本も陳舜臣アンソロジーR12に収めておくものとします。なお、東インド会社については『東インド会社とアジアの海賊』という本が面白いのです。『実録アヘン戦争』3:アヘン戦争開戦前夜『実録アヘン戦争』2:東インド会社の退潮『実録アヘン戦争』1:貿易品としての茶とアヘン
2023.06.16
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図書館に予約していた『砂漠と異人たち』という本を、待つこと3ヵ月ほどでゲットしたのです。この本では、アラビアのロレンスや村上春樹を取り上げているので・・・私のツボが疼くのです。【砂漠と異人たち】宇野常寛著、朝日新聞出版、2022年刊<「BOOK」データベース>より情報社会を支配する相互評価のゲームの(外部)を求め、「僕」は旅だった。そこで出会った村上春樹、ハンナ・アーレント、コリン・ウィルソン、吉本隆明、そしてアラビアのロレンスー。20世紀を速く、タフに走り抜けた先人たちの達成と挫折から、21世紀に望まれる、新たな主体像を模索する「批評」的冒険譚。<読む前の大使寸評>この本では、アラビアのロレンスや村上春樹を取り上げているので・・・私のツボが疼くのです。<図書館予約:(2/25予約、副本1、予約5)>rakuten砂漠と異人たち「第四部 脱ゲーム的身体」で、村上さんの走りが取り上げられているので、見てみましょう。p274~276<32 脱ゲームの条件> 僕もまたその暮らしのなかで、独り「走る」ことを大切にしている。ただ僕にとって走ることは、ロレンスのそれとも村上春樹のそれとも異なっている。 そしてこの異なっている部分に「アラビアのロレンス問題」の「壁抜け」の問題の答えがあると僕は思うのだ。だから今度は一人のランナーとして、ロレンスの、そして村上春樹の「速度」に向き合ってみたい。〈スピードのなかで、われらは肉体を超越する。ガソリンの香煙に包まれてのみわれらの肉体は天圏を騰りゆくことができるのだ。骨。血。肉。すべてが一体となって内面化される〉 この詩を綴ったのがどこの誰か、もはや説明する必要はないだろう。百年前に「もっともきれいな手で」グレート・ゲームに参加し、そして徹底して没入した人間が、最終的に求めたものはなにか。ロレンスがその旅の最後にたどり着いたものは機械(ブラフ・シューペリア)による身体拡張に支援された、速さの追求だった。それはグレート・ゲームを失ったロレンスが戦後の日常の暮らしの中で求めた、刹那的な快楽だった。 そして村上春樹もまた広く知られるように、その日常の中に、一定のスピードを維持して走ることを課している。村上が熱心な市民ランナーであること、そして70歳を過ぎてもマラソン大会の完走に拘泥していることは既に述べた通りだ。村上春樹は走ることについて、こう述べている。「ぼんやりと生きる十年よりは、しっかりと目的をもって、生き生きと生きる十年の方が当然のことながら遥かに好ましいし、走ることは確実にそれを助けてくれる」と。〈一般的なランナーの多くは「今回はこれくらいタイムで走ろう」とあらかじめ個人的目標を決めてレースに挑む。そのタイム内で走ることができれば、「何かが達成できなかった」ことになる。もしタイム内で走れなかったとしても、やれる限りのことはやったという満足感なり、次につながっていくポジティブな手応えがあれば、また何かしらの大きな発見のようなものがあれば、たぶんそれはひとつの達成になるだろう。言い換えれば、走り終えて自分に誇り(あるいは誇りに似たもの)が持てるかどうか、それが長距離ランナーにとっての大事な基準になる。〉『砂漠と異人たち』4:村上春樹の「壁抜け」『砂漠と異人たち』3:アラビアのロレンス(続き)『砂漠と異人たち』2:アラビアのロレンス(続き)『砂漠と異人たち』:アラビアのロレンス
2023.06.15
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このところ、デジタル庁の河野大臣がマイナンバーカードの不調について毎日のように謝罪しているが、想定内なのでいっこうに驚かないのです。・・・ということで、『デジタル・ファシズム』を復刻して読み直してみたい。*********************************************************図書館に予約していた『デジタル・ファシズム』という新書を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム「第4章 本当は怖いスマホ決済」でベーシックインカムが語られているので、見てみましょう。p136~140<Go Toトラベルとデジタル給与の共通点> デジタル給与は選択制だ。最初はそれほど普及しないだろう。 だがそれは入り口に過ぎない。 最初は選択制でも、キャッシュレス比率80%という目標を達成するために、政府が今後様々な分野をキャッシュレス化して外堀を埋めていく中で、デジタル給与を選ぶ人の割合は増えてゆくだろう。 思い出して欲しい。 日本の規制緩和の合い言葉が、「小さく生んで大きく育てる」であることを。 あらゆる分野のルール変更が、全てをデジタル化するという政府の目標に向かって着々と進んでいるのだ。 デジタル給与はトップバッター。 次に控えているのは「〇〇ペイ生活保護」や「〇〇ペイ年金」あたりだろう。 ATMで並ばずに済む程度の利便性と引き換えに、私たち国民の大切な資産や個人情報、この国を支える中小企業や飲食店、地域を支える地方銀行などを差し出すほどの価値は、果たしてあるだろうか?<危険すぎる竹中平蔵式「ベーシックインカム」>「毎月7万円ほど支給すればいいんですよ」 2020年9月にパソナグループの竹中平蔵会長がテレビでこう発言し、ネットで大炎上したのが、毎月決まった額を全国民に給付する「ベーシックインカム論」だ。「7万円で生活できるのか」という疑問や「一定以上の収入がある人から後で回収するならベーシックインカムではない」などの指摘に加えて、そもそもベーシックインカムを入れること自体の是非を問う声が出たが、問題の本質はこの制度を今の日本に入れることで一体何をめざしているのか、という政府の青写真にあるだろう。 中国を訪問した時に大きな感銘を受けたという竹中氏は、スーパーシティとキャッシュレスをセットで日本に導入するために尽力中だ。以前からあちこちで提唱している、この「竹中平蔵式ベーシックインカム論」の先にあるイメージもまた、中国の成功例が色濃く反映されている。 国全体のデジタル化を急速に進める中国では、前述した「信用スコア」の点数によって、受けられる公共サービスに差がつけられる。政府が好ましくないと判断した人物は、デジタル化した中国社会でまともに暮らせなくなると党幹部が公言するほどに、信用スコアは完全管理型社会のツールとして効果が高い。 デジタルは、ボタン一つで簡単に人の行動を止めることができる。 現金ではないのでタンス預金もできない。それゆえデジタル化とベーシックインカムがセットになると、国民は生きる術を政府に強く依存することになってしまう。蛇口を開けるのも閉めるのも政府が握ることになるので、反政府の暴動は減ってゆくだろう。 現に中国では、政府が導入した信用制度とキャッシュレスの組み合わせを導入して以来、国民の“お行儀”が格段に良くなったと言われている。信用スコアが落ちると社会的サービスへのアクセスが経たれ、まともに暮らしていけなくなるからだ。 日本でもPayPay銀行が個人の信用スコアを企業に販売し始めており、2021年5月に成立したデジタル改革関連法では個人情報保護法が緩められ、これからは思想信条や犯罪歴、病歴などのセンシティブな個人情報も次々にデジタル化されてゆく。『デジタル・ファシズム』4:忘れられる権利『デジタル・ファシズム』3:第4次産業革命『デジタル・ファシズム』2:デジタル庁、三つの特徴『デジタル・ファシズム』1:利権の館「デジタル庁」
2023.06.15
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朝日新聞デジタルの有料会員になって以来、気になった記事をスクラップしているのです。それらの記事の一覧を以下に紹介します。(個人的なメモなので、テキストデータになりますが)*********************************************************■英語信仰は「壮大なムダ」、言語学者の危惧 「日本語こそ国際語」2023年6月12日 (2023年6月14日登録)ウン ええこと言ってるがな♪■書店ゼロ自治体、全国で26% ネットでの無料配送規制の議論も2023年3月29日 (2023年6月10日登録)書店の減少といえば、本の物流的側面や、図書館との住み分けが気になるのです。■強まるエルドアン氏への働きかけ スウェーデンのNATO加盟めぐり2023年6月5日 (2023年6月5日登録)プーチンからもウクライナからも支持されるエルドアン氏は、バランス感の長けた政治家であるが・・・要注意なんでしょうね■台風2号、あすにかけ広範囲で警報級大雨の恐れ 高知県では激しい雨2023年6月2日 (2023年6月2日登録)西日本一帯に避難警報が出ている模様です。■事故から12年後に里帰りした元町職員 未練断ち切った「けれど…」2023年5月31日 (2023年5月31日登録)被災の原因は地震、津波にあるとしても、政府や東電の無慈悲という人災でもあったようですね。■ウクライナはなぜF16を求めたのか? カギを握る総合力と戦い方2023年5月30日 (2023年5月31日登録)「ロシア領内を攻撃したい」という誘惑にかられる可能性もあるようですね。■週刊朝日、独自路線貫き101年で幕 30日発売で最終号 2023年5月28日 (2023年5月30日登録)これは惜しまれるので、買っておくか。■トルコ大統領、続投のエルドアン氏 「カリスマ」が直面する難題とは2023年5月29日 (2023年5月29日登録)やはりエルドアン氏の続投となるのか・・・クルド人やスウェーデンはがっかりしたのでは。■異例の閣僚謝罪ラッシュ マイナンバーカード、顕在化した「ひずみ」2023年5月27日 (2023年5月27日登録)試運転期間を長くとり「ひずみ」が出尽くしたあとにカード取得がいいかも■マイナ保険証、またもミス相次ぐ 対策はトラブル把握から3カ月後2023年5月23日 (2023年5月24日登録)マイナ保険証なんか持つメリットがないではないか。■ロシア首相が中国訪問 米の制裁受ける企業家らも同行 G7に対抗2023年5月24日 (2023年5月24日登録)思い過ごしかもしれないが・・・第3次世界大戦の危機かと思ったりする。■ゼレンスキー大統領、G7で得た外交成果とは 東野篤子教授の視点2023年5月22日(2023年5月22日登録)日本のメディア(世界のメディアも)は、こぞってゼレンスキー大統領の動向を追っていたもんね。■AIが心を読む? 脳内の思考を文章化する「解読機」を開発、米研究2023年5月14日 (2023年5月14日登録)いやはや、チャットGPTの進化は凄まじいばかりで・・・怖いでぇ。■本当に面白い本って何だ 名物書店員、「売れる本を売る」からの脱却2023年5月10日 (2023年5月11日登録)図書館に入り浸っている私は、本を買わなくなってしまったが・・・ 本屋がなくなっては困るのだ。■山あいをシリコンバレーに 起業家よ育て、高専が19年ぶり開校2023年5月8日(2023年5月8日登録)学費無償化のために協賛企業名を冠した奨学金が出るそうです♪■【速報中】ゼレンスキー氏、ドローン攻撃否定「自国の領土内で戦う」2023年5月4日 (2023年5月4日登録)プーチンの「やらせ」だったのではないか?■岸田首相、5月7日から訪韓で調整 18年の安倍氏以来5年ぶり2023年4月29日 (2023年4月29日登録)双方歩み寄って、日韓関係が好転しつつあるようですね♪■暴言を重ねても…明石市長選、泉氏の「後継」が大勝 市民の本音は2023年4月27日 (2023年4月28日登録)泉氏の暴言はかなり異質ではあったが・・・ ドングリ国周辺では泉市政はおおむね好評であったと思う。■HAKUTO-R、26日未明に月面へ 「着陸の難しさ例えると…」2023年4月24日 (2023年4月26日登録)着陸に失敗したが、一発勝負の難しさなんだろう。■米軍、「迅速かつ巧み」なスーダン退避 ヘリ3機と米兵100人動員2023年4月23日 (2023年4月24日登録)我が自衛隊は如何に対処するか■(インタビュー)戦前3文書から考える 歴史学者・加藤陽子さん 2023年4月7日 (2023年4月7日登録)安全保障政策の大転換が語られているが、国会ではない場で決定されたとのことで要注意である。■三島由紀夫を抑えて1位だった大江健三郎 60年後の今こそ輝く価値2023年4月6日 (2023年4月7日登録)一時期、大江さんに入れ込んでいて・・・彼の全集をそろえて読んでいたものです。■坂本龍一さんが語った死生観 がんで号泣…痛みに弱いから行動できた2023年4月3日 (2023年4月4日登録)胃を全摘した大使にとって、坂本龍一さんが語った死生観には切実なものがあるのです。■偽装離婚した私から次世代のあなたへ 社会変えるバトンを渡していく2023年4月1日 (2023年4月1日登録)吉岡桂子委員の「多事奏論」は今回で終了するとのことなんで、スクラップ帖に留めておきます。10年に亘ってご苦労様でした。■量子コンピューター国産機が始動 かつて最先端、遅れた今もチャンス2023年3月27日 (2023年3月27日登録)日本の研究水準は世界の最先端に肩を並べていた時期もあったが、今は米中の後塵を拝しているようですね。(中略、全文はここ)■増える宅配、事故が怖い 荷物200個、小2はねた運転手「焦り」 2022年10月15日 (2023年2月26日登録)この記事を見て、『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』という本の借り出しを予約したのです。■(文芸時評)「多和田語」の世界 境界も〈私〉も解き放つ星々 小野正嗣 2020年5月27日 (2023年3月15日登録)パンスカとは多和田語ともいえるのだが・・・その多和田語にはツボが疼くのです。■商業捕鯨、初年は97%捕獲 漁場探し、地元は手応え2019年10月5日 (2023年5月22日登録)2019年の捕獲は97%だったのか・・・鯨食文化は健闘しとるがな♪■「ロスジェネ女性は路上で発泡酒」雨宮処凛さん窮状訴え2019年5月2日 (2023年5月3日登録)世代とジェンダーという二重のハンディが語られています。*********************************************************<スクラップ機能や使い方について> 気に入った記事、あとで読みたい記事をスクラップして、保存しておくことができます。最大5000件まで、記事閲覧期限を過ぎても、保存可能です。 また、新聞記事検索で検索した記事の新聞切り抜き画像もスクラップして保存できます。 スクラップした記事にメモや最大10件のタグ(分類名)を付けることもできます。保存した記事は、記事の本文や見出し、メモ、タグに入力した文字で検索することができます。 スクラップ記事とメモ・タグは、ネット上の保管庫(クラウドサーバー)に保存され、通信環境があれば、ブラウザー版でもアプリ版でも共有して閲覧できます。<新聞記事検索で検索した切り抜きイメージ画像をスクラップする>1. 新聞記事検索で表示された検索結果一覧の記事の右にある「新聞切り抜き」のアイコンの下の「スクラップ」ボタンをクリックしてください。「スクラップをしました」と表示されるとスクラップ完了です。記事の新聞切り抜き画像がスクラップブックからご覧いただけます。 2. 新聞切り抜き画像が表示された画面でも、左上の「スクラップ」ボタンをクリックすると、スクラップできます。*********************************************************『朝日新聞デジタルのスクラップブック 3『朝日新聞デジタルのスクラップブック 2R』『朝日新聞デジタルのスクラップブック 1』
2023.06.14
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今回借りた5冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・小川さゆり、宗教2世・言葉の周圏分布考・70歳の正解・そして映画館はつづく・アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【小川さゆり、宗教2世】小川さゆり著、小学館、2023年刊<「BOOK」データベース>よりなぜ彼女は「涙の告発」を決意したのか?「神の子」じゃなく私として生きたい。両親や教会からの妨害に負けず、統一教会での体験を明かす覚悟の手記。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本1、予約5)>rakuten小川さゆり、宗教2世【言葉の周圏分布考】松本修著、集英社インターナショナル、2022年刊<「BOOK」データベース>よりテレビ番組『探偵!ナイトスクープ』で「全国アホ・バカ分布図」を完成させた著者が敢行した、方言の全国市町村アンケート。膨大な回答を基に作成した圧巻の五十数枚のカラー方言分布図で、懐かしい言葉に楽しく再会!分布図は文献にない言葉の歴史解明にも力を発揮。『源氏物語』に登場する「戻る」の謎を解く壮大な知の旅に誘います。また分布図には、京都を中心に見事な多重の円が現れました。日本語の「周圏分布」についても、深く論じます。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約考:(8/15予約、副本1、予約16)>rakuten言葉の周圏分布考【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【そして映画館はつづく】フィルムアート社編、フィルムアート社、2020年刊<「BOOK」データベース>より全国の映画館主をはじめとして、配給、上映関係者、ミニシアター・エイド事務局(濱口竜介、深田晃司ほか)、黒沢清(映画監督)、橋本愛(俳優)、大島依提亜(グラフィックデザイナー)が語る「映画館のこれまでとこれから」。全国の映画館ガイド掲載。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenそして映画館はつづく【アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ】 池田 淑子編著、大阪大学出版会、2019年刊<「BOOK」データベース>よりゴジラはついに星になった(ゴジラ座、2018)。なぜ半世紀以上も日米で愛されているのか。ゴジラを愛してやまない日米の6人の研究者がその問いに挑む。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenアメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ図書館大好き595
2023.06.14
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図書館で『フィルムメーカーズ18 スティーヴン・スピルバーグ』という本を、手にしたのです。スティーヴン・スピルバーグは監督、製作、製作総指揮として映画に関わるわけで・・・数多くのスピルバーグの作品の中で一押しと訊かれたら、私の場合は「太陽の帝国」とか「プライベート・ライアン」とか「ジュラシック・パーク」になるのです。【フィルムメーカーズ18 スティーヴン・スピルバーグ】南波克行著、宮帯出版社、2019年刊<「BOOK」データベース>より充実した完全データ。製作・製作総指揮作品、テレビ作品も含む。作家論、作品論、音楽論、製作総指揮作品について、徹底解剖!「自分が何者であるか」を追い求め、壮大なエンターテインメント作品を描き続けた巨匠のすべて!!1997年から2001年まで発行され高く評価された「フィルムメーカーズ」シリーズを復刊。スタイルを旧シリーズから踏襲し、新たに伝記的な事実を描いた「ライフストーリー」を掲載した。実力派執筆者による充実した批評・論考、座談会。名場面をカラー24ページで紹介。<読む前の大使寸評>スティーヴン・スピルバーグは監督、製作、製作総指揮として映画に関わるわけで・・・数多くのスピルバーグの作品の中で一押しと訊かれたら、私の場合は「太陽の帝国」とか「プライベート・ライアン」とか「ジュラシック・パーク」になるのです。rakutenフィルムメーカーズ18 スティーヴン・スピルバーグ「太陽の帝国」J・G・バラードの小説を映画化した「太陽の帝国」が忘れがたいので、特に注目するわけです。p118~120<大人と子どもの間を揺れ動く:鬼塚大輔>『戦火の馬』(2011)に英国軍人ニコルズ大尉役で出演したトム・ヒドルストンは、独軍の罠に突撃して戦死する場面でスティーヴン・スピルバーグが自分に付けた演出を「これまで監督から与えられた、最も驚くべき演出の一つだった」と述べている。「戦意満々という顔をしてくれ。カメラが君の顔に寄っていくから、カメラが目の前に来たと感じたら、二十歳若くなってくれ。君は二十九だよね。機関銃が自分の方に向けられているのに気づいたら、君は九歳になるんだ。君の中にいる子供が見たいんだ」というのが、スピルバーグの指示だった。 父親不在の少年時代を過ごしたスピルバーグの作品に「父親」、「大人になれない少年」、「少年が大人になって父親としての責任を取ること」というモチーフが繰り返し登場することは、彼のファンにとっては周知の事実である。 『戦火の馬』にニコルズ大尉が登場している時間は決して多くはないのだが、戦争を背景にした三本のスピルバーグ作品『太陽の帝国』(1987)、『シンドラーのリスト』(93)、『戦火の馬』の三本も、「受難による少年時代の終わり」、そして「父親」というテーマが共通しており、『戦火の馬』でのニコルズ大尉戦死のシーンは、これら三本の作品、ひいては、他の作品での「少年の受難」、「大人の中の少年」、「大人になりきれない少年」というテーマを凝縮したものになっている。 J・G・バラードの小説を映画化した『太陽の帝国』の主人公はイギリス人少年ジェイミー(クリスチャン・ベイル)である。迫り来る戦禍にも無頓着なジェイミーは敵機である零戦に憧れ、敵であるはずの日本軍に親近感を抱くほど幼い。 日本軍侵攻時に両親とはぐれたジェイミーは、日本軍の収容所の中で二人の代理父、所内で闇屋として阿漕な稼ぎをするベイシー(ジョン・マルコヴィッチ)と、同朋のために献身的に尽くすローリング医師(ナイジェル・ヘイバース)に出会い、教育を受ける。 収容所に入る前は父親から放任されていたジェイミーは、所内で「闇の父」と「光の父」二人からの教育を受けて、少年時代を満喫する。注意して欲しいのは、スピルバーグは所内でのジェイミーの生活を、降りかかる様々な苦難すら、決して悲惨なものとしては描いてはいないということだ。 彼が大人になることを迫られるのは、皮肉なことに、米軍による解放と収容所の崩壊が迫り、自由が目前になったその時なのである。零戦ではなく目の前を飛ぶ米軍機に喝采し、親しかった日本軍少年兵の不条理な死を目の当たりにし、二人の代理父との別れを経験したジェイミーはもはや子供ではあり得ない。ジェイミーは「大人」になったのだろうか? 違う。彼は一足飛びに「老人」になってしまったのである。 『太陽の帝国』のラストで、ジェイミーは両親との再会を果たす。母親に抱きしめられたジェイミーの顔がアップになるが、この場面でのジェイミーの目は虚ろで、それまでのような活き活きとした光を放ってはいない。スピルバーグ自身が、この場面でのジェイミーの目を「老人の目だ」と言っている。 このラストでもう一つ注目したいのは、ジェイミーの実の父親の姿だ。しっかりと抱き合う母子と少し離れたところで、何か不気味なものを見るようにジェイミーを眺めつつ、決して触れようとはしていないのである。『太陽の帝国』日本版劇場予告編
2023.06.14
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図書館で『SF映画術』という本を、手にしたのです。副題が「ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」となっていて興味深いのだが・・・創作講座というよりもSFが大好きな巨匠たちによるSF賛歌になったような本になっています。画像も多くてビジュアルなところもいけてます。【SF映画術】ジェームズ・キャメロン著、DU BOOKS、2020年刊<「BOOK」データベース>より映画『月世界旅行』(1902)からドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』まで。映画、小説、ドラマ、神話…各巨匠が自身のインスピレーション源を語り尽くす。知られざる「フォース」の正体とは!?ここでしか語られていない、驚愕の映画制作の舞台裏も。<読む前の大使寸評>副題が「ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」となっていて興味深いのだが・・・創作講座というよりもSFが大好きな巨匠たちによるSF賛歌になったような本になっています。画像も多くてビジュアルなところもいけてます。rakutenSF映画術『2001年宇宙の旅』「LESSON3 夜空を見上げ星間旅行を夢見てきた私たち」でジョージ・ルーカスとジェームズ・キャメロンが「スター・ウォーズ」について語っているので、その続きを見てみましょう。p124~128<『スター・ウォーズ』という革命>■錆び付いた「未来」というアイデアの新しさJC:君は『2001年宇宙の旅』とは真逆な作品を作った。GL:だけど、私としては、『2001年宇宙の旅』はこれまで作られた中で、最高のSF映画だと思っている。宇宙旅行がどんなものを描写した典型的な例だ。モンスターはあの作中には出てこない。JC:人類が誕生させたテクノロジーがくるりと向きを変え、創造主に噛みついてくる話だ。GL:ビジュアルも素晴らしかったよね。さまざまな要素の組み合わせ方も、非の打ちどころがない。だから私は、「『2001年宇宙の旅』みたいなSF映画を作る気はない。あの偉大さに、到達することなど無理だからね」と言ったんだ。だけど、作品には大きな称賛を送ったよ。JC:とはいえ、君はキューブリックが使っていた映画的言語(映画的表現)を採用していた。例えば、『スター・ウォーズ』の冒頭、オープニングクロール(オープニングで流れる説明文)では『フラッシュ・ゴードン』のオープニングをインスピレーション源としているが、その後、逃げる同盟軍の船を追いかける白いスター・デストロイヤーの動きは、『2001年宇宙の旅』で、流れるように頭上を滑空していく宇宙船ディスカバリー号と同じだった。私を含め、あのシーンに誰もが驚いて息を呑んだ。映画を観ていて、何を参考にしたかピンと来て、同時にとても驚いたよ。GL:全て私が一から考えたものだと人々は言うけれど、そんなことはない。どんなアイデアも、自分の頭の中でふっと湧き出るのではない。たとえオリジナルのアイデアだとしても、かつて目にしたことがある何かの積み重ねから生まれるものだ。(中略) 子供たちと話をすると、「『スター・ウォーズ』に出てくるエイリアンのアイデアはどこから来たものですか?どうやって考えついたんですか?」と質問されたりするんだが、そんなときはこう答えているよ。「そうだな、水族館に行ってみてごらん。映画に出てきたエイリアンはみんなそこにいるから」ってね。JC:私が『アバター』でやったのと同じことだ。海に行き、水に潜り、そこで見たものを、パンドラの世界に持ち込んだんだ。GL:『アバター』で最も素晴らしかったのが、パンドラの世界観だった。SF映画の最大の難所は、この世に存在していない世界を作り出さなければいけないこと。しかも、できるだけリアルな世界にしないといけない。黒澤明の言葉を借りれば、「映画に出てくる現実には、何ひとつ疵があってはならない。完璧であれ」ってことになる。JC:その言葉、好きだな。だけど、君は映画を新しいレベルに引き上げた。“使い古されている未来の世界”なんてことを考える作品、思いつきもしなかった。未来はいつだってピカピカに輝いていて、完璧だ。未来は常に、クリスマスの朝のように特別で真新しいものであり続けていた。ディストピア的なSF作品が流行した時代でさえも、未来は滅菌されたかのごとく汚れていなかった。だが君は、「いや、“未来”とて、それまで何千年も誰かが生活してきた世界でなければならないんだ」と言った。 だから惑星タトゥイーンの巨大運搬車サンドクローラーは全て錆びつき、様々な物が壊れている。我々にとっては未来の世界だけれど、長年存在し、きちんと生物が生き続け、歴史を刻んできたのがひと目でわかるようになっていた。そんな考え、一体どうやって思いついたんだい?そんなことを考えていた先駆者はいなかったんだから。H・R・ギーガーが描くエイリアンについては『リドリー・スコットの世界3』がお奨めです。『SF映画術』1:『スター・ウォーズ』という革命
2023.06.13
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図書館で『SF映画術』という本を、手にしたのです。副題が「ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」となっていて興味深いのだが・・・創作講座というよりもSFが大好きな巨匠たちによるSF賛歌になったような本になっています。画像も多くてビジュアルなところもいけてます。【SF映画術】ジェームズ・キャメロン著、DU BOOKS、2020年刊<「BOOK」データベース>より映画『月世界旅行』(1902)からドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』まで。映画、小説、ドラマ、神話…各巨匠が自身のインスピレーション源を語り尽くす。知られざる「フォース」の正体とは!?ここでしか語られていない、驚愕の映画制作の舞台裏も。<読む前の大使寸評>副題が「ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」となっていて興味深いのだが・・・創作講座というよりもSFが大好きな巨匠たちによるSF賛歌になったような本になっています。画像も多くてビジュアルなところもいけてます。rakutenSF映画術『THX 1138』「LESSON3 夜空を見上げ星間旅行を夢見てきた私たち」でジョージ・ルーカスとジェームズ・キャメロンが「スター・ウォーズ」について語っているので、見てみましょう。p114~116<『スター・ウォーズ』という革命> 神話学者ジョーゼス・キャンベルの著作、日本映画界の巨匠黒澤明監督をはじめとする若い頃に観た数々の映画の影響を受け、ジョージ・ルーカスは映画史上最も人気が高い不朽のSFサーガ『スター・ウォーズ』を創りだした。 監督デビュー作となったディストピアSF映画『THX 1138』(71)、ハイスクールを卒業したばかりの若者の一夜を描き第46回アカデミー賞で作品賞など5部門にノミネートされた青春ドラマ『アメリカン・グラフィティ』に続き、3作目の長編監督となったのが、『スター・ウォーズ』というシンプルなタイトルのシリーズ第一作だ。 『スター・ウォーズ』を劇場公開させるのに多大なプレッシャーを受けたルーカスは、続編『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(80)と『~ジェダイの帰還』(83)では別の人間に監督を任せ、製作総指揮に回っている。 1作目の制作中、彼は、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)という特殊効果制作会社を設立。これにより映画作りに関する技術の向上にひと役もふた役も買い、デジタル・エフェクトの先駆者となった。 1999年から、ルーカスは『スター・ウォーズ』の前日譚となる新3部作(『スター・ウォーズエピソード1/ファントム・メナス』(99)、『~エピソード2/クローンの攻撃』(02)、『~エピソード3/シスの復讐』(05))の監督、脚本、製作総指揮を務めた。2012年、自身の会社ルーカスフィルムを40億5000万ドル相当でディズニーに売却。彼は『スター・ウォーズ』サーガの制作から身を引くことになる。こうしてシリーズは新たな局面を迎えたのだった。 かつてスティーヴン・スピルバーグとともに『レイダース/失われたアーク』(81)を世に出したルーカス。このインタビューで彼は、歴史と人類学への熱い思いがいかにして『スター・ウォーズ』の世界を形作るのに役立ったかを語り、ミディ=クロリアンとフォースの正しい関係性を説明し、人類がますます複雑になる未来を舵取りする準備をするときに、他人を思いやり、相手の気持ちを理解することが重要だと訴えている。■第二次世界大戦と『スター・ウォーズ』 ジェームズ・キャメロン(以下JC):君はたったひとりで、ポップカルチャーにおけるSFの立場を大変革させた。1977年の『スター・ウォーズ』というたった1作の映画でね。私はそう考えている。 当時は、気が滅入るような暗い話、ディストピア的な作品、人類滅亡系のヒストリーばかりが30年間続き、SFは年々金を稼げなくなっていた。そんなとき、君が、驚きと希望と勇気にあふれた未来像を人々に示し、ものの見事に大旋風を巻き起こした。 ジョージ・ルーカス(以下GL):私は人類学畑の出身だ。大学では社会学と人類学の学位を取得する予定だった。自分の興味があることだからね。SFには、ふたつの分野がある。ひとつは科学系で、もうひとつは社会系。わたしは宇宙船といった機械類に瞳を輝かせるたいぷではなく、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」(49)などに大きな関心を示すタイプなんだ。 もちろん宇宙船は好きだけど、私がついつい目を向けるのは、科学やエイリアンそのものではない。そういったものに人々がどんな反応を示し、どのようにして順応していくのか?を考え、答えを推測、想像するのが楽しいのだ。しゅうちのとおり、『スター・ウォーズ』はスペースオペラであって、SFではない。ソープオペラの一種だよ。舞台が「宇宙」というだけでね。JC:なるほど。でも、単なる宇宙版ソーープオペラじゃない。君もそれはわかっているはずだ。『スター・ウォーズ』は新たなる神話。釈迦で神話が担う役割を果たしている。GL:『スター・ウォーズ』は神話学のひとつの形だ。そして神話学とは、社会の礎。社会の最も身近で最も小さな形態は、“家族”だ。 父親がボスで、家族の誰もがそのルールに従う。叔父や叔母、義理の兄弟なども含め出すと、家族はどんどん大規模になり、同血族を数種まとめると、今度は“部族”となる。部族となれば、皆を統制できるような社会的機構を持たねばならないという問題が出てくる。さもないと、人々は互いに殺し合いを始めてしまう。JC:君はそういった社会組織というアイデアを発展させ、映画という大きなカンバスに吹きつけているわけだ。GL:社会的機構を築く中で、人類は「汝、殺すことなかれ」と説く理由を持たねばならない。同じ神々を信じ、同じ英雄を信じ、同じ政治システムを信じるようになれば、大勢の人々がまとまり、街や文明が持てるようになる。そこで浮かぶのが、「なぜ我々はこのことを信じているのか?」「どうして自分たちの文化的発想を推し進めるのか?」という疑問だ。年齢を重ねるにつれ、浮かぶ疑問はどんどん複雑になっていく。私は第二次世界大戦後の世の中で成長したが、あの大戦を経て我々(米国人)はとある“安定期”に到達したと思っている。JC:それは60年代まで続く。GL:そう。50年代と60年代だね。60年代に我々はようやく、現実は政府が言っているようなものではなかったという結論に達した。『オズの魔法使』(39)のようなものだ。いざ幕が上がると、我々は真実を目の当たりにし、「なんてことだ。こいつはひどい。自分はベトナムに送られて死ぬことになる」と、愕然とする。 そして、我々が政府、自分自身、社会と交わした大量の契約は変更され、自分はこういう人間なんだと自覚していたことすらも変わってしまう。しかしそれでも、我々(米国人)は己が正しいと信じ、自分たちは共産主義から世界を守っているだと思い込んでいた。(中略)JC:それが賞賛されるべき行動規範だった。GL:そうだね。しかし、その一方でSFジャンルは、やがて心理に訴えるディストピア作品が増え、西部劇の人気は失われていった。私を『スター・ウォーズ』に導いたのは、まさしくそれだった。しかし、導かれる以前の私は、「こいつは最悪だ。来るべき未来がこれでは、たまったもんじゃない」と不満ばかりの怒れる若者に過ぎなかった。口から出るのは、未来についての悪態ばかり。「1984年」のような未来。それは全て現実で、当時、まさにその事態が起こっていた。じゃあ、その“まさに起こっていること”の映画を作ってやれ・・・ということになった。JC:それが『THX 1138』だったというわけだね。GL:その通り。『THX 1138』は未来で起きていることのように見えるが、実は違う。JC:つまり、君は典型的な60年代の申し子ではなく、それより前の時代の影響を強く受けていたわけだが、そんな君がフィルムメーカー、アーティストとして成熟したのが、60年代の終わりだった。『THX 1138』はベトナム戦争を背景にして、暴力や抑圧の手段として登場したテクノロジーへの直接的な反応だったように思えるんだが。
2023.06.13
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在104位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在9位・西加奈子『くもをさがす』(5/10予約、入荷待ち)現在92位・村上龍『ユーチューバー』(5/20予約、入荷待ち)現在31位・『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』(5/23予約、副本1、予約26)現在25位・『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』(6/09予約、配送中)現在1位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・養老孟司『形を読む』・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・上岡龍太郎『引退』・スヴェン・ベッカート『綿の帝国』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・『失われた30年を取り戻す』・動的平衡3:あるいは購入<予約分受取:5/23以降> ・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、5/23受取)・横尾忠則『見えるものと観えないもの』(5/16予約、5/23受取)・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、5/28受取)・砂漠と異人たち(2/25予約、6/03受取)・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、6/07受取)・『小川さゆり、宗教2世』(4/06予約、6/10受取)・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、6/13受取予定)・言葉の周圏分布考 (8/15予約、6/13受取予定)**********************************************************************【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【くもをさがす】西加奈子著、河出書房新社、2023年刊<商品説明>よりカナダで、がんになった。「私は弱い。徹底的に弱い」。でもーーあなたに、これを読んでほしいと思った。祈りと決意に満ちた著者初のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/10予約、入荷待ち)>rakutenくもをさがす【ユーチューバー】村上龍著、幻冬舎、2023年刊<出版社>より20代半ばにしてデビューをした作家・矢崎健介、70歳になった。「世界一もてない男」を自称するユーチューバーが、矢崎をユーチューブに誘う。承諾した矢崎が語り出したのは、自由である人間について。自由な人間は滅多にいないのだと言った。自由であるということは、唯一の希望を生む。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/20予約、入荷待ち)>rakutenユーチューバー【千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話】済東鉄腸著、左右社、2023年刊<「BOOK」データベース>より日本どころか千葉の実家の子供部屋からもほとんど出ない引きこもりの映画オタクの下に差し込んだ一筋の光、それはルーマニア語ールーマニア人3000人に友達リクエストをしてルーマニアメタバースを作り猛勉強、現地の文芸誌に短編小説を送りつけ、『BLEACH』の詩へのリスペクトと辞書への愛憎を抱きながらルーマニア語詩に挑戦する。受験コンプレックス、鬱、クローン病。八方塞がりの苦しみから、ルーマニア語が救ってくれた。暑苦しくって切実で、好奇心みなぎるノンフィクションエッセイ。千葉の片隅から、魂の故郷・ルーマニアへの愛を叫ぶー。本、映画、音楽…ルーマニアックのための巻末資料も収録!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/23予約、副本1、予約26)>rakuten千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話【南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史】ビル・ヘイトン著、河出書房新社、2015年刊<「BOOK」データベース>より境界線と領有権の「なぜ」を詳説!人工島の拠点化、緊張する周辺国、衝突の危険と不測の事態。「南シナ海の歴史」は「世界の歴史」であり、その未来は世界の関心事だ。ここで起こることは世界の未来を決めることになる…歴史、国際法、資源、政治、軍事など、あらゆる角度から解説する必読書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/09予約、副本2、予約1)>rakuten南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.06.12
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図書館に予約していた『自民党の統一教会汚染』という本を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。昨今ではコメンテーターとしてテレビに登場し、鋭い指摘を述べる鈴木エイトさんであるが・・・教会員の暴力など気にかけず追及するジャーナリスト根性がいいではないか。【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>昨今ではコメンテーターとしてテレビに登場し、鋭い指摘を述べる鈴木エイトさんであるが・・・教会員の暴力など気にかけず追及するジャーナリスト根性がいいではないか。<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染かなり中抜きになるが・・・「第二部 菅・岸田政権への継承(2020~2022)」の最終章で安倍さん事件のあたりを見てみましょう。p292~294<第19章 2020年参院選、安倍晋三暗殺> そして、2022年の参院選を迎える。 教団内では第一次安倍政権で安倍の首席秘書官を務めた井上義行への組織票支援が指示された。井上は選挙期間中の6月24日、世界平和連合がオンラインで開催した青年フォーラムのト-クセッション『若者がつくる、これからの社会』に参加。7月4日には教団がさいたま市文化センターで開いた神日本第1地区責任者出発式に参加。司会の方相逸・全国祝福家庭総連合会総会長から「井上義行先生はもうすでに食口(シック)になられました」と紹介されている。■暗殺に至る経緯 そして参院選運動期間中、投開票日2日前の7月8日、日本中を揺るがす大事件が起こる。奈良県内で自民党候補者・佐藤啓の選挙応援演説を行っていた安倍晋三が背後から銃撃を受け死亡したのだ。衆人環視の下で起こった銃撃暗殺事件に列島中が衝撃を受けた。 もちろん私も、一連の疑惑を追ってきた安倍が亡くなってしまったことで、ある種の空虚感に苛まれた。 だが、手製の銃器で安倍を撃ち逮捕された山上哲也の供述内容が明らかになるにつれ、私の周囲も騒がしくなっていった。当初、ある団体への恨みから安倍を狙ったとの報道がなされ、「ある団体」が「ある宗教団体」となった瞬間、私は「統一教会」だと確信した。 そしてやはり奈良県警に張っていたメディアから「ある宗教団体」が「統一教会」だという情報が漏れだしたことを機に、複数のメディアから照会が寄せられるようになった。なぜならそれまで、安倍と統一教会の関係性を継続して取材し記事にしていた報道人は私以外にいなかったからだ。 山上の母親が統一教会への一億円を超える多額の献金によって自己破産し、家庭が崩壊したという背景が報じられた。教団の反社会性を各メディアが取り上げ、信者の家族、特に子供たちの問題もクローズアップされた。だが、統一教会と政治家、とりわけ安倍晋三との近年の関係については、どのメディアも材料がなく、山上の思い込みや勘違いによるお門違いの殺人であるかのような言説が流布されていた。■教団との関係が矮小化された言説 それは2021年9月のビデオメッセージが暗殺への直接のトリガーとなったことが明らかになってからも続き、安倍と教団との関係性については矮小化を図るような言説が目立った。単に2021年9月のビデオメッセージだけを取り上げ、大したことではないとの論調で話すコメンテーターが続出した。これは、充分想定されたことだった。安倍とその周辺の政治家の一群と統一教会との関係性は一連の流れの中で捉える必要があり、局所を取り上げても全体像はなかなか見えてこないからだ。 多くのメディアが安倍の祖父・岸信介と文鮮明の関係などに焦点を当てた報道を行った。また、個々の政治家と統一教会との接点を追及する報道は多くなされていたが、連続性を持って追及する報道はなかった。山上が事件前にルポライターへ宛てた手紙の内容から「最も影響力のあるシンパ」として安倍を狙ったことが判って以降も、独自に安倍自身と統一教会との関係の深さに切り込むメディアは皆無だった。だが、これは無理もないことだ。 第2次安倍政権以降の教団と政治家の関係性については、どの素材を当たっても結局は私がこれまでに報じてきた内容に行き着くこととなり、私が入手した証拠を基に積み上げた考証を経ない限り、安倍自身と統一教会との関係は幡けないからだ。『自民党の統一教会汚染』1:安倍政権との癒着
2023.06.12
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図書館に予約していた『語学の天才まで1億光年』という本を、待つこと7ヵ月ほどでゲットしたのです。ノンフィクション作家の高野さんが学んだ言語は25以上ってか・・・すごいではないか♪【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>ノンフィクション作家の高野さんが学んだ言語は25以上ってか・・・すごいではないか♪<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年「第五章 世界で最も不思議な“国”の言語(中国・ワ州編)」で中国語が語られているので、見てみましょう。p262~2<4 中国・タイ・日本の大迷走> 「高野、おまえはいったい何がしたいんだ?」。莫先生にこう言われたのは、大連留学を終えてから二年後のことだった。 私は迷走に迷走を重ねていた。身体的な移動も思考も無限ループに陥っていた。 二、三ヶ月ごとに、東京とチェンマイと中国の三ヵ所をぐるぐる回っていた。早稲田のアパートは借りっぱなし、チェンマイのアパートも借りっぱなし、そして大連鉄道学院の宿舎はいつでも泊まることができた。 と書けば、私が大金持ちのようだが、それは誤解である。早稲田のアパートは私が不在のあいだ、常に探検部の後輩か誰かが勝手に住んでおり、その住んでいる人間が大家さんに家賃を支払っていた。そんな非常識な部屋の借り方を許容する大らかな大家さんだったのだ。チェンマイのアパートは家賃が日本円で1万円程度だったから、まあ払うことができたし、鉄道学院の宿舎はそこに行ったときだけ格安で宿泊できた。日本でも私は激安の暮らしをしていたし、中国やタイは物価が安く、生活しやすかった。■私は「中華文化圏の日本族」? このように中途半端に恵まれた生活環境が、結果的にますます私の迷走を深めた。 中国へ行くときはまず大連に渡り、莫先生に中国語を十日間ぐらい習ってリハビリしてから他の地方を旅した。 初めのうち、中国大陸は純粋にワンダーランドだった。 中国は、ある意味で南米に似た魔術的リアリズムを感じさせる国だった。日本やフランスやタイが十か二十入るほどの広さの国土に、高山がああり、極貧の農村がある。そして十数億の人がひしめいている。 先にも述べたように漢族のエリアは黄河流域とそれから北の「北方」と、長江流域以南の「南方」に大きく分けられるが、北方と南方では人の顔つきも体型もちがう。北方の人は大柄で色白だが、南方に行くにしたがい、背が低くなり、肌色も褐色に近くなっていく。気質は、北方人が大らかで豪快、南方人は細かくすばしこい人が多いと言われる。 食文化もちがう。北方では小麦粉を使ったマントウや餃子が主食であることが多く、料理は塩味を好む。麺も小麦だ温暖多湿な南方は米食で、唐辛子を好む地域が多い。麺も米が増える。 ちなみに大連人や北京人のような北方人からすると、米食で小柄で細かいことが好きな日本人は典型的な「南方人」の一種に見えるようだった。 言語もちがう。標準語(普通話)ですら北方と南方では語順や発音が異なる。 南方の東部には上海語や広東語、潮州語、福建語といった、もはや「方言」ではなくて「別言語」というべき漢語系の言語群が広がっている。 でも、彼らもやはり漢族である。それらの漢族エリアの周りや山岳地帯には、あくまで中国政府の公式見解だが、55の少数民族が暮らしている。それぞれの民族は独自の言語を話している。 比較言語学的に見ても、モンゴル語族のモンゴル語、ツングース語族の満州語、ミャオ・ヤオ語族のミャオ語とヤオ語、オーストロアジア語族のドーアン語やワ語、タイ・カダイ語族のタイ語やトン語、(中略)朝鮮語族の朝鮮語、チュルク語族のウイグル語、インド・ヨーロッパ語族のタジク語と、ユーラシアの主な語族を網羅するのではという勢いである。 このように広く多様性に富んだ国土に、同じく多様性に富んだ、極度に多くの人が暮らしている。経済の発展度合いも地域によって極端に異なる。だが、なにしろ同じ一つの国なので、すべてが隣り合わせに存在している。その辺が南米と少し似ている。 もう一つ、南米と似ているのは中国人の言語観だ。 中国十数億の人民を結びつけているのは中国語そのものだと思う。中国国営の新華社通信の記事によれば、2020年現在でも普通話の普及率は人口の80.7%にすぎないという。私が旅していた90年代は50%にも満たなかったのかもしれない。もっとも、どれくらい普通話ができれば「普及した」と考えるのかは判然としない。当時少なくとも外国人が行くような都市部では、どこへ行っても私の話す程度の中国語は通じた。『語学の天才まで1億光年』3:中国語『語学の天才まで1億光年』2:フランス文学専修『語学の天才まで1億光年』1:インドでの英会話
2023.06.12
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図書館で『驚くべき日本語』という本を、手にしたのです。先日『語学の天才まで1億光年』という本を紹介したが、翻訳のプロが著したこの本も、なかなか興味深いのです。【驚くべき日本語】 ロジャー・パルヴァース著、集英社、2014年刊<「BOOK」データベース>より英・露・ポーランド・日本語。異なる文化的背景から生まれた4カ国語をマスターした外国人作家が、比較言語論や自らの体験をもとに、世界に誇る日本語独自の魅力と「世界共通語」としての可能性を説く!<読む前の大使寸評>先日『語学の天才まで1億光年』という本を紹介したが、翻訳のプロが著したこの本も、なかなか興味深いのです。rakuten驚くべき日本語「第5章 世界言語(リンガ・フランカ)としての日本語」に思考実験のようなお話しが出ているので、見てみましょう。p168~171<もし日本語が国際化したら何が起きるか> では、なぜ日本人は、外国人同士が日本語で話していると不思議に思うのでしょうか。 わたしには四人の子どもがいますが、彼らはみな日本で生まれ育ち、日本の学校に通いました。四人とも日本語を母語とする日本人と同程度の日本語を話します。妻は英国のリヴァプールの出身ですが、やはり流暢な日本語を話します。家族同士でもわたしたちはしばしば日本語で話をしています。英語で会話しているときでも、そこにときどき日本語が交じるのです。“Someone take the ゴミ out!”とか、“I‛m making おにぎり for the 弁当 for the 遠足 today”といった具合に(パルバース家の英語は、まあ、こんな感じですから、どなたかちゃんと英語を勉強したいと思ってホームステイしたい方がおられたとしても、ちょっとお役には立てそうにありませんので、あしからず)。 日本語もたくさんある世界言語の一つなのですから、それが英語やスペイン語、フランス語のように国際言語になりえない理由などどこにもありません。 かつてのアジアや太平洋における日本の政策がもっと友好的かつ平和的なものだったら、またヨーロッパ列強が支配をあきらめていたなら(実際、彼らは戦争抜きで支配するということなど論外でしたが)、日本語は今の国境線のはるか外側の領域にも広がっていたに違いありません。 もし、そのようなことになっていたら、日本語を「母語話者」としない人々も、日本語を「国語」として使うようになっていたでしょう。 とすると、その次に起こるのはいったいどんなことでしょう? 他の言語の例を見ることで、それを考えてみましょう。 今の世界を見れば、英国人でない人でも、英語を母語として使っています。スペイン人でない人も、同様にスペイン語を母語として使っています。しかし、ずいぶん長い時間がたってからでさえ、もともと自分の言語の「正真正銘の」話者たちは、他の国で「彼ら」の言葉として使われる同じ言語を見下していました。 たとえば、英国人たちは、アメリカ人やオーストラリア人の英語の「訛り」やそのしゃべり方から、長いあいだ、彼らの英語を自分たちのものより一段低いものとみなしていました。 しかし、やがて、こういった偏見はなくなっていきました。とりわけ「植民地」であった国の人々が経済的にも政治的にも成功して、「自分たちの英語」を世界中に広げていく時代になったからです。そうやって、新たな言語が旧い言語を変えていく道筋ができるのです。 英国にいる人々、つまり、もともとネイティブな英語の話者たちも、今では自分たちの英語のなかにアメリカ的な英語の単語や表現をたくさん取りこんでいます。アメリカのテレビ番組を見て、アメリカ人のジョークを笑います。 ついに、いわゆる「標準の」英語という言語がなくなってしまったのです。 同じことが日本語や日本人に起きるとは想像しがたいですが、そのようなことを、一度まじめに考えてみてほしいと思います。日本語に限って、そんなことなど絶対に起こらないと言い切れるでしょうか。 日本には、今も多くの方言が存在しています。でも一方で、「中立」の日本語もあります。それが標準語と呼ばれるものです。 しかし標準語は、実際のところは中立だとはいえません。もともと東京の山の手で使われていた表現が、国家によって、ある時期から突然、標準語として採用されただけのことにすぎません。 日本では、標準的な日本語を話さないと、訛りがあるというように言われます。一方、英語では、訛りはしばしば言葉のアクセントとしてとらえられるにすぎません。もちろん、訛りとアクセントには本質的な相違があります。 英語では、英国であれアイルランドであれアメリカ合衆国であれカナダ、あるいはオーストラリアやニュージーランドどこの地域であれ、それぞれの地域のアクセントがあるます。つまり、標準的な英語というものは存在しないのです。いまや英語の「母語話者」は、世界のさまざまな地域で生まれ、そこで生活しているということです。 まったく同じように、日本がもし時代を超えて日本語を海外に移植していくことに成功したとしたら、標準的な日本語というものはなくなるでしょう。『驚くべき日本語』1:リンガ・フランカ(世界言語)に最も向いている日本語
2023.06.11
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「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・「怪物」公式パンフレット解説・白井さんと話したこと・3.11から学ぶこと・韓国の地方移住者たちに話したこと・生産性の高い社会のゆくすえ・ウクライナ危機と反抗・「生きづらさについて考える」単行本あとがき・「街場の米中論」まえがき・図書館の戦い・村上文学の意義について・統一教会、安倍国葬について他・安倍政治を総括する・選挙と公約・無作法と批評性・徒然草 訳者あとがき・勇気について・病と癒しの物語『鬼滅の刃』の構造分析・「アウトサイダー」についての個人的な思い出とささやかな感想・コロナ後の世界 ・格差について・『コロナ後の世界』まえがき・紀伊田辺聖地巡礼の旅・成長と統治コスト・『日本習合論』中国語版序文・日本のイデオクラシー・後手に回る政治・倉吉の汽水空港でこんな話をした。(目次全文はここ)(その57):『「怪物」公式パンフレット解説』を追記2023-06-02「怪物」公式パンフレット解説より 是枝裕和監督の「怪物」は先般カンヌ映画祭で上映され、脚本の坂元裕二さんが同映画祭で脚本賞を受賞した。幸運なことに、その公式パンフレットに解説を寄稿した。祝意をこめて掲載する。■怪物を制御する主体 人は誰でも自分の中に一匹の「怪物」を飼っている。 私がそのことを知ったのは半世紀ほど前の学生運動の渦中においてである。当時、キャンパスはしばしば「無警察状態」になった。どのような非道なふるまいをしても刑事罰を受けるリスクがないという状態になると、暴力性を自制できない人がいる。それも少なからずいることを私はそれまで知らなかった。 ふだんは「ふつうの人」のような顔をしている学生の形相がいきなり変わって、すさまじい暴力をふるった。しばらくしてキャンパスですれ違った時にはまた別人のように「ふつうの顔」をしてすたすた歩いていた。 あの頃、たくさんの学生が同じ学生によって殺されたり、重い傷を負わされたりした。多くの場合、犯人は捕まらなかった。だから、若い頃に人を殺したり、生涯残るほどの傷を負わせた人たちの多くは、その後就活して、勤め人になり、今ごろはもう年金生活者になっていると思う。でも、家族も友人も誰もそのことを知らない。 先の戦争の時も同じようなことがあったのだろうと思う。ふだんは穏やかなおじさんや内気な青年であった人たちが、何をしても処罰されないという状況に投じられた時に「別人のような形相」に変わって、略奪し、放火し、強〇し、殺害したということを私は信じる。彼らは復員した後、まだもとの穏やかなおじさんや内気な青年に戻ったのだろう。 これは個人的な仮説なのだが、彼らが解き放った「怪物」は、ふだんのその人のありようからは想像もつかぬほどに異形的であった方が、本人にとって心理的負担にはならなかったのではないだろうか。つまり、自分の性格の延長上に、例えば、暴力的であるとか、嫉妬深いとか、嘘つきであるとか、「よくある悪徳」が過激化したかたちがおのれの「怪物」であったら、たぶん私たちはその暴走を止めようとするだろうと思う。その「怪物」は紛れもなく「私自身」に起源を持つものであり、そうである以上、自分に「製造者責任」があるからだ。 しかし、「怪物」が私自身とは似ても似つかぬものであったらどうだろう。まるで誰かと入れ替わったように別人であったらどうだろう。その場合は、「ふだんの自分」に戻った時に、「怪物」であった自分がしたことは悪夢の断片のようにあいまいなものに思えるのではないだろうか。夢の中の自分の犯した非道や残虐については、後味の悪い目覚めの後に、「私」の良心が激しく痛むということはないように。 私がかつて大学で見た「何ごともなかったかのようにすたすた歩み去った」学生たちは、たぶん自分が何をしたのか忘れていたのだと思う。記憶していたかも知れないけれど、それは遠い悪夢の断片ほどに縮減されて、心に突き刺さるほどのリアリティを失っていたのだと思う。 この映画に出てくる人たちはみな何らかのかたちの「怪物」を飼っている。その「怪物」が本人の性格特性の延長である場合(保利の恋人のエゴイズムや教頭の保身や依里の父の暴力のような「よくある悪徳」)の場合、彼らが解き放つ「怪物」はそれほど想像を絶したものにはならない。 しかし、ふだんは穏やかで優しい人がうちに飼っている「怪物」が解発された時、「怪物」は誰も見たことのない、まったく異形のものとなる。そういう「怪物」は誰にも制御できない。怪物に「製造者責任」を感じる人がどこにもいなからだ。 子どもは「ふつうの自分」がどんな人間であるかについて、いまだ確たる自己像を形成していない。わずかに場面が変わり、人物配置が変わっただけで、子どもはまるで別人のようになる。その可塑性こそ「子どもらしさ」の本質なのだが、そのせいで子どもたちは「怪物」を解き放った時にも自分がその起源なのだという自覚を持つことができない。それは「見ず知らずの誰か」なのだ。だから、子どもが解き放つ「怪物」は怖い。2023-04-01白井さんと話したことより 日本は米国の属国なのである。これは白井さんと私がずっと繰り返し指摘してきたことである。 日本の指導者たちは徹底的に対米従属することによって、米国から「属国の代官」という官位を「冊封」されてきた。かつて中華帝国の「東夷」として「日本国王」の官位を受けていたのと構図は変わらない。東西の方位が入れ替わっただけで、いま日本はアメリカ帝国の西の辺境、西太平洋戦略の前線基地である。 日本の国防政策を決定するのはホワイトハウスであって、永田町ではない。防衛費がGDPの2パーセントというのもアメリカがNATO諸国に対して要求した数字に揃えただけで、岸田政権の発意ではないし、F35を「爆買い」したのもトマホークを購入したのも、日本からの提案ではなく、すべて米政府の指令に従っただけである。米国の指令に素直に従っていれば、米国は自民党政権が半永久的に続くことを保証してくれると信じてそうしているのである。 そうであれば、国民が安全保障政策の大転換に無関心なのも当然である。それは「見慣れた風景」に過ぎないからである。 だが、それ以上に深刻なのは、日本の政治家や官僚が雁首並べて起案した安全保障政策よりも、ワシントンの「ベスト&ブライテスト」な知性が日本政府に代わって起案してくれた安全保障政策の方が合理的で現実的ではないかと日本国民の過半がいつのまにか思い始めてきたことである。長く思考停止を続けているうちに、そうなってしまったのだ。自国の安全保障は国民が自分で考え、自分の言葉で語るものだという一番基本的なことを日本人は忘れてしまったのである。 だから、これは白井さんとも意見が一致したのだが、日本人が自国の防衛について、ほんとうに真剣になることがあるとしたら、それは米国が日本から手を引く時だろうということである。 万一中国が日本列島を攻撃することがあった場合、ミサイルが狙うのは米軍基地である。沖縄、横田、横須賀などがまず攻撃目標になる。そこには多数の米国市民が居住している。米国市民が死傷すれば、米国はいやでも米中の全面戦争に踏み切らざるを得ない。それは米国にとっても世界にとっても破局的な未来である。 米中戦争に巻き込まれるリスクを回避するためのとりあえず最も確実な手立ては「中国が攻撃した時、そこに米市民がいない状況」を作ることである。だから、米国は在日米軍基地の縮小・撤収プランをずいぶん前から検討し始めていると思う。私がもし米国務省の役人なら「日本列島に米軍基地を置くことのリスクを過少評価すべきではない」というレポートを書いている。 だが、「宗主国」に見捨てられた「属国」はその後どういう安全保障戦略を展開すべきなのか。それについて日本の政治家はたぶん何も考えていない。(週刊金曜日3月22日)以降の全文は内田先生かく語りき38による。
2023.06.11
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図書館に予約していた『自民党の統一教会汚染』という本を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。昨今ではコメンテーターとしてテレビに登場し、鋭い指摘を述べる鈴木エイトさんであるが・・・教会員の暴力など気にかけず追及するジャーナリスト根性がいいではないか。【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>昨今ではコメンテーターとしてテレビに登場し、鋭い指摘を述べる鈴木エイトさんであるが・・・教会員の暴力など気にかけず追及するジャーナリスト根性がいいではないか。<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染 統一教会は政権中枢とのwin-win関係を構築してきたようだが・・・「第一部 安倍政権との癒着」(2013~2020)の冒頭から見てみましょう。p12~15<第一章 発覚した首相官邸と統一教会の“取引”> プロローグで「安倍晋三首相じきじき」の“後援依頼”を示す2013年参院選時の統一教会内部通達FAXについて触れた。■統一教会内部通達FAX 全国の教団支部や関連施設に一斉送信されたFAXには「参院選挙 推薦候補」として各選挙区の候補者とともに比例全国区推薦候補として「北村」の名が記されている。FAXの日付は7月12日、第23回参議院議員通常選挙の運動期間中だ。 自民党の地方議員のブログによると、北村は「安倍総理が自らお願いをして出馬をされた候補者」だ。安倍晋三の祖父・岸信介元首相が敗戦後、戦争責任を問われ巣鴨拘置所に拘留される前に地元山口県の田布施へ戻ってきた際、北村経夫の祖母で天照皇大神宮教の教祖・北村サヨが「3年ほど行ってこい。魂を磨いたら総理大臣として使ってやるわい」と告げ、近い将来、岸が総理大臣となることを予言したとされる。安倍晋三にとって、祖父との縁が深い恩人の孫・北村経夫は肝いりの候補者というわけだ。■「菅官房長官の仕切り」 では、この「首相じきじき依頼」は事実なのか。安倍首相の事務所に質問書を送ったが回答は得られなかった。しかし、教団と官邸の取引を裏付ける傍証を得た。政権ナンバー2である菅義偉内閣官房長官の関与が浮上。参院選の運動期間中、菅長官による北村の統一教会地区教会への極秘派遣が発覚したのだ。 北村陣営の福岡選挙事務所の手伝いをしていた若手保守運動家によると、北村は選挙運動期間中、秘密裏に福岡県内の統一教会の地区教会2か所に赴き礼拝に参加、講演を行ったという。 教団担当者から北村の福岡事務所の選対部長宛てに送信されたFAXには、こう印字されている。「お世話になります。7/10(水)の集会、よろしくお願い申し上げます。久留米教会は19:30より30分間、福岡教会は21:00より始めます。恐れ入りますが、それぞれ20分ほど前に御到着いただければ幸いです」 入手した当日の北村の遊説日程表にも、選挙カーを帰した後に北村が久留米教会と福岡教会へ単身で行くことが記されている。 北村の選挙運動を支援する地元の不動産会社社長は、選挙カーの提供だけではなく社員を運転手として派遣していた。7月10日、運転手は「17時以降の予定がキャンセルになった」と告げて帰した後、北村は1人で教団施設に向かった。 後日、北村の“隠密行動”を知った社長は「票のためなら統一教会とも手を組む人は、保身のためなら国も売りかねない」と激怒、北村事務所で選対部長を問い詰めた。すると選対部長はこう弁明した。「菅官房長官の仕切り」 菅長官は第1次安倍改造内閣で自民党選挙対策総局長に就任、福田政権では選挙対策副委員長~委員長代理を務めるなど自民党の選挙対策を担ってきた選挙戦略のスペシャリストだ。北村の選対部長の発言が事実だとすると、官房長官が北村を統一教会へ極秘裏に派遣していたことになる。この件について菅の事務所に質問書を送ったが回答は得られていない。 北村が講演を行った福岡教会の担当者は、北村事務所と福岡教会、双方からの要望として7月10日の同教会の祈祷会で北村が講演したことを認めた。「教団本部や自民党からではない」「ウチは創価学会とか幸福実現党みたいな独自候補を出しているわけではないし政党も持っていないので」 北村の後援会名簿には国際勝共連合や同じく教団系政治団体である世界平和連合の地方幹部の名が記されており、北村の福岡選挙事務所には世界平和連合本部から女性スタッフが事務員として派遣されていた。
2023.06.10
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図書館で『日本の戦争映画』という新書を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると『人間の条件』六部作とか岡本喜八の『独立愚連隊』とか・・・あらゆる視点で戦争をとりあげていて、なかなかのものです。【日本の戦争映画】 春日 太一著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より戦後、日本映画はいかに戦争を見つめてきたか。元特攻隊の脚本家、学徒兵だったプロデューサー、戦地から生還した映画監督ー。彼らが映画に込めた想いを追いつつ、スペクタクル、笑い、大スターの共演など多種多様な戦争映画の魅力を縦横に語り尽くす!<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると『人間の条件』六部作とか岡本喜八の『独立愚連隊』とか・・・あらゆる視点で戦争をとりあげていて、なかなかのものです。rakuten日本の戦争映画ATG(アートシアターギルド)で観た『肉弾』という映画が忘れがたいのだが・・・「第二部 岡本喜八の戦争映画」に『肉弾』が出ているので、見てみましょう。p213~216<『肉弾』> 翌1968年に岡本喜八は『肉弾』という映画を撮っています。これは岡本喜八の私小説的な作う品です。 寺田農が「あいつ」という主人公を演じていますが、見た目が岡本喜八そのものです。眼鏡でやせ細っていて。 それから、本土決戦に向けて対戦車特攻「肉弾」の訓練を受けている設定も同じです。「あいつ」は訓練を受けながら、さまざまな人に出会う。それは皆、それぞれに戦争で何かを失った庶民です。その出会いを、コミカルなタッチで描いていく。 例えば笠智衆が演じる古本屋。その古本屋を「あいつ」が訪れると「ああ、ちょうどよかった。今、妻がいないんで手伝って、これ」と。笠智衆が立ち上がると両手がない。戦争で両手を失っているのです。その瞬間、「あいつ」は「ああ、わかりました」と言って小便を手伝ってあげる。 こうした、庶民から見た戦争・・・というのが、岡本喜八の描きたかったことでした。『日本のいちばん長い日』のラストでは「戦争で300万人の日本人が死んだ」とテロップが出ます。その「300万人の終戦」が『日本のいちばん長い日』であれば、今度は「300万分の1」の終戦というのをやりたかった・・・と。その「1」は、岡本喜八自身でもあります。『日本のいちばん長い日』には庶民が出てきません。だから、今度は庶民にとっての終戦とは何だったのかをやりたかったのです。『日本のいちばん長い日』は俯瞰した話なので、「私」がいない。では、「私」にとっての終戦は何だったのか。それが『肉弾』になっていきます。 最初、この脚本は東宝で通りませんでした。それが『日本のいちばん長い日』を撮り終えた段階で東宝から、ご褒美として許可がおります。でも、お金は出してくれない。それで、ATGを使います。作り手が五百万円を集めるとATGが残りの五百万円を出す。それで1千万円で低予算映画を作る。 当時、独立系の映画監督たちはここで映画製作をしていました。ところが、ATG側は「岡本喜八」というだけで企画を拒否してくる。 東宝という大企業でエンターテインメント作品を撮る監督だからATGにはふさわしくないということでした。つまり、岡本喜八は東宝からすると異端と思われて、独立系からするとメジャーの人間と思われていた。難しい立場でした。 それでもなんとか企画が通ります。そうまでして実現させたい企画でした。そこには、『日本のいちばん長い日』を撮り終えたからこその、想いがありました。「事実を再現し得ても、事実を見つめる私は主張し得たかどうか?『日本のいちばん長い日』に欠落した部分が、撮り終えたあとで無性に埋めたくなった」(『岡本喜八全作品集』) だからこそ、岡本喜八は『肉弾』の中に自分自身を描いていきました。 劇中、「あいつ」は軍から二つ選択肢を提示されます。それは、「対戦車用の《肉弾》になるか」、もう一つは「魚雷艇に乗り込んで、アメリカ艦に突っ込んでいくか」。これも戦時中、岡本喜八自身が迫られた選択でした。 最終的に、劇中で「あいつ」は岡本喜八が実際にやるはずだった「肉弾」から配属転換になり、魚雷にくくりつけられたドラム缶に乗り込んで終戦を迎えることになります。では、なぜ「あいつ」はドラム缶に乗って戦うことになったのか。 それは、祖国を守るためではなく、好きな女を守るためでした。岡本喜八はある思い出話を書いています。「昭和20年正月、あせは特甲幹として松戸工兵学校へ出発という夜、この夜は私にとって忘れがたい劇的な夜になった。あきらめきっていた美少女が千人針をそっと持ってきてくれたのだ。『お帰りを待っています』受けとる手がワナワナとふるえた。これで死ねる。工兵学校での八か月の教育期間が終わったらおそらく生きてはいまい。しかし、むしょうに生き残りたいと思った。 私にとって、急造の対戦車地雷をかかえてまもるべき祖国はなんであったか?茫漠とした美辞麗句のためにはシャーマン戦車にぶつかれない。私にとって祖国とは、出発の前の日にそっと下駄箱の隅に置いてきた、履きなれたチビた下駄であり、そっと千人針を渡してくれた彼女であった」(『ななめがね』)
2023.06.10
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図書館に予約していた『砂漠と異人たち』という本を、待つこと3ヵ月ほどでゲットしたのです。この本では、アラビアのロレンスや村上春樹を取り上げているので・・・私のツボが疼くのです。【砂漠と異人たち】宇野常寛著、朝日新聞出版、2022年刊<「BOOK」データベース>より情報社会を支配する相互評価のゲームの(外部)を求め、「僕」は旅だった。そこで出会った村上春樹、ハンナ・アーレント、コリン・ウィルソン、吉本隆明、そしてアラビアのロレンスー。20世紀を速く、タフに走り抜けた先人たちの達成と挫折から、21世紀に望まれる、新たな主体像を模索する「批評」的冒険譚。<読む前の大使寸評>この本では、アラビアのロレンスや村上春樹を取り上げているので・・・私のツボが疼くのです。<図書館予約:(2/25予約、副本1、予約5)>rakuten砂漠と異人たち「ドライブ・マイ・カー」「第三部 村上春樹と「壁抜け」のこと」で、村上の作品がずたずたに刻まれて批評されているので、見てみましょう。p242~244<28 駅とインターネット> かつての村上春樹はインターネット的なコミュニケーションの全面化を予見するかのような力を示していた。それが『ねじまき鳥クロニクル』の「壁抜け」であり、『アフターダーク』の監視カメラ的な視点だった。しかし、この時点の村上春樹は明らかに世界に対しての想像力を失い、ナルシシズムの中に引きこもっている。この「駅=インターネット」への過小評価こそが、村上春樹の陥った罠を示しているのだ。 前述したように「壁抜け」は、インターネットのもたらすフィルターバブル的な全能感を誘発する。村上春樹は「駅」=「インターネット」のプラットフォームの代わりに「母」的な女性性に依存する性搾取的なシステムを用いた回路なのだ。村上春樹は「壁抜け」の性搾取を手放さない限り、そのインターネット的な危うさを克服することもできないのだ。<29 男のいない男たち> もう少しだけ、村上春樹の話を続けよう。繰り返すがおそらく、村上は行き詰まりに自覚的だ。その迷いが端的に現れた作品が、2014年に出版された短編集『女のいない男たち』だ。この短編集はタイトルにあるように、妻や恋人のいない、もしくはそうした女性に去られようとしている男性たちの物語を集めたものだ。 しかし、僕は考える。この短編集に本当に相応しいタイトルは『男のいない男たち』だ。なぜならば、この短編集に収録された作品は唯一、初出時に別の雑誌に掲載された「シェエラザード」を除くすべてが、何らかの理由で魅力的な男友達と仲良くなるけれどうまくいかない、という物語だからだ。 たとえば「ドライブ・マイ・カー」では妻を亡くした主人公の男が、妻の生前の浮気相手の男性に興味を持つ。主人公は、その男性に、ちょっとした復讐を企てて近づく。しかし、主人公もまた彼に惹かれる。彼は器量が良く、裏表もない好人物だが「たいしたやつじゃない」。しかしその凡庸さが主人公の内省を(主に亡き妻のことを話すことで)適切に促す。(中略) そう、村上春樹はここで自分の代わりにこれまで彼が築き上げてきたナルシシスティックで、男性的な規範から逸脱してくれる男の友人を求め始めているのだ。 ここで村上春樹が、初期三部作(『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』)で「僕」とその友人「鼠」の対比で物語を展開していったことを思い出してもらいたい。村上春樹は、そもそも失敗していたかもしれないもう一人の自分の負の可能性を「友人」として側に置き、そして彼が失われることで主人公の選択が肯定されるという構造から出発した作家だった。 三部作の続編である『ダンス・ダンス・ダンス』では「五反田君」が「鼠」と同じ役割で登場する。「鼠」が60年代の学生反乱の季節における亡霊だとするのなら、「五反田君」はバブル景気を背景にした、80年代の日本の消費社会の生んだ幻影のような存在だ。どちらも、時代に流され、そのことを後ろめたく思い、そしてそのためにせめてもの抵抗として自らその生命を絶つ。そのような時代と並走して生きた彼らの死を横目に、生き残った主人公は時代に対して中距離を保つ自分のスタンスを確認する。 しかし『女のいない男たち』において「男友達」が、ここにきてもう一度重要なモチーフとして浮上している。村上春樹は再び、同性の友人を描き始めているのだ。『女のいない男たち』2『砂漠と異人たち』3:アラビアのロレンス(続き)『砂漠と異人たち』2:アラビアのロレンス(続き)『砂漠と異人たち』:アラビアのロレンス
2023.06.09
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図書館に予約していた『砂漠と異人たち』という本を、待つこと3ヵ月ほどでゲットしたのです。この本では、アラビアのロレンスや村上春樹を取り上げているので・・・私のツボが疼くのです。【砂漠と異人たち】宇野常寛著、朝日新聞出版、2022年刊<「BOOK」データベース>より情報社会を支配する相互評価のゲームの(外部)を求め、「僕」は旅だった。そこで出会った村上春樹、ハンナ・アーレント、コリン・ウィルソン、吉本隆明、そしてアラビアのロレンスー。20世紀を速く、タフに走り抜けた先人たちの達成と挫折から、21世紀に望まれる、新たな主体像を模索する「批評」的冒険譚。<読む前の大使寸評>この本では、アラビアのロレンスや村上春樹を取り上げているので・・・私のツボが疼くのです。<図書館予約:(2/25予約、副本1、予約5)>rakuten砂漠と異人たちサイクス・ピコ協定の協定区域「第二部 アラビアのロレンス問題」の続きを、見てみましょう。p97~99<11 ある私生児の来歴>『知恵の七柱』は複雑な出版物で、ロレンスがこの回顧録(の体裁を装った創作物)がどの程度広く読まれることを想定していたかは時期によって大きく異なるのだが、パリ講和会議中に執筆が開始された同書はプロパガンダとまでは言わないまでも、当時置かれた政治的な立場に大きく影響を受けた記述になっている(ファイサルはロレンス以外の筆によれば臆病で、悲観的な性格が指摘されることが多い) さて、話を戻そう。一度カイロに帰還したロレンスは、情報部内に新設されたアラブ局(チームの編成を行ったのは、ロレンスの考古学の師であるホガースだった)に転属し、そして反乱の「テコ入れ」的に、現地に正式に派遣された。 ロレンスが再度派遣されるまでの間には、ほとんど政争と言ってよい駆け引きが存在した。当時のイギリス軍はその内部で、アラブ反乱の支援の方針で激しく対立していた。(「サイクス・ピコ協定」のサイクスをはじめとする)一方は、同盟国フランスとともに大規模な軍隊をアラビア半島に派兵して反乱を支援するべきだと主張し、そして(「フサイン・マクマホン書簡」のマクマホンをはじめとする)もう一方は、これまでの中東戦線での失敗と、アラブの住民感情の悪化が危惧されることを理由に派兵に慎重であるべきだと主張していた。 イギリスが当時二重、三重外交によって貪欲にその帝国主義的な野心を追及していたことに疑いようはないが、その内部では親フランス/反フランスという外交戦略の相違や権力闘争を背景に激しい対立が存在していたのだ。 ロレンスと彼が所属していたアラブ局(反フランスの急先鋒と見なされていた)は後者を支持し、派兵を支持する人々を「フランスに利用されている愚か者」として激しく批難していた。 シリアでそうであったように、フランスは既に戦後の中東における権益の確保を(イギリスと同じように)視野に入れて行動しており、アラビアへの派兵はその口実づくりの一環であることは明白だった。そして、ロレンスらアラブ局の分析では既にこうしたイギリスとフランスの野心はアラブ反乱軍に十二分に警戒されており、大規模介入はこれに不満を抱く諸部族の離反を生むと考えていた。 ロレンスらは、この間に中東への大規模な派兵に反対する活動を行い、それを西部戦線ののっぴきならない戦況が後押しした。その領土的野心を、このときのイギリスには全力で追及する余力が存在しなかったのだ。こうしてこの論争は派兵反対派の勝利に終わり、ロレンスは再度アラビアに派遣された。 アラブ局の計画には反乱の支援のために、反乱の中核を担うファイサルの側に付く連絡将校が必要だったからだ。当初は県が予定されてイタニューカムが別任務で手が空かなくなり、ロレンスがその代役に選ばれた。これが「アラビアのロレンス」の生まれた瞬間だった。 ロレンスがこの間、自らの再派遣を希望していたことは明白だが、しかし彼は戦後に白々しくもこう書き記している「これは私の性に合わぬことはなはだしく、自分がその任務にまったく不適なことを私は躍起になって言い立てた」<12 アラビア「での」ロレンス> 再びアラビアに派遣されたロレンスは、反乱軍(その大半が砂漠の遊牧民ベドウィンの諸部族だった)の中に、かつてカルケミシュでそうしたように溶け込み、現地の衣装に身にまとい、行動をともにするようになった。本来の担当であるニューカムの派遣の目処が立っても、あらゆる口実を作り反乱軍の元にとどまり続けた。 そして、彼らの信頼を得ると半ば政府の意思を離れて独走をはじめ、アラブ反乱に大きな役割を果たしていくのだが、彼がこのような野心をどの時点で抱いたのかは定かではない。中東の歴史については『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』3がお奨めです。『砂漠と異人たち』2:アラビアのロレンス(続き)『砂漠と異人たち』:アラビアのロレンス
2023.06.09
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今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「SF映画」でしょうか♪<市立図書館>・自民党の統一教会汚染・SF映画術・フィルムメーカーズ18 スティーヴン・スピルバーグ<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>昨今ではコメンテーターとしてテレビに登場し、鋭い指摘を述べる鈴木エイトさんであるが・・・教会員の暴力など気にかけず追及するジャーナリスト根性がいいではないか。<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【SF映画術】ジェームズ・キャメロン著、DU BOOKS、2020年刊<「BOOK」データベース>より映画『月世界旅行』(1902)からドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』まで。映画、小説、ドラマ、神話…各巨匠が自身のインスピレーション源を語り尽くす。知られざる「フォース」の正体とは!?ここでしか語られていない、驚愕の映画制作の舞台裏も。<読む前の大使寸評>副題が「ジェームズキャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」となっていて興味深いのだが・・・創作講座というよりもSFが大好きな巨匠たちによるSF賛歌になったような本になっています。画像も多くてビジュアルなところもいけてます。rakutenSF映画術【フィルムメーカーズ18 スティーヴン・スピルバーグ】南波克行著、宮帯出版社、2019年刊<「BOOK」データベース>より充実した完全データ。製作・製作総指揮作品、テレビ作品も含む。作家論、作品論、音楽論、製作総指揮作品について、徹底解剖!「自分が何者であるか」を追い求め、壮大なエンターテインメント作品を描き続けた巨匠のすべて!!1997年から2001年まで発行され高く評価された「フィルムメーカーズ」シリーズを復刊。スタイルを旧シリーズから踏襲し、新たに伝記的な事実を描いた「ライフストーリー」を掲載した。実力派執筆者による充実した批評・論考、座談会。名場面をカラー24ページで紹介。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenフィルムメーカーズ18 スティーヴン・スピルバーグ図書館大好き594
2023.06.08
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・言葉の周圏分布考 (8/15予約、副本1、予約16)現在1位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在1位・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在104位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在9位・西加奈子『くもをさがす』(5/10予約、入荷待ち)現在96位・村上龍『ユーチューバー』(5/20予約、入荷待ち)現在31位・『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』(5/23予約、副本1、予約26)現在25位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・養老孟司『形を読む』・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・『82年生まれ、キム・ジヨン』・スヴェン・ベッカート『綿の帝国』・ビル・ヘイトン『南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・鈴木大介「ネット右翼になった父」・動的平衡3:あるいは購入<予約分受取:4/09以降> ・砂川文次『小隊』(5/11予約、4/09受取)・『おどろきのウクライナ』(12/06予約、4/25受取)・真鍋真『真鍋先生の恐竜教室』(4/29予約、5/09受取)・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、5/23受取)・横尾忠則『見えるものと観えないもの』(5/16予約、5/23受取)・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、5/28受取)・砂漠と異人たち(2/25予約、6/03受取)・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、6/07受取)・『小川さゆり、宗教2世』(4/06予約、6/10受取予定)**********************************************************************【言葉の周圏分布考】松本修著、集英社インターナショナル、2022年刊<「BOOK」データベース>よりテレビ番組『探偵!ナイトスクープ』で「全国アホ・バカ分布図」を完成させた著者が敢行した、方言の全国市町村アンケート。膨大な回答を基に作成した圧巻の五十数枚のカラー方言分布図で、懐かしい言葉に楽しく再会!分布図は文献にない言葉の歴史解明にも力を発揮。『源氏物語』に登場する「戻る」の謎を解く壮大な知の旅に誘います。また分布図には、京都を中心に見事な多重の円が現れました。日本語の「周圏分布」についても、深く論じます。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約考:(8/15予約、副本1、予約16)>rakuten言葉の周圏分布考【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【くもをさがす】西加奈子著、河出書房新社、2023年刊<商品説明>よりカナダで、がんになった。「私は弱い。徹底的に弱い」。でもーーあなたに、これを読んでほしいと思った。祈りと決意に満ちた著者初のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/10予約、入荷待ち)>rakutenくもをさがす【ユーチューバー】村上龍著、幻冬舎、2023年刊<出版社>より20代半ばにしてデビューをした作家・矢崎健介、70歳になった。「世界一もてない男」を自称するユーチューバーが、矢崎をユーチューブに誘う。承諾した矢崎が語り出したのは、自由である人間について。自由な人間は滅多にいないのだと言った。自由であるということは、唯一の希望を生む。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/20予約、入荷待ち)>rakutenユーチューバー【千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話】済東鉄腸著、左右社、2023年刊<「BOOK」データベース>より日本どころか千葉の実家の子供部屋からもほとんど出ない引きこもりの映画オタクの下に差し込んだ一筋の光、それはルーマニア語ールーマニア人3000人に友達リクエストをしてルーマニアメタバースを作り猛勉強、現地の文芸誌に短編小説を送りつけ、『BLEACH』の詩へのリスペクトと辞書への愛憎を抱きながらルーマニア語詩に挑戦する。受験コンプレックス、鬱、クローン病。八方塞がりの苦しみから、ルーマニア語が救ってくれた。暑苦しくって切実で、好奇心みなぎるノンフィクションエッセイ。千葉の片隅から、魂の故郷・ルーマニアへの愛を叫ぶー。本、映画、音楽…ルーマニアックのための巻末資料も収録!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/23予約、副本1、予約26)>rakuten千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.06.08
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図書館で『見えるものと観えないもの』という本を、手にしたのです。横尾さんの対談集であるが・・・登場する対談者とアート、宗教、映画、思想などを語っていて、ええでぇ♪【見えるものと観えないもの】横尾忠則著、筑摩書房、1997年刊<「BOOK」データベース>より最近数年間の著者の過激かつ超絶した対談を集成して、世紀末の狂気と不安と美とを、ことばによって描破する。【目次】生の死と芸術と(淀川長治)/想いはエネルギーです(吉本ばなな)/宇宙の愛(中沢新一)/見えるものと見えないもの(栗本慎一郎)/夢は霊感の源泉(河合隼雄)/宇宙と狂気と愛と(荒俣宏)/ヴィジョンの降臨(草間弥生)/芸術家は畸人たれ(梅原猛)/想念の池にて遊ばむ(島田雅彦)/アートは異界への扉だ(天野祐吉)/芸術は真摯な遊び(黒沢明)<読む前の大使寸評>横尾さんの対談集であるが・・・登場する対談者とアート、宗教、映画、思想などを語っていて、ええでぇ♪<図書館予約:(5/16予約、副本3、予約1)>rakuten見えるものと観えないもの闘龍灘「滝」と「竜」が語られているので、見てみましょう。p185~189<夢の中ではだれでも芸術家になれる>横尾:お話を始める前に、まず梅原先生にご報告したいことが一つあるんです。いつでしたか、徳島でNHKの仕事をした帰りに、飛行機のなかで梅原先生と芸術とイマジネーションの話をしまして、勝手なことをいわせていただきますと、そのときぼくはとても共感するところがあったものですから、もう一度ぜひお会いしたいと思っていましたら、梅原先生にも同じことをおっしゃっていただいたので、あれ以来、次にお会いできることをずっと期待していたんです。梅原:そうそう、あのとき滝の話をしましたね。ちょうど横尾さんが画面に二つか三つの滝を描いているという話をされたので、そういう世界はいったいどんな世界だろうと思ってね。ぼくもそれにとても興味を抱いたものだから、是非見せてほしいといって別れたんですよ。横尾:そうです。そのときぼくが、近々、那智へ行きますといったら、梅原先生が「ぼくもつい先日行ってきました。那智の滝もすばらしいけれども、そこから少し先へ上がったところにある二ノ滝、三ノ滝へも行かれたらどうですか」といわれた。それから二週間ぐらいしてぼくは那智の滝へ行くことになるのですが、とにかく飛行機のなかでそんな話をして別れたんです。 その晩、ぼくはホテルで夢を見た。その夢はじっと滝を見ている夢なんです。どこの滝かわからない。気持ちが浄化されるような感じの夢でした。翌日、新大阪で時間があったものだから、ブラッと本屋に入って、いつも行くコーナーとはちがうコーナーへ行くと、そこに『日本の原郷・熊野』という本があった。 写真と文字で構成された百ページ余りの薄い本ですが、それを手に取ってパラパラと見ていると、白黒の小さな滝の写真が目にとまった。キャプションに「静かな品格のただよう三ノ滝」とある。エッと思って、しばらくその写真に釘づけになった。昨夜ホテルでぼくが夢に見た滝と同じなんです。しかも、アングルも周囲が暗くなった感じも、全部一緒。 ぼくは、この写真一枚のためにこの本を買おうと思った。そして、改めて表紙を見たら梅原先生の本じゃないですか。あまりにも話ができすぎているので、自分でも本当にびっくりしたんですが、事実なんですよ。 きょう、先生にお会いできたので、まっ先にこれをご報告しようと思いまして・・・。梅原:横尾さんはずいぶん滝を見られたでしょう。横尾:見ましたが那智の滝はいいですね。ほかに袋田の滝とか華厳の滝とかいろいろ見ましたけれども・・・。つい先日も福知山の大江町(京都府)へ行って、大江山伝説のあるあたりを歩いてきたんです。そこにも千丈の滝というのがありました。梅原:滝に興味があるのはなぜですか。横尾:滝の夢を沢山見るようになったからです。いちばん最初に見た滝の夢は、滝が凍結していて、氷の形がそれぞれ骸骨になっているというもので、あまり気持ちのいい夢じゃなかった。 ほかには、メリケン粉とかラーメンとか、うどんとか、そういう食べ物で滝の彫刻をつくっている夢、それも銀座のママに頼まれてつくっているんです(笑)。あるいはまた、いろいろな作家がつくった滝のインスタレーション(装置)の展覧会を観に行っている夢とか、とにかくたくさん見ているんですが、滝と創作がからんだ夢がほとんどです。梅原:うん、おもしろい。横尾:自分の内部から突き上げてくる衝動みたいなもので、描かざるを得ない、興味をもたざるを得ないという状態がありましたのでね。考えても理由がよくわからない。 ぼくが油絵を始めたのは高校のころですが、そのころよく、ぼくの郷里(兵庫県西脇市)の近くにある滝野というところの闘龍灘の滝を油絵で描いていました。それはたまたま近くに滝があったというだけで、ぼくの内面とそれほど直接つながっているとは思っていなかった。その後、何十年かして連続的に滝の夢を見るようになったんです。 それと並行して、竜への関心が高まってきまして、ぼくが記憶しているいちばん最初の夢ですが、それが竜なんです。竜が家の前の電柱をつたって天空に登っていく。親父に(親父は辰年ですが)こんな夢を見たといったら、すぐ掛軸に描いてほしいというので、小学校二年生のときでしたが、掛軸に夢で見た竜を描いたことがありました。滝も竜も夢からの発想なんです。だからコンセプトは何かといわれると困るんです。ありませんというよりしょうがない。梅原:「滝」と「竜」は文字ではつながっている。中国人の意識の内では、竜を滝にすることを考えたんだろうね。横尾:滝の守り神は竜神さま、竜の住処としての滝。梅原:滝の形そのものが竜に見えたんでしょうな。『見えるものと観えないもの』1:中沢新一
2023.06.07
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