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語りえぬことについては、沈黙しなくてはならない(ヴィトゲンシュタイン)。約30年前、山田正紀が若干23歳にして「想像できないことを想像する」ことに挑み、デビューを果たしたのが本作、その名も『神狩り』。神戸市で調査中の遺跡、花崗岩石室の内壁に発見された<古代文字>。十三重に取り組んだ関係代名詞と、二つの論理記号のみの文字。それは人間の頭脳を遥かに超越したものの存在を証明していた。神の存在を。かくして<人間VS神>という無謀な戦いが始まった。30年ぶりに発売された続編、『神狩り2』にも期待したい。山田正紀の「神」への挑戦はまだまだ続く。神狩り(山田正紀)
2005.04.29
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2004年度カンヌ映画祭でグランプリを獲得した戦慄の韓国映画。1988年、平凡なサラリーマンであるオ・デスは何者かに誘拐、監禁され15年間の年月の後に解放された。一体誰が、何の目的で? 復讐に燃えるオールドボーイはすぐさま行動に移すのだが・・・。インパクトに満ちた描写とともに、徐々に明らかになっていく謎。知りたい気持ちと知りたくない気持ちが交叉する。暴力。罠。衝撃。戦慄。圧倒。これ以上の予備知識は持たずに、くれぐれも体調を整えたうえで鑑賞に望みたい。
2005.04.26
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何年かぶりに村上龍を読んだ。新刊『半島を出よ』が出版され父が買ってきたのを機に、村上龍の未読作品を意識的に読むことにした。彼の作品をはじめて読んだのは高校のときで(『限りなく透明に近いブルー』)、そのときは(なんて詩的で暴力的な文章を書くのだろう)と思ったし、夢中になって読んだし、それは今も変わっていない。本作品や『イン・ザ・ミソスープ』を筆頭に日本の病理を予見するような憂鬱なテーマが多いが、それでも無理なく読ませる筆力には度々感嘆する。個人的な好みを言えば『コインロッカー・ベイビーズ』や『五分後の世界』のようなSFタッチのものが好きだ。そしてエッセイは読まない。あくまでも小説がいい。読書探偵タカハシさん(高橋源一郎)のように「おもしろーい、おもしろーい!」と叫びながら読むのが正しい読み方。
2005.04.25
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教室に設置した本、ただいまの状況。紹介済み:星新一「ボッコちゃん(貸出中)」「ようこそ地球さん」「かぼちゃの馬車」「未来いそっぷ」宗田理「ぼくらの七日間戦争(貸出中)」「ぼくらの天使ゲーム」「春休み少年探偵団」柳田理科雄「空想科学読本(貸出中)」デフォー「ロビンソン・クルーソー」「ブッシュ妄言録(貸出中)」未紹介:江戸川乱歩「怪人二十面相」「少年探偵団」灰谷健次郎:「兎の眼」サリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」リチャード・バック:「かもめのジョナサン」「イリュージョン」ブルック・ニューマン「リトルターン」マイクル・クライトン「ロスト・ワールド(上/下)」ミヒャエル・エンデ「はてしない物語(貸出中)」「モモ」JKローリング「ハリーポッターと賢者の石(貸出中)」その他、雑誌・文集・辞典など。どんどん更新していきます。
2005.04.21
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本名は、夏目金之助。彼の生まれた年日は、言い伝えによると将来「大泥棒」になるとされていた。ただし、それをふせぐ方法があった。名前に「金偏」の漢字か「金」という漢字を入れればよい、ということだった。それで両親が「金之助」と名づける。しかし、遠い未来に自分自身が「金」になるとは思いもよらなかっただろう。「漱石」というペンネームをつけたのは、正岡子規に影響を受け、句作を始めた学生の頃。その名の由来はこうだ。中国に「流れに漱ぎ(くちすすぎ)、石に枕す」という格言がある。それを中国のある武将が言い間違えて「流れに枕し、石に漱ぐ」と発言したところを部下に突っ込まれた。しかしそれを認めないのが頑固者、「流れに枕し、とは川の水で耳を洗い、石に漱ぐとは、石で歯を磨くのだ」と言い張った。この頑固者のエピソードを気に入った金之助が「ならば私は時代の頑固者になってやろう」と、ペンネームを「漱石」に定めたそうだ。頑固者の百年経っても色あせない名作の数々に、また触れてみようかな。我輩は猫である、名前はまだニャ-。・・・失敬。
2005.04.18
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少年Aの須磨区殺人事件をキッカケにして書かれた、連作コラム集。現代日本の抱える病理を村上龍ならではの切り口で見事に捉えている。日本という国は大人も子供も、有史以来誰も経験した事のない寂しさに覆われている、という指摘。そして、日本の近代化は終焉したにも関わらず、国内にそのアナウンスがない事で弊害は益々広がっているという事実。筆者は言っている。良い学校に入り、優良企業に入ったって人は幸せにはならない。それは、連日報道されるエリート(政治家や官僚達)の汚職事件でも明らかだと。毒に侵された病巣の中で住んでいるのだ、ぼくたちは。文とともに挿入された写真が不気味な説得力を伴って眼下に鎮まる。高山文彦『「少年A」14歳の肖像』と併せて読みたい。
2005.04.16
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学科試験会場では、例えば「信号機のある踏切では信号の表示に従って進む事が出来る」という問いは信号機が青なら進んでも良いだろうから「正」か、いやもし踏み切りの先が渋滞なら前の車が空くまでは進めないだろうから「誤」なのか、それとも問題としてはそこまで要求していないとして、そうすればやはり「正」なのかなどという自問自答を全問第に当てはめながら解いていくうちに何だか全てがひっかけ問題のように見え始め限りなく疑心暗鬼に近いブルーな五十分を過ごした。村上龍の「ストレンジ・デイズ」を読みながら合否発表を待つ。試験会場を出た15分後には、高速道路をびゅんびゅんびゅん。風になる。
2005.04.15
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を教室に置いてみたものの、どんな本を置くべきかひたすらに悩んでいる。読ませる対象は中学一年生だ。とにかく濫読が必要な時期なので、あらゆるジャンルの本を納めておきたいと思う反面、年齢の心理的特性にあった本を厳選して並べておくべきだとも考えている。悩んだ末、いまのところ無難に星新一のショートショートを配置することに決めた。とりあえずここから始めたらどうかな、という意図で。それから、あとは授業で紹介した本を少しずつ増やしていこうと思っている。さてさて、これからどういう展開を広げていこうかい、本棚君よ。
2005.04.12
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桜満開の中で大学へたつ妹を祝福したのは、昨日のこと。ぽかぽかとした陽気で、それこそ入学式日和であった。東京では恩師や旧友達と久方ぶりの挨拶を交わし、終電で神戸へ戻った。今夜は桜が散る前にと、同僚達と夜桜を観桜。ふと宮沢賢治の「春と修羅」が読みたくなった。妹トシとの死別を描いた「永訣の朝」に、心が震えた。「セロ弾きのゴーシュ」のような童話を描き、また音楽を心から愛した賢治の心の闇に触れたようで。その闇の深淵から、おだやかな童話も生まれるものなのか。ところで前回の日記で書いた草野心平は、亡くなる2年前に「宮澤賢治論」というものを発表している。偶然ではあるが、なんだか宇宙的なつながりを感じた。
2005.04.11
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春を感じる間もないほどの忙しさに目をまわす日々が続き、かもめは明日の夜上京することに決めた。東京の大学へ行く妹を見送るのだ。東京では大学時代の仲間たちが待っている。二日間の短期旅行。本は何を持っていこうかな、と。追記。家のパソコンが風邪で寝込んでいるので、更新が滞っていますがコメントは毎日読んで励みにしています。ありがとう。ぐううぅ。よし、帰ろう!職場にて。
2005.04.08
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この季節になると、清清しく新しい希望に満ち溢れてくるようだ。桜も開花し、いよいよ春の到来が到来すると、いよう、出てきたよ。と、いぼがえるの登場。まぶしいな。青いな。やりきれんな。草野心平の詩「いぼ」を詠みながら、春の匂いと光を感じた。それにしても草野心平は根っからのカエル好きだな。彼は蛙語で詩を書き(るてえる びる もれとりり がいく。)、また蛙の産卵を見事に表現したものだ(るるるるるるるるるるるるるるるるる)。みずみずしい彼の言葉は決して渇くことはない。いぼが春への呼びかけを止めない限りは。春君。ぼくだよ。いつものいぼだよ。詩集「第百階級」より
2005.04.06
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『ブルータワー』は石田衣良はじめてのSF作品で、一番長い作品だ(ぼくの一番のお気に入りでもある、今のところ)。二百年後の世界では、「黄魔」と呼ばれるウイルスが原因で人類は、破滅の危機に追いやられ、ほとんどの人間が高さ二キロの塔の中で暮らしている。そこは現実世界の南北問題とテクノロジーの占有が、シンボリックに圧縮された世界。人種や階級の間で生まれる憎しみの重さで、塔はすでに崩壊寸前。そこへ二百年前からやってきた平凡な一人の男は、雲を分け聳え立つ塔を崩壊から救うことが出来るのか。私事だが、ぼくはSFから小説の世界へと入り込んだ。中学の時に星新一のSFショートショートにのめり込み、そこから、筒井康隆を知った。あのころ読んだ小説は、海外国内を問わずどんなSFもすべて面白かったような気がする。古きよきSF時代。ここで石田衣良の言葉を借りたい。「今、SFやファンタジーなど想像力に傾倒した小説は商売にならないといわれている。天邪鬼なぼくは、今こそファンタジーを始める時期だと思う。小説は無責任だから自由だ。ただの空想だから世界を揺り動かすことがある。…」がんばれ、まけるな、エスエフ。「…『ブルータワー』へようこそ! 夢みる力が決して失われる事のない世界へ。」【送料無料商品】ブルータワー
2005.04.05
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月が語る33のショート・ストーリー。眠れない夜でも、読めば静かな気持ちになれる。絵のない絵本。月の話に耳を澄ませながら、心の中に絵を描けば素敵な絵本の出来上がり。今日はアンデルセンの200回目の誕生日だそうだ。
2005.04.02
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実録サービスを支えるスタッフたち(Yahoo!9周年特集)という記事を見つけた。うーん、なんていうか、こういうの大好き♪(掲載期間2005/04/01)
2005.04.01
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