今日も他人事

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2026年04月10日
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カテゴリ: アニメ
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先週、ジョジョ第五部の一挙放送が終わりました。お疲れ様でした(パチパチ



……うーむ、素晴らしいな。完璧な原作再現のアニメ化だ。TV放送時、先輩の一人は「TV版はアニオリが余計」と言っていたが……私的にはどれも許容範囲のレベルだった。特に最近、自分の好きな作品でとんでもない原作改変を喰らったばかりだからな……なんとか、この精神的ダメージを回復せねばならぬ。その為に最適なのは……やはり、 「自分の好きな原作が理想的に映像化されたアニメ」 以外にはあり得ぬ……!




ディオの息子がギャングの若者達と手を組み、悪行非道のボスを打ち倒して下剋上を果たすという広義の意味で「悪対悪」――この言い方が暴論に近いことは認める――という点でも第五部は大好きなんだけど、それをここまで見事に原作通りに――下手したら原作以上に――アニメ化してくれたという点でも思い入れの深い作品。やっぱね、自分の好きな原作(漫画)が自分の好きな形でアニメ化される幸せに勝るものはないのだよ、うん……(--

本当は先週末のリアタイ直後に感想を書き上げたかったのだけれど、なにせこの冬は見たいアニメが多くてね……

なお、私は第六部まで読み届け、第七部以降は読めてないという「昔、少年ジャンプ時代に雑誌で読んでた勢」な訳だけども、この第五部だけは後からコミックス全巻、買い揃えたぐらいには思い入れがある。何故か、手元に残ってねえけど(白目



そんな第五部だけど、実のところ、冷静に考えると割と変な作品ではある。
ところどころ語られる理屈も正直、よく分からない。


しかし、面白い。何だか知らないが、とにかく面白いのだ。
そして、熱い。敵も味方も妙に熱い。



どいつもこいつも皆、手も早いし口も悪いし、人間としては駄目な連中ばかり―― アバ茶 とか――なんだけど、けど観終わったら、どのキャラも好きになってしまっている。勿論、ポルポとかチョコラータとかボスとか、どうしようもない邪悪な連中もいるんだけど、そいつらはそいつらで不思議な魅力が有ったりもするから謎だ。まぁ、悪役が魅力的なのはジョジョでは第五部に限った話ではないんだけど。




改めて言うが、第五部は"悪"の物語だと思う。"悪対悪"であり、結果として"マシな悪"が勝利する……そういう物語だ。

無論、この言い方が暴論に近いことは認める。が、しかし、主人公であるジョルノやブチャラティ達がある種の"悪"であることは間違いなく事実なのだ。それは彼らが裏社会の人間で、反社的存在、犯罪者である点からして間違いない。

彼らは"悪"である。しかし、必ずしも"邪悪"とは言い切れない。

そんな彼らを主役足らしめるために必要なのはなんだろうか?

それはおそらく、彼らの"悪"を観客に許容させる閉塞的状況、そして、より大きな打倒すべき"邪悪"の存在だと思う。




そう、第五部とは"腐敗し硬直した当てにならない秩序(社会)"の中で、"邪悪"とは言い切れない"悪"達が"救いようのない吐き気を催す邪悪(ボス)"を打ち倒し、成り代わっていく物語なのだ。

そして、この大枠の中で動いている限り、第五部という物語はどれだけ荒唐無稽だとしても、視聴者からは受け入れられる最低限の下地を持つ。



第五部の巧みな点は、ある種の"悪"として始まった主人公達を、一見すると"善"のように描き切った点なのだと思う。その為に、割と無茶苦茶でご都合な展開が続くのだが、それは良い。良いのだ。

作劇において重要なのは、観客を味方につけて、納得させてしまうこと。観客が「なんか面白い!私、こいつ好き!!」とさえ感じてくれれば勝ちなのだ。 なにか分からんが喰らえ




"悪"を主役にするには、そして、彼らを勝利者として描くには何が必要か。
ジョジョ第五部は、その答えの一端を私達に示してくれている。


※補足:善悪の彼岸

一つ誤解しないでいただきたいのは、"邪悪を倒す"から"善"だと言っているのではない、ということだ。



考えてみて欲しい。 ドラゴンボールでナメック星人達を嬉々として虐殺していたベジータ が仮にそのままフリーザを倒したからと言って、ベジータが"善"になるか?

……ならない。もし、なると言うのなら、その人は世の中には善悪の二極しかないと思っているのだろう。

"悪を倒す"のは、善ではない。"悪を為していない"のもまた。
前者は"悪を倒した"だけだ。後者は"悪を為していない"だけだ。"善"とは関係ない。

"善"とは何か。それは、実際の所、"悪"とは無縁なのだと思う。

"悪"と関係なく、自分の何か……肉体や自由、未来、命、etc……を捨てて、自分以外の何か他人を救おうとすること。活かそうとすること。献身、自己犠牲。おそらくは、そうしたものこそが"善"なのだと思う。少なくとも、私はそう感じている。

私がジョジョ五部を"善っぽく描ききった"と言っているのは、決して彼らが"邪悪を倒したから"ではない。

"邪悪を倒す"という過程、あるいは、その前後の物語で、彼らが読者に示した精神性や言動そのものに"善"なるものが感じられた……そう言っているのだ、ということを念のため、ここに残しておく。そして、その"善"はギャングという"悪"が成したからこそ、より美しく輝いて見えるのだ、ということも。





※追記:二人の主役――ジョルノとブチャラティ

今夜で無料配信も終わるので見納めに再視聴。うむ、よきラストだ…… ブラボー! おお…ブラボー!!



第5部はボスとの決着とエピローグの間に、ブチャチームの前日譚を持ってくるという時系列を無視した変則的構成になっているのだが、これが上手く機能しており、結果として、二つの意味合いを生じさせていると思う。

一つは、「彼らが眠れる奴隷だった」と台詞とエピソードによって明確にすることで、それによって「運命」という物語のテーマを観客に強調できたこと。

もう一つは、本作の主人公がジョルノ一人ではなかった、ということ。



思い出して欲しい。1話のジョルノはギャングスターを目指してこそいるが、実際にやっていたのは旅行客を騙して小遣い稼ぎする程度の不良生徒でしかないし、ブチャラティも忠誠を誓う組織が麻薬を流している事実に心を殺し続けていたということを。要するに、二人とも燻っていたのだ。現状に。

そして、この第五部の始まりは、そんな二人が出会った時からだったのだ。 この味は!………ウソをついてる『味』だぜ……




そうやって動き出した二人の物語が二人の別れをもって綺麗に幕を閉じるのだから、第五部は美しい。本当に…… ベネ!






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最終更新日  2026年04月21日 19時56分54秒
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