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産経新聞は、共謀罪に反対している政党や人々の意見に対して「不安と恐怖心をあおっている」と揶揄する記事を出した。その内容があまりにも稚拙であり、法律素人の私でさえもツッコミどころ満載なのにビックリした。酷いのは、これがYahooニュースにもなっていて、根拠のない批判が拡散されていることだ。蟷螂の斧かもしれないが、アベ首相張りの、ウソも百遍言えばホントになる式のウソに一太刀浴びせたい。
先ずはくだんの記事を見て欲しい。問題点に下線して指摘し易いように番号を付しています。
テロ等準備罪 「同僚と飲みながら『上司をやっつけよう』」で罪になるって…恐怖ばかり煽る主張に苦笑
「テロ等準備罪」の抗議デモに参加し、安倍晋三政権を批判する共産党の山下芳生副委員長=3月14日夜、国会議事堂前(写真:産経新聞)
共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が3月21日に閣議決定され、国会に提出された。「思想弾圧」「話し合うだけで罪になる」。一部の野党議員や市民団体、報道機関は歩調を合わせるように不安と恐怖心をあおっている。3月に入り、法案に「反対」が「賛成」を上回る世論調査も出てくるなど、曲解混じりの反対派の宣伝はじわじわ効いているように見える。
「例えば、職場の同僚と一杯やりながら『あの上司ムカつくね、今度やっつけてやろう』と合意したら罪になる。皆さんも前科何犯じゃありませんか」
「『原発なくせ』のデモで道路をいっぱいにしようと合意しただけでも犯罪にされてしまう」
閣議決定が迫った3月14日夜、東京・国会議事堂前での抗議デモ。共産党の山下芳生副委員長は、こんなとんでもない主張を展開した。
明らかな誤解、もしくは意図的な印象操作だ。 (1)法案は対象を組織的犯罪集団に限っており、一般人に適用されることはない。 しかも、 (2)武器購入や犯行現場の下見など、犯罪実行のための準備行為も要件としており、同僚と飲みながら上司を殴ろうと話しても罪に問われるはずがない。
だが、山下氏はそんなことはお構いなしに、「散歩中、よその家のきれいな庭をのぞき込んだら『犯罪の下見(準備行為)だろう』と言われることになりかねない」とも訴えた。
このデモは、安全保障関連法反対デモと同じ市民団体や労働組合が中心になって開催。参加者は「戦争法と一体の共謀罪は絶対反対」「言論封じの共謀罪はいらない」などとシュプレヒコールを上げた。
山下氏以外には民進党の逢坂誠二衆院議員が参加し、「ともに共謀罪を葬り去ろう」と呼びかけた。社民党の福島瑞穂副党首も「共謀罪は話し合うだけで罪になる。そんな犯罪だ」と語った。
福島氏は、沖縄の米軍基地反対派リーダー、山城博治氏(64)が米軍施設建設現場で有刺鉄線を切って器物損壊の現行犯で逮捕された件を例に出し、こうも訴えた。
「座り込みをしよう、(作業を妨げるため)ブロックを積もうと相談しただけで、2人以上の組織的犯罪集団で、共謀罪が成立する。こんなの、おかしいですよ」
沖縄の反基地団体は組織的犯罪集団に認定されかねないと思っているかのような口ぶりだが、 (3)合法的に市民運動をしている限り、そんな心配は一切必要ない。また、普通の市民団体が偶発的に法を犯してしまったとしても、犯罪実行のために組織された団体でなければ対象とはならない。
閣議決定当日の3月21日には、弁護士や大学教授、フリージャーナリストらでつくる「共謀罪創設に反対する百人委員会」が国会内で集会を開催。民進党議員2人も参加した。
「この条約に対応する国内法があるフランスなどでテロが起きている。法律がなく条約を批准をしていない日本ではテロが起きていない。この違いが非常に重要。(テロ等準備罪を新設する)法律がないとテロが起きるというのは嘘だとわかります」
「政府、警察がテロリスト、あるいは将来(テロリストに)一変しかねない集団だとみれば、どんな市民団体も狙い撃ちされる。『私たちに刃が向けられた法律に変質したんだ』ということで、反対運動に邁進していただきたい」
冒頭の基調報告でこう語ったのは、特定秘密保護法などにも反対してきた弁護士の岩村智文氏だ。法律の専門家ですら、一般市民がテロリストに認定されかねないと訴えているのだ。
沖縄県・石垣島在住のミュージシャン、ZAKI氏は中継映像で出演。石垣島への陸上自衛隊警備部隊の配備計画に関して、こんな見方を披露した。
「中国は尖閣(諸島)に対し海上警察と漁船で対応しているが、日本は陸上自衛隊を配備しようとしている。明らかな挑発行為だ。この地域で軍拡競争がどんどん進んでしまう」
また、自衛隊が戦争で焼け野原となった石垣島を奪回する米軍との共同演習を日々実施しているとし、こう述べた。
「共謀罪が、この戦争ができる国にするための布石であることは間違いないと思う」
あまりに論理が飛躍して、正直、苦笑を禁じ得ないが、反対派の集会やデモではこうした言説がよく聞かれる。
一部の報道機関も、テロ等準備罪を「内心の処罰につながる」と危険視してきた。
閣議決定翌日の3月22日には、東京新聞が朝刊社会面で、戦前に農民運動に関わって治安維持法違反容疑で逮捕された経験があるという102歳の女性に取材し、「思想弾圧『二度とならん』」と題した記事を掲載した。「『抗議行動 萎縮してしまう』沖縄の市民グループ懸念」との記事もあった。
(4)過去を振り返れば、警察官の職務質問を認める改正警察官職務執行法(昭和33年国会提出)は「デートもできない警職法」とレッテル貼りされたが、現実はそんな世の中になっていない。特定秘密保護法(平成25年)は「権力が情報を隠蔽して暴走する」、安全保障関連法(27年)は「徴兵制への道を開く」などと散々批判された。
今回も同じように批判されるのは予想されたことだ。今後の国会審議では、金田勝年法相ら政府側が不安を払拭する答弁をし、国際社会が連携してテロなどに対峙するために必要な法整備だとわかりやすく説明することが求められる。もし反対派があおる「恐怖説」に飲まれれば、法案はお蔵入りになりかねない。(政治部 田中一世)以上引用終わり。
先ず (4)について
批判する。総論だと思うからである。田中記者は、歴史を知らないし、そもそも「歴史の教訓」というものをどうやら知らないらしい。この文の直前の引用には全く答えずに警職法も問題なかったではないか、と説く。しかし警職法は「予防拘禁」が問題になって反対運動が広がったのであり、これは岸内閣によって改悪が阻止された事実を無視している。嘘を書いてはいけない。また、秘密保護法や戦争法は数年前の成立である。こんなにも反対運動があった法律の成立直後に反動立件を次々と起こしたならば内閣が持たなくなるのは誰もが予想することである。数年後に機会をとらえて発動しようと手ぐすね引いているのだと見るのが常識だろう。
そもそも、歴史的事実を引き合いに出すのであれば、相似形とも言える治安維持法を出すのがスジだろう。治安維持法の時も、政府は「乱用しない」と約束したし、「裁判所が乱用を防ぐ」と説明したが、何の効果もなかった。これが「歴史の教訓」である。更に言えば、当時(1925)の刑事局長は、「今日までも乱用されていないから心配いらない」と同じことをいい、小川法相は対象の社会主義の定義や「政体の変革」の定義にも、結局現代の金田法相のような答弁不能に陥っています。
よって (1)について
言えば、なんの制限にもなっていない。「組織的犯罪集団に対象を絞っているから大丈夫」?トンデモナイ‼政府は「団体である必要はない」とまで言っている。「団体の目的が犯罪を実行することに一変すれば組織的犯罪集団に該当する」というのである。
そこで (3)について 述べる。誰であっても「複数」で、「犯罪」を「計画(合意)」さえすれば共謀罪になるのです。対象犯罪は277。万引きやイラストの無断転載、結果的に脱税になるので取りやめた節税の相談でさえ、対象になります。もちろん沖縄の座り込みも組織的威力業務妨害と対象になる。そんな人たちは対象にならない?何の根拠もありません。何が「合意」に当たるかは、警察の判断次第なのです(3.8法相国会答弁)。メールの既読スルーもそれに当たると法相は認めました。目配せも当たります(2005年の国会審議は「変わっていない」と法相答弁)。
更に言えば、 (2)について
。「準備行為」に何が当たるかを判断するのも警察です。ATMの利用や散歩、買い物といった日常生活でさえ、捜査機関がその目的を「資金調達」「下見」「道具の用意」と判断すれば、その時点で「計画」して「準備行為」があった、共謀罪で逮捕出来ます。この記者は「警察は絶対そんな無茶はしない」と信じこんでいるのか、テロや中国・北朝鮮を防ぐためには少々の犠牲は厭わないと思っているのか、よっぽどの甘ちゃんか、よっぽどの腹黒である。
共謀罪が通れば、こういう記事の無断転載も、恣意的に集められて「罪」の証拠として採用されるのでしょうか。警察としては、一つだけ罪として確定すればいい。そうすれば、世の中は批判する者のいない「萎縮社会」が出来上がる。
ある日のアクセス記録 2017年07月10日
共謀罪法が成立した 2017年06月16日
共謀罪反対集会 2017年05月21日
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