PR
カレンダー
キーワードサーチ
サイド自由欄
「仕掛学」という、まだ発展途上にある学問を伝えたのは、「所!JAPAN」だった。
どうやらこの番組で、以前にも「仕掛学」を放送したらしいのだが、私は全く覚えていなかった。
私のテレビの見方が悪いのか(あまりじっとして見ていない)、
それとも随分前の放送で、私がまだ会社に行っていた時の忙しい時だったのか、
全然記憶になかった。
前回の放送で、この仕掛学について語った、大阪大学大学院教授の松村真広さんに、今回も来て頂いたようである。
前回の放送時、彼の書いた書籍「仕掛学」は、アマゾンで771位だったのが、29位まで順位を上げていた。
「仕掛」というぐらいだから、何かを仕掛けるのだろうけど、では一体何を仕掛けるというのだろうか?
番組冒頭では、スウェーデンのゴミ箱をクイズとして出していた。
「街中に有るゴミ箱のゴミの回収量が、通常の2倍以上にした工夫とは?」
というものだった。
ヒントは、そのゴミ箱にスウェーデン語で書かれていた文字。そこには「世界で一番深いゴミ箱」と書かれていた。
実はゴミをそのゴミ箱に捨てると、効果音が聞こえてくるのだが、
それが‥ヒューと長く長ぁ~く聞こえてからの、ドン!と底に落ちた音。
この音を聞きたくて、ゴミをゴミ箱に捨てるのである。
このように、ゴミをゴミ箱に捨てるという強制的なものから、
ついつい捨てたくなるような誘導文にして、
問題を解決させるのが「仕掛学」なのである。
人って正論で相手に話しを迫っても、それで相手が考え方や行動を変えてくれるかというと、中々そうはいかない。
私もこの間、車のドアを数十秒開けたまま、その場を離れてしまった。
すぐに戻るつもりだったので、
開けっ放しにしてしまったという罪悪感はなかった。
その日食事に入ろうとしたお店の混み具合を見たらすぐに、車に戻るつもりだったのである。
車に戻ると、開けたまま車を離れたので、弟に怒られてしまった。
私としては、その駐車場がもう満杯で他の車は入ってこないし、
隣りの車にも人が乗っていなかったから、
相手の車のドアを開けられることはないと、状況を判断しての行為だった。
しかもその場を離れるのも数十秒だけのつもりだったから、ドアが開いていても問題無いと判断したのだ。
でも、弟にしてみれば、
「車を移動しなければならない突発的な出来事が起こったら、開けっ放しのドアでは移動出来ないから困る」という言い分なのである。
う~ん、その通りなんだけど‥ねぇ‥。
まぁ、謝ったけど、心の底から悪かったとは思っていない自分が居る。
相手は正論を言っているわけなのだが、有無を言わせない言い方にムッとくる。
私の考えも聞いてよ!って感じだ。
私の中で、もやもやとしてくすぶっている意見も残っているわけである。こういう状態を気持ちよく納得させるやり方が、「仕掛学」のようである。
例えば、今のコロナ対策。
銀行の3人座りの椅子の真ん中にぬいぐるみを置いて、
人と人が接近して座らないようにする。
そのぬいぐるみに、ソーシャルディスタンスを保とうとしている、銀行側の気持ちが分かる。
強制的に座らせない‥というのではなく、
ぬいぐるみが座っていると、それを退かしてまで座ろうとは思わない、
そういう心理を上手く操ったやり方である。
スーパーの3密を防ぐ方法も、凄いと思った。そこにはスーパーのカゴの横に「お客様へお願い」と書いてあり文章が続く。
「この入場券(カゴ)無しの方はご入店できません。買い物カゴを入場券とさせてもらいます」
入場者を減らし3密を守る‥。
しかも、従業員を使わずに人件費を削減させた方法だ。
凄い!人件費問題も解決させているよ!
この2件の例は、テレビでも流れていたので皆さん知っているだろう。人を不快にさせないで、相手の行動を変えたやり方である。
番組ではティッシュ配りがスムーズに行く方法を、
実験として行なっていたのだが、
そのやり方というのが、マジックハンドを使ったものであった。(・・;)
ティッシュを手渡しでは、ソーシャルディスタンスがとれない。そこで、マジックハンドを使ってティッシュ配りをしてみたのである。
一見ふざけているのでは?と感じられることも、
それが今の時期コロナ対策だと分かるわけで、相手はおふざけととらない。
面白いとか良く考えた方法だと、世間は思ったのである。
結果は、手渡しでは(手袋とマスクと消毒済み)1時間14個だったのだが、マジックハンドでは、1時間69個と約5倍受け取ってもらえたのだ。
仕掛学を成功させるには、新規性(目新しさ)と親近性が必要だという。
強制的に行うのでなく、自発的にやりたくなる方法が、
人々の行動を変えるのだと思った。
★嫌な記憶の書き換えと生き残る記憶 2023年02月26日 コメント(16)
★チコちゃんとキョエちゃん 2019年03月25日 コメント(12)
★優位になる感覚の違い 2016年11月10日