とある化学教師でググって
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今回は、私が好きな化学の入試問題を紹介するシリーズ(シリーズ化するとは言っていない)通称「ケミカルサバイバル」と呼ばれる(勝手に呼んでる)問題です。では見てみましょう。【引用 三重大学2005 化学】○月〇日 無人島に漂着した。食料はほとんど無く,頼りにできるのはいっしょに流れ着いた箱(脱脂綿,濃塩酸,濃硫酸,濃硝酸,アンモニア水,硝酸銀,精製水が入っていた)と食器類,そしていくらかの化学の知識だけである。腹が減ったので,最後のにぎりめしを食べた。もったいないので,(イ)飲み込まずにしばらく噛み続けると甘くなった。 ○月△日 ついに手持ちの食料が無くなった。(ロ)綿の主成分が A だったことを思い出した。 A は B が縮合したものなので,加水分解すればいくらかは栄養になるかもしれないと思った。そこで,(ハ)脱脂綿を濃硫酸と濃硝酸の混合液に入れて放置しておいた。しかし,予想に反して脱脂綿はいっこうに分解される様子はなかった。 ○月×日 島の近くを船が通ったので,大声で叫んだが気づかずに行ってしまった。私がいることを知らせるためには,なにかで光を反射させる必要があると思った。しかしそのようなものが手元になかったので,島で見つけた甘い果物と薬品を使って作ることにした。そこで,(二)底が平らなガラス食器に果汁を入れ,硝酸銀水溶液にアンモニア水を混ぜたものを加えて温めた。 ○月□日 ようやく私の存在に気づいた船によって救助された。さあ、どうでしょう。素晴らしいリード文ですね。多数の突っ込みどころがあり、最終的に化学はあまり関係なく救出されてしまう脱力系のオチもたまりません。10年以上前の問題ながら、「生きる力」をダイレクトかつリアルに学習させようとした良問です。一応、問題を見ましょう。(イ)は、反応の概要を説明する問いです。もちろん、コメのデンプンが酵素アミラーゼの効果で加水分解、マルトース(麦芽糖)になったと答えればよい。(ロ)はAがセルロース、Bがβ-グルコースなので、手持ちの濃塩酸または濃硫酸を触媒として加水分解させるのが正しい方法と推測できます。化学式は(C6H10O5)n + nH2O → nC6H12O6nが十分に大きいのでこの式でも問題ないでしょう。(正確に記述すると若干変わります)しかし、強酸に浸した綿を食べるくらいなら何かその辺の植物を食べようとは思わなかったのか…(ハ)では、なぜ分解されなかったのかという話。硝酸入れたら、ニトロ化で硝酸エステルになってしまいます。ニトロセルロース、ジニトロセルロース、トリニトロセルロース等になりますね。セルロースの加水分解は知っていたのに、こっちは知らなかったのかな…よほど無人島で疲弊したんでしょうか。(二)では、果糖(フルクトース)の還元性を利用して、アンモニア性硝酸銀水溶液を還元し、銀鏡反応を利用して鏡を作ろうとしたようです。果物食えよ!!という感じがありますが…あと、船に伝えるのも、ガラスの反射じゃ駄目だったんですかね…という感じで、糖類に関する総合問題・記述問題で大変面白いです。入試問題でこれくらい振り切ってくれると楽しいですね。(受験生は困惑しそうですが…メンタルが問われますね。)以下、漫画にしてみました。それではまた。
2019.06.19
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