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2025.04.30
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カテゴリ: USA
英紙の視点「トランプ関税によって日本が持つ圧倒的な“生存本能”が試されている」


英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」
この激動の時代を生き残るため、明治維新と戦後復興という二つの転換期を乗り越えた日本の「生存本能」に注目すべきだ

筆者は断言する。

表面的には大きな危機に直面しているように見えるかもしれないが、日本はその戦略を知っている。

トランプはグローバル化によって、米国が諸外国に搾取されてきたと考えているが、実際にはその恩恵を大きく受けたと大多数が思っているだろう。日本もまた戦後の約80年間、グローバル化によって飛躍的な成長を遂げてきた。

日本は1960年代後半に世界第2位の経済大国へと躍進し、それから40年以上にわたりその地位を堅持した。バブルの崩壊により経済成長が停滞すると中国に抜かれたが、その後もグローバル展開を拡大する道を突き進んだ。近年、日本企業の海外法人の売上高は1991年と比べておよそ3倍に増えている。

CLSA証券の日本担当ストラテジストであるニコラス・スミスは、「東証株価指数(TOPIX)が示す日本企業の収益は、世界経済の成長と連動している」と指摘する。彼によれば、日本企業の業績は世界経済の動向をいち早く示す世界総合PMI(購買担当者景気指数)と密接な相関関係にあるという。

日本は戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の草案をもとにした現行憲法に則り、平和主義的な起業家精神を発揮して利益を得てきた。



日本は、グローバル化と世界秩序、パクス・アメリカーナ(米国覇権のもとに成り立つ平和)のトライアングルの上に築かれた、最も洗練された先進国 だ。その過程で培われた国力が、日本に文化大国としての富と地位、そしてゆとりを与えた。

こうした経緯を考慮すれば、日本がここ数ヵ月間、激しく動揺したのも無理はない。トランプの大統領就任によって日本が失うものはあっても、得るものは皆無だ。どう転んでも経済的、社会的、地政学的な打撃は免れないだろう。

2月の石破茂首相の米国訪問は円滑に終わり、成功だと評された。だがその後、トランプは日米安全保障体制への疑念を公然と表明した。さらに日本が関税免除の約束を取りつけ損ねたことも、国内の不安を増幅させた。

いまや政治家、官僚、企業幹部、自衛隊関係者だけでなく、日本の誰もが自国の行く末を案じている。

とはいえ、「トランプ政権は日本に災厄しかもたらさない」という予測は、グローバル化の時代にこの国がいかにうまく立ち回ってきたかを忘れている。

それは 日本の適応能力と圧倒的なプラグマティズム、生存本能 を見落とすことにほかならない。

たしかに世界のこれまでの地政学的・地経学的環境は、驚くほど日本に適していた。だが 日本の成功は、同国が変化にあわせて迅速かつ的確に動き、その状況に順応してきた結果 だ。

たとえば1989年の天安門事件以降、日本は中国進出のチャンスをいち早く捉えた。そのスピード感は日本政府にとっていまもなお、グローバル化を活用した最も優れた業績のひとつに数えられる。

戦後秩序の崩壊は避けられないと考える日本人は、今後の行く末が目に見えるようだと話す。 少子高齢化と人口減少に歯止めがかからないこの国は、スピードと気迫をもって時勢に適応することが再び求められている

いまよりも若く、血気盛んだったときに日本はそうした局面を二度経験した。最初は19世紀後半の明治維新、次は1945年以降の戦後復興と近代化だ。

国として存続するため、イデオロギーを捨て去る──これがいまも昔も変わらず、日本が生き残りのためにとってきた戦略 だ。

他に大切なものがあっても、生存本能を最優先させる 。簡単に真似できることではないし、真似しようとする国も少ないだろう。それでもやはり、 日本のこの比類なき生存本能が新しい時代にどう発揮されるかは、注目に値する





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最終更新日  2025.04.30 19:03:17


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