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2025.06.25
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カテゴリ: 健康・元気
野菜を「噛む」ことが血糖値変動のメカニズムに影響


早稲田大学スポーツ科学学術院の宮下 政司(みやした まさし)教授、同大学スポーツ科学研究センターの亀本 佳世子(かめもと かよこ)研究助手(当時)と、キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:髙宮 満)らの研究グループは、野菜(キャベツ)を「咀嚼して食べるとき」と「咀嚼せずに食べるとき」の食後における代謝への影響を調べたところ、噛むことで食後の血糖値を下げるホルモンであるインスリン※1がしっかりと分泌され、その作用機序の一つとしてインスリンの分泌を促す作用を持つホルモンであるインクレチン※2が食後の初期段階で刺激されることを発見しました。



食事を摂ると血糖値が上昇します。健康なヒトの場合は、血糖値を下げるはたらきをするインスリンが分泌され、体内に糖質を取り込むため血糖値は下がります。ところが、食後のインスリン分泌が少ない場合や、働きが不十分だと、血糖値が高いままの状態である「食後高血糖」を引き起こします。食後の血糖値が高い状態が続くことは糖尿病予備群の可能性があり、さらに動脈硬化の危険因子となるため注意が必要です。そこで、これまで食後の血糖値上昇を抑える食品や食事法に関する研究が数多く行われてきました。そのひとつが「咀嚼、噛むこと」です。

19人の健康な成人男性(平均22歳)を対象として、野菜を噛んで食べる「咀嚼条件」(千切りキャベツ+ゼリー飲料※3)と野菜を噛まずに食べる「非咀嚼条件」(キャベツ粉砕物+ゼリー飲料)のそれぞれ2条件に参加する交差試験※4を行いました(図1)。食べ始めを0分として、0分、15分、30分、45分、60分、90分、120分、180分後に、それぞれの条件で採血を行い、「血糖」および、血糖値変動メカニズムの指標として「インスリン」「インクレチン(GIP、GLP-1)」の血中濃度を調べました。

結果は次の通りです。試験全体(180分)におけるインスリンおよびGIPの上昇曲線下面積※5が咀嚼条件で高値を示すことが確認されました(図2 B、D)。一方、血糖では明らかな差は確認されませんでした(図2 A)。また、消化吸収速度で血中の応答が変わってくるGLP-1には、胃内容物排出※6の遅延を介した食後の血糖値の上昇を抑制する作用を有するため、GLP-1の血中の経時変化による解析を行い、比較したところ、咀嚼条件で食事開始45分から90分の時間帯で高値を示すことが確認されました(図3)。一方、試験全体(180分)におけるGLP-1の上昇曲線下面積(図2 C)では明らかな差は確認されませんでした。

加齢に伴いインスリンの分泌が低下するため、野菜を「噛んで食べること」でインスリンの分泌が刺激される可能性が示唆

野菜を「噛んで食べること」に着目し食後の糖代謝を検討した研究は珍しく、特にこれまでインスリンの分泌を促進するインクレチンの作用は不明でした。なぜ、「咀嚼」がインスリンの分泌を促すかに着目し、キユーピー株式会社との共同研究により、この疑問を調べることができました。野菜を「噛んで食べること」で増えたインクレチンは、食欲にも関わるホルモンであるため、今後、日常生活の中で「ゆっくりとよく噛んで食べる」ことを実践することで、食事の摂取量や体重にも影響があるか否かについても調査していきたいと思います。





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最終更新日  2025.06.25 20:19:50


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