ここらでちょっと途中下車

ここらでちょっと途中下車

2008.06.22
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カテゴリ: 老人医療・介護


まだ、肺に水がたまって、透析もしながらで、
安心できる状態ではないが、
またひとつ、大きな山を越えた。

こんなことってあるんだ。
本当に奇跡のような日々。

10日の日、心筋梗塞の手術はしたものの、
人工呼吸器や人工心肺装置、人工透析など、
母の周りは機械と管だらけだった。
人工心肺は、寿命があるのでいつ止まるかわからず、
家族など会いたい人に会わせておくように言われ、
私は、母から頼まれていたとおり、
もしものときのために、何日かに分けて貯金を下ろした。

血圧が下がると薬で上げる。
おしっこが出ないと、透析の機械で水分を取る。
死なないように、人工的に操作する様子を見て、
これが延命治療なのだと思った。
自分は、延命治療はいらないと書面に残しておこうと思った。

数日後、止まっていた心臓がかすかに動き出し、
一つ一つ機械がはずれていった。
でも、人工呼吸器は一度外して自己呼吸ができなければ、
喉の穴を開けてまた呼吸器をつなぐかもしれないと言うので、
今日の午前中まで安心ができなかった。

お昼に外した直後は、まだ辛そうで見ていられなかった。
今までほとんど寝たままだったのに、
自己呼吸をさせるために、睡眠剤が制限される。

でも、夕方、
はっきりと目を開けて、視線が合った。
とても辛そうで、痛々しいけれど、
「おかあちゃん、よう頑張ったなあ。どんどんよなってるよ。」
と、声をかけられるのが嬉しい。
姉や兄、義姉たちの顔を見ながら、
「わかるか?」と聞くたびにうなずく母を見て、
今日はICUの中で、初めて笑い声が漏れた。

先生や看護師さんたちが、
奇跡のような生命力だと言っていた。

病室から出る時、
「明日また来るからね。大丈夫やから、安心して寝てな。」
と言うと、母が頷いた。
明日、行くのが楽しみだ。






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最終更新日  2008.06.23 00:32:46
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