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皆さん、相続税って誰が払うかご存知でしょうか?当然相続を受けた人が払うのですが、それぞれ個別に払う?一括で払う?迷っちゃいますよね?今回は、相続税は誰が払うのか?について簡単にお話したいと思います。 相続税は、原則として各相続人がそれぞれ支払います。遺産分割協議がまとまり、それぞれの相続額が確定した後、各相続税が決まります。各相続人は、その相続税額を銀行等の金融機関もしくは税務署にて納付します。ただ、相続税には、連帯納付義務があります。これは、誰か1人でも相続税を納税していない人がいると、相続した遺産の範囲内で、相続人全員が連帯して納付する義務が生じるって事です。ズボラな人が相続人だったら、ちょーヤバいですよね。なので、そういう納付漏れを無くす意味でも、代表者が一括して納付して、他の相続人から徴収する事もめずらしくありません。 さて、今回は、相続税って誰が払うと?ってお話をしました。原則、各相続人が払う事になってるけど、代表者が一括で払うことも可能です。また、「納付」は家族や親戚など他の人が代理で行っても問題ありません。ちなみに上記の通り、相続税の「納付」は誰でもできますが、「申告」は相続人本人もしくは税理士以外は行う事ができません。ただ、各相続人それぞれが「申告」するのは大変なので、実際には相続人等全員の連名にて1つの申告書で済ませる事が一般的です。
2024.11.17
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皆さん、相続税っていつまでに納付すれば良いかご存知でしょうか?相続人になるって事は近しい人が亡くなっている訳ですから、色々大変ですよね。今回は、相続税っていつまでに納付したら良いか?について簡単にお話したいと思います。 そもそも相続税には基礎控除があります。この基礎控除を超えた部分に相続税がかかってきます。相続税の基礎控除は、法定相続人の人数によって変わってきます。 ※基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人数)つまり、夫婦と子2人の夫が亡くなった場合、法定相続人は3人ですよね。すると、基礎控除は3,000万円+(600万円×3)=4,800万円となります。相続財産額が、これ以下であれば相続税は発生しません。でも基礎控除を超えれば、相続税を払わなければなりません。その場合、「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」に、申告と納税をする必要があります。10か月に達する日が土・日・祝日にあたる場合は、その翌日が納付期限となります。 さて、今回は相続税、いつまでに納付すれば良かと?ってな話をしました。基礎控除を上回る相続財産がある場合には、亡くなった人の死亡日の翌日から10か月以内に申告&納付せんといかんって事ですね。ちなみに実際、相続税を確定させるまでには結構時間がかかります。相続人や相続財産を調べたり、分割協議書を完成させたりしてると10か月って結構アッという間です。早めに準備する事をお勧めします。
2024.11.16
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皆さん、生命保険の死亡時に受け取る保険金、どんな税金がかかるかご存知でしょうか?今回は、死亡保険の税金について簡単にお話したいと思います。 実はこの死亡保険金、保険の契約状況によってかかる税金の種類が変わってきます。具体的には、「贈与税」「所得税」「相続税」の3種類です。「贈与税」がかかるのは、被保険者・契約者・受取人が全て異なる場合。「所得税」がかかるのは、契約者と受取人が同一人物の場合。「相続税」がかかるのは、被保険者と契約者が同一人物の場合です。例えば、夫が自身に保険をかけて、受取人が妻の場合、被保険者と契約者が同一人物なので、死亡保険金を妻が受取った時には、「相続税」がかかります。これは単純に「誰が」「誰の為に」かけた保険なのかを考えれば自ずと答えは出ます。上記の場合、夫が、自分が死んだ後、妻の為に保険金を残すって考えるとこれは相続ですよね。「贈与税」になる場合としては、夫が、子の為に、妻に対して保険をかけた場合などです。夫が積立てた保険金を子が貰うって事で贈与(夫は生きていますので)。「所得税」になる場合は、夫が自分の為に、妻に対して保険をかけた場合などです。自分でかけた保険金を自身で受取るので所得ですよね。 さて今回は、死亡保険金、状況によってかかる税金の種類が変わるってお話をしました。かかる税金の種類がどれに該当するのか?は、契約時に決まります。それぞれの税金によって税額が変わってきますので、どの税金がお得か確認した上で契約しましょう。ちなみに、死亡保険金には非課税枠があり、法定相続人の人数によって非課税枠が変わります。 ※500万円×法定相続人数つまり、夫婦と子2人で夫が亡くなった場合、法定相続人は3人なので、1,500万円まで死亡保険金は非課税となります。
2024.11.09
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皆さん、遺言執行者って聞いた事ありませんでしょうか?1人につき1回しか(死なないと)遺言を実現する機会がない(遺言書は何度も書き直しOK)ので、あまり聞き馴染みが無いかもしれません。今回は、この遺言執行者について簡単にお話したいと思います。 遺言執行者とは、遺言の内容を実現させる為に、必要な権利と義務を有する人の事です。多くの場合、遺言書に記載して指定しています。指定していない場合、又は遺言執行者が既に亡くなっている場合には、家庭裁判所が申立てにより遺言執行者を選任する事ができます。では、どんな人がなれるのでしょうか?遺言執行者となる為に必要な資格等はありません。誰でもなれます。が、未成年者と破産者はなる事ができないと民法1009条に記載されています。だって、未成年者は責任取れないですし、破産者なんて相続財産管理させたらヤバいですよね。この遺言執行者、必ず選任しなければいけないって事はありません。ただ、「認知」(婚姻していない男女間に生まれた子を自分の子と認める事)の記載があるケースと、「相続人の廃除」(遺言者が素行の悪い相続人の相続権をはく奪する事)の記載があるケースでは、遺言執行者の専任が必要です。 さて今回は、遺言執行者についてお話しました。基本誰でもなれるけど、未成年・破産者はなれません。で、「認知」「相続人の廃除」がなければ、必ずしも選任の必要はありません。ただ信頼おける人を選任しておくと安心ですね。ちなみに、遺言執行者は、相続人や相続財産を調べたり財産目録の作成やらと結構大変です。スムーズに相続手続きを行うために、行政書士などの専門家に相談するのも手ですね。
2024.11.04
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皆さん、相続の遺産分割の際、遺留分と呼ばれる制度があるってご存知でしょうか?今回は、この遺留分について簡単にお話したいと思います。 法定相続人が兄弟姉妹以外の場合(配偶者・子・直系尊属)最低限保証される遺産取得分があり、これを遺留分と言います。例えば遺言書で、「疎遠となっている長男には遺産を全く相続させない」と書いてあった場合、長男への相続分は0となります。しかし、この長男には、最低限もらえる遺留分が存在するので、この侵害された金額を請求する権利があります。これを遺留分侵害額請求権と言います。遺留分は、配偶者・子は法定相続額の1/2で、直系尊属(親・祖父母等)は法定相続額の1/3となります。なので、先の例「お前には相続させん」って言われた長男が2人兄弟で被相続人の配偶者が存命の場合、遺産総額の1/4が法定相続分となります。よって、その半分の1/8が遺留分となり、遺留分侵害額請求権を行使する事ができます。 さて、今回は、遺留分についてお話しました。法定相続人のうち、兄弟姉妹以外には遺留分ってのがあり、法定相続分の1/2が最低限もらえる金額なんですね~。ちなみに、この遺留分、相続の開始を知った時から1年、(相続開始を)知らなかった場合は相続開始のときから10年間で時効となります。
2024.11.03
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皆さん、デジタル遺産って聞いた事ありませんでしょうか?今回は、相続の際に問題となるデジタル遺産について簡単にお話したいと思います。 デジタル遺産とは、インターネット上(クラウド等)やデジタル機器(PCやスマホ等)に保存されているデータの内、資産価値のあるものを指します。例えば、ネット証券口座にある株式や外貨等、ネット銀行口座、暗号資産などなどがあげられます。基本この様な資産は、相続の対象となります。通常の銀行預金などは、通帳があれば、「〇〇銀行に口座がある」って事が分かります。ただ、デジタル遺産の場合、PCやスマホからアクセスしないといけないので、どこにどの様な資産があるのか、一見には分かりません。そもそもパスワード等が分からないとアクセス出来ません。しかし、パスワードが分からず、デジタル遺産を把握できない場合でも、資産価値があれば相続財産に含まれます。そんな状態で遺産分割協議はできません。そうするといつまで経っても相続できないって事になりますし、デジタル遺産の中に資産価値の高いものがあれば、相続税の申告漏れや追徴課税が課される事もあります。 さて今回は、デジタル遺産についてお話しました。デジタル遺産の整理など自身が亡くなった時の準備をしておかないと、残された人達に大きな負担を強いる事になります。その為、あらかじめデジタル遺産の目録を作成したり、死後事務委任契約を行政書士などの専門家と締結するのも一つの選択肢です。また遺言書があれば、相続の際モメるリスクを回避できますし、デジタル遺産を含めた相続財産目録によりスムーズな相続が可能となります。
2024.11.02
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以前の記事で、遺産分割する時、遺言なかったら相続人全員による協議が必要って書きました。でも民法では「法定相続分」が規定されています。 ※民法900条今回は、この法定相続分について簡単にお話したいと思います。 法定相続分とは、その名の通り、「法律で定められている相続分」の事です。「でも遺言書の通りにせんといかんやったり、話合いで決めるって言いよったやん」と言われそうですね。その通り、法定相続分は遺産分割の目安となる割合って事で、必ずその通りに分割しなければならない訳ではないんですねぇ。では、どんな割合なんでしょうか?この割合は、どんな人が法定相続人になるかで決まります。配偶者(いる場合)は必ず相続人になります。配偶者+子2人の場合、配偶者1/2+子1/2=(1/4+1/4)となり、子は1/4づつ。配偶者+親2人(子がいない)の場合、配偶者2/3+親3/1=(1/6+1/6)となり、親は1/6づつ。配偶者+兄弟姉妹2人(子も親もいない)の場合、配偶者3/4+兄弟姉妹1/4=(1/8+1/8)となり、兄弟姉妹は1/8づつ。これが法定相続分です。それぞれのケースで配偶者がいない場合、その他の相続人で分割します。 さて今回は、法定相続分についてお話しました。法律で遺産分割の目安が決まっていますが、遺言や協議の方が優先されるんですね。ちなみに内縁の妻は相続人とはならず、法定相続分はありませんが、内縁の妻の子(認知済)には相続権があり、実子と同様の法定相続分となります。また、配偶者と離婚した場合も、元配偶者には相続権がありませんが、その子には相続権があります。
2024.10.19
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皆さん、遺産分割ってどうやるか、ご存知でしょうか?いざ相続が発生した場合、戸惑っちゃいますよね。今回は、遺産分割の方法について簡単にお話したいと思います。 遺産分割には、「指定分割」「協議分割」「調停分割」「審判分割」の4つの種類があります。まず、「指定分割」は、遺言によって遺産を分割する方法です。被相続人が遺言書を残していた場合、その分割に従います。協議をする必要がないので、スムーズに遺産分割ができます。遺言がない場合、「協議分割」となります。文字通り、相続人全員の協議によって遺産を分割します。この決定は、法定相続分よりも優先されます。そして、協議が成立しない場合に「調停分割」へと進みます。これは、家庭裁判所が間に入って話合いを行う(調停)事です。結局、調停でも相続人全員の合意が得られない場合、「審判分割」となります。どーにもこーにもならないので、家庭裁判所が判定(審判)をするって事ですね。 さて、今回は、遺産分割ってどうやると?というお話をしました。遺言による「指定分割」→「協議分割」→「調停分割」→「審判分割」の順で、まとまらない場合は進んでいくんだ~ってな事が分かったと思います。ちなみに、遺言書が無いと、相続人全員での協議が必要となり、時間も手間もかかる上、人間関係が悪化するリスクもあります。残された人の為にも、遺言書の作成をお勧めします。
2024.10.06
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皆さん、ご自身や親が亡くなった時、相続人が誰になるのか?ってご存知でしょうか?相続人がはっきり分かっていると思っていても、実は知らない人が相続人って事もあったりします。今回は、相続人を確定させる方法について簡単にお話したいと思います。 実はこの相続人の確定は、非常に重要です。「相続人はこれだけたいね~」とお気楽に遺産分割協議をしても、他に相続人がいた場合、その遺産分割協議は無効となり、初めからやり直しって事になります。協議がまとまるまでは、故人の銀行預金など一切引き出しできない状態となり困っちゃいますよね。では、どの様にして相続人を確定させるのでしょうか?まず故人の戸籍謄本を取得。次にその戸籍謄本を元に、前本籍地の戸籍・戸籍に記載している関係者の戸籍を取得。それらの情報を精査して、相続人が誰なのか?を確認。最後に相続人相関図を作成。「な~んだ、戸籍謄本取り寄せればいいとやろ、簡単やん」いやいや、故人の戸籍だけでも、出生から死亡までの全ての戸籍謄本が必要です。戸籍に記載されている「1つ前の本籍地」の戸籍謄本を取得して、その戸籍にある「1つ前の本籍地」の戸籍謄本を取り寄せ、を出生の段階まで繰り返します。また、故人に子が居た場合、その子の戸籍謄本が必要ですし、子が居なかった場合は、故人の父母もしくは祖父母の戸籍が必要です。そして、父母等も全員死亡している場合は、故人の兄弟姉妹の戸籍が必要となります。 さて、今回は、相続人の確定作業について簡単にお話しました。関係者の戸籍謄本が必要で、その人数が多いほど、戸籍の通数は多いほど大変なんだって事が分かったと思います。ちなみに、兄弟姉妹の戸籍謄本を取得する場合、原則委任状が必要です。が、正当な理由と役所が認めた場合や、行政書士等の士業が「職務上請求書」により請求した場合は、委任状が不要となります。
2024.10.05
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前回、相続放棄についてお話しました。通常、普通に相続する場合、単純承認と言います。その他の相続制度として、相続放棄と限定承認があります。今回は、この限定承認について簡単にお話したいと思います。 限定承認とは、被相続人に借金等がある場合、プラスの相続財産の範囲内で債務を引き継ぐ手続きです。例えば、借金が1,000万円、プラスの相続財産が700万円分あった場合、借金700万円のみ負担して、残りの300万円は負担しなくて良いのです。なので、財産と借金の金額がイマイチよく分かんないケースや、どうしても手放したくない財産(住み慣れた家や記念の物等)があるケースなどは、この限定承認が利用されます。 ※相続放棄するとプラスの財産も相続できないただ、この限定承認、相続人全員で行わないといけません。誰か一人でも反対すると限定承認できないってなります。対して相続放棄は、相続人1個人毎に利用するかどうか決めることができます。 さて、今回は、相続の限定承認についてお話しました。被相続人が、資産一覧表などを作成していなかった場合は、プラスの資産がいくらで負債がいくらでって分かんない事もありますよね。そんな時は、相続人全員で限定承認すれば、プラスの資産の範囲内でのみ借金を負うので、安心ですね。ちなみに、この限定承認も相続放棄と同様、相続開始を知った日の翌日から3か月以内に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。相続は色々と手続きがある為、3か月は意外と短いです。特に限定承認は、相続人全員の意思が一致しないと申立てする事ができません。早めに動くことが重要です。
2024.09.29
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皆さん、相続放棄ってご存知でしょうか?文字通り「相続」する権利と義務を「放棄」する事です。今回は、どんな場合に相続放棄した方が良いのか?について簡単にお話したいと思います。 相続放棄とは、相続に関する一切の権利・義務を放棄する事です。ですから、相続放棄すると最初から相続人じゃなかった事になります。なので、被相続人に(プラスの資産を上回る)多額の借金がある場合は相続放棄した方が良いかもしれません。また、相続財産が、自宅のみで老朽化・遠隔地など引継ぎたくない場合なども検討の余地はあります。他にも、他の相続人との人間関係が悪く、遺産分割の際トラブルとなりそうな場合も相続放棄した方が良いケースもあります。 ※相続放棄しないと遺産分割協議で話合いが必要となりますでは、相続放棄しちゃうと困る事って何でしょう?まず、一度相続放棄すると撤回できない点です。これは、後日プラスの相続財産が実は借金以上にあった事が分かっても、相続する権利はありません。また、相続放棄すると、死亡保険金や死亡退職金などは受取れますが、実際なら使える「500万円x法定相続人の数」の非課税枠は使えなくなります。 さて、今回は、どんな場合に相続放棄した方が良いのか?について簡単にお話しました。被相続人に多額の借金がある場合や他の相続人と相続で話合いしたくない場合などは相続放棄も一つの手ですね。ちなみに、相続開始を知った日の翌日から3か月以内に家庭裁判所で手続きをしない場合や、相続財産を処分すると単純承認が成立して、相続放棄が出来なくなります。
2024.09.28
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前回、相続時精算課税の制度についてお話しました。では、実際どういう人が相続時精算課税にするとお得なのか?どういう人なら暦年課税がお得なのか?について、簡単にお話したいと思います。 2024年1月からの法改正によって、かなり使える制度となった相続時精算課税ですが、人によっては暦年課税の方が良い人もいます。まず、贈与対象者が多い人は、暦年課税の方が良いです。年間110万円の非課税贈与を行う人数が多いと、かなり大きな節税効果となります。また、相続財産を受取らない孫への贈与は、生前贈与加算(相続発生前7年以内の贈与)の対象外となる為、相続税の節税となります。そして、長期的に贈与の計画を立て、実際10年や20年贈与する見込みのある方は、暦年課税の方が良いかもしれません。逆に、相続時精算課税が良い人は、前回の記事でもお話した、収益が出る不動産(賃貸物件など)を早期に贈与する事で、その収入により相続税の基礎額を上げない事ができます。また、不動産や株など、将来価値が上がる可能性が高いものを贈与する事で、贈与時の評価額で相続税が計算されるので、これまた節税となります。あと、これはちょっと予測が難しいこともありますが、余命が短い場合、暦年課税だと相続開始前7年以内の生前贈与は相続財産として計算される為、その規定の無い相続時精算課税が有利となります。 ※2024年1月より相続時精算課税にも年間110万円までの贈与が非課税 さて、今回は、どんな人がどっちの制度を使う方がお得か?についてお話しました。贈与人数や、相続財産の種類など、人によって条件が違うので、一概に「こっちの制度が良い」とは言えません。ご自身の状況により、どちらの制度がお得なのか?を判断する事となります。前回も言いましたが、一度相続時精算課税制度を選択すると二度と暦年課税制度に戻れませんので、慎重に判断しましょう。
2024.09.22
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皆さん、相続時精算課税って聞いた事ありませんでしょうか?暦年課税(年間110万円まで贈与税非課税)と比較され、よくどっちがお得?って聞かれる制度ですね。今回は、この相続時精算課税について簡単にお話したいと思います。 相続時精算課税とは、60歳以上の父母や祖父母が、18歳以上の子や孫に対して贈与する時に選択できる制度です。内容としては、生前贈与された財産(2,500万円まで)をその時贈与税を払わず、贈与者の死後に贈与された財産を含めて相続税の計算をします。「なんだ、税金を先送りにしただけやん」と言われそうですが、メリットはいくつかあります。2024年1月からの法改正で、相続時精算課税にも年間110万円までの贈与が非課税となりました。しかもそれは、特別控除枠2,500万円には含まれませんし、相続開始前7年以内であっても相続財産に加算されません。また、賃貸不動産の様な収益をもたらす物件を贈与した場合、2,500万円分までは贈与税を納付せずに受取れます。(超えた額には20%の贈与税がかかります)もちろん、相続時には2,500万円分までの相続税がかかりますが、それまでの賃貸収入等はそのまま受贈者のものになります。つまり、その収入分が、贈与者の預金(相続税の対象)となることを防ぎ、節税となります。この収入分を貯めておけば、実際相続税を納める時に使えます。さらに、相続財産の計算は、贈与時の価値で評価されます。よって、将来上昇しそうなもの(不動産や株など)は、贈与時の低い評価で相続税を計算する為、節税効果が期待できます。 さて、今回は、相続時精算課税制度についてお話しました。2024年1月からの法改正によって、かなり使える制度となりました。ちなみに、一度相続時精算課税を選択すると、暦年課税には戻れません。どちらがお得か慎重に検討しましょう。
2024.09.21
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前回、暦年贈与についてお話しました。年間110万円まで非課税で贈与できるのでお得ですよね。ただ、年間110万円以内なのに贈与税が課される事があります。今回は、この辺りのテクニカルな部分を簡単にお話します。 「よーし、子に1000万円残したいけん、年間100万円を10年で贈与するばい」って思ったとします。年間100万円なら非課税で贈与できますよね。ただ、あらかじめ「年間100万円を10年間贈与する」意思がある場合、「定期贈与」とみなされ、1000万円まるっと贈与税がかかっちゃう事があります。これは、「定期的にお金を受取る権利」の贈与を受けたとみなされる為です。なので、贈与契約書は、毎年、贈与するごとに作成する事をお勧めします。これにより、「結果的に毎年100万円を10年間贈与しちゃったけど、最初っから1000万円贈与するつもりじゃなかったと」って言えます。もう一点、「よーし、子に財産残してやりたいけん、毎年110万円、子の名義の銀行口座に預金するばい」って思ったとします。これも注意が必要です。子の名義であっても、「子が贈与を知らない」「子名義の銀行口座の通帳や印鑑等を親が管理」などに該当する場合、「名義預金」となる為、その預金全て親の物とみなされ、相続財産としてカウントされます。つまり贈与と認められない事になります。 さて、今回は、暦年贈与の注意点についてお話しました。定期贈与にせよ、名義預金にせよ、税務調査で指摘されると不足分の相続税や贈与税に加え様々なペナルティがあります。場合によっては数十%の重加算税が課される場合もあります。十分注意が必要ですね。ちなみに、毎年贈与契約書を作っても、文言次第では定期贈与とみなされる事もあります。心配な場合は、行政書士等の専門家に相談されると良いと思います。
2024.09.01
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皆さん、贈与税は年間110万円まで非課税ってご存知でしょうか?これは、暦年贈与という制度ですね。今回は、この暦年贈与について注意点も交えて簡単にお話したいと思います。 暦年贈与とは、1年間(1月1日~12月31日)に110万円までの贈与が非課税となる制度です。例えば、親から子へ贈与で、長男・長女それぞれに贈与する場合、各110万円まで非課税で贈与できます。なので、相続対策として使われたりもします。相続税は、基礎控除後の金額が多くなればなるほど税率が上がってきます。(10%~55%)だったら、とっとと贈与しといた方が良いですよね。でも、ちょっと注意が必要です。まず、今までは、亡くなる3年前までの暦年贈与は相続財産として計算されていました。法改正で、2024年1月からはこの遡る期間が7年となりました。つまり、2024年1月以降に贈与した分は7年経たないと相続財産に入れられちゃいます。なんて改悪・・・。また、税務署に認められなかった贈与は、これまた相続財産にカウントされます。ですので、贈与契約書を作成して、振込などでお金の流れが客観的に証明される様にしないとヤバいです。 さて、今回は、暦年贈与について簡単にお話しました。10年間、子や孫に110万円贈与すると、1人につき1100万円も非課税で贈与ができるご機嫌な制度ですね。(法改正でうま味は減っちゃいましたけど、、、)ちなみに暦年贈与、110万円までは特に申告等は必要ありません。が、110万円を超えちゃうと超えた分は贈与税が発生します。その際は贈与税申告が必要となります。ご注意ください。
2024.08.31
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皆さん、エンディングノートってご存知でしょうか?遺言書を含めて、もう作成してるよって方もおられるかもしれません。(私も作成済です)ご自身が亡くなった時、残された方が困らない様に準備したいものです。今回は、遺言書とエンディングノート違いも含めて簡単にお話したいと思います。 遺言書とエンディングノートの最大の違いは、法的効力の有無です。基本的にエンディングノートには法的効力がありません。なので、書く内容や形式が自由です。一方、遺言書は法的効力がある為、相続財産の分割など相続人に内容通り従わせる事ができます。ただ、決まった形式で書かなければ、無効となる事があります。費用に関しては、最近書店などで数百円~エンディングノートが売られています。遺言書は、法的効力を間違いなく備えたいと、我々の様な士業に相談・依頼すると報酬含めて数万円かかるケースもあります。また、エンディングノートの場合、開封のタイミングに縛りはありません。つまり、死後すぐに、もしくは生きている時にも内容を確認できます。(ノートですから)なので、仮に意識不明の状態であったとしても、内容が確認できるのでご家族にとっては助かります。遺言書の場合は、家庭裁判所の検認を受け、相続人全員の前でないと開封する事ができません。(公正証書遺言や法務局保管の場合除く) さて今回は、遺言書とエンディングノートの違いについて簡単にお話しました。ともに残された人が困らない様にする目的で主に作成されますが、違いについてお分かり頂けたと思います。よく、「いつ作ったらよかですか?」と質問を受けますが、「できるだけ早く」が答えとなります。人はいつどうなるか分かりませんからね。ご家族で高齢の方がおられる場合、ご本人にせめてエンディングノートだけでも、元気なうちに早めに作成依頼されておく事をお勧めします。ご病気などになられてからでは、無茶苦茶言い出し難いですから。ちなみに、エンディングノートという形式でも、自筆証書遺言としての要件を満たせば、遺言として取り扱う可能性はあります。気になる場合は専門家にご相談ください。
2024.07.28
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皆さん、ご両親等から家を相続した時、どうされますか?「そのままそこに引っ越して住みます」って人は良いのですが、「今現在自宅あるし・・・」って人の方が多いのではないでしょうか?そんな時どうする?って話をしたいと思います。 もし、家を貸す事が出来る環境(築年数・交通利便性等)であるならば、賃貸に出すって事もできます。この場合、毎月の家賃収入を得る事が出来ますが、貸主責任が発生するので、ちゃんと借主が住める様にしなければなりません。また、家や土地に資産価値がある場合、売却するって手もあります。その際、条件によっては、「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」って制度が使えます。これは、昭和56年5月31日以前に建築等、いくつかの条件を満たすことで、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる制度です。ただ、資産価値もあまり無くて、「賃貸にも出せないし、売るにも家解体して更地にしないと売れないし、そうなるとお金だけかかっちゃうよ」ってトホホな状況だったらどうでしょう?持ってるだけで固定資産税などコストがかかっちゃうので困りますよね。その場合、「相続放棄」する事もできます。これは、自分が相続人って事を知った日から3か月以内に「自分、相続放棄するっス」って家庭裁判所に書類を提出するとできます。ただ、相続放棄すると全ての相続財産を放棄することになります。一度相続放棄が受理されると、撤回できませんので、よ~く考えてから行いましょう。 さて、今回は、空き家を相続した際どうするか?についてお話しました。どの様な状況で何を相続するかで、色々対応が変わってくると思います。ちなみに、土地だけ相続して売却できない場合などは、昨年令和5年からスタートした「相続土地国庫帰属制度」って制度で国に所有権を帰属させる事も可能です。
2024.05.03
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皆さん、「遺言執行者」ってご存じでしょうか?「遺言書とかは聞いたことあるばってん、遺言執行者とか聞いた事なか」って方もおられるかもしれません。今回は、この「遺言執行者」について簡単にお話します。 「遺言執行者」とは、相続が発生した際、遺言書がある場合、その遺言内容を実現する役割を担う人です。例えば、財産目録を作成したり、預貯金の払い戻しをしたり、不動産の名義変更をしたり、実際に各相続人に分配したりします。この作業は大変大きな労力と時間を必要とします。「遺言執行者」は、民法で「遺言内容実現の為、相続財産の管理や、遺言執行に必要な一切の行為をする」というチョー強力な権限が認められています。 ※民法1012条 では、この重大な責任と義務を負う人はどのように決めるのでしょうか?以下2つの方法があります。 ①遺言書に書いてある ②相続人が家庭裁判所に選任申立をする「遺言執行者」として指名された場合、就任するかどうかは遺言執行者本人が選択できます。だって、ある日突然、「遺言執行者に選任されたけん、そこんとこヨロシク!」とか軽いノリで言われても困っちゃいますもんね。ですので、もし遺言書で遺言執行者を指名する場合、予め本人に確認を取っておかないとスムーズな遺言執行ができなくなる可能性もあります。この様に遺言執行者は、重大な責任と義務を負いますが、未成年や破産者でなければ、誰でもなれます。もちろん、相続人でもOKです。ただ、相続人の中から指名すると、他の相続人が反発した場合、相続争いになる事もリスクとしてあります。また相続手続きには多くの煩雑な作業がありますので、行政書士など第三者的立場の専門家に依頼するケースも少なくありません。 さて、今回は、「遺言執行者」についてお話しました。如何だったでしょうか?遺言内容を確実に実行される為には、「遺言執行者」が重要になります。遺言書を書く際には、その辺りも考えて指名しておく方が良いと思います。
2024.03.03
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皆さん、相続の際の配偶者居住権ってご存じでしょうか?読んで字のごとく、配偶者が居住してよかよって権利なのは分かりますよね。では、具体的にどのような権利なのか?簡単にお話いたします。 【配偶者居住権】相続人である配偶者(内縁関係は含まれません)が、被相続人(亡くなった人)の財産に属した建物に相続時に居住していた場合、原則としてその居住していた建物の全部について無償で使用・収益する権利の事。例えば、亡くなった旦那さんと旦那さん所有の家に一緒に住んでいた場合は、相続人である奥さんは、その家に引き続き住む事ができるし、誰かに貸して収益を上げる事もできるという事です。この権利は、相続時の配偶者を守る為に2020年4月に施行されました。被相続人が亡くなった後も自宅に住み続けられる事の他に、不動産以外の財産を相続しやすくなります。例えば、亡くなった旦那さんと奥さんの間に子が一人いた場合、奥さんと子の相続割合は1対1です。相続財産が家と現金のみで、それぞれの価値が同じ時、均等に分けようとすると奥さんは自宅を相続すると、現金は1円も取得できなくなります。配偶者居住権を使えば「居住権」を奥さん、「所有権」を子とすることで、手元に現金が残る事になります。ただ、「居住権」はあっても「所有」している訳ではないので、譲渡(売却)はできませんし、実際「所有」している人の負担(固定資産税など)もありますので、事前に土地の価値を調べて話し合うなど準備も必要です。 今回は「配偶者居住権」についてお話しました。如何だったでしょうか?一般的に相続財産の中で不動産の占める割合が大きく、相続時に残された配偶者がそのまま自宅に住めなくなるケースも「配偶者居住権」により回避することができる様になりました。一方、配偶者以外の相続人の負担が大きくなる傾向にありますので、しっかり調べてどうすれば良いか話合いをすることをお勧めします。ちなみに配偶者居住権は、登記しておかないと第三者に対して対抗できませんのでご注意ください。
2024.03.02
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皆さん、成年後見制度ってご存じでしょうか?聞いた事はあるけど、実際どういうメリットがあるのかよく分からなかったりしますよね。今回は、この成年後見制度について簡単にご紹介します。 病気等(認知症など)で判断能力を欠いてしまった場合、ちゃんと保護しないと危ないですよね。例えば、詐欺にあったり、ご自身で訳わからないけど家売っちゃったなんて事になると困っちゃいますよね。そうならない様に判断能力のある人が、その人の代わりに法律行為を行える制度です。 成年被後見人:成年(未成年ではない)後見される人=認知症などで判断能力を欠いた人成年後見人:成年被後見人の代わりに法律行為を行う人 成年後見制度を使うと以下の様な事ができるようになります。例1)成年被後見人(認知症など)が訳わからず、高価なダイヤの指輪を買って来た →成年後見人が、本人の代わりに売買契約を取り消す事ができる例2)成年被後見人の銀行口座など本人以外は出金や解約ができない →成年後見人が代理人として手続きを行う事ができる例3)成年被後見人の年金など財産を(悪い)親族が勝手に使ってしまう →成年後見人が預金通帳などを預かり財産管理をして本人を守る事ができる さて今回は成年後見制度についてお話しました。如何だったでしょうか?自身の親や親戚が認知症などにより判断能力を欠いた場合、何か起こる前に対応しておくと安心ですね。ちなみに成年後見制度は、判断能力を欠いた後、周囲の方などの申立てにより家庭裁判所によって後見人が決定される「法定後見制度」と、判断能力のある段階で自身の意思で後見人を決める「任意後見制度」の2つがあります。
2024.02.25
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皆さん、相続税の物納ってご存じでしょうか?「江戸時代のお百姓さんじゃないんやけん、物で税金納めるって無いっちゃない?」って方もおられるかもしれません。今回は相続税の物納について簡単にご紹介します。 相続税納付には「物納」の他に「延納」というのがあります。「延納」とは、相続税を何年かに分けて年払いで分割して納付する事です。ただし条件があります。 ・「いっぺんに払えんばい」(一括納付が困難) ・「納める税金ば10万超えとる」(納付税額が10万円を超えている) ・「申告書は期限までに出しとるばい」(相続開始を知った日の翌日から10か月以内) ・「担保ば提供しとるけんね」(延納税額が100万円以下かつ期間3年以内なら不要)以上、4つの要件を満たした場合に「延納」できます。 で、この「延納」でも金銭納付が困難な場合、物納申請書を期限までに提出すれば「物納」ができます。ただ、何でもいいから物納めればいいって訳ではありません。物納する財産は、国内にある相続財産に限られます。しかも優先順位が決まっています。 ① 国債・地方債、不動産、上場株式等 ② 非上場株式 ③ 動産基本的に資産価値が高くて、金銭に換えやすい物ですね。 さて、今回は相続税の「物納」についてお話しました。如何だったでしょうか?ちなみに物納できるのは相続税だけです。他の贈与税や固定資産税などは物納できませんのでご注意ください。
2024.02.24
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皆さん「代襲相続」ってご存知でしょうか?今回は、この「代襲相続」についてそれって何?からどういう人が該当するのか?をお話したいと思います。 【代襲相続】たいそうな名前がついていますが、ざっくり言うと相続する予定だった人が亡くなってたりして相続できない場合は、その子や孫が代わりに相続人になるよ。って制度です。代襲相続の範囲は、民法に記載があります。 民法887条2項「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定(相続欠格事由)に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」 ⇒要は、亡くなった人(相続させる人)の「子」が、相続時にもう既に死んでたり、欠格や廃除(※前日記事参照)で「あんたには相続させん」とされたら、代わりにその「子」の子供が相続人になるよ。でも、代わりになれるとは直系卑属だけよ。と書いてます。※直系卑属:自分の子や孫など直接的な親子関係で結ばれた自分より後の世代の人 →配偶者・兄弟姉妹・甥・姪・子の配偶者は直系卑属ではありません 民法887条3項「前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定(相続の欠格事由)に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。」 ⇒つまり、代わりに相続人になる予定だった人が、死んでたり、「あんたにゃ相続させん」ってなってた場合は、その子や孫が代わりに相続人になるよ。と書いてます。 【兄弟姉妹の代襲相続】なるほど、被相続人の子や孫が代襲相続できるのは分かりました。では、兄弟姉妹の場合はどうでしょう?被相続人に子や孫がなく、両親や祖父母など(直系尊属)がいない場合、兄弟姉妹が相続人となります。 民法889条二「被相続人の兄弟姉妹」同2項「第887条2項の規定は、前項第二号の場合について準用する。」 ⇒前の条文の引用なので分かりにくいですが、つまり、相続人候補に兄弟姉妹はなるし、代襲相続も認めるよ。と書いてます。ただ、この規定、889条3項って無いんです。 ※887条3項(子の代襲相続)は、どんどん下の世代に代襲相続する規定つまり、兄弟姉妹の代襲相続は、1代限り(その子まで)。という事です。 あと、「相続放棄した人」の代襲相続は認められていません。これは、相続放棄した相続人は、最初から相続人ではなかった事になるため、代襲相続の対象にならないからです。一度受理された相続放棄は撤回する事ができません。相続放棄する場合、良く考えて行いましょう。 さて、本日は「代襲相続」についてお話しました。如何だったでしょうか?ご自身もそうですが、ご親族・知り合いで相続が発生した場合、誰が相続人となるのか?ご参考にされてください。
2024.02.04
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法定相続人であっても相続できない人がおられます。皆さんご存知でしょうか?本日は、どういう人が相続できないのか?についてお話致します。 【相続できない人】・相続時に既に死亡している人・欠格事由に該当する人・相続人から廃除された人・相続を放棄した人以上が相続権を持ちながら相続できない人です。「既に亡くなられてる方」は当たり前なので、その他3つのケースを解説します。 【欠格事由に該当する人】民法891条「次に掲げる者は、相続人となることができない。一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者」 ⇒つまり、以下①~⑤には相続させん、という事です。①わざと被相続人や、自分より先に相続すべき人を殺したり、殺そうとして、取っ捕まった人。②被相続人が殺されたのは知ってたけど、「殺されたんだよ~」って言わなかった人。でも、その人がボケてたり、殺したのがその人の配偶者か、直系血族だったら相続権はあるよ~。って書いてます →これは、その様な状況で告発しなかったとしても、その人を責める事はできないよねって人情をこめた条文です③せっかく想いを伝えようとした遺言書内容に関して、自分が不利になる事を妨害しようとした人④前述③同様「こげん(こういう風に)書かんか!(脅迫)」とか「こうして書いた方がよかばい(詐欺)」とかで遺言書内容を自分に有利に妨害した人⑤遺言書を「そもそも自分で書いちゃろ」とか「こげん風に変えちゃろ」とか「こげん内容ば、いかん!捨てるばい」とか、「都合悪か、隠しとこ」とかする人以上の人が欠格事由に該当します。 【相続人から廃除された人】民法892条「遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。」 ⇒要は、自分に嫌な事をした人とか悪い人は、生前にあらかじめ、家庭裁判所に「こん人ば、相続人にしてほしくなか!」と請求する事ができます。これを廃除と言います。 民法893条「被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。」 ⇒廃除は、遺言書でもできます。遺言執行者は遺言書の通りソッコー家裁に廃除請求しないといけません。そうすると「相続させたくなか!」って言われた人は相続時に相続権を失います。(遺言書強っ!) 【相続を放棄した人】民法915条「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」 ⇒相続放棄は、相続開始を知った日から3か月で決めてね。とあります。また、相続の承認・放棄は、相続開始前にすることはできません。 ※他の相続人から相続放棄を強制されてしまう事を防ぐ意味もあります相続放棄をすると、最初から相続人ではなかった事になるため、代襲相続(自分の代わりに子や孫への相続)もできません。一度家庭裁判所で受理されると撤回はできません。相続放棄は、よーく考えて行いましょう。 さて、今回は「相続できない人」のお話をしました。如何でしたでしょうか?当たり前と言えば当たり前かもしれませんね。相続放棄については、期限やルールをしっかり確認しないとですね。ちなみに、欠格や排除に該当する人は相続できませんが、代襲相続は可能です。 ※その人自身が悪いのであって、その子や孫は悪くないから
2024.02.03
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当事務所の主な業務の一つ「遺言書」に関する情報です。皆さん、「遺言書の検認」ご存知でしょうか?今回は、遺言書の検認とは?どんな場合に必要か?を紹介致します。 【遺言書の検認】遺言書の検認は、民法1004条にその条文があります。※民法って1000条以上あるんですねぇ…深い。。。民法1004条の1「遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。」要は、遺言書を保管している人か発見した人は、そっこー家庭裁判所に持ってって「検認」してって言わなきゃダメ。って書いてます。2項には、「前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。」とありますので、公正証書遺言だったら、検認要りませんよ。って書いています。3項には、「封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。」とあります。ですので、勝手に開封したらいかん。開封するときは、家裁で相続人(代理人でもOK)が立ち会わないといかん。と書いてます。実際は、申し立てをした人以外の相続人は立ち会わなくてもOKです。※裁判所の職員がちゃんと立ち会い開封しますので検認の目的は、「発見者もしくは保管者が、勝手に偽造とかしない様にするため」ですので、家庭裁判所が確認できれば良いのです。ただし、検認で当該遺言書が「有効・無効」の判断はしません。※あくまでも、「故人が残した遺言書」と確認するだけです 【検認が必要な場合】では、どういうケースで遺言書の検認が必要なのでしょうか?前出で「公正証書遺言」は不要とありました。よって、検認が必要なのは、「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」の場合です。以前の記事【遺言書の種類】で触れましたが、現在(令和2年以降)、「自筆証書遺言」には、法務局での保管制度があります。当事務所でも推奨させて頂いております「自筆証書遺言書保管制度」により、法務局に保管されている場合、偽造のリスクがない為、検認は不要となっています。※法務局の保管手数料3,900円 以上、今回は「検認」についてご紹介致しました。なるべく分かりやすく解説したつもりですが如何でしたでしょうか?「遺言書」を保管されている方、又は発見された方は、勝手に開封されない様ご注意ください。検認前に開封した場合、5万円以下の過料(行政罰)となります。ただし、開封されたからといって遺言書が無効とはなりません。速やかに検認をしてください。
2024.01.21
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当事務所の主な業務の一つ「相続」に関する情報です。多くの人が遅かれ早かれ経験される可能性があるのが、「相続」です。急に相続が発生してしまう事もあると思います。そんな時、どうすればいいのか?を簡単に紹介します。※今回は、遺産相続に関する手順を示します(死亡届の提出などの手続きは割愛) 1:遺言書の有無及び検認遺言書の有無が分かっている場合は話が早いのですが、黙って何処かに保管していた等で後で発見されると、遺産分割協議のやり直しとなる場合があります。※自筆証書遺言書で法務局に保管していない場合は、検認が必要です→検認せずに勝手に開封すると罰則(行政罰)があります 2:相続人調査(戸籍調査)被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本を収集して、法定相続人を確定させます(相続人の知らない事実=子がいるなどを判明させる)。相続人全員の戸籍も収集する(士業以外の方が請求する場合は各相続人の委任状が必要)。 3:財産調査どのような種類の財産(不動産?現金?株?権利?等)がどのくらいあるのか調査する。その際、マイナスの財産(借金?保証債務?未納の税金?等)も調査する。※相続人が相続するか?相続放棄するか?等の判断にもなります 4:限定承認・相続放棄の検討(家庭裁判所での手続き)相続開始を知った日から3カ月以内に、限定承認・相続放棄の手続きをしない&被相続人の財産を処分したりすると、自動的に単純承認となります。「単純承認」無条件で全財産と全負債を相続する「限定承認」相続財産を超えた借金は負担しない(相続人全員でしなければならない)「相続放棄」相続人としての立場を放棄する(単独で行える) 5:遺産分割協議(遺言書無しの場合)法定相続人全員で、誰がどの財産をどのように相続するかを決める話合いです。※遺言書がある場合は、基本、遺言通りに遺産を分割することになりますその際、認知症など判断能力を欠く人や行方不明の人、未成年者などがいる場合は、家庭裁判所で代理人を選任してもらい遺産分割協議をする必要があります。なお、協議がまとまらない場合、調停や審判に進みます。※お互いに「こんな分割では嫌だ」となった状態ですので、ここまでいくと関係修復は困難です 6:遺産分割協議書の作成遺産分割協議でまとまった内容(具体的な相続内容)を記載して、相続人全員の署名と実印の押印が必要です。その際、全員の印鑑証明書の添付も必要となります。 7:預貯金・有価証券・不動産等の各種財産の名義変更遺産分割協議書が完成しないとこの手続きができません(遺言書ない場合)。金融機関等によって提出する書類が異なる場合もあります。 8:相続税の申告と納税全て詳しく書くとこれだけでページが埋まるので、簡単に。相続を開始してから10カ月以内に行わなくてはなりません。※正確には、相続開始を知った日の翌日から10カ月仮に遺産分割協議がまとまっていない場合でも、まずは10カ月以内に申告と納税をする必要があります。※基礎控除等があるので、実際に相続税が発生するかどうかは計算が必要 9:遺留分侵害額請求の手続き(必要な場合)法定相続人のうち、兄弟姉妹を除く人には「遺留分」を請求する権利があります。これを「遺留分侵害額請求権」といい、相続の開始および遺留分の侵害を知った日から1年で時効となります。(相続の開始を知らなかった場合は、相続開始から10年) 以上、相続が発生すると他にもやらなければならない事はたくさんあります。中には期限のあるものや順番があるものも存在します。まずは落ち着いて、やるべき事を確認していきましょう。
2024.01.20
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当事務所の主な業務の一つ「相続」に関する情報です。昨日の記事で、相続税の基礎控除について紹介しました。今回は、その他の控除についてもお伝えします。正確に言えば、基礎控除を除いた課税遺産総額を法定相続分で按分して各税率にて相続税を計算し、その相続税の総額を実際の按分割合で各人の税額を算出した後に控除する「税額控除」です。と言ってもややこしいので、ざっくり、「基礎控除と違って最終的に決まった税額から控除できる制度」と理解すれば良いと思います。【贈与税額控除】贈与税額控除は、贈与財産が生前贈与加算される事による相続税と贈与税の二重課税をしない為の控除です。生前贈与加算の対象となった人=相続開始前3年(今後は7年)以内に贈与を受けた人が、贈与税を課された場合は、その贈与税額を相続税額から控除します。※もう払ってるから・・・って感じです【相続税の配偶者控除】基本的に相続税は下の世代への相続の際多くの税負担をする様想定しています。配偶者への相続は、同一世代への財産移転の為、負担を軽減する様設計されています。(相続の後、立て続けて相続という事も考えられる為)「相続税の配偶者控除」は、配偶者がもらう財産が「相続税の課税価格の法定相続分」もしくは、「1億6000万円」のいずれか多い金額までは、相続税がかかりません。「課税価格の法定相続分」→例1)法定相続人が、配偶者と子の場合、配偶者の法定相続分は2分の1→例2)法定相続人が、配偶者と親の場合、配偶者の法定相続分は3分の2→例3)法定相続人が、配偶者と兄弟姉妹の場合、配偶者の法定相続分は4分の3よって、以上の法定相続分までは、額がどんなに多くても相続税はかかりません。また、法定相続分以上であっても、1億6000万円までは相続税はかかりません。但し、基礎控除と違って相続税の申告書を提出しないと控除は受けられません。&遺産分割協議が完了していないと控除を受ける事ができません。【未成年者控除】未成年(18歳未満)に対する税額控除です。年齢によって控除額が変わります。以下4つの要件を満たす必要があります。1:相続開始日に未成年者であること2:法定相続人であること3:実際に相続等により財産を取得したこと4:相続開始日に日本国内に住所があることこの場合、(18歳―相続開始時の年齢)x 10万円=控除額となります。【障害者控除】85歳未満の障害者が財産を相続した場合に適応される税額控除です。残された障害者の暮らしの負担を軽減する事を目的としている控除ですので、相続により財産を受け取る方が障害者の場合に適応されます。前項の「未成年者控除」の4つの要件とほぼ同じです(1の未成年者を障害者に置き換え)。障害の程度と年齢により控除額が変わります。一般障害者:(85歳―相続開始時の障害者の年齢)x 10万円=控除額特別障碍者:(85歳―相続開始時の障害者の年齢)x 10万円=控除額となります。その他、「相次相続控除」(10年以内に2回以上相続が発生した場合)や「外国税額控除」(外国で納付した税額を一定額控除)などあります。#相続税 #税額控除 #相続税の配偶者控除 #未成年者控除 #障碍者控除 #相次相続控除 #外国税額控除 #いろんな控除があるね
2024.01.14
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当事務所の主な業務の一つ「相続」に関する情報です。先日の記事で、暦年課税の改正についてお伝えしました。その際、簡単に基礎控除について触れました。今回は、その相続税の基礎控除について詳しく紹介します。【相続税の基礎控除】「相続した財産」から「負債(借金など)」と「葬儀費用」を差引いた額が課税額となり、この課税額から基礎控除額を除いた金額に相続税がかかります。3000万円+(600万円x法定相続人)が基礎控除額となります。例1)法定相続人が配偶者+子2人の場合、3000万円+(600万円x3人)となり、基礎控除額は4800万円この例1の場合、相続財産(課税総額)が4800万円以下であれば相続税は非課税となり、相続税の申告も不要となります。ここで一つ、「法定相続人」をはっきりさせなければ、基礎控除額が算出できません。では、「法定相続人」とはどういう人が対象となるのでしょうか?【法廷相続人】「法定相続人」とは、民法に定義された被相続人(亡くなった方)の財産を相続できる人を指します。遺言書が無い場合は、基本的にこの法定相続人同士の話合いで、どのように相続するかを決めます。→遺産分割協議書を作成:法的に必須ではありませんが、無いと手続きできないケースが多々あります「法定相続人」になる人は、被相続人(亡くなった方)の配偶者と被相続人の一定の血族です。配偶者は常に法定相続人となります(内縁関係や離婚した元配偶者は含まれません)。血族相続人には優先順位があります。第1順位:実子と養子(どちらも子として第1順位で同じ扱い)第2順位:直系尊属(被相続人の父母や祖父母など)第3順位:兄弟姉妹※第1順位の子と第3順位の兄弟姉妹が亡くなっていた場合、その子(孫やおい・めい)が代襲相続人となりますただし、「法定相続人」となるのは、配偶者ともう1グループのみです。よって、第1順位の「子」がいれば、基本的に第2順位以降の人は法定相続人となりません。例2)被相続人に配偶者と2人の子がいた場合、親が存命であろうが兄弟姉妹がいようが関係なく「法定相続人」は配偶者と2人の子となり、「法定相続人」の数は3人となります。例3)被相続人に配偶者はいるが、子がいない場合、両親が存命であれば配偶者と両親の計3名例4)被相続人に配偶者はいるが、子がなく、両親もいない場合、兄が存命ならば配偶者と兄の計2名こんな感じです。以上で法定相続人を確定させ、【3000万円+(600万円x法定相続人)】の公式に当てはめて相続税の基礎控除額を確定させます。※実際に相続が発生した場合、法定相続人を確定させる為に戸籍謄本を確認します
2024.01.13
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当事務所の主な業務の一つ「遺言書」に関する情報です。皆さん遺言書にはいくつか種類がある事をご存知でしょうか?今回は、遺言書の種類とそれぞれの特徴などについて解説したいと思います。 遺言書には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。【自筆証書遺言】文字通り、遺言者が自筆で書く遺言書です。手軽に作成できますが、要式不備によって無効になる可能性があります。※作ってないのと一緒になるので要注意また、偽造や紛失のリスクに加え、そもそも発見されない事も考えられます。※法務局への保管制度を使う事で、偽造や紛失等のリスクは無くせます遺言書全文(日付や氏名まで)を本人が自書し、押印して作成します。※財産目録はプリントアウトしたものでもOKなお、「自筆証書遺言書保管制度」にて法務局に保管していない場合(自宅の金庫等で保管など)、家庭裁判所での検認が必要です。※検認せずに開封した場合、5万円以下の罰金刑が科せられる可能性があります 【公正証書遺言】基本、公証役場で公証人に作成してもらう信用性の高い遺言書です。2人の証人が必要です。※未成年者・推定相続人(相続する可能性の高い人)とその配偶者および直系血族・公証人の配偶者、四親等内の親族などは、証人になれません自筆証書遺言と比べ、費用が高くなる事と、証人2人とスケジュールを合わせて公証役場に出向かなければならない手間がかかります。しかし、まず無効にならない事と、信用性が高い為トラブルになるリスクも低くなります。また、家庭裁判所による検認は必要ありません。 【秘密証書遺言】本人が署名・押印して作成した証書を封印し、遺言内容を誰にも知られない様にする遺言書です。遺言書の存在を証明してもらう為、公正証書遺言同様に公証人と証人2人が必要です。内容が本人しか分からない為、要式不備で無効となる可能性が高いです。現在は、自筆証書遺言書の保管制度がある為、あまり使われる事がない方式です。 以上、実際作成するとなると「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」になると思います。それぞれ特徴が異なりますので、ご自身の状況に合った方式を選択ください。
2024.01.03
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当事務所の主な業務の一つ「遺言書」に関する情報です。皆さん、遺言書は作成されていますでしょうか?恐らく殆どの方が作成していないのではないかと思います。今回は、「遺言書」を作成するメリットについて簡単にご紹介したいと思います。 「遺言書」:法律的には「いごんしょ」と言いますが、一般的には「ゆいごんしょ」と呼ばれる事が多いと思います。ニュアンスが違いますが特にどちらでも問題はないと思います。遺言書は、15歳以上であれば誰でも作成できます。遺言書とは、人が最終の意思表示をするための文書です。当たり前の話ですが、死後自身の意思表示をする事はできません。それを実現するのが「遺言書」です。自身が亡くなった後、遺産をどのように分けるのか?や残された方への感謝を伝えたり、子供の認知など、様々な事ができます。 【遺言書を作成するメリット】1:遺産の分け方を自身の意思で決められる例えば、土地と家は〇〇に、預金は△△に、車は□□に・・・など、遺産の種類や額など自由に決める事ができます。2:相続のトラブルを防ぐご自身の意思で遺産の分け方をすべて事前に指定しておく事で、残された方が遺産分割協議を行う必要がなくなり、遺産相続のトラブルを防ぐ事ができます。※遺言書が無いと、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります3:相続手続きの負担を軽減する事ができる遺言書があると、遺産分割協議を行う必要が無いため、相続人にかかる負担(時間や労力等)が軽減できます。また、遺言執行者を指定して相続手続きを一任すれば、銀行預金の払い戻しなど面倒な手続きをしなくて済む為、さらに負担が減らせます。※遺産分割協議書等がないと銀行預金の引き出しもままなりません4:自身の意思で相続人以外の人にも遺産を遺す事ができる通常、遺言書が無ければ遺産は「法定相続人」(配偶者・子や孫等・父母や祖父母等・兄弟姉妹)に引き継がれます。遺言書を作成するとこの「法定相続人」以外の人へも遺産を遺す事ができます。※例えば、大変お世話になった方や、内縁の配偶者など5:相続税の対策ができるある程度の遺産額(不動産等含む)になると、相続税の納税義務が発生する可能性があります。遺言書を上手に作成する(遺産の分け方など)事で、残された方(相続人)が相続税の支払いで苦労する事を回避できます。※相続税は、その遺産を相続した人が支払います 以上の様に、「遺言書」を作成する事で、様々なメリットがあります。人はいつ亡くなるか分かりません。残された人が苦労されたり、不幸にならない様になるべく早めに作成された方が良いと思います。※遺言書はいつでも作成しなおす事ができます内容によっては、遺留分(法定相続人の内、兄弟姉妹以外には遺留分を請求する権利があります)のトラブルを引き起こすリスクがあります。また、適切な方法で作成しないと「遺言書」が無効となる場合もあります。ご自身で作成されるのも良いですが、専門家に相談しながら作成する事をお勧めします。
2024.01.02
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令和6年より施行される税制改正について、当事務所の主な業務の一つである相続に関しての情報です。【相続時精算課税制度とは】何じゃそりゃ?と思われる方もおられるかもしれません。相続時精算課税制度とは、贈与額に対し2,500万円の特別控除が受けられる制度です。これは、同一の父母または祖父母からの贈与について、累積の贈与額が特別控除額(2,500万円)を超えるまで何回でも控除する事ができます。つまり、相続時精算課税を利用した場合、その贈与者からの贈与は、2,500万円まで贈与税がかかりません。原則として60歳以上の父母または祖父母から18歳以上の子や孫への生前贈与について、その贈与を受ける子や孫の選択により利用できる制度です。贈与を受ける子や孫は、贈与をする人(父母または祖父母)ごとに相続時精算課税を利用するかどうかを選択できます。贈与額が2,500万円を超えた場合には、超えた額に20%の贈与税がかかります。→ただし、相続時に「累積贈与額(基礎控除を除く)+相続財産」に対して相続税を計算して、贈与税よりも相続税額が少ない場合は差額が還付され、多い場合は差額を納付します。相続時精算課税は選択制の為、「暦年課税(暦年贈与)」にするかを選択する事ができます。※例えば、祖父からの贈与は相続時精算課税を選択し、父からの贈与には選択しない(暦年課税)とする事ができますですが、この相続時精算課税を一度選択すると取り消す事はできません(暦年課税に戻せない)。逆に暦年課税からは、いつでも相続時精算課税を選択する事はできます。【令和6年からの改正点】相続時精算課税について、令和6年1月1日以降に受けた贈与から、毎年110万円の基礎控除が設けられる為、暦年贈与の様に110万円まで課税されなくなります。これは結構インパクトありですね。実は、本制度が始まったのは平成15年1月1日からなのですが、利用される方が少なかった現状があります。(暦年贈与の方がお得だった?)今回の改正で暦年贈与の相続財産加算機期間(3年→7年)延長と相まって、今後相続時精算課税を選択される方が増えるかもですね。あと一点、相続時精算課税にて贈与を受けた土地や建物が災害により一定以上の被害を受けた場合は相続時に課税価格から被害額を控除して再計算するいう改正もあります。これによって、不動産などを贈与する場合は、相続時精算課税を選択した方が良いかもですね。以上の改正により、相続時精算課税の方が一見お得に変わったようにも見えますが、本制度を選択すると暦年課税に戻れない事、相続財産の額や種類(不動産や株?現金?)・相続する人とされる人の年齢などによってメリットが大きく異なります。「相続時精算課税」が良いのか?「暦年課税」が良いのか?きちんとシミュレーションするか専門家に相談するなどして決められた方が良いと思います。
2023.12.29
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令和6年より施行される税制改正について、当事務所の主な業務の一つである相続に関しての情報です。【暦年課税制度】いわゆる110万円までは贈与税がかからない制度として認知されていると思います。但し、贈与した者が亡くなった場合、直近過去3年に贈与した分は相続とみなされ相続税の課税対象となります。これが今回の改正により7年に延長となります。3年→7年になると何が困るでしょう?(3年の場合)暦年贈与を計画的に実施して、子や孫(配偶者でもいいですが)に相続税がかからないように節税していた場合、自身が亡くなってから過去3年分(最大330万円)が相続税の課税対象→(7年の場合)自身が亡くなった時点から過去7年分の暦年贈与分(最大770万円)が相続税の課税対象はい、ぶっちゃけ増税ですね。ただ、増税とならないケースもあります。あくまでも、「相続税の課税対象となる」のであって、相続税を払わなければいけない訳ではありません。それは、相続税には、基礎控除があるからです。【相続税の基礎控除】3000万円+(600万円x法定相続人)が基礎控除額となります。※法定相続人が配偶者+子2人の場合、3000万円+(600万円x3人)となり、基礎控除額は4800万円「相続した財産」から「負債(借金など)」と「葬儀費用」を差引いた額が課税額となり、この課税額から基礎控除額を除いた金額に相続税がかかります。よって、基礎控除額の方が、課税額より大きい場合、相続税は非課税となります。ちなみにその場合は、申告も要りません。あと、その他「配偶者控除」や「未成年控除」などの制度もあります。
2023.12.28
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