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中山七里さんの「御子柴シリーズ」第4弾、「悪徳の輪舞曲」を読んだ。主人公御子柴は少年時代に人を殺め、少年院で成長し、出所後弁護士になったといういわくつきの人物で、性格も人間性にも大いに問題があるタイプだが、弁護に関しては天才的な才能を持つ。今までの3作品では伏せられていた、彼の家族がここで登場する、なんと仕事の依頼が御子柴のことを蛇蝎のごとく嫌っている実の妹で、罪を犯したのが実の母親ということだ。あまりにもエグい人間関係の中で物語は進行していく。その中で、彼が少年時代に犯した幼女バラバラ事件の話がちらほら出てきて、結構キツい。ロンドというのは、音楽用語でロンド形式のことで、異なる旋律を途中に挟みながら、同じ旋律を繰り返していくという音楽形式なのです。ここでは親子で殺人を犯したかもしれない罪深き御子柴のことや、加害者そして被害者の家族さえも社会から抹殺しようとする人間の卑しさなども書かれている。1作目「贖罪の奏鳴曲」では、ベートーヴェンピアノソナタ「熱情」2作目「追想の夜想曲」では、ショパンのノクターン3作目「恩讐の鎮魂曲」ではモーツアルトのレクイエムこのようにクラシック通の中山七里さんは、必ず名曲をからませてくるのだが、今回は見当たらない。いや、見落としているのかな?このシリーズの目玉ともいえる、大どんでん返しは今回も健在です。家族が絡んでいるせいか、今回はとっても切なかったです。
2019.01.28
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今年2019年のアニバーサリー作曲家を探していたら、ベルリオーズ、スッペ、オッフェンバック等、あまりピアノには関係ない人たちかなあーと思っていましたら、大物がおりました。生誕200年のフランスの作曲家、シャルル・ハノン(仏語読みはアノン)。出版されたのが1873年(日本だと明治初期)のハノンピアノ教本は、戦後、高度成長期にピアノ人口がどばっと増えた昭和時代のバイエルと並ぶベストセラーピアノ教本でした。具体的には1番から60番まである。まず1番。懐かしいであります。このように機械的な指の練習なのですね。しかし次第に凄いことになってくるのですね。悪名高い35番。指使いにご注目ください、小指を親指が横並びにまたぐのです、しかも10回弾けと最後は60番です。もはや幾何学模様です、これを太鼓の連打くらいの勢いで弾けという指令です今の時代の子どもたちは習い事や塾通いなどに追われ、しかも好きな時に好きなだけピアノを弾くことができる環境にいる子は首都圏では非常に少ないと思います。したがって、効率良くが生徒にも教師にも要求されるようになる。ピアノ奏法にも若干のずれが否めない、私が生徒であった頃の指を高くして力強く弾きこむといった「ハイフィンガー奏法」より、いかに余計な力を抜くかの脱力奏法が主流をしめているのだ。ただ、やはりロングセラーだけあっていい本であることは間違いない。私も39番音階と41番分散和音はピックアップして弾いてもらうことが多々ありますし、かつてハノン経験のある大人の方に指ならしの準備体操的にお勧めしています。自分のことを思い出すと、確かに退屈でしたが嫌いではなかった、なにしろ一つの音型を覚えると平行移動で進んでいく形ですので、指を動かしながら、あーでもないこーでもないと考え事をしていたという、今思えば贅沢な時間を過ごしたような気がしますね。平成、そして次の元号には、このような無駄な時間は存在しないと思います。昭和も遠くなるのでしょうね。
2019.01.21
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お正月に本当に久しぶりに東京駅の地下街をブラブラ。八重洲地下街の奥まったところで、なにやらカメラを向けている人達がいた。どうもこれらしい。こちらはイノシシ?そういえば干支ですものね。案内板みたいのがあって、こちらはフィレンツェの広場にある「幸運を呼ぶ子豚」の像のレプリカであるらしい。え、豚?イノシシではないの?後で検索したら、フィレンツェにある本物は、アンデルセンの作品「青銅のイノシシ」のモデルになったらしい。この話は知らなかったが、画家を目指す少年とこの銅像の物語で、純粋な心を持った子供がこの銅像にまたがると疾走するという夢のある話だそうです。この話を基に田中久美子さんという方が、「青銅のイノシシ」という吹奏楽を作曲したそうだ。動画:青銅のイノシシ中々勇壮で、新春らしい曲のようです。イノシシといえば猪突猛進、信じる道をまっすぐ疾走する年でありたいですねーと、例によってわき道にそれてしまいました。で、いったいこの銅像、イノシシ?ブタ?
2019.01.14
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遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。お正月、やれ初詣だの初売りだのに出かけ、そぞろ歩きしておりますと、まさにこの時期だけの期間限定旋律が流れてきますよね。有名なのがこの二つだと思います。動画:六段動画:春の海なんかもう、聴くだけで心がほどける感じですね。両方とも邦楽の超有曲、新春の定番ですよね。音楽出版社の大手、全音楽出版が出している、曲集ではなく主に1曲のみのピアノピースシリーズというのがあるのですが、なんとピアノ版があるのですね。動画:「六段」ピアノ編動画:「春の海」ピアノ編現代作曲家の湯山昭さんのピアノ作品集「こどものせかい」の中の「お琴の響き」という曲のほうがお琴っぽいのかなと思われます。動画:お琴のひびき以前、かに道楽というところで、多分六段だったと思うのですが、お琴の生演奏があって、なんかいいなあと思ったことがあります。あと数か月で元号が変わりますが、時代が変わっても、やはりお正月はピアノよりお琴の音色でしょうね。
2019.01.07
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