山田維史の遊卵画廊

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Tadami Yamada's monochrome cuts -#1


Tadami Yamada's monochrome cuts -#2


■Yamada's Article(1)卵形の象徴と図像


■Yamada's Article(2)ユングの風景画


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■Yamada's Article(4)夢幻能と白山信仰


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■Yamada's Article(6)ムンク『叫び』の設計と無意識


■Yamada's Article (7) 病める貝の真珠


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■Yamada's Article(10)狐信仰とそのイコノグラフィー


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■Yamada's Article (12) 伊勢物語「梓弓」について


■(13)英語訳論文「ムンクの『叫び』の設計と無意識」


■(14)英語訳論文『狐信仰とそのイコノグラフィー』


■(14-2)英語訳論文『狐信仰とそのイコノグラフィー』


■(15)英語訳論文『卵形の象徴と図像について』


■(16)英語訳論文『夢幻能の劇構造と白山信仰との関係考』(1)


■(16-2)英語訳論文『夢幻能の劇構造と白山信仰との関係考』(2)


■(17)英語訳論文『モンドリアンの自画像について』


■(18)英語訳論文『霧に対する感性の考察』(1)


■(18-2)英語訳論文『霧に対する感性の考察』(2)


■英語訳エッセー『柔らかい建築 Soft Architecture』


■(19-1)英語訳論文『エドヴァルド・ムンクの去勢不安』(1)


■(19-2)英語訳論文『エドヴァルド・ムンクの去勢不安』(2)


■(20)英語訳論文 『伊勢物語の「梓弓」について』


■(21)英語訳論文『C.G.ユングの風景画をめぐって』


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Sep 16, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
いつも同じ品揃えなので期待もせずに入ったDVD店で、思いがけずブニュエルの『小間使の日記』を見つけて購入した。主演はジャンヌ・モロー。ジャンヌ・モローとこの映画については、5月17日のブログでふれた。そのときは彼女の舞台劇『ゼルリンヌの物語』について述べたので、『小間使の日記』については文字どおりただ触れたにすぎなかった。


 フランス世紀末の作家オクターブ・ミルボー(1850-1917)の同名の小説を映画化した『小間使の日記』は、先にジャン・ルノワール作品もあるのだが、残念ながら日本では公開されていない。しかし、『自由の幻想』や『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』、あるいは『昼顔』のルイス・ブニュエルにこそふさわしい題材と言えよう。
 物語はこうだ。
 セレスティーヌ(ジャンヌ・モロー)は、とあるブルジョワの邸に小間使いとして雇われる。主人は精力絶倫、召使女を妊娠させては裁判沙汰になり慰謝料をはらわされてきた。その奥様は金のことしか頭にない吝嗇家。一週間に二度も夫に求められるのにはほとほと嫌気がさしている。夫が召使女に手を出すのは意にかいさないが、その後始末の出費が腹立たしい。この夫妻の父親も同居していて、怪し気な趣味にふけっている。靴フェティストなのである。この邸の住人は、ほかに召使女二人と馭者兼庭師、そしてどうやら主人の落し胤らしい少女が召使部屋にいる。
 隣家は退役軍人。両家は犬猿の仲。退役軍人は日課のように嫌がらせをしている。
 そんな人間たちのなかで、セレスティーヌは利口に抜け目なく立ち働く。邸に到着し、お仕着せに着替えるや、奥様に家事の説明を受けた。大切に取り扱うように注意されたイギリス製のランプを、その日のうちに割ってしまう。叱責する奥様に、セレスティーヌは昂然と、「私が壊したのではない」と言い放つ。手を出そうとする主人を、引き付けながら拒み、老人のためには女靴をはいて部屋を歩き回ってやる。馭者兼庭師の性格に潜むサディズムも見抜く。
 ある日のこと、老人がベッドのなかで死んでいた。女のブーツを握りしめながら。ひとり秘かな愉しみにふけり、興奮のあまり心臓がやられたのであろう。
 セレスティーヌは老人の死を機会に、小間使を辞める決心をする。そして葬儀費用を計算する奥様を尻目に邸を去る。

 セレスティーヌは道すがらその事件を耳にする。彼女は日頃から少女を可愛がっていたのだ。セレスティーヌは道を引き返す。彼女には犯人が誰であるか見当がついていた。庭師の仕業にちがいないと。
 ふたたび邸に戻ったセレスティーヌに、庭師が言う。俺と結婚してくれ。お前と俺とは、同じ気質なんだよ。シェルブールに行って、カフェを経営しよう。結婚するまでは、俺はお前を求めはしない・・・。
しかし、セレスティーヌはあの退役軍人と結婚した。
 ・・・時は過ぎた。プロレタリア社会改革を訴えるデモ隊が街を行く。それを見つめるあの庭師。そばには店の女主人。彼は別な女と結婚していた。
 このまさにヨーロッパ的な奇々怪々な人間像を語るブニュエルの手腕には舌を巻く。冒頭から掉尾まで、各シーンとも一切のケレン味ない映像の積み重ねが、しかし一筋縄ではいかない複雑な人間像を語りつくしてしまうのだ。いや、我々が彼等を分りきってしまうと言うのではまったくない。むしろ謎めいている。だが、それこそが、人間の厚みというもの。映画を見て、人間がすべて明確にわかってしまうようでは、映画の面白さなどはたかが知れていよう。人間存在とは不透明なものだ。不透明ながら、そこに何か本質を垣間見させるイメージの表出がある。それを捉えることができたとき、映画は偉大な一つの作品を生んだことになる。・・・『小間使の日記』を見て私がまず感じたのはそういうことだった。
 殺された少女の脚に蝸牛が這うシーンは、ブニュエルがサルバドール・ダリと共同制作した『アンダルシアの犬』を想起させる。イメージもさることながら、非常に「触覚的」な映像として特筆すべきだろう。この感覚は、靴フェティストの老人が、ストッキングを穿いたセレスティーヌの脚のふくらはぎの筋肉の具合を、手でさわって確かめるところにもある。ストッキングの編み目がほつれて伝染している。じつに繊細な映像感覚といってよい。・・・私は、この映画の2年後に制作されたピエール・モリニエのプライヴェート・フィルム『MES JAMBES(私の脚)』を思い出す。この異色画家こそ、ナルシスティックな真正の靴フェティストだった。彼は『小間使の日記』を見てはいないだろうか。
 私が好きな女優のひとりであるジャンヌ・モローは、セレスティーヌをひとつの典型として造形することに成功しているだろう。肉体であり精神であり女であるところの、明確なイメージを。

 そうそう、この映画の技法的特長といってもよいだろうが、私はフェイド・アウト(溶暗)に注目した。画面が暗転するときに、影が射すように一隅から急速に闇が深まり、日の名残りのようにわずかな物の形を見せ、たちまち全面が闇にのみこまれてしまうのだった。それは、画面が一度に暗転するのとは違い、何か曰く言いがたい余韻をのこすのである。単なる場面転換というより、もっと心理的な効果があると思えた。

 40年ぶりに見た『小間使の日記』であったが、すぐれた映像の力、特に劇場のスクリーンで見たその力は大きい。私の記憶に残っていた映像とピタリと重なった。とはいえ記憶からすっかり抜け落ちていたシーンもあった。まさに開始早々、セレスティーヌを乗せたパリからの列車が走る。車窓からの景色がかなり長い時間映し出され、物語の舞台へと運んで行く。このシークエンスが、私の記憶からそっくり失われていたのだった。

 さて、三島由紀夫の『憂国』についても述べようと思ったが、それはまた明日ということにしよう。





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Last updated  Mar 11, 2020 04:33:59 PM
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Comments

AZURE702 @ Re[1]:山田維史の「蝶」が出てくる作品(07/03) shiwashiwa1978さんへ  拙作をご覧くださ…
shiwashiwa1978@ Re:山田維史の「蝶」が出てくる作品(07/03) 素敵です。 作品集は無いのでしょうか。
AZURE702 @ Re:「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに)(08/21) 三角野郎(絵本「マンマルさん」)さんへ …
三角野郎(絵本「マンマルさん」)@ 「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに) ≪…【ヴィークル】…≫の用語が、[ 実務と…
山田維史@ Re:[言葉の量化]と[数の言葉の量化](08/21) ヒフミヨは天岩戸の祝詞かなさんへ 書き込…

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