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こちらのブログは「更新終了」としてしまったため、とんとご無沙汰していました。 久しぶりに来てみると、ずいぶん楽天ブログって変化があったんですね。 そして、鬼のような「いかがわしいコメント」の山・・・。びっくりです。 さて、一度は投げ出したこのブログです。 なぜ投げ出したのでしょうか。 それはきっと「ご家庭のパン作りに正解はない」と感じたからかもしれません。 それぞれの人が、それぞれの思いをもって、それぞれのパンを作っている。 それはそれで、いいのではないか・・・。 それはそれで、幸せなのではないか・・・。 実際、そうなんだと感じます。 昨今の日本のパンの流れで感じることは・・・なにもありません。(笑) 私も、私の思いを持って、私のパンを作っています。 結構、幸せです。 最近のお気に入りは、日本製粉の「クラシック」という粉で、とてもいい風味を持つフランスパン専用粉です。その前は「オーベルジュ」を使っていましたが、個人的に「クラシック」のほうが、ずいぶん好み。ただ、そのままでは素直すぎるので「レジャンデール」を少し混ぜてコクを狙っています。 レトロバゲット系のフランスパンを作る場合でも効果はあると思いますが、売れないので作っていません。テストはしましたが、とても美味しいパンができたのを覚えています。 地元産の粉で作る食パンは、びっくりするほど安定しています。もう、どんな国産小麦でも簡単に食パンを作ることができます。しかも、外麦と同等の釜伸びが期待できるパン。 ただし、やはりまだ国産小麦にはコクが足りないようです。風味はよいのですが・・・。 私は、ここで再び何かを書くつもりなのでしょうか。<自問自答 なにか、お役に立てることがあるのでしょうか。 昔のように、一口メモを貼り付けてゆくのでしょうか。 それは、私にもよくわかりません・・・。(笑) しかし・・・。 楽天ブログ、広告いっぱいつくようになりましたね。 消されへんのやろか。なんとかならへんかな・・・。(汗)
2010年03月01日
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みなさん、おひさしぶりです。せーぐるでございます。生きております。しばらく放置していたこのブログですが、コメントやトラックバックや掲示板に、不適切な気書き込みが増えているんですね。最近は、ブログの60%はネット上のゴミである、という報告がどこかにもありました。うちのブログも、ネット上のゴミになっていないとも限りませんが・・・。さて、久しぶりに更新します。といっても、結構、深刻な話をするかもしれません。メディアを騒がせている「食の安全性」のこと、みなさん、気になりませんか?なぜ、現在の「食が安全でない」か、考えたことがありますか?簡単な話です。日本人にとって、大切な日本の食が、ぞんざいに扱われている。ただ、それだけです。私は「地産地消」というキャッチフレーズは好きでないのですが、それが食文化の本質だとは感じています。食べ物というものは、本来、目の届く範囲、手の届く範囲のものを食べるのがよいとされています。昔の人は「七里のものを食べるのがよい」と言っています。七里とは現在の距離で約30キロ弱。だいだい、それぐらいの地域の食品が、その土地の人にあった食品だと言っているわけです。さて、私の生業であります「パン」ですが・・・。元が「小麦粉」であるため、まず、その七里がむりっぽいですね。塩、砂糖、イースト、もそうなのかもしれませんね。じゃ、パンは日本の食文化に適していないのか?という疑問が生まれます。私はその通りなのではないか、と感じています。日本のパン食は、戦後のアメリカからの大量の小麦の配給によって成り立っていました。現在のパン市場の原点はそこにあります。大量の小麦を、オートマチックに、大量のパンに・・・。それが、現在の約4分の3に達する大手のシェアにつながるわけです。それでも、志の高いパン屋が日本中にあります。だから、世界中探しても稀な、うまいパンが食べられるわけです。しかし、その素材は、世界中から集められていたりします。それが、本当に「日本のパン」なのでしょうか?私にはそれが疑問に思えて仕方がありません。消費者が求めるものが、正解なのか?生産者が望んでいるものが、正解なのか?どちらが正しいのかは、私にはよくわかりません。それは、個人個人が決めてよいことだと考えています。ただ、確実に言えることは、日本人は長い時間をかけて、小麦ではなく、米を愛してきたことです。世界史で見ればパンは約4000年の歴史を持ちますが、日本のパンの歴史はたかだか100年ちょっとです。しかし米は、弥生時代には栽培されていたと聞きます。だからこそ、神に米や酒(日本酒=米から作る酒)を捧げるわけです。だからこそ、もういちど、日本のパンのありかたを考えてみるのも、大切なことなのだと思います(まちがえても、米のパンをつくる、という意味ではありません。言語道断です)。それが、私たち自身の食生活を正しくするために、必要なことなのではないでしょうか?なんとなく、食生活を正しくすると、社会も正しくなりそうな気がしませんか?現在の私たちの食生活は、かなり混乱した状態です。無国籍に近い食事をし、食品自給率も40パーセントあたりをふらふらしています。現状からいきなりは不可能ですが、本来は、自然に即した食生活で生活することがベストですし、それに近い形にもっていくのがベターです。そうするためには、現状にいろいろと問題があることに気がつくことでしょう。その問題に気がつくことが、大切なのです。そして、すこしでも、その問題を解決することが、日本の食生活、ひいては日本を日本らしい国にしてゆくことになるのではないでしょうか?私は、最近、そんなことを考えながらパンを作っています。お客様に喜ばれるパンを作る仕事を誇りに思っています。安心・安全なんて、あたりまえ。だって、喜んでもらいたいんだから。私は、自分の技術と知識と経験を踏まえて、パンを作ります。しかし、それが日本の食文化にはなりえないことを踏まえて、あえて進む道です。だから、私生活では米を大切に食べています。娘と一緒に。家族と一緒に。娘にはパンも好きになってもらいたいですが、日本人として長年愛され続けてきた米を大切にしてほしい。そうすることで、食べ物の大切さを感じてほしい。そう思います。「実るほど・首を垂れる・稲穂かな」この言葉が日本人の精神を表わしていると、私はよく感じています。このすばらしい国のために、私たちは、まず、自らの国を知らねばなりません。国と言いましたが、住んでいる地域のことから、知っていく。もっと小さく、家族から知っていく。そして、自分自身から知っていく。そんなことが、大切になってくるのではないのでしょうか?もうこのブログを更新することはないでしょう。なぜ最後にこんなことを書いたのでしょう?私は、このブログに訪問される方に、もう一度、真剣に「食」について、考えてもらいたいと思ったから・・・。皆様の幸せを祈りつつ、筆を置かせていだだきます。
2008年10月18日
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パンチについての質問を承っていたのですが、その前にグルテンについてのお話をしなければいけません。 これを機会に、パンチを中心に、その周辺の知識を整頓して文章にしようかなぁ、と、思っています。 ただし、すべてをからめとってしまいますと大変なことになってしまうので、若干割愛します。 難しいこと(データとか、理論とか・・・)は、研究者にお願いするとして、イメージする上での必要な知識だけあれば、パン作りにおいてはまったく問題ないと思います。 パンチは、酵母の力とグルテンの力の両者を計算に入れて行う必要があるのですが、このサイトでは、まだグルテンについて(小麦の特性について)取り扱っていませんので、先にさらり(?)と書いておきたいと思います。 グルテンの特性をある程度理解し、それが生地にどういった効果をもたらすのかを理解し、最後にパンチの効果を理解すれば、ひとつの道筋が得られるのでは、と、思っています。 グルテンは、小麦に含まれる特定のタンパク質が、水と圧力と出会うことで形成されるものです。このグルテンが形成されることにより、小麦はパンになることが出来ます。 ほかの穀物だけでは、それらがパンらしくならないのは(餅がそうですし、うどんもそうですね。蕎麦も。あと、プンパニッケルのような100%ライ麦パンも)、小麦だけがグルテンの元になるタンパク質を持っているからですし、小麦粉の表示に「粗タンパク」として表示される数字は、パン生地を作る上での重要な数値として捉えられています。 その「粗タンパク」については、重要な数値なのですが、製粉の具合によってタンパク質の含有量は上下しますので、いまとなってはかなりいい加減な数字とも思えるのですが、常識の範囲内ではまだ通用しますので、とりあえずはよしとしておきます。 さて、パンは、そのグルテンが形成されることにより成り立っているわけですが、もしグルテンがなかったならば、パンらしいふっくらふんわりとした食べ口は生まれないでしょう。 もち米をついて餅を作りますが、餅がふっくらふんわりしていないのは、もち米にグルテンを形成するタンパク質が含まれていないからで、もし仮にもち米にグルテンを形成するタンパク質を混ぜ込んで、酵母を加えて餅生地を作り、適度に発酵させ焼成したなら、小麦でつくるパンに似た食べ口の食べ物を作ることが可能です。一般に、「米パン」と呼ばれている食品は、そうやってつくられています。 さて、パン生地におけるグルテンの役割は、酵母の作り出す炭酸ガスを生地の外に逃がさないことです。よく言われているように「網目状の弾力のある構造」で、酵母の作り出すガスを生地内に閉じ込めてしまいます。 パンとしての最低条件は「小麦・酵母・水・塩を混ぜ合わせ発酵させ膨らませ、焼成すること」だとおもうのですが、酵母の働きで発生したガスを生地中に保持するためには、グルテンは必ず必要です。そして、その代用品はありません。小麦だけがそのグルテンを形成するタンパク質を持っていることは、重要なことだと思います。 イメージとしては、建築物でいうところの「鉄骨」や、人体で言うところの「骨」がそれなのですが、建築物や人体は膨張しないので(・・・当たり前ですが・・・)、正確さに欠けるかもしれません。 また、パン生地自体をゴム風船の集合体とイメージすると、そのゴム風船の「風船自体」がグルテンだと考えることもできるような気がします。 グルテンは、水と圧力が加わり形成され、ある点を過ぎると崩壊してしまいます。 これをグラフ化したものが「ファリノグラフ」と呼ばれるものです。小麦を製粉し、それを機械にかけることにより、グルテンの強度を計測しグラフ化したものです。 一般にこのファリノグラフを見ることはまれですが、存在は知っておいて損はないと思います。 また、小麦から抽出したグルテンを利用した食品があります。日本の「麩」がそれです。生麩も焼き麩も、小麦から抽出したグルテンを使っています。 小麦には、タンパク質もでんぷん質も含まれていますが、タンパク質の果たす役割とでんぷん質の果たす役割は若干異なっており、それを理解することも、パンの特性(小麦の特性?)を知るためには役に立つと思います。 さて、次回は、その「グルテンとパン生地の関わり」について、考えてみたいと思います。
2007年01月10日
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放置しているブログへ訪問されている方には、新年のお喜び申し上げます。 今年こそ、なんらかの形で、このブログを進めていきたいと思っている・・・・だけなのですが、実際にコンテンツを書き上げるとなると、若干力不足かもしれません。 さしあたり、「パンチ」について、ひとつ質問を承っておりますので、それについて近日更新を行うつもりです。 一言で「パンチ」といっても、案外奥が深く、悩んでいる方もいらっしゃるようです。 パンチは、最後に出来上がるパンのイメージがある場合とない場合で、それこそ天使のようにも悪魔のようにもなります。そこが、ポイントです。 ともあれ、今年もよろしくお願いいたします。
2007年01月03日
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パンの世界の話。 まず、小麦を育てている、農家の方がいらっしゃいます。「ええ小麦をつくるんや」と、いきごんで、一生懸命、小麦を栽培します。 そして、出来た小麦は、つぎへと受けつがれています。 製粉会社。「おお、こりゃ、エエ小麦や。エエ粉にしてやらなあかん」、と、小麦粉にします。 その小麦粉は、パン屋に届き、「すごいええ粉がとどいてしもーた。やらなあかんやろ」と、パンを作る。 お客さまは、そのパンを買って、家庭の食事に出して、「みんな、食べなさーい」と、会話のある、あたたかい食卓を囲み、その日にあった事を、いろいろ話て、あたたかい時間を過ごす。 これで、小麦の世界は、完結する訳です。 ひと粒の小麦が、家庭の食卓まで辿り着き、幸せを産む。 なんて素晴しい事なのでしょう。 私は、その中間の「パン屋」ですが、いつもどうやったら、この粉の特性を殺さず、お客さまが「うまいねん!」といっていただけるパンを作ったらいいのか、ということを、悩みます。 でも、その悩みは、前向きな悩みなので、考えている時間は、とても充実しています。 よく、「消費と消耗」という言葉が使われます。 食べ物だけではありませんが、きちんと「消費」に繋げていく、人と人とのつながりをつくることが、なにより大事な事なんじゃないかなぁ、と、思ったりします。 良く言われている「安心・安全」なんて、言葉に出す前に、つぎに受け渡すべき「お客さま」のことを考えていれば、当たり前の事。 人と人のつながりで、社会は構成されていますが、こういった「もの」を直接受け渡ししながら繋がっていくという事は、どんどん廃っているような気がします。 それは、パンに限らず、ほかのことにも。 できることから、こつこつと。 理想的な「うけわたし」ができるように、なればいいんですけど。
2005年11月07日
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パン製法の一つに、「ポーリッシュ(poolish)法」という方法があります。別名に、水種法とも、液種法とも、呼び方もありますが、これは種の状態に由来しています。 まずは、ポーリッシュ法の歴史的な面について考えることにします。 ポーリッシュ法は、19世紀前半に、ポーランドで生まれました。「ポーリッシュ」という名前は、ポーランドという国名に由来しています。そしてその後、ポーランドから、オーストリアのウィーンへと伝わっていきました。 ポーリッシュ法は、ウィーンに伝わった時に、同時期に誕生したばかりの「工業的に生産されたイースト」と巡り会う事になります。ウィーンのパン職人達は、ポーリッシュ法とイーストを用いた、新たなパン製法を生み出しました。 そのため、文献には、『ポーリッシュ法は、「工業的に生産されたイースト」を使用した最初の製法であった』、という記述が見受けられます。 逆に考えるのならば、ポーランドで生まれたポーリッシュ法の初期段階では、いわゆる「自然種(自家製酵母)」を使用していたと思われます。 そして、ウィーンにおいて、イーストによるポーリッシュ法へと進化していったのでしょう。 その後、19世紀中ごろ、ポーリッシュ法はパリへと伝わったあと、フランス各地へ伝播していったと言われています。 そして、20世紀前半(1920年代ぐらいと言われています)までは、フランスにおいて、ポーリッシュ法はフランスパン(パン・トラディショネル)の標準的な製法でした。 余談ですが、ウィーンからパリへ伝わった時、「ウィーンのパンだ」ということで、ポーリッシュ法で作られるパンは、パン・ヴィエノワ(ウィーンのパン)と呼ばれていたようです。それに対して伝統的な中種法で作られるパンをパン・フランセ(フランスのパン)と呼んでいたようです。 ここは間違えやすいと思うので、気をつけておきたい所なのですが、ここで言う所の「パン・ヴィエノワ」は、現在よく見かけることのできる、長細い形で牛乳やバターの入っている「パン・ヴィエノワ」と呼び方はおなじですが、性質が異なっています。製法に由来する名称と、配合に由来してる名称の「パン・ヴィエノワ」の2つの「パン・ヴィエノワ」があるのです。 つまり、ポーリッシュ法を使用したフランスパンを、かつては「パン・ヴィエノワ」と呼んでいた、と、認識していただけると、わかりやすいのではないのでしょうか。 このように、ポーランド~ウィーン~パリと伝わっていったポーリッシュ法なのですが、20世紀前半に、機械によってミキシングを行う「ストレート法」が盛んに行われるようになると、廃れてゆき、一時はほとんど使われる事のない製法になったこともあります。 しかし、近年、その製法によるパンの長所が見直され、数々のパン屋で採用されてきています。 さて、次にその製法の特徴を考えていきましょう。 特に顕著である特徴は、一番最初に用意する種が、液状(ドロドロ)である事だと思います。この点が「液種」とか、「水種」と呼ばれる所以だと思います。 具体的には、比率が、粉が1に対して、水が1。それに少量のイースト(もしくは、醗酵種)を加え、塩の添加は、あってもなくても良い、といった感じでしょうか。 中種と本ごねでの粉の比率は中3:本7の時もありますし、2:8のときも、4:6の時もありますので、特に製法において固定した割合はないようです。 以下、その他の特徴を箇条書きしますと、・液状の中種を長時間醗酵させ(オーバーナイトさせるのが、標準的かな?)、それを本ごね時に用いる。・ストレート法と比較して、本ごね後の醗酵時間が短縮しても、味と香りの良いパンが作る事ができる。・中種を長時間醗酵させる事により、若干の酸味が発生する。・ミキシング耐性に強く、ボリュームも確保しやすい。・種が液状であるため、大量に作る時には、種の置き場所に困る(笑)。・ボリュームが出やすい為、味が薄くなる事もある。 ポーリッシュ法を定義することは、少し難しいのですが、だいたい、以上の事柄をおさえておけば、ポーリッシュ法に対する正しい理解となり得るのではないでしょうか。 つまるところ、ポーリッシュ法とは、前種に液種(水種)を使用する製法というところが、一番の特徴なのだと思います。あとの工程や配合などは、かなりの柔軟性があります。
2005年08月18日
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この季節になると、保健所の「食品衛生講習会」があります。恒例と言うか、定例というか、必ず行われます。 だいたい、食中毒についての事や、食品衛生法に合致している正しい表示の仕方など、「食品衛生」についての2時間弱の内容です。 毎年毎年、同じ事を同じように、保健所の職員の方から教えて頂いているので、クーラーの効いた室内で、椅子にすわって話を聞いていると、「それ知ってますよー」と油断して、ついつい、うつらうつらと・・・。 でも、大切な所は聞いてますから。いや、聞いているはずだと思います。多分・・・。 うつらうつらしながら講習を聞いている時に、「パン屋だったら、どの菌が危ないやろか」と、眠たい目をこすりながら考えます。眠気覚まし・・・いや、真剣に講習を受けているフリをするため・・・いや・・・なんでもないです・・・。ちゃんと聞いてますから・・・。 さて。 食中毒の原因となる菌やウィルスは、基本的に熱に弱いので、加熱されるパンならば、ほとんど大丈夫だろう・・・と考えるのが普通だと思います。 基本的には、その通りです。 たとえば、病原性大腸菌O-157は、「75度で1分間の加熱」が、安全を確保する目安です。 焼き込み調理パンや、きな粉をつけたりするドーナツなどは、特にきちんとした衛生管理をしなければいけませんが、これは常識の範囲だと思います。 食中毒は、味も匂いも変わらない食品から発生することが、圧倒的に多い、というのは、あたりまえの事です。カビが発生すれば、食べないでしょうし、変な匂いがすれば、食べないでしょう。これも、常識の範囲です。 粉と水と塩とイーストといった、素朴なパンの場合、焼き立てで既に食中毒になってしまうだろうパンは、ない・・・と思いたいところなのですが、いくつかの菌は、パン生地に混入した場合に、食中毒の原因となる可能性は捨て切れません。 まず、「黄色ブドウ球菌」。 この菌は、日常的に人のまわりに存在しています。身体にもとうぜん普通に付着して、目には見えませんが、人間と一緒に住んでいます。 この菌が、なぜ「可能性が捨て切れない菌」なのかと言いますと、この菌は増殖の時に、毒素(エンテロトキシン)を出すのです。そして、その毒素は、加熱しても消えません。 この「加熱しても消えない毒素」という点が、「食中毒予防には、しっかり加熱したら大丈夫」という常識からずれているので、気をつけた方がよさそうです。 手や指に傷があるときは、その傷口が直接食品に接しないようにする事が、なによりの防止策です。 もうひとつは、「ウエルシュ菌」。 この菌も、自然に広く生息していて、土などに普通に居ます。 この菌は熱に強く100度で4時間加熱しても、死滅しません。そして、空気の無い所でも増殖できる能力があります。 これら、食中毒を起こす菌などは、日常的に存在しているものです。特別な存在ではありません。 そういう意味あいでは、「パン酵母」と、存在的にはなにひとつ変わらない菌です。ただ、パン酵母は人に害を与えないから「良い」とされ、黄色ブドウ球菌やウエルシュ菌は、人に対して毒性があるので「悪い」とされているわけです。 さて、対策です。 食中毒対策の基本として、3つの合言葉があります。「つけない」「ふやさない」「やっつける」です。これは、常識の範囲内ですから、あたりまえのことさえすれば、防げるはずです。 やはり、重要なことは、「手洗いや器具の洗浄(つけない)」事だと思います。つけなければ、増えません。増えなければ、毒性は低いのです。健康な人ならば、少量の菌では、食中毒にはなりません。 ですから、なにはともあれ、「つけない」事を徹底する事が大切です。 とはいえ、自家製酵母などは「菌が増えやすい環境」で種を起こす訳ですから、特に「種起こし時」に気をつけなければいけません。パン酵母と一緒に、食中毒菌を増やさないように。そして、まったく発泡が起こらなくて、嫌な匂いがしたら、潔く廃棄する心構えが大切です。この場合のみ、「もったいない」は、危険です。 ある程度、酸度が高くなれば、パン酵母や有益な菌にとって住みやすく、他の菌にとっては増えにくくなりますので、特に自家製酵母の「種起こし」の素材の表面と、容器の洗浄には、気をつけておきたいものです。 もちろん、パンを作る際の「手洗い」も、当然ながら忘れずに行いたいものです。 衛生的な作業は、癖にしてしまうと、全く苦ではありません。なにより、癖にする事が大切なのです。 と、このような「眠くなる」話を、年に1度、この季節に聞かなければなりません・・・。すこしは、共感していただけるでしょうか。大切な話なのに、眠くなってしまう・・・訳です。毎年ですからね。 では、最後まで御静聴、ありがとうございました。(笑)
2005年06月30日
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今日は、「画像オプション」の機能テストですので、気にしないで下さい。 どうなるんだろうか、と思って・・・。 これ、一度、テレビ番組の「トリビアの泉」の「金の脳」の中に、入れて欲しいな。だれか、持ってないかなぁ。 菓子パンって、美味しそうな写真を上手に撮るのが、とても難しいパンだと思う。 縦横高さの三次元立体物を、縦横だけの二次元の写真に置き換えてしまうということ(回りくどい言い方をしたけれど、要は写真を撮るということ)は、技術が必要な事なのだと、自ら確認するしかない。 菓子パンは下火で焼け。とは、うちの師匠の言葉だが、いまだによく意味がわからない。下火以外で、どうやって焼けと言うのだろう。 下火を強めに、という事なのだろうか。そうなのかもしれない。 菓子パンは、火力の弱いオーブンの方がいい。も、うちの師匠の言葉だが、これは、なんとなく意味がわかる。 フランスパンを焼くようなオーブンでは、日本独自の「菓子パン」の持ち味である「しっとり感」が失われてしまうから、かな? オーブンの熱量を使い分ける、というのも、パン作りの要素の一つ。 もちろん、どんなパンを作りたいか、というイメージがあっての事だと思うけれども。
2005年06月30日
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先日から、レーズン種をグレープジュース(ウェルチ)で継いでいます。 その醗酵液を使用して、パン・リュスティックをつくりました。(つくりかた) ※注意 作り方は全般について、「御家庭で作るパン・リュスティック」のレシピを参照のこと・前日仕込み 60% レジャンデール 60% 醗酵液(レーズン種グレープジュース種継ぎ) 粉と醗酵液をヘラでざっくり混ぜて、発酵させる。 容積比が2倍強になったら、冷蔵庫に保管し、 オーバーナイトさせる(12時間)・本ごね 前日仕込み種 全量 20% 水 2% 塩 40% レジャンデール0.2% モルト・パウダー(なくても良い) まず、前日仕込み種の容器に、水と塩を入れる。 それを、仕込み種がばらばらになるぐらいまでヘラで撹拌する。 撹拌が終わったら、粉とモルトパウダーを入れ、まんべんなく混ざるくらいに、ヘラで合わせる。 ここからあとは、「御家庭でつくる~」の作り方を参照。 ただし、時間は、生地と相談の事。 あとは、焼成まで、ほぼ変わらず。 (感想) ・レーズン種をグレープジュースで継ぐことは、不可能ではない。 ・粉の風味は、イーストを使用するよりも、引き出すことが出来なかったが、 自家製酵母特有の酸味と苦味を取り入れることには成功した。 ・「御家庭~」より、若干、生地がだれるような気がするが、きちんとした パンが出来る。自信を持って、最初の「まぜ」を終えること。 ・焼成時、色付きが早い。これは、グレープジュースの糖分が、かなり残って いることが原因と考えられる。 ・粉はレジャンデールを使用したが、これは、普通のフランスパン専用粉、 もしくは、国内産小麦を使用した方が、面白いかもしれない。 酵母の特性は、日本型イーストに近いようなので、レジャンデールの 粉の持ち味を引き出せなかったのは、残念だった。 (課題) ・レーズン種をグレープジュースで継ぐことには、意味があるのか。
2005年06月04日
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自家製酵母で、リュスティックを作りました。 用いた種は、レーズン種なのですが、ブドウジュースで継いだ醗酵液を使用しました。 作り方は「御家庭でも~」のリュスティックのレシピなのですが、ポーリッシュ法を採用してつくりましたから、すこし変更があります。 今日は時間がないので、レシピはアップしませんが。近々。 内層は、ちょっと細かいですね。パンチがきつかったようです。 風味は、淡泊でした。もうちょっと、粉の力をひきだせると思ったのですが。 改良の余地あり、です。<例によって、売る気はない
2005年05月31日
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今回の日記は、目的が不純です。パンの知識について、書くのが目的ではありませんので、まーったく期待しないで下さい。御期待にはそぐえません。 お気に入り日記に登録して頂いていらっしゃる方のサイトに行くと、「イーストの危険性?」という文字が、目に飛び込んでくるので、私自身が「ドキッ」っとするから、日記を書いています。最新タイトルを変えたいだけなんです。 不純ですよね。(笑)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ とはいえ、前回の日記で書いた事は、私の正直な感想ですから、「ほら話」という訳ではありません。 私のする「ほら話」は、相手に、荒唐無稽な世界の話をして、善意で喜ばせようとするものですから。 ちなみに、「ほら話」をする事は、日常の私の、「とても好きな事」の一つですが(あまりやりすぎると、本気で言った事も信じてくれなくなるのが、やや問題ですけど・・・)、イーストの件は、以前から「なんでそんな事言ってはるんやろか」と思っていましたので、主張するには良い機会でした。 すこし、話が変わりますが、私は、スーパーなどに買い物に行く時に、仕事柄、ついついパン売り場に足を運んでしまいます。 先日、食パンの棚に「イーストフード、乳化剤、不使用」と書いてあるプライスカードを見かけました。ほうほう、と、実際に食パンを手にとってみて、内容物表示を確認してみると、どうして入っているのか意味がわからない(いや、正確には、意味はわかるが、入れる必要が無い)材料が羅列してありました。 あえて、「イーストフード・乳化剤不使用」の宣伝文句をつけた目的は、安心、安全を重点的にアピールのでしょう。 確かに、その食パンには「イーストフードと乳化剤」を使用していませんでしたが、明らかに「余計なもの」が入っていました。「天然素材」を使用する事により、同様の効果を得る事で、イーストフードと乳化剤の代用とするつもりだと思われます。 大手の工場では、機械を使用したラインで、パンを製造します。 機械を使うことは、生地に多大なるストレスを加える事になりますので、従来は、そのストレスによる影響を最小限に抑制する為に、「イーストフードと乳化剤」を加えて来ました。 しかし、「イーストフードと乳化剤の添加」が顧客に受けが良くない事であることが知られてくると、「イーストフードと乳化剤」を入れずに、ラインを通っても大丈夫である生地作りの必要性が生じてきました。 そのため、「イーストフードと乳化剤」を入れない、妙な配合のパンが生み出されていく訳で。 そんなことなら、まだ、「イーストフードと乳化剤」を使ってくれたほうが、まし、と思ったわけで・・・。なぜなら、そのほうが、安価に、ラインを通る生地を作る事ができる訳ですから。配合をこねくり回すよりは、どれだけ、潔いことでしょう。 それと同時に、そういった「宣伝文句(イーストフード、乳化剤、不使用)」を使用する事が、あまりパンの事を良くわかっていない、なによりの証拠なのです。 もし、パンの事を理解しているのでしたら、「工業生産品のように作られるパンの限界」はわかるのですから、イーストフードや乳化剤を使わないだけでは、なにも変わらないと思うのですが・・・。 スーパーを責める訳では無いのですが(あんなに多品種のモノを置いてあって、専門的な知識まであったら、無敵です。中小商店はとっくに潰れてます。)、「パンってその程度の認識で良いんだなぁ」と、がっくりと気分が落ち込んできますね。 世の中の「パンの認識」とは、このようなものです。あまり、パンについて、正確な情報が伝わっているとは思えませんし、市場売り上げの75%は、大手の袋パンである、という事柄からも、それを見い出す事ができるかもしれません。 しかも、パンは外来の食文化です。 今後、フランスやドイツなどのように、伝統のある食文化や地域色のある食文化、技能の必要な食文化は、政府などから保護される可能性がありますが(ex. フランスのA.O.C、M.O.F、ドイツのマイスター制度など)、日本におけるパンについては、保護される可能性は、かなり低いと思われます。 そんな日本のパン事情の中で、「イーストには危険性がある!」だなんて、断定される方がいらっしゃるとすれば、私としては「イーストの弁護」をしたくなる訳です。両者の意見が存在して、はじめて「議論」が成り立つ訳で・・・。 たまには、きっちり弁護する人間がいても、良いんじゃないかなぁ、と思います。 そんな性格だから、このようなサイトを開いている訳で・・・。 本当は、そんなに暇じゃないんですよ~。こういった「商売抜きで慈善事業」をするのが趣味なんです。(笑) まず最初に「商売抜きで、書く事」としたのは、自由に正直に書きたかったからですし、あくまでも正体を明かさないのも、商売が絡んでくるからです。おおっぴらに書くと、いろいろ影響が出て来そうなので・・・。 あと、信じる信じないは、御自身の判断で、ということで。 世の中には、人の数だけ、正義がありますから。 ぐだぐだと、書いてしまいました。 いまさら、上記のような事は、皆さんが承知の上でしょうから、改めて書く必要もないのですが、まぁ、ついで、ということで・・・。(2005年3月20日、補筆しましたが、収拾つかない・・・駄文ですね。時間のある時に、ひとつひとつのテーマを、丁寧に書いていきたいと思います。)
2005年03月13日
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うり坊さんから、質問を頂いたのですが、例によって、文字数が収まらなくなってしまいましたので、「日記」に書かせて頂きます。 質問は、工業的に生産されているイーストの危険性について、でした。 私としては、逆に危険性について、科学的根拠に基づいて書かれている、なにかしらの文献がありましたら、とても説明しやすいんですけれども・・・。 いや、そんなことをすれば、問題が生じるかもしれませんね。穏便にいきましょう。 ちなみに、私はイーストも自家製酵母も、両方とも使いますし、それらについては、問題なく思っている、という事を、最初に書いておきます。別にどちらでも、その酵母の資質に合ったパン(というより、パンに合った資質)を選択して、作ればいいんじゃないかなぁ、と、思いますが・・・。 さて、基本的に、イーストは工業的に生産されていますが、酵母を培地で純粋培養し、それを遠心分離器にかけて、培地と酵母を完全に分離し、しかも、洗浄し、乾燥させて、良くみかけるイーストが出来上がります。 確かに、培地にリン、窒素、廃蜜糖を使用しますが、それらは、酵母の生育に必要な「栄養素」で、植物の肥料にあたります。 もし、仮にそれらが洗浄後に、人体に危険がある程残留しているとすれば、酵母はそれ自身が一つの細胞のようなものですので、酵母自体、死んでしまうでしょう。 その死んでしまった酵母が、混入していたとすれば、確かに「有害」とは言えます(言えます、ですからね)。 ですが、身体に蓄積する程、毒性があるかどうかは、定かではありません。 大手工場で生産されるイーストは、極めて安全性の高い製品である、と、私は思っています。 安全性が、「完全」ではないのは、どの食品でも、同じことだと思います。 実は、私は「イーストの危険性」について、科学的な根拠に基づいて書かれているものを、何一つ読んだことがないんです。 しかし、言葉のすりかえを行って「危険性があるんやでー」と、大袈裟にしている文例は、上げることが出来ます。そういったのは、だいたい、イーストフードの危険性とごちゃまぜにしていますね。あまり、信用しては、いけません。<あーあ、結局、穏便じゃなくなっちゃった・・・ ちなみに、イーストフードの危険性は、過去「臭素酸カリウム」という発ガン性物質を使っていたことが由来してます(現在は業界で自主規制。しかし、某社で使用を再開した模様。安全性に関しては、各自の御判断で・・・)。 現在は、臭素酸カリウムの代用として、ビタミンC(アスコルビン酸)を使用しています。ビタミンCは、おなじみのものと同じですから。 もし、臭素酸カリウムを使用しているパンを食べたくなければ、大手製品でしたら、袋の表示に、きっちり書いてあります。リテイルなどのパン屋でしたら、まず、使用していないでしょう。まれに、あったりしますが・・・。 とにかく、化学製品について、やたら難しい名前なので、不安になりますが、化学製品に限らず、まったく自然のものでも、難しい名前にできますから、正確な知識に基づいて、考えていくべきことと、私は考えています。 なにも考えず、なにも感じず、生活していると、危険性に気がつきません。が、逆に安全であることにも気がつきません。 食品の安全性に関して、情報の開示は生産者側に必要な事だと思います。しかし、消費者が、それを関心事にしなければ、まったく意味がない事になります。 わざわざ、「安全性」を訴えなければ、食べ物を売る事ができないという世の中では、ため息をつくしかありません。そして、「安全性」を確認しなければ、食べ物を買う事ができないという世の中も、寂しいなぁ、と、思います。<ここは、感情論ですので、気に入らなくても、気にしないで下さい・・・。個人的意見です。
2005年03月07日
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お店で、お客さまによく質問されることがらがある。「卵を使っていないパンはありますか?」「牛乳を使っていないパンはありますか?」 時々、このような質問も。「小麦を使っていないパンはありますか?」 ほとんどの場合、アレルギーに関連している「質問」だと、認識している。 私の回答は、いつも同じ・・・。「申し訳ございませんが、少量でもアレルゲン物質の混入の可能性が否定できませんので、ここに並んでいるパンは、お客さまにはお勧めしかねます。」 アレルギーに関して、なにも知らなかった時には、単に「材料に使用していない」だけでよいと思っていた事もあったけれど、それは全く間違いで、ほんの微量でも、発症する可能性がある事を知り、それからは、お断りしてばかり・・・。 アレルギーに完全に対応する為には、それなりの知識が必要だと思う。 アレルギーに悩んでいらっしゃる方が多いし、好きなのに食べられないという苦痛は、想像を絶する事だと思う。 でも、現状では対応できない。しようと思っても、できない。「お勧めしかねます」 この言葉を使う度に、私はいつも頭を抱えて、なんとか出来ないのだろうか、と思う。 まったく関係ないけれど、自家製酵母のカンパーニュみたいなの。 これだって、アレルギーに対応しているか、というと、「お勧めしかねます」なので・・・。 なんで、アレルギーなんて、この世に存在するんだろう。
2005年03月02日
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http://www.mobacshow.com/ 今年は、大阪南港のインテックス大阪で、モバックショーが開催される。 この、モバックショーというのは、いわゆる「製菓・製パンの見本市」で、日本最大規模のもの。そして、年に一度、東京(幕張かな?)か大阪(インテックス)で、行われる。 製菓・製パンに関わる、いろんな業者が出展しているので、すこしでもかかわり合いがある人には、楽しいイベントとも言える。 有名なシェフのデモンストレーションあり、試食あり、普段見られない業務用オーブンや、業務用機械もふんだんにあり、とても興味深い。 今年は、エントリーすれば、入場料が無料となるようなので、参考までに、上記のサイトを掲載してみた。 興味がある方で、大阪に近い方は、見物がてら、いかがでしょう? 道具とかも、直売で安いですしね。サンプルもたくさんもらえますし。カタログも豊富ですから。
2005年01月14日
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なんとか、松の内に、こちらにも何か書いておかねばならない、と思いながら、キーボードを打つ指も心無しか重く、なにも書く気が起こりませんが、とりあえず、書いてます。 昨年は、自分でも「だいそれたこと」を始めちゃったもので(ここの事ですね・・・)、更新がストップしたり、酔っ払って変な事書いたりして、いろんな人に御迷惑をおかけしたような気がしますが、日本人の文化である「水に流して~」とか、「過ぎたるは及ばざるがごとし」とか、そういった言葉を思い浮かべて、忘れてしまいましょう。<身勝手 そもそも、更新がストップしたのは「乳酸菌について」なんて書こうとしたからで、もう、こうなったら、すっとばして、書ける事から書いていこうと、開き直ってます。 酵母の次は、もちろん、小麦ですね。でも、乳酸菌も忘れている訳ではありませんので。 でも、考えてを進めていくと、「現代のパンの醗酵」って、「醗酵」として捉えていいのかな?と思ったりしますが。まぁ、これは、また、別の話ですが。 とりあえず、私はあっちこっち話が飛ぶし(しかも、関係ない事を書いたりするし・・・)、更新もままならない可能性も多々ありますが、のんびり付き合って下さいませ。 ちなみに、次の更新の確証はありません。(笑) あ、レスもつけなあかん・・・かも。<かも、じゃない ・・・時差があると思って、待っててください。待てない時は・・・諦めてください・・・。
2005年01月03日
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パン職人になって、パンをある程度作れるようになったのはいいのだけれども、ふと、考える事がある。 パンを作れる事が、本当に、人様にとって、幸せを与える仕事なのだろうか? これでは語弊があるかな? とにかく、今のパン業界の現状と、日本の食文化を総合して考えると、とても不安になってしまうのだ。 パン業界の市場の7割以上は、大手の袋パンによる消費。残りの3割が、私どものような、パン職人のいる、パン屋。 でも、その3割の中でも、冷凍生地を使っているところもあるし、自家製酵母だけのところもある。本当に、その3割の中で様々なスタンスでパンをつくっている。 それに加え、御家庭でのパン作り。 これに関しては、商売ではないので、私の範疇ではないのだが、子供の為(自分の為?)に、パンを作る事自体は、とてもいいことだとおもう。 ただし、きちんとした知識なり技術なりの、よき手本が少ないのが現状。マニュアル通り、やれば作れるような、そんなパンは、パン作りとしては、初歩段階。その初歩段階でいいのか?と思う時もあるけど、趣味なんだから、それでもええやん、と、自分を納得させている。<本気で、趣味ならそれで良いと思う。それが「趣味」なのだ 私は、自分の技術で、どこでも生きていける能力を身につけたいと思ってきた。でも、ほんとうに、それで、よかったのだろうか、最近心配になってきた。 結局、私は、どうしたいんだろう。 悩みながら、今日もパンを作る。
2004年12月05日
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しばらく楽天をごぶさたしているうちに、1万カウント超えてたんですよね。 こんなに更新していないのに、わざわざアクセスして下さるのは、とてもありがたいのですが、なかなか書かない私ですから、申し訳ないですね。 別に、出し惜しみしている訳ではなくて、なんだか、実生活がドタバタしていたり、自分の興味にのめりこんでいたり、なんやかんやで、「楽天がごぶさた」な訳で・・・。 仕事が終わって帰宅してから、他の方の日記など、つまみ食いで読んでますが、コメントや一口メモを張り付けていく気力もなく、毎日、お酒を少々頂いてから寝てます。気がつけば朝が来て、仕事をして、帰宅して・・・。そんな毎日ですね。 つけたいコメントや一口メモが滞っているのは、私自身の体力の無さに由来しているので、「あ~あ」って感じですね。 さて、これからの記載予定を書いておきます。 これは、自分の為です。 演奏会と同じで、プログラムを組んでおかないと、収拾つかなくなりますから。 まず、現在進行中の「自家製酵母について」は、「主に関係している細菌について」と「食中毒の危険性」を書いて、ひとまず置くことにします。「自家製酵母」の関連事項は、幅広く、あとから追記する形で、整えていこうと思っています。 その後、基本的材料である、「小麦粉」「塩」「砂糖」「油脂」などと、続ける予定ですが、それぞれ派生する事項が多く、一巡目はざざっとダイジェストで、とりあえずは「材料について」の関連事項を揃えてしまおうと思っています。 製法については、それぞれの特色があるのですが、製法と材料の組み合わせは星の数ほどありますので、製法によって、どんなパンができるか、と言う面よりも、製法により、どんな効果が得られるか、どんなデメリットがあるか、という面から書いていきたいと思っています。 なんて、未来予定図を描いてみても、実際に「ほんまに書くんかいっ!」とつっこまれると、「うーん。まぁ、ぼちぼち。適当に・・・」と、逃げてしまいそうですけどね。 まぁ、気長にお付き合い下さい。 ネットは、時間の流れが早いので、置いてかれそうです。(笑) 最後に、これだけのんびり運営している、私のサイトにアクセスして頂いている方に、本当に感謝いたします。 そして、なにか、質問がございましたら、知っている事はお答えしますので、遠慮なく。楽天で自分の日記を書くより、疑問にお答えする方が、ずいぶん楽ですから。
2004年09月30日
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このサイトの主旨とは異なるけど、とりあえず、何も書かないのはいかがなものか、と、学校のテストの時にとりあえず空欄を埋めてみる気持で、なにかしらの文章を書いていきます。 ですので、パンとは全く関係ないですね。(笑) 先日、整体院に行ってきました。 さすがに、身体にガタが来ているので、こういう施設に頼るのも、仕方がない事です。もう、若くないですからね。 とりあえず、「夏バテなんですよー。身体がだるいし、なんとかしてください」と、取り留めない会話をしてみました。 先生は、一通り、体中をくにくにしてくれて、身体自体は、妙に軽くなった感じ。とても不思議な感覚でした。 で、そのあと、先生に「食欲がないんですよねぇ」なんて言ってみると、「じゃ、ちょっと見てみましょう」と、お腹あたりを擦られました。 すると、「胃が5センチ下がってますね。上げておきましょう」とのこと。 胃が?5センチ下がってる?? とにかく、やって頂きました。たしかに、最近食欲不振でしたし、ダメモトで。 で、やっていただいたら、食欲が湧いてくるではないですか!びっくりです。西洋医術しかした事なかった人間にとっては、本当に目からウロコでした。 それから、いろいろと、やって頂き、徐々に体調が戻りつつあります。 夏バテした身体を、回復させている途中といったほうが正しいでしょう。 とにかく、その整体の先生には、ビックリでした。 手で撫で付けるだけで、調子が悪くなっている場所が直っていくなんて・・・。東洋の神秘です。 私のような合理主義者にとっては、不思議でたまりません。 まぁ、結果オーライで、すこしづつ元気になってきている訳ですから、それはそれで、いいことだと思います。 こちらのコンテンツも、元気になったついでに、徐々に構築していきたいと、願っています。<願っているだけかいっ!
2004年09月13日
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パン作りのプロフェッショナルとアマチュアの差は? いろんな観点から、語られる事の多い話題の一つだと思う。 私自身は、パンに関しては技術者であるが、それ以外は趣味人を超えるレベルではない。料理しかり、音楽しかり、芸術鑑賞しかり。でも、その趣味達は、結局、パン作りにつながってくるのだが、気持に差がある。その差は一体どこに出てくるのか。 私は、「一つのテーマを追求して、掘り下げていく」のがプロの技術者ではないか、と思っている。 趣味での私のスタンスは「ある程度できて、ある程度満足できたら、それでいい」という程度。 このスタンスの違いは、作るものが、誰によって受け止められるか、という点が、一番の差になっていくのだと思う。 プロの場合、自分の作るパンは、御客様がいて、はじめて成り立つ。御客様が受け入れる事のないパンを作っても(それは、レベルの高低を含めて)、食べてもらえないパンを作る事は、自己満足に過ぎない。自己満足で終わらせてはならないところが、プロの技術者に課せられた使命であると思う。しかも、そうでないと、食いっぱぐれてしまう危険もある。 趣味のアマチュアの場合、作ったパンは、とりあえず、自分が作る事に満足すれば良いし、それが他人に「美味しい」と言ってもらえれば、なおさら良い。それが、趣味の世界である。 出来不出来があってもいい。失敗を繰り返してもいい。とりあえずは、自分が楽しめれば、それで「趣味」としては目的を達成している。 それに加えて、なんとなく本業のレベルに近付ければ、それはそれで、嬉しい事だ。 職業として、食えるか食えないか、という意味での、プロとアマの差は、完全なる性質の違いである。 しかし、共通である「パンを作る」と言う面に関しては、プロでもアマでも、一緒である。パンは、誰が作ろうと、パン。パンの前に、人は平等である。 パンは食べ物である。それを美味しく作るか、そうでないものを作るかは、作り手次第。技術と知識と経験がものを言う。 とにかく、プロだろうと、アマチュアだろうと、「パンの事(そして、パンにまつわる事)」を知る事が重要な要素になるのではないか、と思う。 知る事は、人それぞれの段階でいいと思う。お気軽に作りたい人は、お気軽に作る為の知識でいいし、逆に極めたい人は、極める為の知識を求めるのが良い。 しかし、それでも、「自分が知っていないと言う事実」を知るという事が、大切な要素だと思う。 いわゆる「無知の知」と呼ばれるものである。これは重要な事だと思う。 生まれてすぐに、大人と同じぐらいの知識や経験を持っている子供など存在しないのと同じ事で、パン作りはじめてから、全ての要素を知っている人など存在しない。 つまりは、学習することにより、パン作りを学んでいくという事になる。 人は歴史書に書かれている以前から、パンを焼きはじめた。その累積した知識の恩恵を受け、私達は、今の世で、パンを焼いている。 その「蓄積した知識」を、自分の知識として取り入れ、自分の血とし、肉とし、自分のパンを作り、次の世代へと伝えていく。これが、人類が人類たる所以であるし、それが知識の累積となりえる。 パン製法というものは、今に生きている私達自身が発明した技術ではなく、先人達の苦労や失敗によって蓄積した知識によって作られている、という事を知る事は大切な事だと思う。 これから、パンという食べ物が、どのように変化してのかは、私にはわからない。 しかし、先人の知恵は、既に存在している事実なので、少しだけ調べる手間さえ怠らなければ、先人の知恵を知る事ができる。 そういった知識や知恵から学びとった事を自分のものとして、私はパンを作り、パンを食べててもらい、少しでも「美味しい」と言っていただければ、それがパンを作る者としての何よりもの喜びだと思う。 人それぞれ、どんなパンを作ってもいい。100人居たら100種類のパンを焼いてもいい。どんなパンを作りたいか、バラバラでもいい。 でも、先人の苦労によって蓄積された知識については、すこしだけでもその事実を頭の片隅にでも、入れておいて欲しいと、私は願っている。 そして、そう考え、そう行動する事が、これからのパン作りという製パン技術の将来の世界を、より一層広げる礎になると、私は思っている。(2004年9月3日に、タイトルと文章を改編しました)
2004年08月27日
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しばらく、旅に出ます(もちろん、実際に出る訳じゃないですけど)。 いろんな事を、もっと感じたいので、仕事以外では、なるべくパンから離れていたい気分です。 パン作りに飽きた訳ではなく、もっと美味しいパンを作りたいから、そう思うのです。 といっても、ほんとうに、すぐに帰ってくるような気がします。体力が落ちているので、前進力が足りないから、逃避したいのでしょう。それが、本音に近いですね。 そんなわけで、しばらく、こちらでの活動を停止します。 残っているレスなどは、今日は遅いので、明日につけますが、あとは、ストップします。 私のわがままで、本当に申し訳ないのですが。 では、また、あとで、お会いしましょう。
2004年08月19日
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さるさるに文章は書いたので、画像と軽い文章のみです。こんな画像を撮影してみました。 ちなみに、内層は、こんな感じでした。 そして、レジャンデール100%のポーリッシュ法のフランスパンとのボリュームの比較は、こんな感じ。 ま、こんな感じでした。あいかわらず、写真は苦手なので、このぐらいで、御勘弁下さい。ちなみに、製品化する予定はありません。試作のみの予定です。うちのスタッフの食べさせた所、「おいしいけど、ね。」だそうです。「ね。」って、なんやねん!って、その答えに私は「そうやなぁ」と答えましたが・・・。(笑)
2004年08月17日
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これは、左に移さない文章になりますね。 でも、ちょっと長くなりそうなので、こちらに書いていく事にします。 まず、初めに、「パン・ド・ミ」って、何なんでしょう。私の作る「パン・ド・ミ」は、山形の牛乳100%使用の食パンです。でも、これは「パン・ド・ミ」という商品名であって、実際の「パン・ド・ミ」は、すこし意味が違います。 さしあたり、「パン・ド・ミ」とは、フランス語です。Pain de mieと書いて「パン・ド・ミ」と読みます。これは、直訳すると「中身のパン」となります。 中身のパン、とは、日本人にとっては、妙な表現ですが、基本的にフランス人は、「パン」とは、皮(クラスト)に旨さを感じる人たちですので、皮が多いパンが好まれます。ですので、その意に反した「中身の多いパン」は、フランス人にとっては、「ちょっと普通のパンとはちゃうねんで」という感覚になります。 そして、フランスにおいてのpain de mieは、どのような扱いか、と申しますと、主に「カナッペ」や「サンドウィッチ」などに使われ、日本人が当たり前のように「トースト」している様な食べ方は、フランス人にとっては、特別な食べ方になります。 つまり、フランスにおいてのpain de mieとは、フランスのpain de mieであり、日本における「パン・ド・ミ」とは、すっかり捉え方がずれてしまっている、と考えて良いと思います。 で、日本における「パン・ド・ミ」ですが、これはまるっきり「食パン」と考えて、間違いないと思います。ただ、呼称がフランス風になっているだけ、というだけです。 そもそも、pain de mieが日本に広まったのは、10年程前に、フランス系の名前の付いた某店が、山形食パンを「パン・ド・ミ」という商品名で売り出し、それがヒットし、それが原因で、全国に「山形食パン=パン・ド・ミ」となったというだけで、基本的に、パン・ド・ミの定義はとてもあいまいなものである、というのが、私の考え方です。 日本においての「パン・ド・ミ」は、フランスのおいてのpain de mieとは、すこし異なっているのは、味覚の好みの違いが大きいと思います。 日本人は、基本的に「もっちり、しっとり」を好みますが、フランス人はそうではありません。ですので、「パン・ド・ミ」とpain de mieが異なるのは、味覚の概念の差異と考える事ができます。 結論。 日本においての「パン・ド・ミ」とは、基本的に山形食パンのことである。配合上で、特に定義される特徴はなく、形状と呼称が、その特徴だと考える事ができる。主な用途はトースト用、もしくは、サンドウィッチ用であり、それは通常の食パンと、あからさまな差異はない。 こんな感じです。 もっとぶっちゃけて書いてしまうと、「パン・ド・ミ=山形食パン」と考えても良いと思います。 では、イギリスパンとパン・ド・ミの差異は何か? これは、配合上の微妙な差でしょう。 イギリスパンは、食パンよりもリーンな生地を使用するのが一般的です。パンドミは、食パンの生地ぐらいのリーンでもなく、リッチでもない生地を使用するのが一般的です(もちろん、いろんな配合があるので、だいたいそのぐらい、という感じです)。 こんな感じでよろしいでしょうか?>ちょこぱんさん
2004年08月10日
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気がつけば、半月も間をあけてしまいました。 いつまでも、書かないわけにもいきませんし、ここに文章を蓄積するのが本来の活動目的なわけですから、きちんと、最低週1ペースぐらいで書いていきたいものですね。 と、「週1ペース宣言」をしてみたところで、やっぱり、書けないときは書けないわけで・・・。 現代の時間の流れはとても早いと感じていますが、やはり、私はそれに流されず、自分のペースを守って、「パンについての知識」を書いていきたいと思います。 もちろん、上記は、遅筆の言い訳ですが・・・。(汗)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 自家製酵母についての第3回は、「自家製酵母の特性」について考えていきます。 まず、自家製酵母とイーストの、根本的な違いとは何でしょう。 それは、発酵と品質の安定性です。 イーストは、純粋培養された酵母が安定した状態で供給されています。同じ銘柄のイーストなら、10グラム入れれば、イーストの品質が悪くなっていない限り、きちんと10グラムの効果が出ます。 これが、安定性というものです。 イーストは発酵に対して安定性を持っているのと比べ、自家製酵母は、発酵がかなり不安定です。 それは、自家製酵母による発酵が、いろいろな酵母や菌などの活動が混合した「酵母と菌の共同作業」であることが理由です。 自家製酵母のパンを作るには、まず「種起こし」から始めるわけですが、この時点で、何から種を起こすか、という選択肢が生まれます。 そして、種を起こしてからも、それが強いか弱いか、という状況が起こります。もちろん、そこには、「パン酵母がどれだけ含まれているのか」という事と、「その他の細菌群は、どのようになっているのか」という事が由来しています。 つまり、種を起こす所から、自家製酵母は不安定なものなのです。 その不安定さの要因は、種起こしする材料にも由来しますし、種起こしの状況にも由来しますし、種継ぎの時の発酵時間や温度にも由来します。 もし、それで、常に安定した「自家製酵母」を維持する為には、とてもたくさんの要素の「管理」が必要とされます。 それほど、「自家製酵母」というものは、繊細なものなのです。 しかし、その繊細な自家製酵母でパンを作るという事は、イーストでパンを作る事よりも、多くの事を考える必要がある事から、パンという食べ物についての理解を深める「最高の教材」とも言えるでしょう。自家製酵母で起こるトラブルを解決できるようになれば、イーストを使って、より美味しいパンを作る「知識と経験」を得る事になると思います。 自家製酵母のパンは、基本的に伝統的な技法ですから、パン作りの基礎とも言えますし、長いパン技術の伝統を考える上でも、重要な要素とも言えるでしょう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ さて、自家製酵母の特性ですが、まずは、その自家製酵母の構成要素を考えていきましょう。 まず、自家製酵母をきちんとした手段で起こすと、その自家製酵母には、パン酵母がいるはずです。そして、乳酸菌がいて、酢酸菌がいて、もしかすると、雑菌がいる可能性も考えられます。 もし、パン酵母がいない場合には、パンにならない場合があります。つまり、生地は焼いてもは少ししか膨らまず、酸味や苦味だけの「パンらしきもの」になる、ということです。 自家製酵母を使って作るパンは、基本的にイーストのパンと比較して、発酵時間が長くなります。 意図的に、イーストを使用し「長時間発酵」を行う場合もありますが、それに関しては、後で触れる事になります。 自家製酵母のパンが、イーストのパンより、生地に含まれるパン酵母の数が少ないことが、「長時間の発酵が必要になる」原因です。 長時間発酵は、生地の熟成が進みますので、味わいに関して、メリットがあります。 そして、「生地の熟成」とは、発酵によるガスの発生と発酵生成物の生成とは別の要素になります。同じ小麦粉を使用した食べ物である「うどん」の生地の熟成は、発酵を伴っていない、という点が、理解の糸口になると考えられます。 その為、「長時間発酵」は、発酵により酵母から生成される「発酵生成物の旨み」と、生地の熟成による、「生地自体の旨み」が得られると考えることができるでしょう。 短時間で作るパンには、どうしても生地の熟成が不足してしまうのですが、自家製酵母を使用することにより、知らず知らずに、長時間発酵になり、知らず知らずに、生地が熟成され、もちろん発酵による生成物の旨みも加わり、「自家製酵母独特」とも思える味わい深いパンを作ることが可能になります。 何より、自家製酵母のパンの発酵では、乳酸菌や酢酸菌の発酵生成物をパンの味わいに加わることも、重要な点です。 自家製酵母の特性とは、つまりこういうことになります。・パンができあがるまで、長時間かかるため、生地の熟成が進む。・乳酸菌と酢酸菌による、発酵生成物(有機酸)が独特の味わいや風味を生み出す。 上記2点が、自家製酵母の特性とも言えるでしょう。 しかし、イーストを少量使用し、長時間発酵を行えば、「生地の熟成」は確保する事ができます。 ですので、自家製酵母の最大の特性は、「パン酵母以外の菌の活動による発酵生成物の確保」という点が、もっとも重要な点であると考えることができます。 次回は、自家製酵母における「パン酵母以外の菌の活動(乳酸菌と酢酸菌の活動)」について、考えていきたいと思います。
2004年07月27日
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しばらくのごぶさたでした。 これを書かなきゃなぁ、と思いつつ、よそのサイトに「一口メモ」張り付けたり、、書かなきゃなぁ、と思いながら、酔っ払って寝てしまったり。そんなこんなでしたが、やっと重い腰をあげて、書く事にしました。 しかし、こんなに更新していない日記(ブログ)に、毎日100アクセスとは・・・。楽天の力か・・・。 とりあえず、今日も、始めてみましょう。 今日は、「自家製酵母の軽い歴史」です。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 第1回では、「自家製酵母」という言葉を定義しました。世の中に、「自家製酵母」やら、「天然酵母」やら、なんやらかんやら、表現が溢れているので、私のサイトでの統一した表現として「自家製酵母」を扱う為に、定義せざるを得ないというのは、いかがなものかと。 あと、これは、「自家製酵母」とは関係ないのですが、「冷蔵発酵」という言葉。これも、多少表現として問題ありなのですが、また、後日、それについては、触れたいと思います。私的には、「冷蔵発酵」という「発酵」は無い、と思っています。言葉的には「冷蔵熟成」の方が、正しいし、単に「冷蔵発酵すれば、生地が良くなる」とも考えていません。「冷蔵発酵」は、ある意味、ごまかしの技術であり、まっとうなパンを作る為には、その「ごまかし」た事を修正して、パンを作らねば、良い状態のパンを作る事が出来ません。・・・と、今回は、「自家製酵母の歴史」が内容ですので、これは、余談ですね。 本題に入ります。 世の中、いろんな「自家製酵母」があります。いろんなものから「自家製酵母」が起こす事ができる可能性の話は、前回書きましたが、今回は、その次の話の「自家製酵母の歴史」を考えていこうと思います。 そもそも、「自家製酵母のパン」というものは、パンの伝統的な作り方の一つです。 パン酵母の存在を世に知らしめたのは19世紀のフランス人であるパスツールですが、パスツールは、パン酵母だけでなく、ワイン酵母などの存在も発見している、「酵母の父」とよんでも良いような人物です。 そういう事ですので、イーストを使ったパン作りは、19世紀後半に、やっと始まった事になり、それまでは、「自家製酵母」によってパン作りが行われていました。 パン食の文化の発達したヨーロッパにおいては、そういった経緯により、「自家製酵母」から「イースト」へ、パンを作る為の酵母は変遷していった訳です。 余談ですが、ヨーロッパでは、2度の世界大戦に巻き込まれ、ヨーロッパ中が壊滅的な被害を受けるまでは、パン作りは、主婦の仕事でもあり、パン屋の仕事でもありました。 世界大戦で、街が荒廃し、大変だったパン作りを主婦が出来なくなってしまい(窯も戦争で破壊されてしまった事も要因の一つ)、その後は、パン屋がパン作りを一手に引き受ける事になっていきました。 パン自体の歴史は、どこまで遡れるのか。すこしだけ触れてみたいと思います。 まず、パンは、無発酵パンとして誕生しました。 紀元前7000年ぐらいのメソポタミア(現在のイラクあたり)にて、小麦や大麦を栽培して、食されていたと言われています。当時は、お粥や煎餅状のものを食べていたと言われていますので、今で言う「無発酵パン」の原形は、ここにあると考えられます。 その無発酵パンは、エジプトに渡り、発酵パンとして、発達していきます。当時は、なんと太陽光を利用した窯でパンを焼いていたりしていました。暑いエジプトならではですね。 エジプトでは、主にユダヤ人が、パン作りに従事していました。そして、ローマ帝国が地中海一体を支配した頃、そのユダヤ人達も、ローマ帝国の地域に散らばり、地中海沿岸から、ヨーロッパへ、パン作りが広まっていきました。 甘いパンが生まれたのは、ビール酵母を利用するようになってからです。これは、オーストリアのハプスブルグ家が力を持つようになり、ウィーンの文化が華開いた頃、なにかのきっかけで、パンにビール種を利用するようになりました。ビール種は、耐糖性が、それまでの種より強く、甘いパン(ブリオッシュやクグロフなど)が作られるようになりました。それが、フランスへ渡っていったのです。 ドイツでは、小麦があまり取れない気候でしたので、ライ麦による製パンが発達しました。ライ麦をいかに美味しく食べるか、という発想から、サワー種などが考えられ、それは、現在のドイツパンの特徴でもあります。 フランスでは、ウィーンから渡ってきた、ヴィエノワズリーと、伝統的なカンパーニュが発達する事となります。 19世紀末、イーストが使われるようになると、現在よく見られる「バゲット」のような、フランスパンが作られるようになりました。フランスパンとは、以外と新しいパンなんです。 ざっと、ここまで書いてきましたが、自家製酵母のほんとうにおおまかな流れをわかって頂けますでしょうか。 自家製酵母のパンは、ヨーロッパにおいて、伝統的なパンであり、そして、それは現在でも伝統的なパンとして扱われている。 パン文化のなかった日本においては、同時にいろんなパンが流入してきていますので、そのパン自体の歴史について、考える事は少ないのですが、歴史を知る事により、そのパンが、どのようにして発展して、どのように食べられてきたのかを知る事が出来ます。 そういう理解が、本当の自家製酵母という特性を知る、手がかりになると思いましたので、今回は、簡単に「パンの歴史(自家製酵母を含む)」を考えてみました。 次回は、自家製酵母の特性について、考えていきたいと思います。
2004年07月13日
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繋がってしまえば、どこまでも繋がってしまうというネットの性質と、私のおせっかいな性格が災いして、「一口メモ」を張り付けても、だれのパンの何に関して、どんな「一口メモ」を張り付けたか、忘れてしまいがちです。 そもそも、私は忘れっぽい性格なのですが、それは文章も同じ事で、書いた端から、すぐに忘れてしまいます。あとで、読み返すと、「ああ、こんなこと考えてたんやなぁ」と、他人事のように、後から自分の文章を読んでしまいます。 それはそれで、客観的に自分の言葉を読む事が出来て良いという面もあるとは思いますが、これが、「一口メモ」となると、ちょっと話が違う場合があります。 あの「一口メモ」は、私がそのサイトで、状況を判断したり、推測したりして、参考になりそうな知識を「一口メモ」として、張り付けている為に、それは、普遍的な知識というよりも、「そのパンに関して」だけの知識(もしくは、知恵)である場合が多いのです。 つまり、同じようなパンでも、あるところで、「それはこねすぎ」と書いても、別の場所で「それは、こねたりない」という場合も、ありえる、と言う事です。 ですので、「一口メモ」に関しては、そのサイトに掲載されているパンに関して、その状況を踏まえた上で、張り付けている、と考えていただけると、いろんな状況での「判断基準」になり得る、と思います。 その点を注意して、私がよそ様のサイトに張り付けた「一口メモ」を読んでみていただけると、幸いです。 他の人が、どんなパンを作りたいのか、どんな問題が起こっているのか、それに対してどんな「一口メモ」がついているのか。それらを、一つの流れとして、受け取って頂きたいのです。 そもそも、私はパンに接することは多くても、超能力者ではありませんので、文章やパンを見て全てがわかる訳ではないのです。パンづくりは、本当に、たくさんの条件がかみ合って、一つのパンができあがっているわけで、もし、問題が生じていて、そのパンに私が「一口メモ」を張り付けたとしても、あくまで、そのパンに対しての「一口メモ」ですし、それは本当に正確かどうかは、実際に同じように作ってみて、効果が出るかどうかで、判断すべき事だと思っています。 そこだけは、本当に、押さえておいてほしいと思います。もちろん、多くの方はそれを承知で読んでらっしゃると思いますが、一応念のため、ここに書くことにしました。 ちなみに、当サイトの日記部分に書くであろう「パンに関する知識」と、左側に移した文章に関しては、なるべく、多くの人にとって役に立つであろうと思われる、「絶対的な部分」を書くつもりでおります。 そういう点から、一口メモの場合は「相対的部分」です。 そういうわけですので、ご了承の程を。
2004年07月08日
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NHKのプロジェクトXは、お気に入りの番組。 ものづくりのパッションを感じるとき、私は、ついつい涙もろくなってしまう。 今日は、「讃岐うどん」のための、「小麦の開発秘話」だった。始まって、15分で、もうだめ。そこからは、タオルを持ったまま、最後まで。 共感する事がたくさんあった。「香川のうどんを、香川の小麦でうちたい」「昔の小麦の香りを、もう一度・・・」 農業研究所の研究員さんの努力。農家の努力。うどん職人の思い入れ。それらが一つになった時、「さぬきの夢2000」という小麦が開発されたのだ。 妙に、私は共感してしまった。 私の場合は、うどんでなく、パンであるが、気持はあまり変わらない。そして、それぞれの人々の気持と、私の気持も、あまり変わりない。 番組が終わると、タオルはかなり湿っていた。 良い番組を見た。私も、国産小麦でパンを作る為に、なんらかの行動をとらなければならない、という、身勝手な使命感にかられる。ただし、この気持がどこまで持つか・・・。 さぬきの夢2000。素晴らしい気持のこもった小麦。私は、そういう、気持のこもったものが、一番好きだ。 私も、私の夢を叶える為に、パン作りだけでなく、なにかしらの行動を起こすべきなのかもしれない、と、正義感にすら近いものを感じた。 とにかく、今日のプロジェクトXは、私にとって、とてもタイムリーな番組だった。
2004年07月06日
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まず、自家製酵母の定義をしなければいけません。 世の中には、「自家製酵母」とか「天然酵母」とか「自然種」とか、いろんな呼称があって、どこかに統一しておかなければ、表現がおかしくなってしまいます。 ちなみに、うちのサイトで言うところの「酵母」は、いわゆるイーストを含むパン酵母全てを指しています。製パンに向いている酵母を「パン酵母」としています。 さて、自家製酵母の定義を行いますが、このサイトでは、「パン酵母が付着したものから、パンの作り手自身によって、培養したパン酵母および細菌群」とします。 レーズンから起こしたり、リンゴから起こしたり、ビールから起こしたり、イチジクから起こしたり。要は、そんな感じです。 地球上の至る所に、微生物なり、酵母なりは生息しています。ですので、どんなものでも、「自家製酵母」を起こす事ができる可能性はあります。 しかし、この「可能性」は、「付着しているパン酵母がゼロでは無い」という事で、「含まれているパン酵母の強い、弱い」には、関係ありません。 極端な例を出せば、有名な「天然酵母」であるパネトーネ種などは、羊(あれ?山羊だったかな?)の腸内に生息しているパン酵母です。どうやって、その酵母を取り出すかは、御想像にお任せします。 そういうわけで、この世の中の至る所に、パン酵母が存在している事を、まずは理解しておきたいと思います。 ちなみにいわゆる「天然酵母」のほうですが、私の考えでは、世の中に通用しているパン酵母はイーストを含めてすべて「天然のもの」と考えています。「天然でない酵母」というものがあれば、あえて「天然」と呼称することが出来ると思いますが、すべて「天然」のものですので、わざわざ「天然」と呼ばなくても・・・。 そういうわけで、私はあまり好きな言葉では無いのですが、一般的に「天然酵母」という言葉が通用しているので、それに従い、さしあたり、私も「天然酵母」という言葉を扱っています。 どうして、こんな「言葉の混乱」が起こったのか・・・。 多分、「酵母の入っている生地」を「種」と呼ぶのですが、それが「種=酵母」となったと考えるのが、妥当な線です。 過去の資料をひもときますと「天然酵母」というよりも「自然種」と書かれている文献が多いので、どこかで言葉の混乱が生じたのか、と、考えています。 つまり、「自然=天然」プラス「種=酵母」で、「天然酵母」。ちょっとした、言葉の取り違えが、現在の混乱の原因でしょう。 まとめます。1)「自家製酵母」は作り手によって、なんらかのものから起こされたパン酵母と細菌群、または、それらを含む液(発酵液)。2)「自然種」は、その「自家製酵母」から作られた「生地」。3)「天然酵母」は、1)と2)を含み、酵母での状態も、発酵液での状態も、生地での状態も含む、通称。(ただし、当サイトでは、私自身が使用することを自粛させて頂きます。でないと、混乱しますので。) そういうわけで、第1回は、共通の土壌を用意しておかないと、この「自家製酵母」に関しては、誤解を招きやすいものですので・・・。 最後に、「ホシノ天然酵母」について、すこしだけ、私見を書いておきます。 ホシノ天然酵母は、パン酵母と乳酸菌と麹を調合し、それを簡便な形で流通させているものです。くわしくは、公式サイトをご覧下さればよいと思いますが。 ホシノ天然酵母に限らず、自家製酵母も、イーストも、すべて「生き物」です。ですので、きちんとした「生育しやすい」環境を整えてあげる事が、一番大事な事です。 つまり、パン酵母は、パンを作る上では、単に「パン酵母」でしかありません。どれを選択したとしても、パン酵母が活動してくれなければ、パンにはなりません。その点が、ほかのパン作りに使用する食材と異なることです。 どのパン酵母を選択するかは、あくまでも作り手が、どんなパンをつくりたいか、という「頭の中のイメージ」で変化します。 そして、それぞれの「酵母の特性」がありますので、その「酵母の特性」を考えてパン作りを行う事が、なによりも大事なことだと思います。
2004年07月02日
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http://allabout.co.jp/gourmet/bread/subject/msubsub_baking1_2.htm 上記URLに、掲載して頂きました。 「All About Japan パン」は、私が毎日チェックしているサイトで、とても充実したリンク集と、ガイドの清水さんのとても上質なレポートが、とても気に入っています。 ものは試し、と、恥ずかしながら「自薦」してみたところ、本日、メールが届き、「掲載」とのこと。やった! でも、ここからが本番。 せっかく掲載して頂いたのだから、きっちりコンテンツを固めていかないといけません。 まだまだ、サイト自体は未熟なので、これから徐々にコンテンツをアップしていくつもりですが。私自身は、書きたいばっかりなのですが・・・。 とにかく、ひとつ、目標をクリアしました。すこし、嬉しかったような、気恥ずかしいような、そんな感じです。 上記とは関係ないですが。 私のサイトの「おすすめ日記」に登録されてしまった方へ。時々、私の余計な「一口メモ」が日記のレス、及び掲示板などに、張り付けられる可能性があります(もちろん、パン作りに関する事のみです)。あくまでも、好意のつもりです。でも、本当に「余計なお世話」の場合もあります。 そんなわけで、御注意ください。 そして、私のサイトを「おすすめ日記」にされた場合も、即刻こちらから「おすすめ日記」のリンクを張ります。 覚悟して下さい。(笑)
2004年06月30日
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ここに来て、よくわからない事がある。 まず、日記に「感想」をつける場合。 返答したい場合は、その「感想」にレスをつければ、いい、と思われる。 つぎに、サイト来訪者が掲示板にメッセージを残した場合。これが、よくわからない。 掲示板にレスをつけるのがいいのか、それとも、楽天広場にサイトがあれば、そちらにお邪魔して、掲示板に書き込めば良いのか、それとも、両方すればいいのか・・・。 様子を伺ってみると、どうやら、掲示板の場合は、書き込んだ人のサイトにお邪魔して、返事を書けば良いような気がするのだけど・・・。 なにか、ローカルルールというものが、あるのだろうか。 ブログというものが、よくわからないまま始めてしまった為、こんな基本的な事が、よくわからないのは、情けない話。 ちなみに、「パンの知識編」が止まっているのは、次が「自家製酵母」の事だから・・・。 自家製酵母は、とても面白い酵母なのだけど、「知識」として書く場合は、「パンの歴史」から始めるべきか、それとも、現状の分析だけでいいのか・・・。 とりあえず、「現状の分析」をまず書いて、次に「パンの歴史」を書くと、すっきりするかもしれない。 となると、「酵母について」は、4回で終わりで、次回は「自家製酵母について」を何回かやって、「パンの歴史」と続ける手はずになるのだろうか・・・。 おまけに、基本的な事を見つめなおすと、気が付く事が多い事多い事! 横道にそれまくってしまうのは、目に見えている。 でも、ここは、「日記」なんだよね。 さしあたり、ちょっと、混乱中です。
2004年06月29日
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さて、「酵母について」の第4回は、一般に流通している、パン酵母の形状について考えいきたいと思います。 おおまかに分けて、現在流通しているパン酵母の形状は、4つです。1)生イースト2)ドライ・イースト3)インスタント・ドライイースト4)醗酵種(生地種の場合と、液種の場合がある)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~1)生イースト これは、業務用では特に良く使用されてい形状のイーストです。「生」ですので、生きた酵母を粘土状にキューブにしたものです。2)ドライ・イースト これは、生イーストを低温乾燥させて作ったものです。粒状になっており、使用する時は、お湯などに溶かし、予備醗酵をさせて使用します。 低温乾燥させて作られる為、表面の酵母は乾燥し、死んだ酵母(死滅酵母)で被われている中に、生きた酵母がくるまれている状態になっています。 予備醗酵とは、乾燥した状態の表面の死滅酵母を溶かすと共に、中の酵母までふやかして、活動を呼び起こすような意味合いがあります。3)インスタント・ドライ・イースト ドライ・イーストに比べ、粒が小さく顆粒状になっていて、より水分が少なく、保存が効きます。しかも、ドライ・イーストで必要だった「予備醗酵」が必要無く、混合する時に、すぐに投入できます。 生イーストと比べ、水分が飛んでいる分だけ比重が軽い為、だいたい同じだけのパン酵母の量にする場合(レシピを生とドライとを変換する時)、生3:ドライ1の比率で考えると、考えやすいと思います。 具体的には、フランスパンを生イーストで作る場合、ベーカーズパーセントで2%入れますが、ドライになると0.6~7%になります。 少し余談になりますが・・・。 パンを焼く時、香ばしい香りとキツネ色の焼き色がつきますが、これは、イースト自体持っているアミノ酸も、表面の炭化にすこし関係してきます(他にも小麦粉や、糖や、副材料も関係してきますが、ここではおいておきます。酵母の話ですので・・・)。 酵母も生き物ですので、主要な構成要素は、アミノ酸です。 ドライ・イーストも、インスタント・ドライ・イーストも、乾燥させて作る為、表面のパン酵母は死んでしまった酵母(死滅酵母)で被われています。死んでしまった酵母は、生き物としては天寿を全うしましたが、亡がらにはアミノ酸が残っていますので、このタイプのイーストは、パンの色付きや香りが、生イーストよりも、若干良いと考える事ができます。4)醗酵種 このタイプは、一見、パン生地のような感じで、流通しているものと、液種として流通しているものがあります。 もちろん、その生地の中には、パン酵母がいる訳です。その醗酵種をパン生地に混合して、使用します。 パネトーネ種や、酒種などに、良く見られます。 酵母の流通時の形状は、以上の4種類ですが、中身のパン酵母については、形状とは直接関係はありません。 つまり、生イーストだけど、ヨーロッパ型酵母というものもあるし、ドライだけど、日本型酵母という場合もあります。中には、自家製酵母をドライにしたものもあります。 酵母の流通時の形状は、酵母の特性とはあまり関係がないので、それぞれの酵母自体が、どのような特性であるかは、製造元の説明を聞くか、実際に使用するかして、判断する必要があると考えられます。(25日に追記と表現の変更をしました)
2004年06月23日
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私が国産小麦を使う理由は、日本で、日本人が、日本人の為に、パンを作っているから、日本の小麦を使いたい。 たった、これだけの「思い」からです。 ただし、私にも「出来る事と出来ない事」がありますので(フリーハンドで商売をしている訳ではない、という事です)、「国産小麦のイギリスパン」しか、作っていません。他にも試作をしましたが、これだけにしています。 しかも、あと少しで、お気に入りの国産小麦の在庫がなくなってしまうので、次の小麦の収穫があるまでは、作らないつもりです。 外国産小麦の安全性に関しての問題点は、もちろん知っていますが、現状ではどうにもならない事も、多々あります。 それを解決する方法は、2つあります。 1つは、安全な方法で輸入する事。 2つ目は、使わない事。 私は、商売でパン作りをやっていますので、コストと顧客動向が「行動指標」に関わってきます。少なくとも、私の住んでいる地方のお客さまは、「国産小麦を選択する」方が、とても少ないのが、現実です。これでは、コストをかけても、商売になりません。 何度か書いていますが、小麦は農産物です。農産物には、生育に適している土地があります。 そして、小麦製品も、本来は、その土地で栽培されたものを、長い歴史をかけて、美味しく食べていく工夫の蓄積で、出来上がったものです。 少なくとも、パンは、日本のものではありません。現在は、外来の文化であるパンが、日本の食文化に溶け込もうとしている最中だと考えています。 日本のパンを、日本の小麦で焼く。かっこいいじゃないですか。 しかし、今現在、国産小麦は、最高の外国産小麦の品質、もしくは、日本人好みのパンを焼く能力には、まだ力不足なのは、歪めません。 年々の技術の向上と、パン用の国産小麦への注目度の増加から、10年前と比較して、現在の国産小麦は、外国産小麦と遜色なく膨らみます。しかし、まだ、「普通レベルの外国産小麦」と同等か、少し下ぐらいのレベルだと、私は考えています。 6月18日の日記だけでは言葉が足りなかったので、補足させて頂きました。 私は、誰がどんな材料で、どんなパンをつくりたい、とか、どんなパンが好きだ、と思っても、それを否定するつもりはありません。 作る人が、自分の意思で、材料を選ぶ事が大事だと考えます。 作る人が良い思うパンが、作る人にとって、一番良いパンです。 今回は、「パンの作り手」という視点だけで見ていますので、その点はご了承下さい。
2004年06月21日
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先日、気になるニュースを耳にました。 それは、「地球温暖化がこのまま進めば、50年後には、青森ではリンゴが栽培できなくなる」というものでした。 つまり、これは、日本の農作物の地図が、塗り替えられてしまうかもしれない、という事です。 鹿児島でコーヒーとか、愛媛でパイナップルとか、青森でみかんとか、北海道で茶畑とか、そういった具合に、現在のそれぞれの特産品と呼ばれているものが、北上してしまうのです。 これと、国産小麦が、どう関係があるか。 パンに向く小麦の栽培に適している環境は、寒暖の差が激しく、雨が少ないこと、と聞いています。北海道は、比較的、そのような環境であることから、北海道産の小麦が、パンに使用されている訳です。 もし、仮に、その説が実際に起こったのならば、日本では、パンに向いた小麦を栽培する事が、不可能となるかもしれません。 もうひとつ、ニュースを耳にしました。 それは、「某大手パンメーカーが、北海道産小麦(ホクシン)を使用した(しかも、グルテンの添加無しで)食パンを、6月1日から、関東地方で発売した」というものです。 価格は170円。 グルテンの添加のない、国産小麦を使用した食パンを、大手のメーカーが、作るだなんて、考えもしませんでした。 大手の作る食パンは、ほとんど機械を通すもので、それは、工業生産品のように、生産されています。 そんなラインに、国産小麦が通るなんて、驚くばかりです。 この二つのニュースは、国産小麦の将来の明暗をわからなくさせます。私は、国産小麦を使ったパンを、もっと取り上げて、是非とも純国産のパンを作る事が、普通になればいいな、と思っていましたが・・・。 さしあたり、後者の「某大手~」の件で、国産小麦の消費は増える事でしょう。小麦の品種改良も盛んになると思いますし、作付け面積も増えるかもしれません。これは、良い話です。 でも、前者の「温暖化~」の件は、困ったものです。 品種改良が、追い付けば良いのですが・・・。< 国産小麦でつくる、イギリスパン > ( はじめに ) 私は、このパンを作るまでは「国産小麦はパンには向いていないから、使いたくない」と思っていました。 でも、ある時、真剣に、国産小麦と向かい合ってパンを作った時、生まれたのが、このイギリスパンです。このきっかけを作ってくれた方に、感謝の至り。きっと、私一人では、このパンを作る事は出来なかったでしょう。( 作り方 )・・・って、今日はここまでで・・・後日、「作り方」に、アップしなおします。
2004年06月18日
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楽天広場に引っ越しして、サイトのスタンスを変えて、こう思った。「ネットで、パン作ってるみたい・・・」 ネットなんて、情報がたくさんあって、好きなように、知りたい事だけ選べて、便利だという段階から、ネットで情報を交換する事で、自分の知らない事がたくさんあるんだな、という思いに、変わってきた。 職場でパンを作っていたり、パンの本を読んでいたりしても、これほど、色んな事を考える環境は、ネットをおいて、他に思い当たらない。 しかも、こちらが時間の都合をあわせる必要もなく、ただ、パソコンを立ち上げて、ネットに繋ぐだけで、色んな人の考えを知り、いろんな人に自分の考えを伝える事ができるなんて、便利な世の中になったものだと思う。 私のこのサイトの場合、「パンの世界」を旅する人の為の「観光案内所」みたいなものだ。 こちらでも、いろいろ情報を用意するけど、旅人が「あ、そういえば、綺麗なステンドグラスがある教会があるって聞いたんですけど、どう行ったら良いんですか?」と聞かれたり、「美味しい名物料理の店はどこですか?」と聞かれたり、「バスの時刻表を教えてくれ」と聞かれたり・・・。様々な事を聞かれる「観光案内所」。 パンの世界は、広くて、深くて、迷いやすい。 私は、その「観光案内所」の良き案内人になれれば、訪れる人も、私も、楽しく過ごせるのではないか、と思う。 パンの世界を訪れる観光客は、それぞれの感性で、それぞれ見たいものが異なっている。 私の好みや知識で答えられる場合もあれば、そうでない場合もあるだろう。それはそれで、私の勉強不足だ、ということで・・・。 なるべく、良い案内人になりたいものだ。
2004年06月15日
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「酵母について」の第3回は、酵母を含む、微生物の活動について、考えていきたいと思います。 昔、人間がまだ小麦を水に溶いて焼いていた頃、多分偶然に、ワインかビールか、なんらかの酵母がその生地に付着したんでしょう。当時の人は、普段ならのっぺりしているはずの生地が、膨らんでいるのを見て、何を思ったのでしょうか。 パン酵母を使って、当たり前のようにパンを焼いている私達にとっては、知る余地もありませんが、最初に「醗酵パン」を焼いた人は、きっと挑戦者か、無謀な人だったのでしょう。「まぁ、捨てるのはもったいないし、焼いてみたら・・・」 この好奇心が、現在のパンにつながっているのです。 さて、それでは、醗酵とはなにかという事を考えていこうと思います。 醗酵とは、微生物が生きていく為に、糖を食べて、なんらかのものを出すことです。 私達同様に、微生物も生き物ですので、なにかエネルギーを得る事なしに生きていけません。微生物達はエネルギーを糖に求め、その結果として、炭酸ガスを出します。ガスを出すだけではなく、アルコールを出したり、酵素を出したり、いろんな生成物を生み出します。そういう活動を「醗酵」と呼んでいます。 ほかの微生物の活動としては、ヨーグルトを作る乳酸菌や、酢を作る酢酸菌や、酒を作る麹などが、良く知られています。 ちなみに、醗酵と腐敗は、紙一重です。 人間にとって、利益のあることは「醗酵」と呼び、損になる事は「腐敗」と呼びます。どちらも、微生物の活動が生み出した結果なのですから、人間本意の呼称だと思いますが、言葉を使えるのは人間ですので、微生物達は、甘んじて受け入れるしかなさそうです。 パン生地が醗酵することと、パンにカビがいくことは、微生物の視点からは、あまり変わりがない、と言えます。 そういう訳なので、パン酵母が活動しやすい温度や湿度などは、他の微生物も活動しやすい環境と考えて良いと思います。 パン酵母は、そういった微生物のなかの一つであり、人間にとって、有益な(おいしい?)ものを作ってくれるので、その活動は「醗酵」と、呼ばれています。 パン酵母にとっては、別に好きで「醗酵」している訳ではなく、生きる為に「醗酵」しているのですから、私達は、そのパン酵母と付き合う時には、「いかにその環境を整えてあげるか」を考える必要があると思います。
2004年06月14日
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NAONAO3さんから、昨日の日記のレス部分にて、質問を頂きました。また、日記にて回答いたしたいと思います。ちなみに、こういった内容でした。(抜粋)>私の場合は天然酵母で作りますので、発酵に時間がかかります。時間の経過とともにグルテン膜が緩んでいくということは天然酵母だとどうなのでしょうか?捏ねで必要最大限をねらったとして、その段階ではいい状態でも発酵による時間経過で崩壊しちゃった・・・ということになるのでしょうか?>では捏ねは甘めにして、リュスティックのようにパンチしてグルテンをつないでいく・・・という方法では、やはりそれはリュスティックになってしまうのかしら?>私も目指してるのはクラストはパリパリで固くて、クラムはしっとりシュワシュワ~~って溶けていく食感のフランスパンを天然酵母(出来れば自家製酵母)で作りたいんです。>私もレーズン酵母ですが、その風味・旨味は生かしたいんです。 まず最初に、自家製酵母でパンを作る為には、前提条件が必要です。 昨日、ちらっと書きましたが、まず、強い種を作る事。そして、乳酸菌と酢酸菌のバランスを整える事(このため、温度管理が大事なのです)。 2002年5月の「長時間醗酵天然酵母フランスパン」を作った時は、醗酵液から、種継ぎなしで、パンを作りました。 通常、レーズンから種を起こし、醗酵液を作り、何度か種次をして、パン酵母を増やし、パンを作りますが、ショートカットしてしまいました。 もちろん、それでは通常よりパン酵母の数が少ないと思われたので、日記には書いていませんが、吸水をすべて醗酵液でまかなうという暴挙に出ました。つまり、前日に醗酵液30%粉30%でポーリッシュ種を作り、本ごね時にあとの35%の吸水の水分は全て醗酵液です。 こうする事により、乳酸菌と酢酸菌の増殖よりも先にパン酵母を醗酵させてしまおうと考えたのです。 結果、普通のフランスパンに近いものは出来ました。しかし、吸水を醗酵液でまかなった為、醗酵液自体の甘さが、フランスパンに加わってしまいました。たしか、様子を見ながら、パンチを2回ぐらい行ったような気がします。このときの醗酵温度も、25度近辺にして気をつけました。 なぜ25度か。これは、乳酸菌と酢酸菌が、バランスよく活動する温度が25度近辺だからです。温度が高くなると、乳酸菌が頑張って、苦くなり、温度が低くなると、酢酸菌が頑張って、酸っぱくなります。 どちらも、突出しては、味のバランスが崩れてしまいますので、25度は大事なポイントです。 それ以前に、パン酵母の力が強くないと、パンが出来上がる前に、乳酸菌と酢酸菌のつくったものがパンの味を支配し、美味しくありません。 自家製酵母系のパンは、良く焼き込むと、美味しさが増すような気がします。 そして、レーズン酵母の風味と書いてありましたが、酵母自体には、風味も旨味もありません。醗酵液が甘いのは、レーズン自体の果糖に由来しますし、種次を繰り返すと、その果糖も、必然的に減って行きます。 自家製酵母の風味とは、結局の所、メインのパン酵母と、乳酸菌と酢酸菌によってもたらされる、と考えたほうが、良いと思います。 もちろん、私のように、醗酵液をストレートに使用すると、レーズンの味もパンに入りますが・・・。 さて、生地の状態に関してですが、これは、自家製酵母のパン酵母部分がどれだけの力を持っているかによって変化しますが、大体の場合、あまり強くないので、ミキシングは若干はやい目に切り上げたほうが良いです。 のんびりのんびり醗酵が進みますので、何度かパンチを入れてあげないと、生地が弛んでしまいます。それを前提に入れて、ミキシングははやい目に。 とりあえず、このぐらいで。 なにか、足りない所があれば、レスを下さい。
2004年06月13日
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常盤 雪さんから、掲示板に質問を頂きました。 しかも、この質問は、かなりの難題です。質問内容が、多岐にわたる、フランスパンの根っこの質問であり、回答には、私の経験と知識をフル動員しても、よくわからない部分もあるからです。でも、できるだけお答えします。 でも、文字だけで、解決するでしょうか・・・。本当に、文章力が問われますが、表現力がないので、長文になってしまいました。掲示板では文字制限がありますので、また、例によって、こちらで。 そして、いつものように、根拠のある推測です・・・。>生地が固い、次に発酵不足とジャムおばさんへのレスにありますが>普通のフランスパン生地の腰が強い、もしくは締めが強い時も>発酵不足になりやすいでしょうか?>>反対に腰がない、締めが弱い時はホイロは短めと思ってよいでしょうか? まず、「生地の状態」と「醗酵の状態」を切り離して考える必要があります。これを一緒に考えると、二次方程式よりも難しいです。 先に、生地の状態から考えていきましょう。 常盤 雪さんの書いている「腰の強さ」と「締めの強さ」とは、生地の状態=「腰の強さ」、整形の加減=「締めの強さ」と、私は捉えていいのでしょうか?そう考えていいのでしょうか? そうするならば、生地の腰の強さは、グルテンの強さに由来するので、その腰の強弱は、時間経過と吸水で変化します(あと、酵母から出てくる酵素と、生地の酸化も関係しているのですが、さしあたって、置いておきます)。 フランスパンの生地を作り上げる段階で、グルテンの形成は終わっているので、そこから先は、グルテン膜の崩壊との戦いと思って下さい。グルテン膜は、時間の経過により弛んでいきます・・・。 次に、醗酵状態を考えていきましょう。 醗酵を開始した酵母は、周りの小麦粉のデンプンを麦芽糖に分解し、ブドウ糖に分解し、やっとのこと栄養を手にした酵母は、炭酸ガスを発生させます。 さて、これで、やっと生地と醗酵が組み合わさる訳です。 醗酵がすすむと、酵母はどんどんデンプンを食べ続け、炭酸ガスを生成し、グルテン膜の中にガスを溜め込み、生地全体が膨らんでいきます。 そうやって、生地は緩み続けますが、風船を膨らますように、炭酸ガスが生地内部にたまっていきますので、実際にはゆるんだようには、見えません。緩んだ分だけ、炭酸ガスがたまってくる生地内部の気泡の表面積が大きくなるからです。 と、こんな具合で、お答えする前の事前情報をお伝えしました。 今回の、最初の質問への回答を、さっぱり書くと、「生地の腰と締め」と「醗酵の過不足」は関係あるのですが、「生地の腰と締め」で、「醗酵の過不足」は判断できない、と言う事です。「生地の状態」と「醗酵の状態」は、別の軸で進んでいる事ですので(といっても、二重螺旋のようにからまっていますが)、別々に考えたほうが、理解しやすいと思います。>まずはパン・トラディショネルの生地をしっかり作る事が先決でしょうか? パン・トラディショネルの生地は、本当に基本の基本ですので(といっても、一番難しかったりしますが・・・)、ストレートできっちり状況を把握しながらやっていかれる事が、一番の近道です。 理想的なパンのイメージがあるのでしたら、それに向かって、いろいろ手順を工夫してやってみては、いかがでしょう。 ただ、一つだけ、問題点があります。 パン・トラディショネルには、力のあるオーブンが必要です。必要な理由は、内部の気泡まで、はやく熱を通してあげないと、皮が固まってしまい、ボリュームも内層も、思ったようにいかないからです。 外部からじっくり火を通すと、その間に、外側から固まっていき、気泡が膨らもうにも、膨らめなくなってしまいます。 御家庭のオーブンでそれを改善する為には、なるべく厚い目の石のプレートを、事前に温めておいて、石から出てくる遠赤外線を、なるたけ生地に浴びせかけてあげる、ぐらいしか、思い付きません。 プロのパン屋で、石釜を備え付けているお店のパンが、中までしっかり火が通り、外がカリッとしているのは、石釜の遠赤外線が、効果絶大だからです。 フランスパン専用オーブンでも、下面に石が敷いてあります。これも、同じ理由からです。全面が石に被われている、石釜には負けますが、効果はあります。 オーブンの力さえあれば、弱い粉でも、十分にいいフランスパンが出来ます。 御家庭では、その点だけ、設備的に限界があります。他は、なんとかなるものです。 上記だけでは、ちょっと足りない部分もあるのですが、補足質問回答なりで、対応させて頂きます。
2004年06月12日
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とりあえず、写真だけです。 作り方は、近日、書くことにします。とりあえず、「つくりかた」のところから空白になっているページを、作ってあります。そのうち、付け足しますので、御了承くださいませ。でも、100%中だね法ですので、ニーダーでもだいじょうぶなんでしょうか?不安なので、フランスパン同様、業務用レシピでいくと思います。参考になればよいのですが。ちなみに、粉の香りとうまみは、食パンとしては抜群だと思います。フランスパンが好きな方向きの、小麦粉の風味を楽しむ食パンです。
2004年06月11日
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季節柄、この時期は、本業の業務は、暇になります。 だからこそ、毎日、日記を書いているのです。(笑) 私は、筆がはやいほうですので、考えがまとまっていると、日記ぐらいの文章でしたら10分ちょいで、なんとかなります。それに、レスつけたり、よそのサイトにちょっかいだしにいったり(迷惑な話だ)、まぁ、そんなこんなで、パソコンの前に1時間ぐらいはいるでしょうか。 おかげさまで、最近、新聞を読む時間がなくなりました。テレビも見てません(元から見てないけど)。家にいる時は、パソコンの前でキーを打って、酒飲んで、11時くらいに寝て、5時に起きて、仕事に行って・・・。そんな毎日です。 そうこうするうち、仕事がたまってきており、逃避行動で、ネットに繋ぐ・・・。ええんかなぁ。(笑) そんなわけで、日記やレスが停滞しても、無視してる、と思わないで下さいね。 ここに来て、パンの事を書くのは、とても楽しいですから。 知識編は、その合間に、ぼちぼちやっていきます。 このペースだと、何年かかるんだろう・・・。
2004年06月10日
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NAONAO3さんの昨日の御質問にお答えして、日記にかえさせて頂きます。正解かどうかはわかりません。あくまで、推理です。根拠はあるのですが、断定できませんので、ご了承下さい。>焼き色がつきにくい点 結論から言いますと、生地を発酵させすぎ、ではないでしょうか? 醗酵不足だと、色がつきやすいし、醗酵過多だと、色がつきにくい。というのが、フランスパンの特徴です。砂糖が入っていない分、酵母が粉の中の糖分を分解して食べてしまうので、そういうふうになります。 底がこげている、と言う事は、十分に火が通っている証拠ですし、クープが開かないのは、酵母がもうクタクタになってしまい、オーブンのなかで最後の一働きをしてくれなかったんじゃないでしょうか。 こういった場合、味自体は、結構美味しいんですよね。それは、醗酵が十分に進んでいるからです。 この件につきましては、その点(発酵させすぎ)を気をつければ、他の工程は何も変えなくても、良いと思います。それでもダメなら・・・、って、色付きに関しては、他に思い当たりません。>天然酵母 天然酵母、という一般的な呼び方は、私の酵母の分類の仕方では、「パン酵母+乳酸菌&酢酸菌」という、酵母と菌のタッグマッチ戦のこと、と、認識しています。 要は、その「パン酵母」のほうが「パン作り」の主役です。で、「乳酸菌&酢酸菌」は、名脇役(迷脇役、のときもあります)です。 主役だけで舞台は成功しますが、脇役だけでは、どうにもなりません。主役と脇役との共演が、大事なのです。 で、その主役である「パン酵母」が、どちらかのタイプかであるはず、なのですが。ヨーロッパ型だと、いいんですが。そうでない場合もありえます。 実際の所、作ってみた感じで判断するか、純粋培養して顕微鏡でみる(無理です・・・)しか判断しようがないので、はっきりは断定できません。 仮定の話になりますが、「酵母について」の所でさらっと書いていますが、酵母とは、その土地に住み着いているものですので、日本に住み着いている酵母は、基本的に日本型の働きをする、と考えたほうが自然です。つまり、日本で起こした天然酵母は、種次をすればする程、日本型になっていく、と考えたほうが、自然かと思います。>天然酵母とフランスパン専用粉との相性 フランスパン専用粉は、ヨーロッパ型イーストと長時間醗酵を前提に作られています。 長時間醗酵については、天然酵母とはイーストに比べて力が弱い為、ほっといても長時間醗酵になってしまうでしょう。 相性は、お好みで・・・。(笑) 悪くはない、と思いますが・・・。 参考程度に書くと、私の作っている天然酵母のパンは、レジャンデール85%ライ麦15%の割合です。そして、サフ・インスタントを0.1%加えています。邪道でしょ? 私の考え方でいくと、「パンを作っているんだから、パン酵母が主役でないといけない」ですので、パン酵母が弱かったりするといけないので、主役を着飾らせて、脇役に負けないようにしています。 ずっと、レジャンデールばっかり持ち上げて、まるで「日清製粉のまわし者」の様ですが、全く関係ありません。似たような感じの粉もありますが、私の好みだ、という感じでとらえていただければ。すごく気に入っているんですよね。レジャンデール。
2004年06月09日
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本当は、お休みするつもりだったのですが。 なんとなく、これを書いておこうと思って、書く事にします。 パンは、焼いたらキツネ色になります。もう少し焼くと、タヌキ色になります。思いっきり焼くと炭になります。 さて。どうして、炭になるか。 そもそも、炭になるということは、どう言う事か。 考えた事が、ありますか?「知らんがな。なんでも炭になるんとちゃうんか?」 と、考えるのが、普通でしょう。 でも、答えは「糖」という物質が、こげやすい物質であること。 思い当たる節はないですか? どうして、菓子パンとフランスパンでは、焼く時の温度が違うのでしょう。発酵しすぎたフランスパンは、どうして、焼き色が付きにくいのでしょう。そう思った事はありませんか? 糖は、そういったパンの焼き色に、とても関係があるのです。 もちろん、その焼き色の濃い薄いは、パンの香りに関係してくるのです。 そのうち、「糖について」を書く時に、もうすこし書いていきたいと思います。 予告編になってしまいました・・・。
2004年06月08日
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あまり、写真は得意じゃないので、とりあえず、「こんなかんじなんですよ」と、思って下さい。 私の作っている、バゲットです。 通常、バゲットと言えば、70センチの長さで350グラムの生地重量ですが、私のバゲットは60センチぐらいで、ちょっと寸胴です。クープも6本。本当なら7本入れるんですが。短くなった分、1本足りません。 短くなった理由が情けなくって、「袋に入らないから」です。特に信念があるわけでは、ございません。 ちょっと、今日は「酵母について」の続きを書く余力がなさそうなので、こんな感じで、日記を埋めてみました。 せっかくだから、参考程度に作り方を書いておきます。 御家庭向きになおしておりません。本当に、参考程度に。< フランスパン >(はじめに) フランスパンの本場のフランスでは「フランスパン」なんて言っても通じません。形や長さや大きさで、こまごまと名前が決まっていて、その名前で呼んでいるようです。 なんか、レシピなどには「パン・トラディショネル」なんて書いてあったりしますが、これは生地の名前であって、焼き上がったパンの名前ではないので、やっぱり普段呼ばれている「フランスパン」でいいのではないか、と思います。(材料) 60% レジャンデール(日清製粉) 40% フランス(鳥越製粉)0.5% ゴールドマルツ(BIB・ウルマ・シュパッツ社) 65% 水0.6% サフ・インスタント(ルサッフル社) 2% 塩(シママース)(作り方) スパイラルミキサーで(って、この時点で御家庭を無視してるよなぁ・・・)、粉、水、ゴールドマルツを混合する。 基本通り、20分オートリーズを取り、サフと塩を入れて、低速5分/高速2分。こねあげ温度24度。 30度80%のホイロにて、2時間醗酵後、軽くパンチして、30分醗酵。分割後、30分ベンチを置いて整形。 きちんと醗酵がとれていたら、70~80分ぐらいで、オーブンにて焼成。温度は250度。スチーム有り。 だいたい20分強にて、焼き上がり。(さいごに) ゴールドマルツ、とは、生地改良剤です。モルトとビタミンCの代わりに、入れています。最近では、御家庭でも入手できるようですね。なにしろ、手軽で便利ですので、利用していますが、本格派の方は、好まないみたいですね。 私は、「楽して美味しくできれば、それでいい」と考えるほうなので、計量が面倒なモルトシロップやアスコルビン酸溶液を兼ね備えている、この「改良剤」を使って、楽させて頂いています。 美味しさには、あまり変化がない、と、個人的には思っています。あまり楽しすぎると、しっぺ返しがくるので、ゴールドマルツ止まりですけど。 レジャンデールは、長時間醗酵のパンに向いていると思います。なんとなく理由はわかるのですが、断定できないので、軽く書きますが、レジャンデールはイーストの栄養がたくさん有るのか、イーストがすごくがんばってくれるので、フランス100%の配合より、0.1%分、イーストを減らしています。
2004年06月07日
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第1回では、「パンに使う酵母」について考えていきましたが、今回は、もうひとつ大きく、「酵母」の事を考えていく事にします。 一口に「酵母」といっても、たくさんの種類があります。 パンを作る酵母はもちろんのこと、ビールを作る酵母もあれば、日本酒を作る酵母もあるし、ワインを作る酵母もあります。酵母は、醗酵食品を通じて、人間の生活に密接に関わっているのです。 パン作りでは「イースト」を使用しますが、「イースト」とは、英語で「酵母」という意味です。 とはいうものの、パンを作る時には、「イースト」と言う呼び方で慣れていますし、「イースト」という呼び方で売られていますので、「イースト」=「酵母」ということだけを押さえておくだけで、十分だと思います。このあたりは、さらっと流しておきましょう。 酵母とは、どちらかというと植物に近い生き物なので、増える時には、芽を出して増えます。「とても素朴な植物」であると考えるとわかりやすいと思います。 植物に近いので、生きていく為には、酸素と水と栄養が必要ですし、寒かったら動かなくなるし、暑すぎたらバテます。 さて、酵母はたくさんの種類があって、それぞれがいろんな得意分野を持っています。それは、最初に書いた通りです。 そのなかでも、パン作り向いている活動をするものが、現在のパン作りに使われています。「酵母、酵母って、とりあえず酵母の紹介かいっ!」 はい。まずは、酵母の紹介でした。 さて、次回は、酵母の活動について考えていきましょう。
2004年06月06日
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さすがに、1週間ぶっ通しでコンテンツを書き続けると、疲れてしまった。一応、本業もあるので・・・。 予定通り、「パンの知識編」までたどり着けたので、今日はお休み。週末なので、仕事も大変ですので。 サイトの基礎がためというものは、本来なら、オフラインで行うものだけど、リアルタイムに基礎がためをしたため、厳しい1週間だった。 普段書くのが楽な分、ちょっと辛かったかも。 まぁ、無理してやる事もないし、焦る事もないので、ここからは、本領を発揮して(?)、のんびりやらせて頂きます。 ちなみに、明日(か、明後日)は、「酵母について 第2回」です。酵母本体について、書きたいと思っています。 しばらくおつきあいの程、よろしくお願いいたします。
2004年06月05日
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世の中、たくさんの酵母が流通してます。レーズンなどから種を起こしてパンを作る人もいます。 では、たくさんある酵母を、いったん整理してみましょう。 おおまか酵母を2種類に分けてしまいます。 糖を作れるか、作れないか、です。「なんやそれ。わけわからん。」 その通り。これだけ書くと、訳がわかりません。 訳がわかった人は、読み飛ばして下さい。 わからない人は、続けていきます。 では、こう書きましょう。 フランスパンに適しているか、そうでないか。 こう書くと、すっきりします。 フランスパンには、通常、砂糖は配合しません。 小麦粉、イースト(酵母)、水、塩の4つの材料で作るパンが、フランスパンです。 フランスパンは、菓子パンなどと比較して、醗酵時間が長いパンです。この醗酵時間は、「イーストが、自分の栄養となる糖を、小麦粉から自分で分解して生成し、自分で食べている」から、長くなるのです。 周りに栄養となる糖がないので、自分で作って食べて働いているなんて、なんて健気なんでしょう。 ちなみに、こういったイーストは、原産の酵母がヨーロッパに生息している為、「ヨーロッパ型」と呼ぶことにします。 具体的には、ルサッフル社のサフ・インスタント(赤)などが、入手しやすく、有名です。 では、フランスパンに適していないイーストのほうを考えていきましょう。適していないと言っても、まったく作れない訳ではありません。もしかしたら、作れるかもしれませんが、前者の「ヨーロッパ型」に比べて、フランスパンを作るのが、圧倒的に苦手なのです。 同じような書き方をすれば、周りに栄養となる糖がないと、あまり働いてくれない酵母と言えます。 では、どういった事が得意なのか。 周りに栄養となる糖が多い時に、すぐに頑張って働きはじめます。フランスパンよりも、菓子パンやブリオッシュなど、甘いパンが得意な酵母です。 日本には、こういった酵母が生きやすい環境なのか、元から住んでいたみたいです。こういった酵母達を「日本型」と呼ぶ事にします。 さて、おおまかに2つに酵母を分けました。 自分で糖を作れる「ヨーロッパ型」と、自分で糖をあんまり作らないで、周りの糖を積極的に利用する「日本型」の2種類です。 でも、こんな疑問がきっと生まれるでしょう。「じゃ、白神こだまとか、ホシノとか、どないやねん。」 これらも、どちらかでしょう。 でも、私は、昔に「ホシノ」をすこしだけ使った事があるだけなので、詳しくはなんとも言い様がありません。 単一の酵母の純粋培養でない為、酵母本来の働きの他に、べつの細菌が活動するのが、そういった「白神~」などの特徴だと考える事は出来ます。細菌を取り除けば、きっと「ヨーロッパ型」か「日本型」かを区別することができるでしょう。 ただし、ヨーロッパには「日本型」と似た働きをする酵母も生息しています。 例えば、パネトーネ種は日本型のイーストと似ています。でも、パネトーネ種は「ホシノ」などの酵母+細菌の組み合わせですので、純粋な酵母としての「日本型」に似ているか、といえば、ちょっと困ってしまう所です。 酵母については、まだまだ書く必要があるので、「ヨーロッパ型」と「日本型」のなかの、細かい分類は、後日に譲る事にします。
2004年06月04日
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真剣にパン作りをしていると、ほぼ間違いなく、どこかで煮詰まる。新しいパンを思い付かなくなってしまう。現状を維持するだけで精一杯になってしまう。 これは、よくよく考えてみると、当たり前の事だと思う。 別にこれは、パンに限った事ではなく、どんなことでも、どこかで煮詰まってしまうものだ。 さて、そういった時、そこを突破するかしないか、という選択肢が出てくる。 別に、その時点で満足していたら、突破しなくて良いと思う。それはそれで、一つの選択ですから、満足して幸せであれば、それでもかまわないのではないだろうか。 では、突破するには?「そんなんじゃあかん。もっともっと、ええもん作りたいねんや!」 そういった姿勢が、まず突破する為に必要だと思う。 でも、突破する方法がわからない。方法がわからないからこそ、煮詰まるのだけど・・・。 そういった時に、パンだったら、パン作り以外の事が、突破口になる場合が多い気がする。 それは、おなじ食べ物の料理であったり、お菓子であったり、醗酵食品であったり、調味料であったり。そういった、他の食品の作り方を、なにげなくさらってみると、「へぇーこんな作り方するんだなぁ・・・」から始まって、頭の中で、それがパン作りと何となく絡んできて、もやもやした何かが頭の中にあらわれ、ある瞬間にそれがギュッとつながる。 食品だけではなく、他業種の事でも良い。とにかく、今まで自分の知らなかった事を、自分に取り込むことが、そういった発想を生み出す元となるのではないか、と思う。 何かを思い付いたら、なんらかの行動を起こせば、そのうち、煮詰まった状態から突破できたり、出来なかったり・・・。外す事も多い。当たる事もある。 そうこうしているうちに、気がついたら煮詰まりから突破できていたりする。 失敗するのも当たり前なら、煮詰まるのも当たり前。 煮詰まったからって、「才能がない」とか、「頭が悪い」とか、思わないほうが良い。そう考えたところで、煮詰まりからの突破は出来ないし、だいたい、そういう風に考えても幸せじゃない。 発明王エジソンが言うように、「99%の努力と1%の霊感」が、新しいものを生み出す。
2004年06月03日
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私も、パン作りの本を買ってくる時がある。 書店にて、吟味し、「あ、これ、いけるかも」と思う本は少ない。だから、年に1冊買うか、買わないかぐらい。 立ち読みの最中、パンを見て、「あ、これ、こうやったらできるかなぁ」とか、「あ、なるほどね」とか、少しだけ参考になる本は買わない。 最近買った本は「ハートベーカリー21(大阪のパン屋の団体))」が出した本。これは、面白かった。今は、一通り読んだので、人に貸しているけど。 さて、そういった「レシピ本」を読むと、その人のパンに対する気持まで、わかるような気がする。パンと作り方が、その人の考え方を表しているからだ。 たとえば・・・と書きたい所だが、私のようなものが、どうこう言う筋合いもないので、省略。 パンの写真だけでは、ちょっとわからない事が多いが、作り方が載っていると、いろんな想像を膨らませる事ができる。想像なので、正しいかどうかは、御本人に伺ってみないとわからないが、すくなくとも、作り方で、「ああ、こうしたいんだ」という事はわかる。 なかなかそういう本にはめぐり会えないが、出会った時は、心踊る瞬間に巡り合える。会えてよかった。そう思う。 そして、本当に興味そそられた時には、そのお店に足を運ぶのだ ちょと余談。 クープがバックリ割れたフランスパンを作りたい時、ちょっと配合を変えただけで、バックリ割れます。 方法は2つ。 1)吸水をすこし落とす。65%が普通なら63%にしてみる 2)フランスパン専用粉を、強力粉に変える。 この2つの方法は、美味しさに直結しませんが、見た目だけ良くしようと思えば、確実に効果があります。 まぁ、見た目だけですので、あまり意味はありませんが。
2004年06月02日
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私にとって、大変でもあり、楽しみである季節がやってきた。 それは、梅雨。梅雨の時期から夏休み中旬までは、どうにもこうにも、来客数が少なくて、いつも通りの仕事は暇を持て余している。・・・はずなのだが、この時期は、「いつも通り以外の仕事」をする季節になるので、そんなに暇な訳ではない。 毎年、なんらかの課題を自分に課している訳だが、今年の課題は「乳化」について。 乳化とは、界面活性の特性を持つ物質によって引き起こす事のできる現象で、とても簡単に書くと、水と油を分離しない状態で維持させること。 いちばんわかりやすい例は、マヨネーズ、牛乳、ガナッシュ・・・。 乳化には、カゼインやら、レシチンやら、界面活性の特性を持つ物質が関わっている。牛乳にも、卵黄にもカゼインやレシチンが入っている。だからこそ、マヨネーズを作る事ができるし、牛乳も分離せずに白いままなのだ。 乳化は、料理を作る時にも、焼き菓子を作る時にも、大事な要素なのだが、パンにも、同様に重要な要素である。 で、この「乳化」について、年末あたりから、ぼちぼち調べ始めているのだが、おつむが足りないので、いまいち、ピンと来ない。 この「乳化」が、パンにとって大事な事なのだが、理論的なことがいまいちはっきりできていない事が、なんとなく、やりのこした感があるのだ。 こういった時期だからこそ、こういった基礎研究ができるわけで。ありがたいものだ。<本当は売れない事は、ありがたくないのだけど・・・
2004年06月01日
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何ごとも、出だしが肝心。 だいぶ、くだけた感じで始める事が出来たので、とても嬉しい。 私の場合、気を抜くと、すぐ真剣な話になるので、「あー、やだやだ」と、我ながら思う。きっと、ここでも、そのうち、真剣な話を書いてしまうのだろう。 だから、ちょっとホッとする「隙」が欲しいのだ。真剣な時間は、パンと向き合っている時だけでいい。まぁ、そういう訳には行かないのだけれども。 今日は、書類の整理をごそごそとやっていた。ぱらりと、1枚の新聞の切り抜きが出てきた。 気になる記事があったら、すぐに切りとっておくまでは良いのだけれども、その存在をすぐに忘れてしまう。だから、こういうことが、ままある。 内容は、とある洋菓子屋さんのインタビュー記事。私自身、その洋菓子屋さんのお菓子は好きだし、そこの社長さんが好きだ。 一応、面識はある。いつお会いしても、すごく陽気で、それでいて気を使って頂いたり、ヒントになる事をおっしゃったりで、すごく尊敬している。 最後にお会いした時に、「いつでも遊びにおいで」とおっしゃってくれたが、きっと遊びに行ったら、「どちらさまで?」と言われるだろう。忙しい方だし、私のような若輩なんて、周りにざらにいるので、そんなものだ。 さて、その内容だが、「ものづくり」の精神の基本が書かれているような気がした。なにより、「お客さまの喜ぶ顔がみたいから」という気持が溢れているのが、とても清々しい。 私の師匠が、その洋菓子屋さんの社長さんとお友達だった縁もあって、面識があるわけだが、私の師匠から、聞いたエピソードが、とても心に残っている。 私の師匠がお店をはじめた時、それはもう、散々なスタートだった。立地は良くないし、集まってくるスタッフも、これがまた大変な人たちで、師匠は頭を抱えていた。 開店して半年ぐらいしたある日、洋菓子屋の社長が、お店にやってきたらしい。「ちょっと、うちの店のオーブンが壊れててな。ちょっと悪いんやけど、オーブン、貸してくれへんやろか?」 師匠はなにがなんだかわからないうちに、了解をだし、その社長はそそくさと、何かを作りはじめる準備をし始めた。 それは、一口サイズのチーズケーキだった。 もちろん、師匠に社長はなにか言う訳でもなく、世間話をしながら、チーズケーキを作っていった。 師匠は、職人なので、もちろん、その作業はすべて、横で手伝いながら、見ていて、作り方は自然と頭に入った。 全ての作業が終わり、チーズケーキは焼き上がった。「ほな、ありがとさん。助かったわ。じゃ、がんばってな。」 そういって、社長は帰っていった。 師匠はキツネにつままれたような気分だった。 社長のお店のオーブンが壊れたから、うちに借りに来た?近くに他のお店もあるのに?チーズケーキ? 師匠は、永年の付き合いから、ピンと来た。これは、社長が「チーズケーキを作ってみたら、どうや?」と、提案しているのだ、と。実際、社長のお店のオーブンは壊れてはいなかった。社長は、チーズケーキの技術をたずさえて、師匠の所に、励ましに来ていたのだ。 私の師匠は、プライドの高い人である。そういった師匠に、「チーズケーキなんてやってみたらどうや?」なんて言っても、「うちはパン屋やからなぁ」とかわされるに決まっている。そこを、社長は師匠のプライドを尊重しながら、自らの手の内を全て見せて、師匠を励ましていたのだ。 この社長の、こういった心遣いの話は、まだまだたくさんある。私は、自分の師匠から聞いた、この話を初めて聞いた時、「本当にすごい人だ」と社長の事を思った。 人と人との心の通わせ方は様々だが、職人同士の心の通わせ方の、いちばん美しい形をまざまざと表す、心にしみいる話だった。
2004年05月31日
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サイトの管理が楽だ、という単純な理由で、こちらに引っ越してきてみた。 昨晩は、お酒が入ったという事もあり(酒を理由にしては、いけないのだが)、かなり悪のりでプロフィールを書いてしまった。まぁ、どうせ、たいした事を書く訳でもないので、このぐらいでいいのだろう。 プロフィールの画像は「仏のせーぐる」。 実社会でも、怒ることは、めったにないので、イメージ通り。多分、白衣を着たプロのパン屋が、こんな写真をかかげる事はないので、ここいらあたりから、私が「変わっている」というところをアピールしておかないと、まともなパン職人の人に怒られてしまう。 さて、このサイトの方針をかかげておくべきなので、書いておこうと思う。 まず、商売抜きで、パンの事を書く事。 私自身は、パンの事を正しく知ってほしいし、作ってほしいと思っている。そして、私自身は別に有名になりたい訳でもなく、金もうけを考えている訳ではない。 ただ、単に、パンに関するなんらかの知識を、中立的立場にネットの中に漂わせたいだけなのだ。 そんなわけで、お客さまにもパン業界にも不利なことを各場合もあるので、あしからず、です。 でも、間違えていたら、きちんと「間違えている」と教えて下さい。きちんと反省し訂正します。 次に、必ずしも「毎日」書くという保証がない事。 一応、仕事をしているので、毎日書く時間がある訳ではありません。忙しくて書けない日もあるし、ネタがつまらないから書かない日もあるでしょう。>過去の日記を参照すれば、アホみたいに日があいている事がお判りでしょう。 これは結局、反応が遅い、ととらえて頂いて結構でしょう。無視している訳ではございませんので、あしからず、です。 最後に。 パンの作り方について、なんらかのことを書くかもしれませんが、作りたいパンは人それぞれです。私のやり方がベストとは限りません。私のベストは、「現時点でのベスト」ですので、あしからず、です。 そして、パン作りには、「技術・知識・経験」の三要素が必要です。ネット上では、技術と経験はお伝えできませんので、そこいらあたりは、ご了承下さい。 そういった感じで、書いていこうと思います。 皆さんが、笑顔でパンを食べることが、私の願いですので、そういう事にすこしでも関わる事ができれば幸いです。
2004年05月30日
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引っ越しました。いままで、引きこもって、のんびりしすぎるサイト運営を行ってきましたが、もっと楽なサイト運営を考えた時、ここを見つけた。といっても、たまたま、お邪魔させて頂いたサイトが、この「楽天広場」のブログを使用しており、それが気に入ってしまった、というのが、現実。せっかくなので、私も利用させて頂く事に。ちなみに、旧サイトは日記しか残す所もなく、後は破棄しましょう。どうせ、誰も来なかったし。いや、来なくて良かったのだけれども。さて。いつも通り、ここでのんびり書いていきましょう。ちなみに、気になる方へ。過去の日記は「さるさる日記」を利用した、以下のURLです。http://www2.diary.ne.jp/user/119878/お暇でしたら遡ってみて下さい。かなり大変な作業ですが。
2004年05月29日
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