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せんだってから年末ということでTBSでドラマ『ROOKIES』をぶっこ抜き再放送してます。 リアルタイムでは見てなかったけど大人気だったのは知っている。 いやこれ、面白いか? 原作マンガが熱血ベタの熱い話で、それが傑作であることはいささかも曇ることは無いが、ドラマ、ひどくね? 熱く叫ぶ芝居って、難しいのだ。 ハートが乗ってないとツルッツルに滑るし、気持ちが入りすぎると顔や姿が醜悪になる。 セリフを信じきらないと叫べないけど、なにしろ恥ずかしいセリフであることが多いのでそこを上手に解釈して疑問を無くさないといけない。「こんなこと普通言わないよ」と疑っては、叫べない。 いや、叫べるけどヤケクソになる。ヤケクソ芝居はバレるし、恥ずかしい。 佐藤隆太が自信のなさそうな時のペラペラな熱血芝居を見てたらこっちが恥ずかしくなってしまったのだが、そこはあまり問題にされていなかったですよね。あの人、わりと熱血が苦手ではないですか。抑えるといい芝居するのにね。 まあ、あのドラマは実際ホストクラブ的な観方をされてたんだろう。 森田マンガと言うよりもファイナルファンタジーみたいな、やんちゃな不良少年(ただし心根は熱くて仲間思い)の全員の顔が映るように立ち位置をテレコにして勢揃いしている画があまりにも多くて失笑ものだったのだけども、ヤンキー女性の魂的にはそれがイイわけですよね。あまりに間口を広げすぎると恥ずかしいことになる例。 正直言って、ドラマとしては相当アレなものだと思うのだけど、大人気だったという事実を思うに、なんといいますか「芝居リテラシー」みたいなものの欠如、とでも言いましょうか、ぶっちゃけ、半引きの熱血芝居なんか見てられっかっていう眼が養われていないということを思ったのだ。 テレビドラマでは、演技の上手い下手とかは一顧だにされていないのですね。 あとあれね。 『ROOKIES』は『指輪物語』に似ている。 構造が似ている。 指輪の魔力に引かれて奪いたくなる衝動と戦いながら仲間たちと指輪を捨てる旅をする。 挑発されると即沸点、暴力への欲求を抑えながら仲間たちと甲子園を目指す。 に、似てるう。
2008.11.19
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せんだって、いいともに稲垣潤一が出たときなんだけど。 稲潤はフィンランドの原住民族ラップ人(サーミ)とコラボしたらしい。 ラップ人はトナカイを放牧する遊牧民なので、遊牧民族特有の歌を持っている。僕が初めてサーミの歌を知ったのは、ファイナルファンタジーの作曲家・植松伸夫の影響。『FF5』のアレンジ盤で聴けます。 稲潤いわく、サーミの歌はモンゴルの発声と似ているらしい。ホーミーの出し方なんだね。言われてみればその通りかもしれない。 モンゴルのホーミーはひとりで高低二音を同時に発声する。僕も唸るだけならできるんだけど、声帯で低音、硬口蓋と舌の間の共鳴で高音を出すのです。なんでも松任谷由実はナチュラルにホーミーになっているらしいぞ。 ヨイクという発声法で歌われるトナカイ飼いの歌は、セルフユニゾンの数人の女性が声を合わせてニャンニャン謡いあげる感じで、非常に奥行きがある。まあね、高低二音発声するのが2、3人もいたらかなりの音の厚みになりましょう。 ヨイクでもホーミーでもそうですが、これは平均律の音階とはちょい違うわけです。いわゆるドレミファ音階じゃないところで音楽をやっている。 世界中にこういう音があって、みなそれぞれ面白い風景を見せてくれるじゃない。インドのシタールも、日本の笙も、インドネシアのケチャも、音を聴くだけで目の前に風景が広がる。 タモリが平均律を「一部の連中がデカイ顔をしている」と言ってたんだけど、平均律で書きあらわせるものだけが音楽として「正しい」わけじゃない。楽器で出しやすいように、楽譜に書きやすいように発明された音階だけが音楽じゃない。 世界中に面白い音楽があって、むしろそっちのほうが多いんだよね。多様性っていうか、趣きがある。 フィンランドトラッドで有名なヴァルティナというユニットがあって、僕は昔かなり好きだったのですけれど、彼らのアルバム『アイタラ』と『セレニコ』がよろしい。http://listen.jp/store/artist_10404.htm↑視聴できるとこ どうですか。晴れた雪原の向こうにトナカイの群れが見えませんか。吹雪の中の白樺と湖が見えませんか。 冬のドライブのBGMにオススメです。
2008.11.18
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せんだって、まあ夏ごろなんだけど、新書を読んだときに、フェミニストていうかフェミニズムに激しい憤りを覚えたのでそのことを書く。『ケータイ小説は文学か』ちくまプリマー新書石原千秋 著者の石原千秋は漱石研究で有名な大学教授です。妻の恩師でもあるので、逸話や名言をいろいろ聞いているが、今回の主題とは逸れるので省く。 ケータイ小説を買い支える層「地方のヤンキー女性」の価値観の中に「ホモソーシャル」の根深い影響があるという分析、みたいな。 てか。 ヤンキー文化の中に「オンナは男性の所有物になることが当たり前だ」という価値観がいまだに息づいているという話なんですけど。 うーむ、一理ある。 『恋空』とか『赤い糸』などのケータイ小説の主人公女性像はたしかに、そういう卦があるよね。 そんな近代的な女性像に「共感する」読者が、二十一世紀の日本に百万人以上いるわけだ。 ケータイ小説は、地方のヤンキー女性という新しい読者層を開拓して売れたという話もありますが、あえて言い切ればそういう「下層階級」の女性は、フェミニズム的に「自立」することを、念頭に置いていないのか。 意志の問題、環境が整っていない、生きるのに精一杯でそんな場合じゃない、やっぱ国が悪いのよ総括だ。 いろんな条件は考えられるが、「下層」の女性にとって、いわゆるフェミニズムはリアリティのない幸福像なのではないか。 浪花節でも演歌でも暴走族でもいいけど。 いかちぃ男と結婚して、彼の子供を育てる、母性本能的な、浪花節的な、ガテンで百姓な感じの幸福像はそれはそれで尊重すべき感じがする。 ヤンキー女子の珍走集団「レディース」なんてな、女性性の嫌悪の現れなんだろうし。 シロガネーゼとかいう高給男性の配偶者だったり、田嶋陽子だったりあるいは上野千鶴子だったり、高学歴で収入も高い女性がフェミニズムを戦って、まあまああるていど勝ち得た結果。 その反面。 学歴も年収も低い女性は、女性嫌悪に囚われた性差別者としての自己を強化しつづけたわけだ。 フェミニズム運動の結果、そうなったんだよね。 これよう、どうよ。 半端のままグダグダに終わってさ。過去のフェミニズム運動が獲得したのは、金を持ってる女性にとって都合のいいだけの社会だったってことかよ。自分が守られるようになったからやめたのかよ、といいたい。 いまでこそ育児休暇とかが当たり前になっているふうに言われるけど、実際は制度はあっても社員からの同調圧力でその制度を使いにくいらしいな。大企業ならまだしも、中小企業なんか、ひとり欠けても周りが大変だから足を引っ張るという。 知り合いのシングルマザーは、子供を保育園に入れるためにものすごく理不尽な苦労を強いられているのよ。 下層の女性が生き易くならんで、なんのフェミニズムよ。 以下は変態新聞の記事ですが、中身はすばらしい。最強ワーキングマザー対談:西原理恵子×勝間和代http://mainichi.jp/life/kaasanchi/news/2008/06/47.html 13回までありますが、全項読むべき。 マイクロファイナンスのグラミン銀行の話からFXまで、離婚と結婚と暴力と子育てまで。貧困は治せる病気。教育支援の必要性。 金、仕事、制度、教育、勉強、意識、収入と幸福。ヒントがいっぱいだ。 過去のフェミニズム論者のように希望だけ叫んだり利己的な田嶋フェミ論だったりせずに、しっかり現実を見て効果がありそうなポイントを突いている。勝間さんも現実から遊離していると言われるけれど、子育てしながら働いてる母親の意見は「男になりたい、男を屈服させたいフェミニズム」なんかよりもリアルで重たく、そしてそこに希望があるでしょうよ。あらゆる女性が生きやすい社会では、女性だけではなく全員が生きやすくなるからだ。 田嶋とか上野とかには、責任をとってもらいたい。
2008.11.17
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せんだって、大阪の図書館で大量にボーイズラブの本が開架されてたっていうイイ話がありましたが、その後日談がおかしいんだ。【痛いニュース】http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1202768.htmlボーイズラブ本を18禁扱い→「住民グループ」が猛反発→18禁扱いを解除…大阪・堺市図書館 義務教育が終わった人間の個体差はどんどん大きくなるので、18禁っていう線引きの有効性は非常に疑わしいものの、無用な規制論の大騒ぎを避ける意味でのゾーニングは、現状無難な手だとは思うよ。 それに、なんか言われたからって図書館が本を廃棄するのは許されない。開架閉架はともかくね。 やっぱり、やおい穴をくぱぁしてるくせに「ユキヒロなんかハルオミと仲良くしていればいいじゃないか!」ネクタイを緩め「わかってない、わかってないよリュウイチ。オレが本当に好きなのは…」枕を抱いて「うるさいうるさい! もう帰れよ!」メガネを外しながら「愛してる。…リュウイチ」前髪がふわっと浮いて「あっ…」はいトコロテン、なんていう描写が売りの本が世間様を騒がせて焚書騒ぎになる前に閉架ってのは、いまの不寛容な社会における落とし所じゃないのかな。 記事中には、盗難などもあって閉架していたとあるけど、これ誰が盗んだんだろう。腐女子高生が、貸し出し記録に残ったら恥ずかしいけど超読みたい的な理由で盗んだんであれば「安易な18禁の弊害」という切り口ができて、非常に面白いんだ。 で、堺市の図書館で閉架されたBL本を開架しろと圧力をかけ、実際に開架させた市民グループがいたんだ。 ぱっと考えると、本を買いたくない貧乏な腐女子グループかなって思うけど、まあエロ本は自分で買えって話だよね。 このグループの代表が上野千鶴子だったんだ。 この人、大丈夫かな? 図書館の自由の根幹に当たる、普通に重たい問題なんだから、ことさらジェンダーなんて言わなくていいのに。 おかげでほら、変なアレルギー反応を起こしているじゃないか。あはは、ここがこんなふうになっているよ。 20世紀末に起こったフェミニズムの運動は功罪共にだいたいまとめられて、日本じゃタイミングも悪かったんだけど、ざっと言うと内ゲバの果てにグダグダになってったらしいんだ。上野先生がアグネスチャンの子連れ仕事を援護したのは結局「女が男性性を得るためのジェンダー運動」だったんだじゃないかな。んでまあ、フェミニズムのいろんなことが中途半端で終わっちゃったためにいまいろんなところで女の子が困ったことになっているけど、上野先生はインテリで収入の高い女性だけを向いたことばかり言っているようでいけすかないんだ。自分だけ良ければいいのか、なんだ。 働く母親って、アグネスチャンみたいな高給取りばかりじゃなくて、いわゆるバツイチヤンママとかもいるんだ。DV夫から逃げ出して、夜中までスナックで働いてたり、生活保護受けながらパートで働いてたりするんだ。そういう女たちを切り捨てて、おひとりさまの老後とか言っても、血も涙も無いったらないんだ。僕はこれ本気で半端フェミニストに怒ってるところがあるんだ。 今回もさ。図書館法の分野にしゃしゃり出てきちゃ横紙破りなバカをやって。ファシストあふれるいまの世の中で表現の自由を守るにはけっこうデリケートな戦術が必要なんだけど、こんな状況で見当違いなケンカの押し売りってどうよ。 みたいなことを、ちょっといじわるな草食系メガネ男子(cv.関智一)の僕が書いてみたんだけど、どうかな。
2008.11.16
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せんだって、吃驚したことを書くぜ。 なんか話題性のある大きな事件が起こると、すぐに「人間のクズだから死刑、死刑!」とかいう類いの善人がいますよね(そういうのの極端な例を見たので吃驚したのですよ)。 とくにモラルを説く人に限って「厳罰化」「規制強化」「監視徹底」を持ち出して、安全や安心を感じようとする傾向にありますね。 いやいや、待ってくれ。 厳罰が怖くておとなしくしているのは単に萎縮であって、モラルの向上とはいえないでしょう。 厳罰、規制、監視の強化を求める人たちが増えるのは、世の中にとって危ない。 監視・規制・厳罰化の進行の先にあるのはファシズムだからね。アクセントは「ファ」。 つまり、監視強化で防犯、厳罰化による治安向上、規制強化による浄化、こういうことを望んで、しかもブログとかに書いて偉そうにしてる連中の本質はファシストなんです。アクセントは「ファ」。 こういう、自称「良識派」の無意識なファッショ期待も危なっかしいけど、なにより監視カメラ増加も規制強化も厳罰化も、たいした効果が望めない。 効果が薄いことを理解しないで「厳罰! 規制! 監視! そして平和が訪れた」なんて言ってるのは、無知なのかな。無知と善意がセットになって世の中をファシズム風に振り回すのはもう勘弁して欲しいんですけど。 防犯、治安向上の効果がない例を書きましょう。●監視:監視カメラがあると充分に知られているコンビニに強盗が入るのはなぜ? オレオレ詐欺の犯人はATMのカメラの正面で金をおろしているね。●規制:規制された品物は裏マーケットの末端価格が上がるのでヤクザが儲かる。根絶は難しいですよ。覚醒剤や拳銃が国内にあるのはなぜ?●厳罰化:死刑覚悟の凶悪事件をどうやって止めるの? 飲酒運転の罰則が厳しくなったら、今度は悪質なひき逃げが目立つようになりましたがこの件をどのように思われるのかを厳罰信者にぜひとも聞きたい。 善人が望んでいる治安の方法って、実は効果が薄い上にコストばかり高くなる。 ファシズムは愚民にとって非常に気持ちのいい体制なので、善人がこれを期待しちゃうのは無理も無いかも知れないけど、もっと賢くなることのほうが安心できる社会への近道なんじゃないかな。 たとえば性犯罪は再犯率が高いことで有名ですが、性犯罪ってペドファイルとか反社会性人格障害とか、なんていうか、ビョーキが原因であることが多いです考えられます。 病気で入院した患者を治療しないで退院させたらまた発症するに決まっているでしょう。 刑務所に数年閉じ込めただけじゃ、再犯率が高いのは当たり前。原因を取り除いていないんだもの。厳罰化でどうこうできる問題じゃないよ。 そういうことで、認知行動療法という対応が日本では2006年から始まったらしい。 「価値観を変える」といってたからこれたぶん洗脳に近いアプローチなのかな。それでも服役中の更生プログラムだけじゃ足りなくて、出所後の監視を求められている。でもこのときの「監視」っていうのはカメラじゃなくて、社会や人間によるフォローってことね。監視カメラには死角がある。あんたの部屋の中とかだよ。 サウジにあるテロリスト矯正施設なんかだと、服役中のテロリストにゆったりした生活をさせている。ちゃんと更生したら政府がお金をくれるんだって。これは、甘やかしているように見えるけど、実体は洗脳なんですよ。安全を安く上げるために、犯罪者を洗脳、無害化してから世間に戻す。考えようによっちゃかなりアブナイんだけど、効果があって安く済むわけ。実は犯罪者の人権を最も軽く見ている手ですね。ああ、そう考えると厳罰の極みかもしれないな。ロボトミー手術みたいな。 規制論といえば、「マンガの影響で犯罪を犯した」っていうトピックが出てきますけど。 マンガやゲームを規制しないといけないと言っている善人は、「ドラえもんが助けてくれると思った」って言い訳している容疑者を全力で擁護していることに気がついたほうがいいだろう。 今日も、ガソリンスタンドに入った強盗の監視カメラ映像がテレビで流れたけど、準備万端でやってくる凶悪犯に対するカメラの防犯効果ってあるのかよ。映像によって逮捕解決が早くなってはじめて抑止力になるわけでさ。 「いまは悪い人が増えていて、カメラの無いところで変質者や犯罪者が罪を犯そうとコソコソ隙をうかがってる」なんて思っている人は、まず自分の家の監視カメラ映像を24時間ウェブに上げるとかしなさいよ。あんたが自室で核爆弾を作っていない、悪質サギサイトを運営していない、なんて言ったとしても、映像を見せられない限り俺は信じてあげないんだからね。 監視、規制、厳罰。こういう手法を無くするわけにはいかないけど、効果とか社会的コストってものと結びつけてしっかり考えないと意味が無いでしょう。 目立つ事件があるたびにむやみに厳罰厳罰言う無知ファシストたちが、来年は少なくなりますように。
2008.11.15
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せんだってはじめての海外旅行で行ったベトナムはかつてフランス領だった。 痕跡はいろいろ残っている。 カフェ文化とか、パンと言えばフランスパンとか、歩道の敷石とか。 昔のアヘン工場を改装したっちゅうレストランに行った。 アヘン戦争でもわかるように、帝国主義の時代、列強がアジアの国を植民地化するときにゃ、まずアヘンで国民をメロメロにラリらせておくという手を使ったものだ。フランスもまた大英帝国を習ったのだろうか。 かつてポピーを精製していた工場跡は、いまはこじゃれたお店になってて、ベトナム人が快活に働いていた。おいしゅうございました。 ホーチミンはアジアのパリ、ベトナムはアジアのフランスだった、とか書くと旅行記っぽいですよね。 でも、グーグルマップでパリとホーチミンを見比べると面白いよ。●パリ●ホーチミン 大小のロータリーから伸びた道路がつながりあって、フラクタルな都市空間を作っている。 パリスタイルの都市計画でこさえられた街なんだな。 でもベトナムとフランスが決定的に違うのは、ベトナムは社会主義の国ってトコで。 都市計画がより徹底されるわけです。 メインの通りがオレンジの街灯。それ以外は青っぽい灯り。 真夜中のホーチミンタンソンニャット空港から夜間飛行で舞い上がると、窓から見える街はほら しっかり計画的にデザインされたアジアのパリは、真っ暗な田んぼとジャングルの中に浮かび上がる。 あの光の中に、膨大なバイクやそれに乗ったカップルや小汚い屋台や金は欲しいけど働きたくない連中や歌う子供やひったくりやかっぱらいや親切なオッサンや乞食や双生児や、たくさんの人があの呆れるほどの活気でガツガツと生きているのだと思わせてくれる。それはそれは明るくて唐突で人工的な街の灯り。
2008.11.14
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ベトナム、メコン川の中洲は、島国日本の常識で考えるともう「島」としか言いようがないくらいデカイ。多摩川の中州とは格が違う。常識の通じないメコンデルタだ。 中州には観光農場があって、ツアーのルートになっている。養蜂場、果樹園、ココナツ飴工場。工場ったって、飴練り器が置かれたテントだ。この中州を成り立たせているのは農業じゃなくてきっと観光だ。もう完全に観光地なわけ。農場と農場の間になぜかバッグの屋台があったりTシャツを売ってたり民芸品を売ってたり。デカイ川に囲まれた中州は、いうたら逃げ場の無いテーマパークなのだ。 メコン川クルーズを申し込んだ旅行者は、半ば強制的に農場テーマパークを見学させられ、市価の5倍以上で土産物をふっかけられる。 ケチなんじゃない、舐められたくないだけさ。 養蜂場でやおら酒を一服盛られて、これが米の蒸留酒。いわゆるメコンウイスキーというのかしら。日本では密造酒でこういうのがあるが、大甘口な日本酒の匂いで焼酎の味。両方苦手だっつーの。時差もといウラシマ効果で頭がぼーんとしている時に甘い蒸留酒をショットガンで飲んでさらに頭の芯が腫れ上がった感じになってしまう。 ココナツ飴工場に歩いて行けば、ほかのツアーの団体が船を横付けして上陸中。なんか張り切ってアオザイを着てる勘違い女がミュールで泥道を歩いてやがる。どこでもワタシ流ですかダセえな髪型と服装が合ってないよ、と軽く毒づいたりしつつ道をゆけば、あちこち野良犬がいるではないか。飼い犬かもしれないが。ツアーガイドは「犬には近づかないでください」と言ってたけど、それは狂犬病があるからだ。噛まれたら死ぬと思え。死と隣り合わせの観光だ。 スリル、スイーツ、ショッピング。あとは音楽と舞踊でもありゃ、テーマパークとしては完璧じゃないか。だーっはっは。 果樹園。 パーフェクトプラント発見。わっはっは! 気が狂っとるよ。パイナップル、パパイヤ、ドラゴンフルーツが、紐で樹にくくりつけられてる。すばらしい。夢のようだ。夢のようじゃないか。 ツアーガイドがここで休憩と言い残してどっかに消えた。なんでも「古い音楽」での歓待という話だ。古い音楽って君ぃ。トラッドって言いたかったのだろうな。 しばし東屋で休むことになる。この果樹園で取れたフルーツをいただくという説明だが、いつ切ったのかわからない干からびたスイカとかパイナップルとかを給仕される。これはガイドブックによると衛生面でタブー。目の前で切られたカットフルーツ以外は腐敗を疑え。失礼にならない程度にバナナやライチなど、自分で皮を剥いて食べる系のものを選んでいただくことにする。★おいしいので、フランス語の駄洒落をひとつ。 「ふりゅい果物」 東屋の別棟から歓声が聞こえる。中国語だけど、北京語でも広東語でもない感じ。 民謡というかトラッド音楽も聞こえる。これが「古い音楽」か。 なんか向こうの中国人の団体客はエライ盛り上がっている。民族楽器らしい弦楽器に合わせて、子供の歌声が聞こえる。 見れば、中国人の頭上でチップの札びらが舞っている。 ああそうさ、歌舞音曲の押し売りなのさ。 ヤな予感を感じるヒマもあらばこそ、果樹園一家の音楽隊はこちらの棟にやってきた。 お父さんは目を怪我してて、民族楽器であろう二胡みたいなのを持っている。おじさんは年季の入ったガットギターをガムテープで修繕したものを構えて伴奏だ。弦が二本ぐらい飛んでるけど気にしないぞ。四弦じゃもうウクレレじゃないか。 子供が三、四人やってくる。アオザイを着せられた九歳くらいの美人女児、小太りの男子など硬軟取り混ぜた編成だ。 ベトナム語の民謡みたいなメロディで二胡がにゃんにゃん鳴る中、自信なさそうな声で子供たちが歌ってくれた。「古い音楽」だ。 そのあと、日本語の歌も歌ってくれる。いつも歌ってるのだね。オレが知らない、古い歌謡曲だった。 このあとのことは思い出すたびに後悔する。 この子たちが歌わされているのはチップ目当てなんだよ。さっきの中国人たちはやんややんやの喝采でチップを嵐のように投げ与えていたけれど、オレは完全に固まってしまった。 どうしていいのかわからない。 この子にお金をあげていいはずがない。あげる訳にはいかない。このことは常々ブログで偉そうに書いてきたオレだ。 いざその場にきてみたらどうだ。 夫婦そろって脂汗流して身動きが取れなくなってしまったじゃないか。 なあ、こういうときどうすればいい。 金満チャイニーズにもらったドル札を握ったまま歌ってたこの子が、緊張した顔で「イッショニ シャシン トリマショー」って近づいてきた時の無力感ったら情けなくて情けなくてさ。目を合わせられないんだ。 貧しい観光農家にとって、この女児は大事な稼ぎ頭なんだよなあ。一家の中でいちばん多くチップをもらうのがこの子なんだよ。おまえはえらいな。 でもオレは絶対にお金はあげない。 お金をもらうまでに至っている芸ではないのがひとつ。エンターテインメント舐めんな。 ふたつめは、大金をあげても親に取られるだけだろう。 たとえば学校とかをあげたいんだ。無理なことを望んで、理想ばかり語って、今オレは何ができるのだろう。 グルグルグルグルそう考えて、ずーっと下を向いて固まってしまった。西原さんが飴玉をポケットに入れている理由を忘れてた。 オレは無力で恥ずかしくて、この子の顔さえまともに見れない。いま握っている札の価値さえわかってないような幼い子が、意味もわからず仕込まれた芸を披露している。飴玉ひとつ持たないで、あんたここでなにができるよ。 完全にテンパッたオレたちを見かねてか、同席のおっさんが「ここは私が代表して」と言って、子供たちに1ドルずつ与えてくれた。情けないことだが、正直、助かった。ありがとうございます。ツアーのあとでエッチのお店に行ったでしょうが、そのことは黙っておきます。 働き手が減るという理由で学校に行かせてもらえない子供もいる国でだね、学校建てたとかオモチャを寄付したとか、いいことした気分に浸るのはたやすいことだけど、子供は稼ぎ頭だからその学校に行かせてもらえないんだよ。学費がかかるならなおさらだ。 「子供が学校で作業してこさえたものをフェアトレードで海外に売って、子供が自分で学費と学校の維持費を稼ぐ」というモデルをやっている団体があって、それはちょっと感心した。物を与えるだけのカスパルとは雲泥の差だ。 自分がどれだけ無力なのか思い知らされた。 だからベトナムにいる間は、なるたけ金を使ってやった。それが正当な取引である限りにおいて金に糸目をつけるもんか。 こんど行く時は、ポケットに飴ちゃんを忘れないようにしよう。絶対に忘れないようにしよう。 ニッパヤシの足元を這うように進む小船は、やはり面白かった。狭い水路がアリの巣のように。ここでもやはり、米兵は怖かっただろうと思う。 船に乗ると視線が低いので水面に近く、スピード感もある。オケラの目線だ。 棹を操るアオザイおばちゃんのお腹は二段でぷよぷよ。それでも着れちゃう細身のシルエットのアオザイってのはすげえよな。 このおばちゃんの笠が年季入っててカッコよかったです。
2008.11.13
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せんだって、ベトナム社会主義共和国に遊びに行きました。 初めての海外旅行。二年遅れの新婚旅行。アメリカに勝った唯一の国。 ホーチミン(旧サイゴン)に三泊して、それなりにカルチャーショックを受けたのよ。 初日。成田からホーチミンに着いたのが夜中。翌朝はオプショナルツアーの「メコン川クルーズ」だ。 メコン川のここらへんだ。http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&ie=UTF8&ll=10.34194,106.372375&spn=0.362737,0.386581&t=h&z=11 二時間前の国から来て、ちょっと寝た程度。まだウラシマ効果によって眠いのですけど、迎えのバスに乗り込む。バスは同じツアーに参加する人が泊まっているホテルでピックアップしまくりながら、ホーチミンからミト市に向かう。 どんどん田舎になっていく。道の脇に蓮池があって、なにしろ道に沿ってずうーっとあるのだから、池というか川みたいな長さなんだけど、流れているわけではないので、池なんだな。大量の蓮が咲いている。道端で痩せた牛が草を食んでる。田んぼの中に墓がある。そういう風習らしい。家の近くで眠るのだ。土地が広い大陸っぽい考え方だ。完全土着嗜好。ベトナム戦争は愛郷者の戦いだったってのはマジなんだよね。 田んぼと畑、たまに集落があって、巨大な工場もあった。工場の近くにはニュータウンのようなエリアもあった。集落にゃ必ずカフェがある。おしゃれなものを想像したら大間違いだぜ。旧来の海の家みたいな構えで、まあ固定屋台っすな。で、フランスパンとかセブナプとか売ってるのね。なによりうらやましいのがハンモックだらけということだ。まあ想像してくれ。広めの海の家みたいなとこにみっしりとハンモックが下がっている。すばらしい。聞けば、この国の農家は、朝早くに作業を終えて、午後はまるまるおもいっきりお茶と昼寝で過ごすという。なんということだ。この国じゃハンモックは贅沢品じゃないんだぜ。 ミト市はメコン川の港町というかそんなとこだ。 中洲が三つ四つあるエリアだから港として栄えたんだろうが、この中洲がデカくて、島といったほうがふさわしい感じ。 中州にあるフルーツ農場や養蜂場、飴玉工場を見学して、その後に棹で進む小船に乗って水路を往くというツアー。 ぶっちゃけ水路だけでいいんだけど、観光農家はこのツアーの順路になっていることで潤っているわけで。 遊覧船でメコン川を渡る。 数カ国を流れ下ったこの水で田んぼや畑やってんだから、肥料なんか少なくていいのかしらと思う。 中洲に着くが、まるで対岸といったような安定感。島国の常識はまったく通じないぜ。 そう島国の常識は通じない世界に入ってしまったのだ。 あ、続きます。
2008.11.12
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せんだって、ベトナム社会主義共和国に遊びに行きました。 初めての海外旅行。二年遅れの新婚旅行。アメリカに勝った唯一の国。 ホーチミン(旧サイゴン)に三泊して、それなりにカルチャーショックを受けたのよ。 ベトナムというか東南アジアの醍醐味といえば屋台メシでしょうか。 米粉の麺・フォー、バゲットとニョクマムのサイドウィッチ・バインミー、ベトナム風冷製お汁粉・チェーなど、うまそうなものが多くある。 が。 僕はお腹に自信がなくて、屋台で食うことができなかった。 嗚呼、水溜りで食器を洗っている場面さえ目撃しなければ。 ヘタレな僕を許してくれ! 嗚呼、僕に西原さんほどの腹があれば! その国の人が食っているものを喰え。 西原母さんの教えを守ることができなかったのが悔やまれる。 いやほんと、ヘタレな自分にかなり幻滅しているのです。 これは現地ツアーガイドが「スラムです」とさらっと紹介したエリアにある、えーと、肉屋。炎天下の道端で大雑把に扱われる生肉。生命力を感じる。 ベンタイン市場という、まあ観光化もされているけど「生きてる」市場ですな。 ご覧のとおり、果物臭い。 ここにいる物売りは、マヌケな観光客に1ドンでも高く売りつけようと隙をうかがっている。 「オニイサン、ナニホシイ?」 日本語も完璧。ていうか、どうしてオレが日本人だと分かるのか。シンガポールの華僑かもしれないじゃないか。 足早に歩いても袖を引っ張って「ナニホシイ?」と聞いてくる。最高にセンスの悪いイブニングドレスを売っている店でオレがなんか買うと思っているのか。 あまりしつこいので「仕事だ、仕事が欲しい」とオレが本当に欲しいものを求めたのに、仕事はくれなかった。 溜飲は下がるが、それだけだった。 マスクを吊るし売りしている屋台。人よりバイクが多いといわれるベトナムだからか(ウソ)、マスクはバイク乗り必須アイテムなのだ。これを装着しないと、腐海の瘴気によって数十秒で肺が腐る(ホント)。 ご覧のとおり、かわいい柄のマスクが多い。お土産に最適です。なんたって、安い。ここだけの話、20円くらい。 仕事がいいかげんなために、白目の部分が赤くなっちゃった動物の刺繍が入ってるような色彩感覚の狂ったマスクなど、話題性にこと欠かないアイテムだ。 屋台ではタバコも一本から売っている。商売熱心、というのだろうか。 消化器官の丈夫なこと、金儲けに正直なこと、仕事がイイカゲンなこと。ものすごい数の神風バイクとそれ向けの屋台。 僕はこの国で、生命力というか、生き物としてコンプレックスを感じたのである。こんなの初めて。
2008.11.11
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せんだって、ベトナム社会主義共和国に遊びに行きました。 初めての海外旅行。二年遅れの新婚旅行。アメリカに勝った唯一の国。 ホーチミン(旧サイゴン)に三泊して、それなりにカルチャーショックを受けたのよ。 初めての海外で緊張していた僕は、現地の人に溶け込む必要があるというオブセッションに囚われていたため、珍奇な服装でお出かけした。 首に巻いている布切れはカンボジアで言う「クロマー」。汗を拭いたり抱っこ紐にしたりオムツにしたり、東南アジアでは便利に使うものである。日本だと手拭に当たるのかな。クロマーはもっと長いのだ。 クロマーはベトナム人に評判が良かった。「ワタシタチ、ツカウヨ、ソレ」とニコニコしながら誉めてくれた。いやいや、これは僕も日本でしっかり使ってます。アジアの知恵です。 東南アジアに旅行するならオススメアイテムっす。 菅笠は、1ドルで買った。これさえかむったら越南人だぜと思っていた。現地の人は25セントで買うらしい。しかもいまどきこんな菅笠かむっているのは、田んぼの中の農夫か犬売りのおばちゃんくらいのものだ。ベトナム旅行で浮かれたバカ旅行者みたいになってしまった。 だもんで、この笠かむって街を歩くと物売りがジャカスカ声をかけてくる。金持ってる日本人だと思ってハンモック30000ドンとか言ってきやがる。金なんかねえよ。 ベトナム人に溶け込むことに失敗した僕は、物売りと客引きの攻撃に晒され、悪目立ちしていることに気がついた。このまま調子コイてては、いずれひったくりやかっぱらい、殺人鬼や美人局にマークされるかもしれない。 海外では目立ってはならない。 現地で試した、東南アジアで目立たないファッションはこれだ! しゃれ子ちゃんも座りションベンだぜ!1)帽子:南国ですので日光がキツイです。外で遊ぶときは帽子をかむりましょう。2)手拭またはクロマー:首に巻いたり、汗を拭いたりできます。また、ホーチミンは車やバイクが多いので、排気ガスが濃いです。埃も多いです。バイク乗りはすべからくおしなべてマスクを着用しているほどです。このとき着用しているのは昇り龍の手拭ですが、現地人に溶け込むならばクロマーがオススメです。3)襟付き半袖シャツ:僕の師匠筋に当たる人が東南アジア大好き人間で、彼はいつも襟付きの半袖シャツを着ていました。ホーチミンに来て、その理由が分かりました。圧倒的に目立たないのです。4)バッグ:ショルダーバックをたすきがけ。バッグの素材はナイフなどの切り裂きに強いもの。小さめのメッセンジャーバッグだと、いざ走るという時にストラップを短くして身体に密着させることができます。 ちなみにマッサージ屋の客引きギャルの声かけに辟易した我々は、焦点の定まらない目で宙を見ながら歌を歌って歩いてみた。効果は抜群だったのでみなさんもぜひ!▲「ハンモックで昼寝」が僕のささやかな夢だ。このときはツアー中で、寝るような時間は無かった。ウチにはハンモックを吊れる場所も無い。
2008.11.10
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せんだって、ベトナム社会主義共和国に遊びに行きました。 初めての海外旅行。二年遅れの新婚旅行。アメリカに勝った唯一の国。 ホーチミン(旧サイゴン)に三泊して、それなりにカルチャーショックを受けたのよ。「グーーーッドモーーーーーーーーーニング、ベットナァァァム!」と言ったのは、えーと誰だっけ。戦争の映画でラジオDJ役の。ホラあの、ピーターパンの映画でオッサンピーターパンやってた、ホラ、鼻の大きな、誰だっけ? あれ、ここまで出ているのに。待って待って、言わないで、思い出すから。そうそう、アラジンでジーニーの声を当ててた、ホラ、コメディアン出身の。あれー、だれだっけ? というくらい記憶が無いベトナム戦争なんですが、アメリカ人に長い間トラウマをもたらした愚かな戦争でございます。 戦争証跡博物館というのがある。 博物館というかプロパガンダ施設なのだ。そこはまあ社会主義国だからね。 戦争の原因や経緯を追った展示「歴史的真相」。 ジャーナリストが撮った写真やその人が殺害された痕跡を記した「回顧録」。 人間の残骸を誇らしげに掲げる米兵、大虐殺の写真、枯葉剤の人的・環境的後遺症を示した「戦争犯罪及び後遺症の傷跡」。 米軍だけじゃなく、南北ベトナムがいがみ合った末に開発された非人間的な拷問を紹介する「投獄システム」。 などなど。 人の心は恐ろしい。 米兵は、いつどこから撃たれるか分からないまま、ジャングルや水路を渡らなければいけなかったわけで。怖かったろうな。 家や村を見ればゲリラが潜んでいるかもしれない。不安、疑心暗鬼。恐怖恐怖恐怖。 村を焼いたり、人間にグレネードを撃ったり、拷問に異常なクリエイティビティを発揮したり。 底知れない恐怖と疑心暗鬼が人間を狂わせた様子が、なんとなくわかる。 本物の手触りは痛い。そして冷たい。 展示されてた対人兵器の禍々しさはちょっとかなわん。鉄片を四方に飛ばす爆弾とか、起爆ワイヤーを広げながら林に落ちて「眠る」蜘蛛の巣のような対人機雷とか、ゲリラの恐怖にかられて酷いものを作っちゃったアメリカの情けなさが伝わってくるじゃないか。 社会主義国なので、アメリカと戦ったべトナムの兵士は「愛国者」と書かれていたりする。 事実、そうだったのだろう。彼らはパトリオティックな愛郷心で、糞尿付きの釘板や竹槍落とし穴などのブービートラップをこさえ、アリの巣のような地下総司令部の中から神出鬼没のゲリラ戦をやってのけたのだ。 朝に畑を耕してた農夫が、昼には銃を持って茂みから撃ちかかるのだ。「オレの畑になにしやがる!」って気持ちは、なによりも強いだろう。 アメリカで徴兵された糞袋ども、根性なしの雌豚の臆病マラ坊主どもにゃ勝てないよ。 この博物館は、戦争に勝った側が「俺たちはこんなにひどいことをされた!」という展示で、そこにアメリカ人観光客が集団で来ている。 勝った側が悲惨さを訴えて、負けた側がそれを見に来ている。どう解釈すべきか若輩の自分には分からないけど、これが世界なのだろう。 あの俳優、誰だっけなあ。あ! ウィリアム…、いやいや。
2008.11.09
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せんだって、妻と映画館で観た映画。早くしないと公開が終わっちゃう。トロピックサンダーhttp://www.shijosaitei.jp/ 面白かったわあ。 諸々、細部を思い出せないが、そのことがすばらしい。 思い出さなくていいほど面白かったのだ。 ZAZが好きだった人とか、とくに喜ぶのではないか。といってもパロディ映画ではないけども。 ハリウッドの中からハリウッドを小馬鹿にするなんてことはハリウッドでしかできないよね。懐デカイなあ。 『ホットファズ』にせよ『トロピックサンダー』にせよ、映画そのものへの批評となりつつ、同時に一級品のエンターテインメントとしてぶっちぎりに出来がいい作品でして。 自己言及的なものを見世物にするには、並外れたセンスや自制心が必要だ。あと金と時間な。 エンターテインメントを「エンタメ」と呼んで下に見る批評家を見かけるが、そういうマヌケの書くクドイ批評よりも鋭くてかつ出来がいいエンターテインメントがあるんだから痛快ですね。 エンターテインメントがもっともハイレベルなんだよボケ。 面白かったわあ。 早く観ないと終わっちゃうよ。 あらゆる出演作で一番かっこいいトム・クルーズが観られるのです。ラストシーンがすばらしい。魂が抜かれたよ、Fuuuuuck you up!
2008.11.08
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せんだって、ベトナム社会主義共和国に遊びに行きました。 初めての海外旅行。二年遅れの新婚旅行。アメリカに勝った唯一の国。 ホーチミン(旧サイゴン)に三泊して、それなりにカルチャーショックを受けたのよ。 旅行先にベトナムを選んだのには理由があって、その下心というのはプリンでおじゃる。 僕も中年男性なので、プリンが大好きっすから。最近の腰抜けなスイーツなプリンは、「とろ~り」だか「やわらか」「なめらか」だか知らないが、べちょべちょしてていけ好かねえ。おとといきやがれってんだ。 男が好きなのはプリンってのはな、こうプリンっとしててよお、張りと腰のある、なんつうの? ハクいナオンのケツみてえな舌触りのよ、カラメルの苦味がスっと利いた、伝統的なカスタードプリンよ。卵だけで固めてんのよ。茶碗蒸しみてえなプリンが好きなのよ。蒸してる時にちょっとスが入っちゃったくらいのよ、硬~~いヤツが好きなのよ。とろーりしてんのは邪道な。へなへななオカマみてえなもん喰えるか。あんなもの、プリンじゃねえだろトロンだろ、ばっきゃろー。 そしたらベトナムではカスタードプリンが盛んだというではないですか。 イギリスのプディングがフランスでカスタードプリンに展開したというが、ベトナムでプリンは「Banh Flan(バインフラン)」。知り合いのフランス人に聞いたらフランス語でプリンは「flan(ふろん)」だという。 つながった。 フランス植民地時代に伝播したプリンのレシピが現地人にローカライズされて定着したのだな。 ベトナムのプリンは練乳が入っているのでコクが深いとか言うじゃないか。コンデンスミルクで調味されたコンサバティブなプリン。ああもうだめだ食べたい。ママ殿、プリンが食べたいでおじゃる。マキシムズナムアン(ベトナム料理レストラン)バインフラン:★★★ 期待通り。オッサンの舌を喜ばせる罪作りなプリン。カラメルの風味が「逃げる」速度も完璧。プリン成分が凝縮された、みっしりした味わいが涙腺を刺激する。舌触りもかなり茶碗蒸しライクで、ちゃんとプリンの快感を楽しむことが出来る。国内各社はここのプリンを見習うように。もっともプリン的なプリンだ。キムタイン(甘味、牛乳屋)バインフラン:★★ ううむコレコレって感じ。感動こそ無いが、安価ゆえに数で満足できる。ちなみにここのバターケーキはコンサバティブ絶品。バターの風味が食欲を煽りたて、みっちり味の詰まったしっとり生地がひとくちひとくち新しい。ラ・フネ・ソレ(カフェ)カスタードプディング:★ プリンアラモードは好きだが、そういうコトじゃないだろう的な違和感を生じさせる編成。丸いのは南国フルーツ。白黒がドラゴンフルーツ、サボテンの実。オレンジ色が、たぶんグァバなのかな。この国の路地が臭いのはこの匂い。プリンが好きでいただくのに、プリンよりも芳香がキツイものをつけられるとは残念だ。卵、コンデンスミルク、カラメル、バニラエッセンスの香りを吹き飛ばすほど臭い果物をつけあわせに選ぶなど笑止。肝心のプリンも、舌触りはともかくプリン成分が薄い気がする。 プリンを食べまくった記憶があるのだが、たった三つじゃないか。ごめんなさい。今度行ったら喰いまくるよマジで。
2008.11.07
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せんだって、ベトナム社会主義共和国に遊びに行きました。 初めての海外旅行。二年遅れの新婚旅行。アメリカに勝った唯一の国。 ホーチミン(旧サイゴン)に三泊して、それなりにカルチャーショックを受けたのよ。 ベトナムの通貨単位は「ドン」。インフレ傾向にあるらしく、主に使われるのが「一万ドン札」。だから5000ドンとか1000ドンとか、おつりでもらうことはあるけど、使う機会はなかなか無いのです。 偽札防止のために紙幣は紙ではなく樹脂に変えられたらしい。透明な部分があるのがオシャレですな。 そんで、一万ドン未満の札は流通量が少ないからか昔ながらの紙で、もうくっちゃくちゃ。洗濯しちゃった500円札みたいな感じなんです。 よく使うお札の一万ドンが当時日本円にして66円くらいだから、金銭感覚が狂う。 500000。 こんな数字が並んだお金なんて、価値がわからないでしょう。3300円くらいだから、11ガンプラか。 物価が安いという意識があるのでついついお金を使ってしまうんだけど、市場とか土産屋は、呆れるほどの倍率でふっかけてくるし、たとえ数円とはいえボラれるのは舐められているみたいで嫌だし、後に続く日本人観光客にも申し訳ないし、でも欲しいものとか実際にゃボラれたところでそれでもなお安いわけで、だったらまあ買いたいし、「ワンミリオン」とか言われてもぶっちゃけ払えるわけですよ。なんだかんだで物価は安いし。 ワンミリオン。百万円だと腰が抜けるけど、ドンだからね。おおむね150分の1だもん。一万円札を両替するとワンミリオンファイブハンドレッドサウザンド以上になる。 うきー! うききぃぃー! インフレ、為替差、物価安。 わけもわからず富豪気分になれたんだけど、物価が安いのは人間が安いからだ。 先進国と比べて圧倒的に安い人件費が、僕らの物価感覚をしてクラクラせしめるのだ。◆ホテルのサービスでリフレクソロジーを受けた時。足モミのおばちゃんが気さくな人で、つまりおばちゃんで、妻の足を揉みながら鼻歌なんか歌ってた。僕の担当は内気な感じのアジア小太り美人で英語も解さない人だったので、妻担当のおばちゃんとばかり話していたんだけど、しこたまフレンドリーでな。 シンガポールや韓国の人と違って日本人は奥さんを大切にするとか、世慣れたお世辞も言いつつ、僕に向かってアレを歌えとかこれを歌えとかリクエストしてきた。まあ僕が鼻歌をリクエストしたお返しなんだけど。 そういうサービスが、ひとりあたり10ドル/30分。 マッサージの代金なんて純然たる人件費。ホテルの中のサービスだから割高にもかかわらず、日本のほぼ三分の一。 なんかね、勘違いするよね。◆前にも書いたように、ベトナムはカフェ文化が盛んだ。 現地の人が憩うカフェとガイジン向けのカフェがあって、まあコーヒーと軽食っつーことで、売っているものは変わりないんだけど、値段が10倍くらい違う。 越南人用とガイジン用みたいな二重メニューがあるのではなく、お店自体がマーケットのセグメントって点で違うの。 現地人が通うカフェは安くて、英語が通じなくて、衛生面でハードルが高い。コーヒー一杯三十円しないくらいかな。 水も、氷も、現地のバクテリアに慣れていない腹だと危ないわけです。場所によっては犬がうろうろしてたり。食品サンプルじゃなくて家畜なんだろうけど、狂犬病が怖いです。 屋台カフェじゃ、水溜りで食器を洗ってたからな。覚悟がいるよな。 そんでガイジン用カフェは、英語が通じて、衛生面で安心で、現地相場の5~10倍くらいの値段だったりするわけ。 衛生の徹底管理とか、英語接客とか、最近の感覚で言うと有料の「サービス」だわな。 現地人向けにセグメントされるであろう甘味屋に入ったんだけど、ガイドブックに乗っているので日本人の客が多いみたいで、有無を言わさず日本語のメニューを出されたのね。ガイドブックに書かれている値段の二倍だった。つったって、30円が60円になっているくらいのボッタ率なんだけど、アジアのたくましさやしたたかさを感じて微笑ましいとも言えるんだけど、だまし討ちにあった気分というか、こちとら食べたいもののベトナム語を勉強もしてたし、指差し注文でもいいのに、とくに必要も感じない「日本語メニューサービス」によって価格倍加ってのは、これサービスと呼べるのかしら、これで日本人客は喜んでるのかしらと、モヤっとした気分になった。喜ばねえけど納得するしかない。そんな感じだよね。 我々はサービスにお金がかかることを当たり前だと思っている。 金もらってるからニコニコ接客してやってるんだ。 こっちは客だぞ金払ってんだぞ。 接客態度と金銭は交換できるとなると客と店員が敵対関係となる状況が生まれやすい。 2ちゃん世論なんかでよくみるけど、サービス業を「親切を金で売る」みたいに捉えている人がいるでしょう。たまに。 極論するとそうなっちゃうかもしれんけど、プロってそういうことだけじゃダメでさ。 お金のために我慢してサービスするという場面もあるけど、客にそう悟られちゃ失敗してるし、客は苦役を強いてるわけじゃないわけでさ。 どこまでが「労働」で、どこまでを「サービス」に含めるのか。 何度か書いているように、ベトナムの人って基本親切なんすよ。あーえっと、カインドネス、ユノウ? 欧米式のサービスやホスピタリティって概念がいちおう行き届いている店は値段が10倍なんだけど、まあ安全が買えるのは助かるんだけど、でも市場の個人商店とか半分屋台みたいなカフェでも、やっぱり親切なんだよね。サービスになってるんだよ。もちろん中華スタイルの無愛想接客もあるけど、お客をあれこれ世話してあげるマインドって当たり前にあるんだよね。 お金をもらうから、ではなくて、お客さんだからっていう、ほんのちょっとの気持ちの違いなんだろうけど、ああ、なんかまとまらない。 つまり、同じものを扱っているお店で値段に10倍の差がついているにもかかわらず、サービス内容は(衛生面以外は)とくに差を感じなかったという経験によって、資本主義経済における錬金術の本質にちょっと触れた。人件費が超安い国なので、それが際立ったっていうか(サービス料金ってのは人件費そのものだかんね)。 「スマイル0円」という宣言が持つ、ちょっとグロテスクな部分に気がついたように思うのです。 社会主義国に行ってこんなこと書くと貴様転んだのかと言われそうだ。転ばねえよ。▲ちなみにこのカフェは、たぶん日本人が経営してる。日本人観光客向けのオサレ内装。人件費の安い現地人を雇って高価格帯の商売。この手のお店は土産屋やアオザイ屋など、けっこう多い。
2008.11.06
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http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081208/crm0812080001001-n1.htm【幸満ちゃん事件】プリキュア、聖闘士星矢、ブリーチ…容疑者自室に子供向け漫画、犯罪性は見当たらず (1/2ページ)2008.12.8 00:00 このニュースのトピックス:幸満ちゃん事件勝木諒容疑者の自室は「聖闘士星矢」の単行本やポケモンや戦隊もののグッズで埋め尽くされていた一方、今回のような特異な犯罪の誘発をうかがわせるソフト類はなかったことが7日、東金署捜査本部の調べで分かった。容疑者がよく利用していた自宅近くのレンタルビデオ店で借りていたソフトも特撮ものや洋画のヒット作などだった。 捜査本部は前日に続いて7日も勝木容疑者の自宅を捜索。「勝木容疑者の自室の壁一面は漫画で埋め尽くされていた」(捜査幹部)という。 捜査本部によると、美少女の主人公が活躍する「プリキュア」のほか、1980年代にヒットした「聖闘士星矢」や死に神高校生の活躍を描いた人気漫画、「ブリーチ」の単行本が並べられていた。 特にジャンルに分けられることもなく、床に雑然と置かれたものもあった。その中には、「ポケットモンスター」や「プリキュア」の塗り絵のほか、特撮戦隊ヒーローの下敷きやDVDなどがあった。 児童を対象にしたアダルト物や猟奇的作品はなかったといい、何が犯行の背景にあるのか、捜査本部は幅広い調べを進める。> 勝木諒容疑者の自室は「聖闘士星矢」の単行本やポケモンや戦隊もののグッズで埋め尽くされていた一方、今回のような特異な犯罪の誘発をうかがわせるソフト類はなかったことが7日、東金署捜査本部の調べで分かった。> 児童を対象にしたアダルト物や猟奇的作品はなかったといい、何が犯行の背景にあるのか、捜査本部は幅広い調べを進める。 産経は「売り」として、自覚的に「右翼&保守」言説を装っているというけれど、こりゃ「保守」じゃなくて、ただのバカだ。 千葉県警東金署は「特異な犯罪」を「誘発」するグッズがあると考えているのか。 「児童を対象にしたアダルト物や猟奇的作品はなかったといい、何が犯行の背景にあるのか、捜査本部は幅広い調べを進め」ているのか。 バカじゃないの!? こんな危険なデマを広める新聞社など解体されてしまえ。 こんなに捜査能力がない警察だったなんて、酷すぎる。ひどいよ。人の心があるとは思えない。 こんなに不幸な事件を生贄にして、自分らの淫らな妄想を実現しようというのか。 ふざけるな。 容疑者の知的障害がどれほどのものか不明だけれど、中身は子供みたいなことだったんでしょうが。 知的障害者が「不審者」扱いされて防犯PTAに通報されるケースはままあることだし、子供と仲良くしたかっただけの知的障害者が事件性のある出来事を起こしてしまうことも、昔からしばしばあることだ。現状ではちょっと防ぎようがない事件じゃないか。 産経がバカなのか、県警がバカなのか。 本当にひどいよ。かんべんしてくれよ。 新聞社と警察が手を組んで障害者と子供を食い物にする世の中なんて、ぜったいに間違っているでしょうが。
2008.11.05
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せんだって日記では、昨今、えーと、桶川ストーカー事件以降ですか、昨今巷に蔓延している「若者を見たら犯罪者と思え」「オタクは犯罪者予備軍」という実体にそぐわないセキュリティ意識に警鐘を鳴らしてきたつもりだ。 マスメディアの印象操作で誘導された単なる思い込みや「願望(きもちわるいオタクは性犯罪者であって欲しい)」によって若者やオタクを疑いの目で見ると、なんかいいことが起こるのか。 疑心暗鬼による安全って、効果があるのか。ただただ相互不信が増幅して、ケーサツのいう「体感治安」が悪化するばかり。 実際の治安は良好だとしても「体感治安」が悪いと、世間はまあギスギスするよね。 ここ数年、マスメディアの流す疑心暗鬼って、そういう効果を生んできた。そんで警備会社大儲けな。 これ、犯罪的だとさえ思うのですが、どうか。 警察は、未解決事件が目立つと体感治安が低下するというけれど、高知白バイ事件や現役警官が事件を起こしても身内なんで守られちゃうケースっていう不正や不平等がまかり通っているじゃないですか。なんつーかこういう、悪徳保安官が出るダサい西部劇みたいな世の中だと、こないだみたいに天誅殺人を内心では歓迎しちゃう心理も起きやすかろうよ。 こういう心理はホントにまずい。司法とか行政とか、ここでしっかり襟を正さないと、マジでディストピアが待たれてしまうぞ。 金のない世界で高福祉国家の実現・維持なんて難しいんだから、そうではない方向の幸福像を展開したいですよ。 で、自治体や警察や地域のPTAが一生懸命に、若者やオタクや「不審者」を敵視して監視してきた影で、高齢者の犯罪が激増していた。http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/crime_prevention/?1228619407キレる高齢者急増 粗暴犯12倍にも東北高齢者の粗暴事件が東北で多発している。宮城県で2007年に摘発された65歳以上の人は38人で、3人だった1997年の12.7倍に増えた。ほかの県も90年代の最高12倍に増加している。お年寄りの粗暴犯は全国的に増えていて、専門家は「核家族化で老人が孤立し、不満をぶつけられずにイライラを募らせているのではないか」とみている。(河北新報)[記事全文]・ 〈第二部〉特集「高齢犯罪者の実態と処遇」 - 平成20年版犯罪白書のあらまし。法務省◇高齢者の犯罪に関する記事・ 社説:高齢者の犯罪 刑務所が老人施設でよいか - 毎日新聞(11月19日)・ 「団塊の世代」の犯罪増加に警鐘 法務省が犯罪白書 - 産経新聞(11月7日) 僕はこれから、高齢者を見たら犯罪者だと思うことにする。 高齢者はいつ殴りかかってくるか分からないし、スーパーとかにいる高齢者はだいたい万引き犯だろう。傘やステッキを持ってたら凶器を準備していると考える。 男の高齢者は家で孫を犯しているに違いない。統計的には若者よりも性犯罪の確率が高いらしいからな。女性の高齢者のイジメは陰湿だ。嫁を虐めてるのをドラマで見たもん。子供のイジメなんか高齢者のまねっこでしょ。 これからは深い疑いの眼で高齢者を見てやるのだ。 ここ数年、根拠がない「疑心暗鬼セキュリティ」が正しい作法とされてきたんだからな。
2008.11.04
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せんだって、ベトナム社会主義共和国に遊びに行きました。 初めての海外旅行。二年遅れの新婚旅行。アメリカに勝った唯一の国。 ホーチミン(旧サイゴン)に三泊して、それなりにカルチャーショックを受けたのよ。地球の歩き方(D 21(2008~2009年) 初めての海外旅行ってことになると、誰しも『地球の歩き方』を買ってお勉強するものですな。 ガイドブックにゃ、おいしいものや買い物、観光スポットのほかに、注意点が書かれている。 実際にあったトラブル例もある。 東南アジアに限った話ではないが、スリや置き引きひったくりはかなり多い事件みたいだ。ひどい例だと、新婚旅行のカップルが現地に到着して、バスからホテルまで歩くわずかな間に全財産をバイクひったくりにかっぱらわれてしまい、帰国の日までずっとホテルに引きこもってたという話も聞く。 現地ガイドからも、デジカメを首から下げるなど、かっぱらいから見えるような持ち方は絶対にしないでくれといわれたものだ。 日本の治安がいかによろしいのか、外国に行って不安でガクブルになって歩いてみてよくわかるのだなあ。日本はきっと平和っすよ。ボケるほど平和。 閑話休題。 もうこうなるとここいらの現地の人は全員ひったくり、ぼったくりなんじゃないかという疑心暗鬼に囚われて身動きできなくなってくる。疑心暗鬼は人を不幸にする感情ですよ。 とまあ、ガイドブックの影響で疑心暗鬼の呪いを受けた僕らなんですが、実際に街に出ると、ベトナムの人たちはかなりやさしい。親切である。あー、えーと、カインドネス、ユノウ? こりゃ別にめでたいバックパッカーが言うアジアの微笑みみたいな信仰ではなく、すげえ親切。国中が田舎だからなのか、観光立国だからなのか知らないが、なんだかもう感激した。◆ベトナム戦争を記念した資料館に行こうと思って歩いてたんです。でも、これといった目印も看板も無い(目印が分かりづらいのはベトナムの基本)。道端で地図を広げるのは無用心なんで避けたいアクションなんだけど、地図で見るとブロック的にはここらへんってところまで来ていて、でも資料館が見つからない。 そしたらルンペンあるいはテキ屋みたいなオッサンが近づいてきて、一瞬ピリッとしたんだけど、そのきったねえオッサンが道の向こうを指差して、あっちだあっちだって感じの仕草をする。 その方向を見たら、白人がわらわらたむろしている門が見えた。ベトナム戦争関係なんで、アメリカ人観光客が多いのだ。 ああ、オッサンは案内してくれてたんだ。疑って悪かった。 サンキューサンキューとお礼を述べたら、誰に聞いたか日本語で返してくれた。「アリガト、アジノモト」 オッサン、最高の笑顔な。 そ、そうだな。東南アジアでアジノモトは人気だもんな。◆ベトナムは元フランスの植民地なのでカフェ文化が盛んである。 ガイドブックにあったくそオシャレなカフェに行こうと思って歩いてたんだけど、角の建物なんで場所も確実に分かるんだけど、事実、二階の窓は見えているんだけど、上にいく階段が全然見当たらない。すごい。ちょっと悪夢的。目的の建物とその周辺のがちゃついたお店が渾然一体となっており、入り口は多いけど正解の階段がどれか全然わからないのである。大阪新世界をエッシャーがアレンジしたみたいだ。 九月の南国で真昼間で、頭も朦朧としてきたわけですよ。 そしたら、そこらへんの道端にへたり込んでいた、茶ばんだランニングシャツの似合うオッサンが、あるドアに向かってしきりに指を指している。 建物の間にある勝手口みたいなとこで、中は真っ暗。入ったらすぐに急角度で階段が跳ね上がってる。どこの組織のアジトかと。 でも、そこが目的のカフェの入り口だった。ガイドブックに載っているので日本人の客が多いらしく、ここらへんでよく日本人が迷ってるんだろう。 ありがとう、茶ばんだランニングシャツの似合う痩せたオッサン。◆以前書いたように、ベトナムの道路はカオスである。車やバイクが切れ目なく走り、信号はお飾り。慣れないと渡れない。 夕方のメインストリート。国営デパートの前なので、もう一等地ですわ。金曜夜の六本木交差点に信号がないと思っていただきたい。 ここが混雑してて、通行の切れ目が無い。つまり、自分の存在をアピールしながらバイクの間を縫うように道を渡るというベトナムスタイルをやらないといけないタイミングなんだけど、なにしろ薄暗いので、マジ怖い。 ああ、この道を渡りたい、渡れない。 妻とふたりで逡巡してたら、現地のオッサンが僕らの前に立ち、背中で手招きをした。 彼は、荒れ狂う濁流のようにバイクが流れているストリートに、たったひとりで踏み込んでいく。 僕らのために流れを切り開き、せき止める。向こうから来る暴走バイクに睨みを利かせて、速度を落とさせる。 彼の背中に、小さな安全地帯が出来上がる。 彼は、ちょっと進むごとに肩の上で手招きをし、僕らを導いてくれる。僕と妻は、彼の背中に守られるように、ゆっくりとゆっくりと、道を渡っていった。 道を渡りきった時、僕は覚えたばかりのベトナム語で彼の背中にこう叫んでいた。「カムオン!」(ありがとう、の意) オッサンは顔だけで振り返り、ニヤリと笑って片手を上げると雑踏の中に消えて行った。 むっはー、かっこいい。紳士だ。僕は外国人観光客にこんなふうに優しくできるだろうか。困っている人に手助けできるだろうか。 観光都市ホーチミンの市民だから観光客への接し方に慣れているってだけじゃないだろう。困ってるひとに親切にするのは当たり前なのだ。 この得がたい経験を妻と語りながら歩いてたら、さっきのオッサンが道端にへたりこんでタバコを吸っていた。▲親切なベトナム人のおばちゃんが、道端で子犬を売っている。食材である。これが文化なのだなあ。
2008.11.03
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せんだって、夕方のニュースショーで、横浜駅前の禁煙エリアでタバコを吸ってるヤツがいっぱいいてけしからんっていう、偽善コーナーを見た。 棒読みナレーションで「あぶなーい」とか「ゆるせなぁい☆」とか言うヤツね。禁煙エリアでタバコを吸うのはむしろテレビマンの得意技なんで、「おまえがいうな」ってツッコミながら見てたんですよ。 地方行政によくある失敗例としては、「わるいこと」を、外堀も埋めんでいきなり締め付けて、結果としてもっとひどい状況を招くってのがある。放置自転車対策で自転車の数を減らさないまま自転車置き場を減らしたあげくになんかグジャグジャになるケースなんか多いですよね。 同じように、路上喫煙を禁じて、喫煙スペースが少なくなって、キャパオーバーしてるところは、総じてすさんでる気がします。まあ、今まではモラル程度の問題だったのに条例で禁じたらもっと「わるいこと」になるので、人心荒廃ごもっともな話かもしれない。 単純に締め付けただけだから、これは自治体が進んですさむようにしたのだよ。 それに、いままでは単なる「困った人」だったのが、条例のおかげで「犯罪者」に格上げされたわけですから、もう覚悟が違うんだぜ。確信犯なんだぜ。 禁煙エリアの境界線で吸殻ポイ捨てが多いとか、自治体は予想してしかるべきだったろう。喫煙マナーも大事だが、タバコを吸うヤツはもともとツッパリの不良なんでしょ。愛情を持って抱きしめたりしないと更生できないんだよきっと。 まあ吸うヤツが悪いんですが、しかしですね、タバコは国が売るドラッグです。しかも極めて依存性の高いものです。喫煙者はむしろ治療して欲しいくらいだし、あまり健康被害を宣伝して締め付けると集団訴訟されっかもしれないぞ。ならはじめから毒を売るな、と。----------------------------http://www.excite.co.jp/News/politics/20081204/Kyodo_OT_CO2008120401000736.html2008年12月4日 18時52分 ( 2008年12月4日 22時41分更新 ) たばこ増税の方向で合意 財務、厚労両相中川昭一財務相と舛添要一厚生労働相は4日、2009年度予算編成をめぐり閣僚折衝し、医療や介護などの社会保障費について抑制額を圧縮する原資として、たばこ税引き上げを検討、調整を本格化させることで合意した。舛添氏は、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制する政府方針について「安定的な財源が確保できないと予算編成作業は難しい。少なくともたばこ税の引き上げで財源を確保すべきだ」と強調した。----------------------------- 喫煙者はニコチンでバカになっているので、毒を盛られながらも喜んで税金を払っていることに気がついていないのだけれども。 街中で迫害されながら、健気にも医療や介護のために税金を払っているわけです。いま全赤鬼が泣いた。 道路の税金がらみだと「受益者負担」なんて考えが出てきますけど、タバコや酒ではあまり聞かれない。 横浜駅前にある喫煙者隔離ボックスも税金で建てられたものだろうが、それによって利益を得ているのは非喫煙者だ。 受益者負担の考えが当てはまるなら、非喫煙者が税金を払うことになる。タバコはタダ同然で買えるようになって、吸わない人からタバコ税を徴収するのが正しいっていう…。へんなのー。 いまや喫煙者は犯罪者扱いされているので申し訳ないのですが、いやさ、犯罪者というよりも、こう、なんというか、「毒物に依存しているかわいそうな中毒患者」と思っていただきたい。 例のニュースショーの街角インタビューでは、人のよさそうな女性がタバコの迷惑について語っていたけれど、それはもまるで自分が善人であることを疑ってもいないまっすぐな瞳だったのですが、その肥大した自己愛の中のほんのちょっとでいいですから、タバコ税によって助けられている行政サービスを思っていただきたい。 喫煙者がゼロになったら、そのぶん確実に税金が上がるのだ。 ひょっとしたらそれが望みなんだろうけど。 とはいえたばこはからだにわるいのでこのよからなくなったほうがいいよね。ぼくはいっかげつあたりきゅうせんえんくらいたばこでぜいきんをはらっているけれど、これもみんなでわけあおうよ。きつえんしゃはいま25ぱーせんとくらいらしいから、せいじんひとりひとつきあたり2000えんちょいの増税ですむはずなんだ。 たばこがきえてなくなって、いちねんに24000えんのぞうぜい。けんこうばんざい。きれいなまちばんざい。 ああ、たばこをやめたい。
2008.11.02
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せんだって、醜悪な日記を読んだ。あまりの愚かしさに吐き気がした。 カスパルという団体の構成員の日記だ。 カスパルは「アジアの性虐待と貧しさに苦しむ子供たちを救う会」と自称するカルト的な集団です。 エロアニメやエロマンガを法律で規制しろという署名を国会議員に提出したりする連中なんですが、その理由がおおむね宗教的なものなんです。 いいですか。 宗教観としか言いようがない動機で、表現を法律で規制するなんて、絶対にしてはいけない。 だいいちそれは憲法違反だし、法律に宗教観を反映させるなんて絶対に許されない。運用面で冤罪を増やすことにもなるし、そもそも子供を守れない上にコストだけは高くつく法律だ。馬鹿げた話だ。 アジアの子供を性犯罪から守りたいなら、まずは貧困(つまり親が子供を売らない程度の経済発展)、教育、身内や近親者の犯行抑止が先決。むやみな規制は裏マーケットの活性を高めることも考えないといけない。 性犯罪をマンガのせいにする人たちはペドフィリア(疾患)とチャイルドマレスター(小児性犯罪の八割は顔見知りの犯行といわれる)とロリコン(世界の男性の過半数が持つ性的嗜好、若い子はかわいい的なもの)の違いを、おそらく分かってない。分かってないことを規制しろといって法律を作らせようとしている。これは民主主義へのテロルである。結果的に子供も守れない法律だし、運用次第で非常に危険であることを僕らは1945年くらいに学んでいる。 以下が問題の日記。気になった部分を引用する。「てにをは」とか文章構成がおかしいのは原文ママです。http://dojisaiki.blogspot.com/2008/11/blog-post_1594.htmlさいきのドジ日記3:カナダには行ったことがない> 私が幼児ポルノは反対。幼児を性的に表現するアニメも反対だと言うと、いろんな方が「カナダは性犯罪が幼児ポルノを禁止して急増しているのだ!」という。> > どっかの国連のデータでしっかりあると。 じゃ、お前は見てきたんか?と私は言いたいわ。> > 冷静なGOOGLE に聞いてみた。> CANADA SEX LOLITA の検索結果 約 248,000 件> JAPAN SEX LOLITA の検索結果 約 491,000 件> > 確かに規制されているようである。> ちなみに、LOLITA を抜くと日本よりカナダの方が1.5倍多い。> ロリータ規制されてるだけで性犯罪増えるの? やっぱり、わからねぇなぁ。 幼児ポルノに宗教的に反対しているさいきさんが、幼児ポルノではないLOLITA(幼児って何歳まで?)に向かってバカな犬のように吼えて噛み付いてまして、そういうさいきさんに誰かが「カナダなんかだとエロアニメを規制してますが性犯罪はむしろ増えてますよ」的なことを教えてあげたら逆ギレして> じゃ、お前は見てきたんか?と私は言いたいわ。> > 冷静なGOOGLE に聞いてみた。「見てきたんか?」と挑発的な言葉を発した直後、一行あけてグーグル検索でヒット数の調査。とほほー! これは失笑するとこかな。お前は見てきたんか? さいきゆみ自身も見てきてないんだから、これはホントに無内容な反論。 こんなオツムの持ち主の声がデカいばっかりに、子供と社会を危険に晒す署名が集められてるわけ。アジアの子供のために必要な「教育」っていうのは、こういうカルト思考からの脱出を指します。 以下は、さいきゆみの価値観が狂っていることがよくわかる一文。> 結局は、子どもを性の対象にするなんていうのは大犯罪だという認識が日本は低すぎるじゃないの!ということだけを考えてほしいということで私は主張させてもらうわ。 犯罪、というのは、刑法で定義されてはじめて成立する。 この人たちは、そのための法律を求めて署名を集めている。 つまり、まだ犯罪とはいえないことを「大犯罪」と決め付けて断罪している。 この価値観のズレ、独善。ひとり裁判官。正義の味方パラノイア。 これは危険。危ない思想だ。 実際に性の対象にしてアレコレしたら現行法で充分に犯罪なんだよね。でも、イマジネーションを法で縛れってアンタ。『十五で姐やは嫁に行き』って歌ったら逮捕ってことでしょ。百恵ちゃんの歌もおニャン子も発禁ってことでしょ。 タリバン政権下のアフガニスタンで、世界遺産のバーミヤン遺跡が破壊されたことがあったでしょう。偶像の存在を許さない宗教国家。 あの悲劇に似ているじゃないか。 一般に、性表現に対する規制の厳しい国のほうが性犯罪は多い。法が厳しければ犯罪件数も増えるだろうし、そこに理由は数多くあり、規制と発生件数の関係を安易に結びつけるのは危険だ(シンガポールでツバを吐いてごらんなさい、イスラム国家で女性が半裸で練り歩いてごらんなさい)。 だけど、これだけは言える。エロ表現の規制をしても子供は守られない。 数多くの先進国が先にやって失敗してくれていることを、どうして真似しなきゃいけないんだ。 って思っている矢先に。http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1195307.html【痛いニュース】「児童への性的描写がある日本のアニメや漫画が世界中に」 国際会議で日本批判…ブラジル > この日の全体討議で、著名な心理学者であるコーク大(アイルランド)のエセル・クエール教授は日本を名指しし、「英国などでは、子どもの性的な姿態や虐待を描いたマンガも違法としている。日本は実在の子どもの写真を法律で規制しているが、マンガやアニメは規制していない。> その結果、問題のある画像が世界中に出回っている」と指摘した。 このクエール教授の言っていることに納得する人は論理の罠に落ちている。 「日本では禁止されてるモザイク処理ナシのポルノが、外国では野放しにされている。問題のある画像が日本に流入しているので世界中で禁止禁止、がおー!」って言ってるのと同じことなんです。って痛いニュースのスレッドの中に書いてあった。 あと、イギリスの幼児性犯罪発生件数は別に少なくない。 つまり単純に規制してもダメなんじゃないですかね。 という世界会議がせんだって開かれまして、このような外圧によって、ひょっとしたら今国会で日本のアニメや漫画が規制される法律がなんだかんだで通ってしまうかもしれないらしいです。 もちろん、子供の安全は担保されません。世界中の先進国でその前例はあるわけです。表現規制では効果を望めないのです。 外国のアレな人からみると、『ちびまる子』も『となりのトトロ』も児童虐待の映像になります。父親と女児の入浴は虐待なんだそうです。 もしこの法律が通ったら、なにより子供が気の毒です。 貧困、教育、近親者からの虐待、顔見知りの犯行、ペドファイルの治療と社会の受け入れ。 優先キーワードはこれ。 でも撲滅はできない。死刑覚悟のヤケクソ凶悪犯は厳罰化では止められないです。 ここまで考えて、さあどうするってのが、大人の責任な。
2008.11.01
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