青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2019.02.22
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キッチンを片付けていたら、収納容器にしまい忘れた
母の嚥下食用のベビーフードが6袋出てきました。

賞味期限が2015年3月なので、母が脳梗塞で全介助になり
リハビリ病院から退院する前、
まだ介護用レトルト食の事をよく知らずに
介護カタログ等であれこれ悩みながら選んで用意していた頃、
スーパーやコンビニで手に入りやすいベビーフードを
予備用にとりあえず買っておいたものだと思います。

介護用のレトルトをまとめて注文したのが大量に届き

そのまま忘れてしまったのかもしれません。

6袋とも違う種類です。にゅうめん、炊き込みご飯
ハンバーグ、うどん、五目中華、カレーと、
いろんな味を楽しんでもらいたいと選んだと思います。

私がしまいこんでしまったから食べてもらえなかった、と
一瞬自分を責めましたが
考えてみればもっと味がしっかりした大人用の食事を
食べてもらっていたので、大丈夫と思い直しました。

捨てたくないけど賞味期限が切れているので
ゴミの分別のため、袋から中身を空けると
「ああ、もったいない」と母が言うだろうなと思いました。

食べてもらえないんだよ。生きててくれたら良かったのに」
と心の中で少し母に文句を言うと
「だってそんな事言ったって仕方ないじゃない」と言うのかなと
今までのようにお互い冗談とわかって
軽口を言いあった気持ちになりました。


初めてだと思います。
母が元気な時しか、冗談としての文句でも
言う気になりませんでした。

あんなに一生懸命生きた、優しい母に文句を言うなんて
とんでもないとも思ったし、
私がちょっとでも文句を言うと、
母は心配したり気にしたりするでしょうから、
母を心配させたらいけないと、言う気になりませんでした。

でも今回、母も冗談だと思ってくれるとわかって
ちょっとぼやくことができて
ちょっと前に進めたのかなと思いました。

母と会話できた気持ちになったので、
食べ物をしまい忘れて、それが母のための物なのに
捨てなくちゃならないというつらい気持ちが、
少し和らぎました。

言葉で書くと簡単だけど、
ベビーフードが出てきた事も
母に食べさせなかった事も
捨てなくちゃいけない事も
つらくて悲しくて重い気持ちなので
それが少しでも和らいだのは大きな助けでした。

母には美味しいものをたべてもらおうと
ずっと気配りしていたので、
今も母のお供えは欠かしていません。

母が亡くなってから何も食べたくない日が続き、
今も自分のためには料理する気にならない事が多いのですが
母のために食事をお供えしたいので、毎日何か作って
私も食事することができています。

もしも、母がお供えを味わえる事があるのなら、
美味しいものを食べてもらいたい、
そんな小さな希望を持ってお供えをしています。

世の中には不思議なことがあるから
もしかしたらお供えも味わってもらえるのかもしれません。
少なくとも気持ちは届くのかもしれません。


こんな味の嚥下食もあり、毎日違う味が楽しめます。
すきやきはしっかりと牛肉の香りがします。
柔らかいごはんにかけて食べてもらいました。


お寿司も香りと味も楽しめます。

画像をクリックしてすると詳細が見られます。





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Last updated  2022.04.29 03:34:08
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