青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2020.05.29
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カテゴリ: 親孝行
10年ほど前、新聞で
98歳の柴田トヨさんの詩集『くじけないで』を知りました。

詩集なので文字数も多くなく
高齢者にも読みやすい本ですが、
一人でしっかりと生きていく強さと寂しさが
優しく素直な語り口で綴られています。

強いところとかよわいところがある母も
同じ思いだろうなと思い、
忘れないよう記事を切り抜いておきました。


何かの折に楽天で注文して送ると
とてもいい本だと喜んでくれ、
周囲の人達にも貸していると
嬉しそうに話していました。

あれはいつのことだったろう、と
楽天の購入歴を見てみると
2011年の敬老の日前に送っていました。

2011年は気持ちが沈みがちな事が沢山あったのですが
この本で母の気持ちが少し前向きになり
本を貸すことで周囲との交流が盛んになり
母の気持ちが少し華やいだようです。


歳をとってきたことを嘆くようになった母も
前向きな気持ちになれたようです。

その後、続編にあたる『百歳』が出版されたので
そちらも母に送ったのですが、
その時にはなぜかピンとこなくなっていたようで


読書が大好きだった母が、1年半の間に
読んだり書いたり話す事が出来なくなってきていると
本を贈る事で知り、
計画していた母との同居を
具体的に進めることができたのも良かったです。

『くじけないで』は人気が高く、
その後すぐに映画化もされたので
一緒に観に行こう、と思っていましたが
仕事をしながらの同居介助で忙しく
そのうちに母が倒れてしまいました。

要介護5になり、朦朧とした母ですが、
リハビリ病院の病室でテレビをつけると
画面を目で追っているのがわかったので、
母に一人で座ってもらっている時は
できるだけ、母がわかりやすそうな
幼児番組や好きだった絵の美術DVDや
花火の番組等をつけておきました。

『くじけないで』のDVDも出たら買おう、
そう思いつつ忙しくて
結局見せないままになってしまいました。

『くじけないで』には柴田トヨさんご本人の
詩の朗読CDもあります。

今考えるとそれも聞かせてあげればよかった。
母は耳が遠かったので
最初からこれより映画のほう、って思っていたけど
今考えると、あれこれ考えずに
全部やればよかったのにって、思っちゃいますね。

でも、本を喜んで読んでもらったので
とても良かったです。

にこにこしながら
「とっても良い本でね、本当に嬉しい。」と
一生懸命私に伝えてくれていました。

柴田トヨさんの『くじけないで』から
一つ抜粋しておきます。


風と陽差しと私 柴田トヨ

風が
ガラス戸を叩くので
中に入れてあげた

そしたら
陽射しまで入って来て
三人で おしゃべり

おばあちゃん
独りで寂しくないかい?

風と陽射しが聞くから
人間 所詮は独りよ
私は答えた

がんばらずに
気楽にいくのがいいのね

みんなで笑いあった
昼下がり









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Last updated  2020.05.29 07:14:33
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