青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2022.06.29
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会場に入った途端、
突然春の野原に出て突風に包まれた
シダネルとマルタン展でしたが
(詳細はこちらをご覧ください。
シダネルとマルタン展1
その感動のまま
本会場に入るようになっているのは
素晴らしい見せ方だなと思いました。

この美術館は都会の中の小さな美術館なので


観覧順路の一番目である本会場の最上階部分に
並んでいたのは小さ目の絵で
モチーフも様々でしたが、
まず最初に展示してある『エタブル、砂地の上』に
惹かれました。

描かれているのは
一部が砂地の荒野のような草地のような場所で
まだ十代位の男女が、佇んでいます。
羊も見え、男の子は木の枝の杖も持っているので
一見、羊飼いの姉妹の休憩のようです。

しかしその後に続く絵数枚に

また他の絵に、少女と同じ服装の制服の
孤児院の孤児たちが描かれているので、
二人共、モデルとしてあちこちでポーズをとってもらい
描いたのだと思われます。

少年が本当の羊飼いだったのかはわかりません。

本物の羊飼いなら、別の場所に行って
長時間絵のモデルになっている暇は
ないように思えます。

画家がモデルを使ったり、
普段ないものをもってきて描くのは
よくある話なので
そこに違和感があるわけではないのですが、
とても風景に溶け込んで心癒されるので
描かれた背景について
なぜこんなに自然に感じるのか
考えてしまいました。

この絵、一見、白っぽく優しく曇った
よくある温和な風景画、で
通り過ぎてしまいそうになるんですが
なんだか妙に惹かれ、じっと見ていました。

何か落ち着くような、柔らかくほぐれるような
そんな気持ちになります。

何かな、と細かいところを見てみると、
空は曇ったような白っぽいグレーだけど
雲の向こうに日が差しているように明るいんです。

それから絵の中心にある白っぽい砂地
(というか、私には小石がごろごろしているように
見えましたが)も
一見、ただ白とグレーで描かれているようで、
いろいろな白、グレーの他に
水色やオレンジ色も沢山入っていて
そのハーモニーが柔和で明るいんです。

気がつかないうちに
気持ちが明るくなるのかもしれませんね。

少女の白いドレスは簡素ながら清潔感があり
佇まいは優しく穏やかで、
傍にはやはり穏やかな様子で
羊飼いのような少年が木の枝のような杖を持ち
佇んでいます。

その杖の影が、白い砂地に青く伸びていて
その色合いがこの絵をすっきりと
清楚な美しさでまとめていました。

この色合いは、この美術展で販売されている
絵葉書などの印刷には
全く再現されていませんでしたが
タッチといい色合いといい、素晴らしかったです。

この小さな
特にどうということもないモチーフの絵を
こんなに気に入ってずーっと眺めているなんて
私位なんだろうなあ、でもこの絵いいなあ、
と思いながら、ずっと眺めていたのですが、
なんと売店には、この絵の額やファイル等が
沢山あって、結構人気がある絵だということが
わかりました。

私がここで書いていることが
特筆すべき点なのか
それとも全くの的外れなのか
全くわかりませんが、
この絵が良いと思う方が沢山いらっしゃるようで
嬉しいなと思いました。

下:シダネルとマルタンの絵も沢山入っている
心癒される風景画が366日分載せてある本。
どの絵もとても良いです。
自分用にもプレゼントにもお勧め。







画像をクリックすると詳細が見られます。





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Last updated  2022.11.03 10:22:31
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