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笑いは健康に良い。笑うとド―パミンのような「幸福ホルモン」の分泌が刺激されて、幸福感が呼び起こされるんだって。そういうことから、意図的に笑うのを練習する講座がある。笑いのヨガとか名付けられて。こうした講座に行ってみた。まあ、あんまり期待していなかった。もしかして、ユーモアとか冗談を習えるかと思ったけれど、やはり予想どおり、そういうのではなくて、体を動かしながら、わざと笑う練習だった。参加者の半分ぐらいは、「熟練した」笑いの達人で、おかしくもないのに、ワッハッハ、女性たちはキャー、キャッキャッと大声や金切り声で笑っていた。隣の人と手を叩き合ったり、歩きながら、参加者たちと手を合わせては大声で笑ったり、空をつかむようにしてから、大声でワッハッハとしたり、という練習が一時間つづいた。でも、自分は理由なくしては笑えないということがわかっただけ。無理矢理、笑顔をつくって、ワッハッハとお腹をかかえるのはむなしくて、自分に笑いを強いることはできない。みんな本当におかしくて笑っているのかしら。それとも笑うフリをしているだけ?でも、一人だけ笑わないでいるわけにはいかないので、BFの、おかしくもないのに笑ってるフリをしている引きつった顔を見て、それを種にちょっとだけ笑った。むなしくて、笑い続けることはできなかった。「本物の笑いと作り笑いの違いはどこでわかるでしょう」と講座のリーダーがみんなに聞いた。わたしは即座に「目」とぼそっと言った。「そう、その通り。口は笑う形をつくれても、目は作り笑いができないのです」そうだとすると、大声でワハハワハハと叫んでいる幾人もの参加者は本当に笑っていたことになりそう。これこそが訓練の賜物なのかもしれない。無理矢理、笑っている内に、本当に笑えるようになったらしい。それでも、わたしはもうこの講座には来ないわ。金を払ってまで、作り笑いの練習はしたいとは思えない。この金で、面白い話を聞きにいったり、面白い本を読んで、腹をかかえて笑う方を選ぶわ。笑いはあくびと同じように、伝染するから、笑っている人の近くにいるのもいいかもしれない。それとも、鏡に向かって笑ってみて、自家伝染するとか。世の中が笑いに満ちますように。
2015/09/22
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ライ麦全粒粉80%のパン(サワー種) posted by (C)solar08最近、ものは試しと、ライ麦サワー種(ライ麦全粒粉から起こして、10年近く継いでる種)にライ麦全粒粉、スペルト麦粉少々を混ぜて、粉全体の80%がライ麦全粒粉のパンを焼いてみた。ライ麦の粉はいくらこねても、グルテンが出てこないから、小麦粉やスペルト麦とは全然ちがう。だから、膨らますのに、サワー種の乳酸菌の力が必要ならしい。急に思い立ったことなので、ちょっぴりイーストも足した。本当は4、5時間かけてゆっくり一次発酵させたかったけれど、イーストを入れたからか、2、3時間で種が大きくふくらんでしまった。でも、成形してかごに入れたあとの二次発酵はあんまり冴えない。そして、焼き上がりは。さすがに、パックリとは開いてはくれないわね。小麦粉やスペルト麦粉の割合が多ければ、もっと膨らんで、もっとパックリいくけれど、ネチネチのライ麦粉で、全粒粉ときては、ずっしり重くて、キメの詰まったパンになる。全粒粉でない粉を探したけれど、オーガニックの店やスーパーにはライ麦の粒(自分で挽いて粉にする)か全粒粉しか売られていなかった。いつからこんなことになったのか。味も、外見から察するとおり、ずっしり、みっしり、みっちりで、顎の筋肉のトレーニングになるパン。かみしめている内に、味が出てきて、わたしはおいしいと思う(チーズとトマトやキュウリをのっけて食べると、よく合う)。ドイツ系のパンが好きな人にはわかる味かもしれないが、フワフワパンやサクサクが好きな人には、絶対に勧められないパン。今日、何を血迷ったのか、メフィストのウオーキングシューズを買ってしまった。うー、高かった!メフィストの靴は質が良くて、質実剛健で、ライ麦パンみたいなものかな。歩きやすくて、長持ちする。娘はわたしの母からもらったメフィストの靴を、高校から大学まではきとおした。わが町の中心地、「靴屋通り」の近くにメフィストのショップがある。すぐ周辺にはほかにも、靴のブティックが十軒ぐらいあるというのに、この目立たない小さな店に入りたくなる。春にやはり出来心で、淡いグリーンの靴を買ってしまった。メフィストらしくなく、軽やかに見えたから。ここの店にはハイヒールのような、歩行を困難にするオサレな靴はなくて、質の高さ、歩き良さを重んじ、職人技術が仕上げた靴、っていうのが前面に出ている。今回、買ったのは、銀色の皮のスニーカー。明るくて、気分が浮き浮きしそうに見えて、つい買ってしまった。新しい衣服は買わないって、決心したのに。いーのかなー。でもね、昔、母がよくこう言っていた。「着ているものは、どんな安物でも、質の高い靴をはいていれば、それなりに良く見えるのよ。足元を見られた、とか言うでしょ?ホテルやレストランの従業員は、まず客の靴を見るんだから。足元だけはちゃんとしてなきゃいけないのよ」ホントかな。母はこう理屈づけて(足がひどい外反母趾というのも理由だけれど)、銀座のヨシノヤの靴ばかり履いていた。着ているものは、デパートの特売品なのに。わたしもヨシノヤの靴は大好きだ。踵がいくらか高いエレガントな靴だって、歩けるから不思議。長距離は無理だけど。そういえば、BFの妹はシルバーの今でも、踵が細いハイヒールを履いている。山の中や海岸の散歩でも、そして家の中でも、、。足がハイヒールの形に曲がって「成形」されちゃってるみたい。見てるだけでハラハラするけど、本人はへっちゃらなんだって。慣れというものはすごいな。屋内に入ったら、わたしはさっさと靴をぬいで楽をしたくなるけれど、彼女はぬがない。裸足とか平べったい履物では歩けないらしい。わたしはもうこの点で、オシャレは不合格だわ。男性の中にはね、本気で、女性はハイヒールを履いてないと魅力的ではない、と思っている人がいて、自分の恋人にそれを求めるとか(実際に一人知っている)。アー良かった、そういう男に惚れることもなく、人生の大半が過ぎ去ってくれて。まー、そういう価値観をもつ人間に惚れることなどなさそうだけれど、それでも恋は摩訶不思議なものだからね。
2015/09/17
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フリッツに出会ったのは30年以上前のことになる。25年前に東西ベルリンをへだてる壁が落ち、東西ドイツが統合される前だった。友人に連れられて、はじめてベルリンに行った。当時の西ベルリンは西ドイツの「飛び地」で、東ベルリンに囲まれた島のようなののだった。連れていってくれた友人もフリッツも元は東ドイツ出身、幼いときからの親友で、1960年代、ベルリンの壁ができてしばらく後に、いっしょに命がけで壁の下をくぐって、東ベルリンから西ベルリンに亡命してきた。ちょっとアジア的な風貌をもつフリッツは、初対面のわたしをやさしい微笑をもって迎え、まるで旧知の友人に会ったように抱きしめた。彼がパートナーの女性と住んでいた屋根裏アパートは、まるで穴蔵のようだった。床には何重にも古いペルシャ絨毯が敷き詰められ、壁にも絨毯、部屋のドア代わりにも絨毯が下がっている。部屋には椅子もテーブルもなく、床のあちこちに、インド風の生地にカバーされたクッションが散らばっている。天窓からもれるうっすらとした光の下で、ロウソクだけが灯された暗い部屋。お香の香りがただよう(この部分、拙著「励ます弁当」からの引用)。フリッツは「どこから来た」とか「元気か」とかおざなりのスモールトークは省いて、いきなり精神的な核心に踏み込む。タバコを吹かし、ビールを飲みながら、昔の恋人の話、生き方の話、心の傷、、と話題というか、モノローグが流れていく。「自分はこの国に違和感を感じる、自分は本当はアジア人ではないかと思う」といって彼が取り出した本は「IGiNG」。「この本に真実が書かれている」と言われても、わたしには何のことかわからなかった。「IGiNGって何の事だか知らない」と正直に言ったら、「日本人のくせに知らないのか」とがっかりされた。後でわかったが、これは「易経」だった。易経だとわかっても、中身は知らなかったけれど。会話の向こうで流れていたのは、ドイターという作曲家のメディテーション音楽だった。西洋音楽と東洋音楽を巧みにミックスした、(薄っぺらいとも言えるかもしれないが)神秘的な雰囲気をかもしだす音楽。たとえばこれとかこれ。ペルシャ絨毯とお香とロウソクに包まれた穴蔵にこの音楽、現実から離れたシュールな世界。フライブルクに戻ってすぐに、このレコードを買い、日本に持ち帰った。当時、この音楽を聞いては、あの夢のような世界を憧憬した。実際には存在しない幻想のようなもの。その後、壁が落ち、東西が統合されて、ドイツも、そしてベルリンも変わった。たくさんのミュージアムが改装され、東側もシックになり、観光客が押し寄せる活気あるセクシー?な都市。穴蔵は(ここは元々西ベルリンだったけれど)大家によって大改装されて、光がたっぷり入る明るくてモダンなアパートになった。絨毯はあいかわらずあるけれど、食事も談笑も椅子とテーブルで営まれるようになった。心臓発作を起こして以来、フリッツはアルコールをやめて、合気道を始めた。ドイターの音楽も彼のレパートリーから消えた。彼のアジアへの夢はついに実現して、合気道グループの仲間と共に日本に旅行した。アジア女性への「誤った」幻想は、路上で酔っぱらって騒ぐ日本人の若い女性の姿を見て、破れたらしい。数年前に彼を訪ねたときには、白髪と白い髭を仙人のように長く伸ばし、脳卒中で片腕が麻痺したと「自慢」して、パートナーから「おおげさなんだから」と揶揄されていた。最近、ふと思い立って、先の友人にひさしぶりに電話をした。「フリッツが去年、入院したって言ってたけれど、その後、どうしてる?」と聞いたら、「え、君、知らなかったの?一年前に死んじゃったよ」。最後までタバコを吹かして、自宅で亡くなったそうだ。骨と皮のようにやせこけて。ドリスが言っていた。「たくさんの友人を失いたくなければ、自分が若くして死ぬしかないというのが、父の口癖だった」って。ドイターの音楽はOshoのブームに乗って流行った。お教祖のOsho、つまりバグワンの教え(キリスト教と仏教を合わせたような感じがする)は30年前の当時、ドイツでもとてももてはやされていたが、その後、バグワンの脱税行為などのスキャンダルが続いた。10年ぐらい前にインドに行ったとき、ついでにOshoの地、メディテーションリゾートがあるプネーに寄ってみた。町はえんじ色の袈裟(このセンターに参加するとこれを着なければいけない)みたいなものを着た、様々な国からの人々でいっぱいだった。プネーでドイターの音楽のCDを買った。安っぽいメロディーだとは思っても、ドイターの音楽にはどこかひきつけられる。心が軽くなったり、メランコリックになったり、遠い昔を思い出すような気分になる。CD「Silence is the answer」も最近、購入した。このCDの2枚目が、フリッツの家で聞いたレコードだ(上のYoutubeの曲を含む)。これらの曲を聞くたびに、彼の姿とあの穴蔵を思い出して、しばし幻想の世界にひたる。もう二度と経験できない、現実から離れた、あの不思議な雰囲気に。
2015/09/12
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いただいた、落ちリンゴ posted by (C)solar08娘夫のお義父母さんから、庭に落ちたリンゴをたくさんいただいた。「中から虫が出てくるかもしれないよ」と言われたけれど、そんなのはへっちゃら。虫がいるのは、リンゴがおいしい証拠、農薬がない証拠。上の写真の大きな茶色のリンゴはボスコップといって、酸味が強く、ケーキに好んで使われる品種。リンゴのタルトを焼くとき、いまだに解決できない難点は、生のリンゴ、つまり下煮をしていないを下焼きしていないタルト生地にそのままのせて焼くと、リンゴから出る汁でタルト生地が柔らかくなってしまうこと。パリッとした生地にならない。タルト生地が厚ければ、この問題もいくらか解決するのだけれど、厚いタルトは食べずに残す人がいるので、これはもったいない。それに、私も生地がごく薄くて、パリパリのタルトが好き。ドイツのネットで探していたら、「フランス風アップルタルト」のレシピで、いかにもフランスのお店で売っているような、パリパリに焼けた薄い生地のアップルタルトが見つかった。(ここをクリックすると、レシピと写真が見られます。ドイツ語ですが、ページの下の方にはヴィデオもあって、作り方がよーくわかります。)小麦粉と小麦粉の3分の2の重さのバター、砂糖少量、塩ちょっぴりをフードプロセッサーに入れて、一秒動かしては止めという作業を繰り返すと、バターが粒々に細切れになって粉にまぶされるんだ(当然なのに、今までやってなかった)。そのあと、水少々を入れて、また同じ作業。まとめてから冷蔵庫で30分ねかせた。オーヴンシートの上にこの生地をうすーく、厚さ3ミリ以下にのばして、その上に、たくさんのリンゴを皮をむき、ごく薄切りにして、一塊ごとに立てて並べる。レシピにはリンゴ2キロと書いてあったけれど、そんなにのせられなかった。1キロ半弱。溶かしバター少々を表面に塗り、スプーン3杯ぐらいの砂糖をふりかけて、200度に予熱したオーヴンで45分焼いた。タルト生地の下側(コンベクションのオーブンなので、下火が弱いような気がするので)が良く焼けてくれるように、タルト型などには入れず、バゲットを焼くときと同じように、予熱で熱した銅板の上に、オーヴンシートごと生地をそのまま置いて、焼いた。これが良かったみたい。ずっと200度のままにしたので、リンゴの表面がこげはじめた。いつもはここでビビって温度を下げてしまうから、生地がやわらかくなるのかも、と思って、「心を鬼にして」上側をアルミフォイルでおおっただけで、焼くのを続けた。リンゴのフランス風タルト posted by (C)solar08焼いている間に、むいた皮と芯に砂糖たっぷり入れ、水をひたひたにそそいで、30分煮込み、ザルでこしてからさらに煮詰めて、ドロドロのリンゴシロップを作っておく。焼けたタルトのあら熱がとれたら、表面にシロップを塗る(アンズジャムを塗る代わりのような感じ)。これまでで、一番フランスのに近いアップルタルトが焼けた。生地は薄くて、底もパリパリで、ちょっとパイみたいになった。うれいしのは、このレシピなら卵やミルクが必要ないこと。材料は粉、砂糖、バター、水、リンゴだけ。ただね。リンゴの酸味が強いので、100gの砂糖で作ったシロップでは足りないぐらい酸っぱい。ヴァニラアイスとか生クリームを添えて食べれば、おいしいはず。次回はこんなに酸っぱくない品種のリンゴで作ってみよっと。リンゴのフランス風タルト posted by (C)solar08本当は今、難民のことばかり考えてるのに、なんでケーキの話になってしまったんだろう。
2015/09/06
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