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今日の新聞に、おもしろい記事が出ていました。フライブルクから見て西、ライン川の向こうはフランスのアルザス地方です。このアルザス地方のある町で起こった出来事。野生のイノシシが山から里に出てきて、ある家の庭に迷い込みました。そして、ちょうど開いていた窓から、屋内に入ってしまいました。自分が置かれた立場がわからず(?)、逆上したイノシシは居間をぐるぐる猛進しました。ちょうど、居間に入ってきたこの家の主も逆上しました。居間から出たいのに出られず、猛進をつづけるイノシシ。それを取り押さえる力も勇気も手段もない家主。彼は警察に電話をかけ、事情を話しました。警察は市長に電話をかけ、事情を話しました。市長は「やむをえない」と決断し、警察にイノシシの射殺許可を出しました。警官たちが家にやってきて、いまだに絶望的に走り回るイノシシを射殺しました。めでたし、めでたし?いま、誰がいちばん喜んでいるでしょう?答え:市議会の議員さんたちだそうです。なんとこのイノシシの肉のご馳走にありつけるのだとか。ええ、どうして??新聞には答えは書いてありませんでした。射殺命令を出したのが市長だからでしょうか?筋からいえば、射殺という労をとった警官か、家に飛び込まれて迷惑した家主がお肉をいただくのが当然のような気がするのですが。なんで市議が食べることになるんでしょうか?かつて、奄美大島にアマミノクロウサギの観察に家族連れで行ったことがあります。幼い息子がハブに噛まれたらどうしようと、ちょっと恐かったけれど、奄美大島は美しい海、新鮮なお魚、親切な島民の方々と、すばらしい島でした。島では、いつハブが出るかわからない夜道を、お酒が入ってよろよろしながらも、ゴムサンダルだけで歩く、ハブ捕りのおじいさんとか、見るからに獰猛な猟犬をたくさん飼っていらして、イノシシの狩猟をなさっているおじさんに知り合うこともできました。このイノシシハンターさんが、「とりたての」イノシシ肉をご馳走してくださいました。ニンニクやほかのハーブをたっぷり効かせた焼肉、内臓を香味野菜とともに煮た鍋など、どれもすばらしいお味で大感激でした。イノシシは豚肉みたいな臭いがなくて、そもそも、これほどおいしい肉を食べたことがない、とすら思いました(ビーフよりもおいしく感じましたね、そのときは)。あのときの味が忘れられず、ドイツに来てからも、秋にイノシシがレストランのメニューにのぼると食べてみるのですが、いつもがっかりします。それは、肉の塊をオーブンでやわらかくなるまで蒸し焼きしたり、シチューのようにとろとろに煮込んでしまうから、何の肉でも変わらないような味になってしまうのです。言われなければ、ビーフと間違えそうです。ところが、やっと昨年の秋に近くのレストランで、さっと焼いたミニッツステーキのようなイノシシに出会いました。これが一番、あの奄美のイノシシに近かったのですが、年が明けた今はもうイノシシ切れのようです。残念!近くの山にはイノシシが生息しているはずですが、これまで出会ったことはありません。出会っても食べられるってもんでもありませんが。
2009/01/30
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フライブルクには中都市にしてはかなり多くの商業映画館があるのですが、そのほかにコミュナーレス・キノ、直訳すれば共同体の映画館というのもあります。私が住むヴィーレ地区にある古い駅舎「Alter Wiehre Bahnhof」内の小さな映画館。運営するのは、映画好き・映画関係の仕事をもつ人などでできたNPO団体です。ここでは、ふつうの商業映画館では上映されないような映画、たとえば、アジアやアフリカなどの映画、質はよいのに商業的には売れないような映画、古い映画、ドキュメンタリー、エスニックな映画などが上映されます。私は日本にいたときにはあまり日本映画を見たことがありませんでした。学生時代は洋画が中心だったし、結婚してからは子どもが小さかったのと、住んでいた小さな町に映画館などなかったのとで、そもそも映画を見るチャンスがありませんでした。それで、おかしなことに、覚えている日本映画のほとんどはフライブルクのコミュナーレス・キノかドイツのテレビで見たものです。古くは黒澤明の「羅生門」や「乱」。これは字幕でなく吹替えだったので、ちょんまげ姿のサムライがドイツ語を話すので、まことに奇妙ではありました。大島渚の「愛のコリーダ」も、緒方拳が三島由紀夫を演じた「MISIMA」(日本未公開だそうですが)も、「シャル・ウイ・ダンス」ここで見ました。「逆噴射家族」とか「ラジオの時間」(大好き)、「眠る男」(いい映画)みたいなちょっと変わった映画も上映してくれます。映画オタクが運営しているので、一ひねりある映画の方が好まれるようです。そして、久しぶりに昨日見たのは、松本人志(この人が誰なのか、知りませんでした)脚本・監督・主演の「大日本人」。行く前に、ネットで批評を読んだのですが、日本のある映画評論家が「二時間ひたすら映画館にいるのが辛かった」など酷評なさっていて、ちょっとひるみました。でも、ドイツ人の批評には「これをくだらないと片付けるか、変わったユーモアとして評価するかは人しだい」と書かれていたので、入場料は5ユーロ(600円)と安いし、まずは見てみることにしました。ストーリーは、松本人志演じる風采のあがらない男が、防衛庁の委託を受けては、大日本人に変身して、大昔からいる様々な怪獣をやっつける。それだけの話なのですが、それがなかなか面白かった。ナンセンスといえばそうなんだけど、ふつうのお笑いとはちがう、奇妙なユーモアで、思わずアハハハと笑いころげました。視聴率に恐々とするメディアの風刺もさらっとされているし、脇役(怪獣)の奇妙なキャラクターなど、ドイツ人にもユーモアが通じるらしくて(日本のユーモアがいつも通じるとは限らない)観客は大笑いしていました。防衛庁が「闇討ち」をかけて、寝ている主人公を彼が知らない内に変身させて、怪獣退治に送りこむシーンの間、中村雅俊の「ふれあい」というなつかしい歌がしみじみと流れていたのは、事の残酷さを静かに強調する、見事なシーンづくりだと思いました。名案といえば、映画全体が登場人物にインタビューするドキュメンタリー映画のように仕立てられているのも面白い。だから、出演者がセリフではなくて、ふつうに話しているように感じられるほど、自然な語りになっているのです、ま、趣味の問題ですが、私はきらいではないですね、こういうの。アメリカ製の大仕掛けのファンタジー映画やヒーロー映画よりはずっと好もしいです。コミュナーレス・キノが入っている古い駅舎にはカフェもあり、さらに毎週二回は建物の前で、エコ青空市も開かれます。ドイツで上映される日本映画といえば、北野武監督の作品が目立ちます。タケシさんのセンスがドイツ人の映画好きの人の感性に訴えるのかもしれません。一方で、日本人には通じるユーモア、たとえば「男はつらいよ」(寅さん)の面白さは、ドイツ人には通じないみたいです。私はこれも好きだったんですけど。昔、一度こちらで上演されたとき、ドイツ人の友だちと見に行ったら、あくびをかみ殺していました。センスがちがうんでしょうね。
2009/01/28
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知人にステッヒェルさんという弁護士がいます。彼はフライブルクではちょっとした有名人。といっても、弁護士としてではなくて、趣味の料理人としてです。地域の新聞に、自分で考案した料理の記事(レシピ)を二週間おきに連載しているのです。彼が紹介するのはどれも、手に入りやすい食材を使った、誰もができそうな簡単な料理やケーキです。おいしくするためのちょっとしたアイディアとユーモアのある書き方が受けて、ファンは多く、レシピ集が本にもなりました。さて、ステッヒェルさんが最近、「ビーツとアボガドとエビのサラダ」を紹介していました。前菜として見栄えもよいし、おいしそうだと思って、実行してみました。アボガドとビーツと小エビのサラダ posted by (C)solar08ビーツを「土臭い」といって、嫌う日本人留学生は当時多かったものです。ビーツはロシア料理のボルシチに欠かせない食材だったと思いますが、私も日本では食べるのはまれでした。茹でてサラダにすると、独特の歯ごたえと香りがあって、好きになりました。農家の青空市やスーパーには、すでにゆでたビーツも売られています。私は青空市で買ってきて、皮をむかずに茹でてから、皮をむきました。煮汁は真っ赤で、指が赤くなるほど。これを草木染に使ったら、どんな色になるかしら。ゆでたビーツを輪切りまたは半月型に切って、オリーブ油、マスタード、酢、砂糖少々塩・胡椒で和えてから、皿に並べます。アボガドはさいの目切りにしたら、すぐにレモン汁を混ぜて色変わりを防ぎます。これにサワークリームと塩・胡椒を加えて混ぜてから、ビーツの上に盛ります。ここまで準備してから、食事の直前に、小エビか大正エビをオリーブ油で強火でさっと炒めて、アボガドの上にのせて、できあがり。写真ではアボガドが見えるように、エビを少し取り除けましたが、実際はもっとたくさんのエビをのせました。ニンニクもいっしょに炒めました。このレシピを読んだときには、色の組み合わせがみごとで「おいしそう!」と思って作ってみたのですが、、、、、。ウーン、なんといいましょうか。それぞれの単品ではおいしいのですが、そしてエビとアボガドはまあまあ合うのですが、ビーツの個性(香り、甘み)でエビのおいしさが消されてしまうのです。アボガドとビーツの相性もあんまりよくないみたい。好みの問題ですけどね。結局、エビにビーツの汁がつかないように、アヴォガド共々、別の皿に移して、それだけで味わい、ビーツもまたそれだけで食べる結果になりました。でも、これはあくまでも人によって好き好きですから、試してごらんになる価値はありますよ。エビの豊富な日本ではとくに。ところで、ステッヒェルさんが日本でふつうに食べている料理を知りたいというので、ご夫妻とその友人たち7人を招いて、鶏のから揚げ、八宝菜、胡麻和えなどをいっしょに作ったことがあります。彼らがびっくりしたのは、砂糖を料理に使うという点(たとえばから揚げの下味)。作っているときには、みなさん「ゲーッ」と不満の声を上げました。私はそんなことには動じず、「まあ、食べてみてからのお楽しみよ」と言いました。案の定、食べてみた彼らは「見なかったら、砂糖が入っているとは思えない味、おいしい」と感動していました。私は内心、「ほらみなさい」とニンマリ。後日、新聞に出ていたステッヒェルさんの料理記事にはあきれました。「ちょっと砂糖を隠し味に使うと料理がおいしくなる」と自分で考え出したかのように書いているのですから。そういえば、このときの御礼にと私を食事に招待する約束を、10年近くたった今も果たしていないステッヒェルさん。会うたびに「あの砂糖はすごかった。きっと食事に招待するから」と言っていますが、いつの日になるか。
2009/01/25
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太陽に合わせて回転する家、ヘリオトロープ posted by (C)solar08フライブルクの建築家、ロルフ・ディッシュさんは「太陽建築家」「エコ建築家」として建築業界では有名な人物です。「環境を守りましょうと口で言うだけではだめ。未来にも機能する方法をさがすことがたいせつ」がモットーです。ディッシュさんは、太陽光発電や省エネ建築がさかんになるずっと前から、太陽エネルギーを建築に利用することを考え、実行してきました。それもそのはず、彼はソーラーカーのオートレースにドライバーとして出場して、チャンピオンの座に輝いた経験もある、筋金入りのソーラーファンだったのです。ディッシュさんの名を一躍全国・海外にも有名にしたのは、太陽に合わせて回転する家、「ヘリオトロープ」です。Heliotrope posted by (C)solar08「これからの家はエネルギーを消費するだけでなく、エネルギーを生み出すべき」という彼の建築哲学を実践にうつした家です。この家は円筒形三階建ての居住部分を、その中心を「幹」のように通る中空の柱がささえる構造でできています。急斜面にあって、しかも敷地が狭い土地に建てるには、ちょうどよい構造です。二番目の写真で左下に見える部分は、セミナールームと機械室がある地下室。この部分はもちろん回転しません。ここ をクリックしていただくと、外観のヴィデオが見られます。英語のページもあります。円筒形の片側半分の外面は、床から天井まで三重の断熱ガラスでできています。円筒形のもう片側は、窓はほとんどなくて、断熱性がすぐれた壁でできています。この円筒形の家を中心の柱(この中にらせん階段が通っています)ごと、モーターと歯車でゆっくりと回転させることができます。回転はコンピュータ制御で、自在にコントロールできます。たとえば、寒い日には、ガラス側の半分を太陽に向けて、窓から太陽の熱をとりこみます。反対に、暑い日には断熱効果のある壁側を太陽に向けて、熱い日差しをさえぎります。日本のテレビ局が取材に来たときには、カメラを部屋の一点に設置して窓の外に向けてから、家をゆっくり回転させて撮影しました。映像からは、外の景色がだんだんに変わっていくのがよくわかりました。このような構造だけでも、暖房エネルギーがドイツの平均の家の八分の一になるそうです。冷房はまった必要ありません。ベランダのフェンスのように見えるのは太陽熱コレクターで、パイプを通る水が温められ、温水供給や暖房に使われます。屋根の上の太陽電池パネルは、家の回転とは別に、独自に向きが調節できて、最適な形で太陽光を取り入れ、発電します。ほかにも工夫がいっぱい。雨水は洗濯と客用トイレへに利用され、生ゴミと家族用のトイレの排泄物は、庭の地中でコンポスト(たい肥)化されます。生活廃水は池の植物で汚水処理されます。この家、実は木造建築なんです。家の骨組みや天井、外壁、床の建材は、耐震性の強いフィンランド製の木材。ディッシュさんはドイツでは忘れられていた木造建築に注目した人のひとり。椋の厚い木材は、コンクリートや石よりも断熱性がよくて、冬の寒さやも夏の暑さから守るすぐれた建材だといいます。もちろん、外壁と内壁の間には分厚い断熱材がはさまれています。ヘリオトロープを見学したことは何回もあったのですが、一度、冬の晩にディナーに呼ばれたことがあります。外は零下だというのに、そして暖房パネルのスイッチは切られたままだというのに、部屋があまりに暖かくて、スーツのジャケットを脱がなければなりませんでした。昼間の太陽の熱を部屋がたっぷり受け取り、その熱が逃げなかったおかげで、こんなに暖かいのだそうです。「窓を開けましょうか」と奥様に聞かれて、あわてて「そんなもったいない、熱を逃がすなんて」と辞退しました。エコハウスのイメージとはちがって、この家のインテリアはどこもモダンで、すてきです。カラフルな椅子、最新のキッチン設備、船の形のバスタブ。エコロジーとおしゃれがマッチすることも、ヘリオトロープは実演しているようです。ところで、一本の幹に円筒形の重い居住部分がくっついたようなこの家は嵐で倒れないのでしょうか。ディッシュさんは「だいじょうぶ、家の片側に400人が立っても倒れない」とおっしゃいました。実際、数年前に日本の台風以上の強風をともなう嵐が来たのですが、無事でした。奥様は「かなり揺れて、あれーっと思ったけれど、何も起こらなかった」とおっしゃっていました。屋上の太陽電池がちょっと傾いただけだとか。ディッシュさんはソーラー団地」の「プラスエネルギー住宅」を設計しました。プラスエネルギー住宅は回転こそしませんが、南側の三重ガラスの戸から太陽熱を取り入れるとか、構造体を椋の木材+厚い断熱材にして、北側から熱を逃がさないとか、太陽電池の屋根など、ヘリオトロープの原理が生きています。ディッシュさんはこれらの建築で、数々の環境賞や建築家の賞を受賞しています。ディッシュさんの夢は、フライブルク全体をソーラーシティーにすること。太陽光や熱をもっともっと多くの市民や機関が利用する町づくりです。フライブルクはドイツの中では、太陽光発電や太陽熱の温水・暖房利用の率が、他にくらべて高いのですが、まだまだ十分に利用しきっているとはいえません。
2009/01/23
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ドイツにはこれまで黒ゴマはありませんでした。日本には黒いゴマがある、と友だちに言っても、想像もつかないみたい。エコショップにある「Gomasio(ごま塩のつもりらしい)」はいくらかすった白ゴマと塩のミックスみたいなもので、お赤飯に振り掛ける気にはなれない代物。先日、家の斜め向かいにあるビオ・ケラーというエコショップで、はじめて黒ゴマを見ました。一びん700円もするので買いませんでしたが、効能書きに「黒ゴマはゴマの本来のタイプ」というような意味のことが書かれていました。まだ調べていませんが、黒ゴマの方が野生に近いということでしょうか。ま、そういうわけで、ふだんは白ゴマを買います。ところが、こちらには炒りゴマとかすりゴマはふつうは売られていないので、買ってから、まず「加工処理」。フライパンで気長に炒って、フードプロセッサーですり、ガラスビンで保存するのです。こうしておけば、すぐに胡麻和えもできるし、サラダドレッシングにも使えます。ドイツのレシピにはゴマが登場することは、たまにしかないのですが、たまたパンのレシピをさがしていて、「炒りゴマパン」というのが目につきました。どうしてかというと、ふつうのドイツ人はゴマを炒ることを知らないみたいだからです。レシピそのものはべつに特別ではなかったので、炒りゴマの部分だけを見習いました。毎週、一度は焼いているライ麦天然酵(ザワータイク)のパンに応用したわけです。ライ麦全粒粉300gと水300gでつくったザワータイクの元種に、スペルト小麦の全粒粉300gと小麦の全粒に近い粉(ドイツではタイプ1150)300g、水300gぐらい(適当です)、塩18g、炒りゴマ半カップ余り、ヒマワリの種大匙4杯ぐらいを混ぜて数時間おき、全体が気泡で盛り上がるまで発酵させます。二つの型にわけて入れ、上面を塗らして、ゴマを一面に振り、指でしっかり押し付けます。ゴマが重なるほどたくさつけました。200度で1時間焼いて出来上がり。ライ麦天然酵母のパン、炒りゴマ入り posted by (C)solar08ライ麦天然酵母のパン、ゴマ入り posted by (C)solar08食べてみたら、上面にはりつけたゴマは香りがしたものの、中のゴマはあまり香りがしないので、がっかり。でもトーストすると香りが出ました。やっぱりゴマは焼かれると魅力を放つんですね。すると、もっとよかったかもしれません。やっぱりゴマはするに限る!そういえば、ドイツのふつうの店で売られているゴマ油が香りがしないので、最初はびっくりしました。炒ったゴマからつくられるわけではないからです。ですから、もっぱらアジアショップで中国産や日本産のゴマ油を買わなければなりません。それで、ドイツ人の友たちには口を酸っぱくして、「ゴマは炒らなきゃうまくない」と宣伝しています。一方、日本に向けて宣伝したいのは、白い小麦のパンばかり食べているとお腹によろしくない、茶色いパンを食べましょう、ということ。最初はドイツの固い「黒」パン(とふだんは言っています。白パンと区別するためにです。黒くはないけれど、かなり茶色いので)には、慣れるまでは苦労しましたが(差し歯が折れるかと思った)、毎朝、この繊維やミネラルが豊富なパンを食べていると、お腹の調子が快適です。フランスとかイタリアとか日本とか南アメリカなどに旅行をして、白い麦のパンばかりを食べていると、調子がおかしくなります。フランス人は今でこそカンパーニュのように、いくらか茶色い粉(つまり麦の胚芽や殻の一部を含んだ粉)やライ麦を混ぜて焼くこともありますが、これだとて、ドイツのまねだとドイツ人は主張します。カンパーニュ(田舎という意味でしょ?)はドイツに昔からあるBauernbrot(バウエルンブロート、農家のパン)なのですから。
2009/01/20
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フライブルク、エコステーション posted by (C)solar08もしかしたら、フライブルクの「名所」?の中で、これまで一番たくさんの日本人が訪れたのは、環境教育センター「エコステーション」かもしれません。日本からの視察団の数が一年に150組だったこともあるほどです。先日も、去年は増田総務大臣がエコステーションを視察なさったと、こちらの新聞に出ていました。エコステーションは町の中央からバスで十分ぐらいのところにある、広大な多目的公園、ゼーパーク(湖の公園という意味)の端にあります。1986年に州の園芸博覧会が当市で開かれることになり、そのためにこの公園が新設されることになりました。これは、博覧会に来る何万人もの人に環境保護に目を向けてもらうよいチャンスと、ドイツ環境自然保護連盟(BUND)が市に提言して、市の予算でエコステーションをつくらせたのです。ですから、この施設の所有者はフライブルク市ですが、中身の運営はすべてBUNDの地元支部の職員が州や市の財政援助を受けながらおこなっています。エコステーションはまず建物が変わっています。外から見ると丸い丘のようです。屋根には土が盛られていて、春には野草が咲き乱れ、鳥や昆虫がやってきます。南側は窓がたっぷりで日光を取り入れ、北側は土に埋められ、土に断熱をしてもらっています。これはこの地方「黒い森」に古くからある民家の構造を見習ったものです。外壁は粘土とわらを混ぜてつくったしっくい。屋内の壁や床、天井の建材は、薬品処理をされていない、地元産のドイツトウヒ。天井には丸太がそのまま組まれています。壁の断熱材には再生紙のフレークや古コルク、樹皮が使われています。南側の窓の上には太陽電池と太陽熱温水装置が取り付けられています。そして、トイレの水は雨水です。屋内と仕切りやドアの一部は、解体された古い建物から持ってきて、再使用されたものです。屋内は円形の小ホールを中心に、その周囲にキッチン、事務室などがあります。市民は公園の散歩がてらに、エコステーションに気軽に立ち寄って、建物を見たり、パンフレットを集めたりできます。訪れる人はこの建物のさまざまなパーツからアイディアを得て、自分の家にも応用してみることができる、というわけです。フライブルク、エコステーション前の池 posted by (C)solar08南側の窓の前には上のような小さな池があります。もともと水田などといった水場がないドイツ、近頃は自然な池や水溜りも少なくなってしまったので、カエルが生息できる場所がまれになりました。ですから、こうした池が水生小動物のためには、貴重な住み場所なのです。エコステーションには「ビオ・ガルテン」と名づけられた菜園があります。ここには中世の修道院から伝わる薬草園(ハーブ園)、パルマカルチャーの菜園、ハーブスパイラル(らせん状に石垣を積んで、いろいろなミクロ気候に合ったハーブが植えられた小山)、柳の挿し木でつくられた生きた緑のテントやアーチ、野生ミツバチが巣をつくれるように、たくさんの穴をあけた木のブロック)、オープンな形のコンポスト(たい肥)などがあります。エコステーションには授業時間中に、前もって申し込んだ学校や幼稚園のクラスが、ここの専門講師から環境・自然教育を受けにきます。池の水にすむ小動物を観察して、「一滴の水にもこんなにたくさんの生き物が住んでいるんだ」と自分の目で見て実感したり、野菜を育てたり、ハーブにさわったり、香りをかいだり、食べてみたりします。エコステーションのリーダーをしている友人は、「子ども(おとなも)が五感をつかって自然を体験できる場が今は少なくなっている。それだから、こういう施設が必要」と語ります。本やネットで自然のことを頭だけで「知る」のではなくて、実物を見て、さわって、香りをかいで「知り合って」こそ、自然を好きになり、大切にしたいと思うようになるのだと。中・高校生のクラスの生徒も、ソーラークッカー(パラボラ型の金属の反射板で光を集めて、中央においた鍋や、黒い箱の中においた鍋で)で料理をしたりと、ここで行われる環境教育はあくまで実践的で、手足を使う活動です。だから楽しいのです。おとなのための講座や催し物もたくさん開かれます。省エネ建築、太陽エネルギーの家庭での利用法などの講演会、ハーブ教室、野草を使ったお料理教室、自宅でのコンポストの作り方教室など、毎年さまざまなプログラムが用意されています。日本その他の国からやってきた視察団のためのレクチャーもよく開かれます。エコステーション内だけでなく、こちらから学校に出かけていって、行われるプロジェクトもあります。その一つは、「学校での健康によい食事」というプロジェクト。学校児童に健康な食事への意識をもち、地元の食材を知ってもらうために、いろいろな活動をします。野菜の栽培を実際に見たり、自分で栽培・収穫したり、みんなで食事を作ったりしながら、新鮮な野菜や果物のおいしさを体験して、よい食習慣をもたせようというものです。近くの学校の5年生から8年生(中学2年に相当)のエネルギー係(クラスにおかれている係、省エネのために暖房設定温度を適切にしたり、太陽が照っているときには灯りを消したり、換気を適切にしたりする)のための講座は国連から表彰されました。実験や見学で、自然エネルギーの利用、エコ農業など、地球温暖化・気候変動をふせぐために、自分たちが日常生活でできることを学ぶ講座です。日本からの視察客が多かったことから、当然、日本にもエコステーションを見習った施設ができたようです。エコステーションであくまでも大切なのは、環境についての情報収集とか建物の立派さよりも、そこで自分たちが何をするか、ということ、「箱よりも内容」だと思います。そして、日常生活でますます自然から離れてしまった子ども(おとな)がここで身近な自然に触れる機会をもち、自然を好きになり、守りたくなることも、大切な要素なのです。
2009/01/18
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牛肉ロール(ルーラード)はドイツのごくふつうのレストラン(あまり高級、おしゃれでないレストラン)で出される料理です。ドイツに来て、ちょっと面倒だなと思ったのは、日本のような薄切り肉がないことでした。すき焼きやシャブシャブをしたいときには、前もって肉の塊を冷凍してから、半解凍状態にして薄くきらなければなりません。最近では、クリスマス・大晦日シーズンにこういう薄切り肉をフォンデュ・シノア用(中国フォンデュの意味、つまりは鍋物用ということ)として売る店もでてきましたが、ふだんは見かけません。ドイツの牛肉ロール(ルーラード)は、日本の薄切り肉ほど薄くて小さな肉を使うわけではなくて、大きくて薄いステーキとでも呼べそうな牛肉を使います。ルーラード用の肉は売られています。大きさは長さ20cm、幅10から12cmぐらい(でも長方形ではなくて、ステーキみたいな形で、端は先細りです)、厚さは3、4mm。わたしは今回、ローストビーフ用の肉を冷凍→半解凍して、上下から二回、互い違いに切ることで、薄くて大きな一切れにしました(一切れの重さは150から200g)。この肉を広げ、軽く塩・胡椒してから、一面にマスタードを塗ります。その上に、肉一枚につき二枚の燻製生ハムをしきます(安いので十分)。さらにその上に、全面に玉ねぎの薄切りとキュウリのピクルスを散らします。辺の短い側からぐるぐると巻き込みます。端を楊枝で留めるか、フィリングが落ちないようにするには、タコ糸で小包のようにくくります。油かバターで表面をこんがりと焼きます。鍋に入れ、ロールの半分以上が隠れるまで、赤ワイン+スープストック(量の割合は自由、赤ワインだけにしたこともあります)、人参、セロリ、ポロネギ、玉ねぎのざく切り(味にパンチを出すため)、クローブ、タイム、ローリエなどのスパイスを加えて、ごく細火で1時間半ぐらい煮込みます。ロールを取り出します。煮汁を野菜ごとミキサーなどでピュレ状にします。煮汁のとろみをもっと出したい場合には、フライパンで小麦粉をバターでゆっくりと茶色になるまで炒めてから、煮汁の一部で手早く溶き(これは母がカレールーを手作りしていたときに使った方法で、いまだに使っています)、煮汁に加えます。ほかに好みでウスターソース、しょうゆ、ベリーのジャム(!)、トマトペーストなども加え、塩・胡椒で味を調えてから、肉をもどしてさっと温めます。付け合せは人参のグラッセ、ほうれん草など好みですが、近くのレストランではやっぱりドイツらしく、赤キャベツの煮込み(ガチョウのローストのところで紹介)とジャガイモが添えられていました。クランベリーソースと洋梨のコンポートがあれば、味がぐっとグレードアップするでしょう。写真の付け合せはチリメンキャベツのベーコン煮写真では一個(肉200g分)を二つに切ったところ。これでお腹いっぱいになりました。写真ではあまりおいしそうに見えませんが、これで結構おいしかったですよ。牛肉のロール posted by (C)solar08
2009/01/16
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今日の青空、フライブルクの旧市街地入り口、マルティン門 posted by (C)solar08昨日から快晴です。青空が澄みわたり、陽光が輝いています。窓から差す光がまぶしく、左ほっぺたはこげそう(私が焼くパンみたいになりそう)。屋外の日の当たらない場所はまだ零度以下ですが、陽だまりはポカポカ。いくらでも歩きたくなるような気分の良い日。こういう小さな幸せで人生はなりたっているのでしょうね。土がまだ凍っているので、青空市で店を出していたのは、二つのブースだけでした。さすがに野菜の種類は少なかったです。紫キャベツとかチリメンキャベツとともに久しぶりに買ったのが下の二つ。二十五年前にドイツに来てはじめて知った野菜、それまで知らなかった食材です。セロリの根(左)とコールラビ posted by (C)solar08その頃は、こちらでセロリというと、根のセロリを指しました。いまでもそう思っている人も多いはず。日本でふつうにある茎のセロリは当時はまだ普及していませんでした。この十年以上の間に、だんだんポピュラーになって、どこでも売られるようになったのです。根セロリとのはじめての出会いは、ムール貝を大量に食べる会、というのをしたときでした。どういうわけか、ドイツ人の友は、根セロリを細かく切って、白ワインや水と煮てから、そこにムール貝とニンニクを入れてさらに煮たのでした。根セロリは茎セロリと同じ香りをもち、質感は大根やカブにちょっと似ていま。根セロリはスープストックの材料の一つとしても使われますし、スープの中身にしてもよいし、カレーやシチューに入れてもよいしと便利です。生のまま細くきって、マヨネーズやクリーム入りのドレッシングのサラダもおいしいです。昨日ははじめて、根セロリを細かく切って少量のスープで煮てから、ピュレ状にしてサワークリームと混ぜました。つまりはセロリのムース。真っ白でトロトロして、香りがあって、とってもおいしかった。虹鱒のムニエルに添えたら、ソース代りにもなりました。十五分でできるのでこれから定番になりそう。東京で根セロリをさがしたことがあります。二十年前ぐらいでしょうか、ドイツ大使館近くにあるナショナル麻布という(高級?)スーパーっぽいところで見つけましたが、値段を見てびっくり。ドイツで当時100円ぐらいだったものが、1500円と書かれていたのですから。買わなかったのはもちろんです。右のコールラービは、味や質感は、大根やカブから香りや味を取り除いて、しゃきっとさせたもの、とでもいいましょうか。カブ代りに三杯酢につけてサラダのようにして食べています。これも私は日本では見たことがなかった(上のスーパーは別として)のですが、母は「あーら、コールラービなら知ってるわよ。戦後の食糧難のときに、東京の真ん中で育てたもん」と言っていました。ということは、昔はあったのに姿を消したのでしょうか。まあ、なくて困るもんではありませんが。ところがフランス人も、南フランスなどでは知らないみたいで、コートダジュールから来た知人に、三杯酢につけたコールラービを出したところ、いたくお気に入りで、「おいしい、おいしい」とたいらげたあと、これはいったいなんなのだと不思議がっていました。皮をむく前の実物をみせても、知らない様子でした。こんなに近くの国でも、普及する食材はちがうことがあるのですね。これは海鮮食品にはとくにいえます(一般にフランスの店の方が魚介類の種類が豊富で新鮮だという印象を受けます。ドイツでも大都市は別でしょうが、ここフライブルクではだめです)。ドイツにも日本のカブに似たカブがあるし、「トウキョウ」という品種名の日本のコカブもときどき売られているので、塩漬けにしています。話はとんと変わりますが、それに前に手打ちうどんの話を書いたときと重複しますが、自分で削った鰹節の「威力」をまたしても実感しました。味噌を切らしていて、しかたなしに昨日は「おつゆ」(と親は呼んでいましたが、澄まし汁のこと)を作りました。小松菜などというすばらしいものはこちらにはないし、霜のためにほうれん草も出回っていないので、白菜で我慢することにして、せめて出しだけでも利かせようと、十年以上たって石のように固くなった鰹節を父自作の削り器でゴリゴリと削りました。a href="http://photozou.jp/photo/show/211377/16931354">父親自作の鰹節けずり器と化石的に古い
2009/01/13
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以前のブログで、16年間こちらの地元サッカーチーム、SCフライブルクをリーグ第一部にまで昇格させたフォルカー・フィンケ監督が、浦和レッズ(レッド・ダイアモンド)の監督候補にあがっているということを書きました。昨日のこちらの新聞に、フィンケ監督とのインタビュー記事が大きく掲載されていて、ついに浦和レッズへの監督就任が本決まりになったのだとか。うれしいような、寂しいような。フィンケ監督はSCフライブルクをやめてからも、ドイツのチームや外国のチームから監督へのオファーがたくさんあったようですが、どれも結局断ったのだそうです。「それが、今回の日本チームに対してOKしたのはどうして?」という問いに、彼は・Jリーグの試合をいくつか見たところ、日本ではサッカーがとてもよい雰囲気で行われていることに好感を感じた・スタジアム周辺の警官出動もとてもすくない・スタジアムの観客に女性が占める割合がとても高く、子ども連れの家族も多い・インフラストラクチャーがすぐれていて、観客席もすばらしい・日本のリーグはヨーロッパのベスト5リーグにつづく・浦和レッズは昨シーズン不調であったのに、平均観客数は53000人と好成績をあげている・Jリーグは誕生15年しかたっていないのに、すばらしい勢いで生長した・サッカーは別としても、日本はとても興味深い国だとたくさんのほめ言葉で理由をあげました。大企業のスポンサーが少なくて、選手の調達に苦労し、自分で育てあげなければならなかったSCフライブルクとちがって、こちらのバイエルン・ミュンヘンに匹敵するといわれる大チームの浦和レッズでは、選手のトレードもしやすいようです。おもしろいのは、日本のチームが背の高い外国人選手を求めるのに対して、フィンケ監督は「地に足のついたプレイ」がモットーで背が低い選手を好むこと。地面とぴったり接し、すぐれたショートパスができるための条件だからだそう。これは日本でも可能だ、と語っています。トレイナーにはドイツ語の話せる日本のコーチもいるのだとか。フィンケ監督は奥様といっしょに日本に住む予定ですが、フライブルクの住まいはそのまま残して、クリスマス休暇などに戻ったときに住めるようにしておくのだとか。奥様も日本を楽しみにしていますが、サッカー監督の妻としてスタジアムに通うのではなくて、この興味深い日本で、職業に従事する意欲もあるそうです。さあ、どうなることか、楽しみ。サッカーを特別に好きではないんですが、フィンケさんだけは別な私です。ここをクリックすると、フィンケ監督がSCフライブルクをやめたときのインタビューやファンのがっかりさを写したヴィデオが見られます。
2009/01/11
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今朝の家の前の通り10.01.09 posted by (C)solar08(道路の前にころがっているモミの木は、「使用済み」のクリスマスツリー。不要になったモミやドイツトウヒは指定された日に回収され、たい肥にされるのです。)今日は通りもほとんど氷もないことだし、久しぶりにちゃんと歩いて買い物に出かけました。といっても、たった十分歩いただけで町の中心に着いてしまいます。ところが、このところ土が凍っているために、近郊農家は収穫ができないということで、農家の青空市もさびしい状況。それで、私はエコスーパーに直行。Freiburg, エコスーパーAlnatura posted by (C)solar08今日野菜などのほかに買ったのは、フライブルクにある有名なエコ豆腐メーカー、Life Food社の「Taifun」(つまりは台風)というブランドのお豆腐三種。フライブルクのメーカー「Taifun」の豆腐たち posted by (C)solar08ドイツでも昔から豆腐は入手できましたが、二十五年ぐらい前は、まだ中国食品店で売られている、いささか酸っぱくておいしくない豆腐がほとんどでした。その後、豆腐が健康によいことが知られるにつれて、いわゆるエコショップ(有機・無農薬農業でつくられた野菜・果物、それらを飼料として育てられる家畜の肉、これらを素材としてつくられる加工食品、オーガニック衣料、石けん素材の洗剤などを売る店)にも豆腐が登場するようになり、現在はドイツでもいくつかのメーカーが豆腐を生産・販売しています。フライブルク産の豆腐「Taifun」はそんな中でも草分け的存在です。1985年、学生としてフライブルクに住んでいた私は、ある日ミュンスター広場の青空市で、パックなしで売られている豆腐を見つけました。売っていた女性の「日本から来た豆腐マンに教わって、自家製の大豆で手作りしているお豆腐よ」の言葉に誘われて、ためしに買ってみました。日本のよりも身がしまっていて、かなり固いので、「これじゃあ、豆腐の角に頭ぶつけって・・・が本当になるなあ」と思ったものです。でも、その味の良さにはびっくりしたものです。内容が濃いというか、やわらかいチーズを食べているような感じでした。これがLife Food社の豆腐のはじまりです。設立者はドイツ人たち。当時は大豆やもやしづくりをしながら、家の地下室で一週間に4キロの豆腐を作っていたそうです。その後、1987年には一週間に80キロの豆腐を生産、Taifunというブランド名で、市の中心街にある「Markt Halle」という、様々な国の料理を出すブースが集まったフード・モールに出店し、豆腐を売るだけでなく、いろいろな豆腐料理(豆腐バーガーなど洋風にしたものです)も出しました。事業は着々と発展し、Taifunの製品はフライブルクの外にも普及し、生産工場も大きくなりました。1997年には従業員は40人になり、さらに2002年には100人に、生産量は一週間に30トンなりました。この会社はイノヴェーション賞を受賞したり、環境マネジメントやISOの環境監査をしたりと、模範的かつ環境にやさしい企業なのですが、とくに好感がもてるのは、原料の大豆の50%をフライブルク近郊の有機農家から購入していること。遺伝子操作にはきっぱりと反対の姿勢をとって、反対運動にも積極的。残りの大豆は、フェアー・トレイド(公正な取引)団体に参加しているブラジルの農家から買い入れています。とても健全で成功している企業なので、買い取ろうというオファーがくるそうですが、設立者たちは「絶対に売らない」と言葉に力をこめます。Taifunの豆腐はふつうの固めのナチュラル豆腐(上の写真左)のほかに、絹ごし豆腐(右)もあります。これの開発には苦労したそうで、開発当時は、フライブルクに住む日本人の女性たちが、モニターにされていました。プディングのようなくずれそうにやわらかい豆腐を食べては「まだやわらかすぎる」と回答したとか。私には回ってこなかった、残念。絹ごし豆腐はある程度まで固くするのが、むずかしいみたいですね。写真の製品もプッチンンプリンみたいにやわらかいです。でもトロトロしていて口当たりはやさしい。ドイツ人向きではありませんが。そのほかに、豆腐テリーヌとか燻製豆腐とか豆腐ハンバーグなど豆腐の加工製品も売っているのですが、私がとりわけ好きなのが写真上の「グラフィティ」という豆腐テリーヌ。味はテリーヌというよりも、がんもどきの中身に似ています。混ぜ物の成分を見ると人参とパプリカなのに、ひじきのような味がするのは「幻」なのかしら。がんもどきが手に入らないので、これががんもどきの代用です。ナチュラル豆腐はたいていは油で焼いて、厚揚げのようにしてから使っています。なにしろ、ドイツ人は豆腐を「なんの味もしない」というものですから(味というのも訓練が必要なようで、お餅とか豆腐の質感や味を見分けるには長年の経験が必要なのでしょう)、揚げることで、味がしたような気にさせなければならないのです。Taifunのお豆腐は最高ですが、一つだけ困るのはお値段。一丁が豆腐ナチュラルでも250円ぐらい、絹ごしは300円ぐらい、薄っぺらい「がんもどきモドキ」にいたっては350円もするので、バクバクと食べるのはためらわれます。でも、考えてみれば、企業運営に環境マネジメントをとりいれ、地元に雇用の場を、若者に職業訓練の場を提供し、地元やブラジルの原料生産者がエコロジカルな農業をやっていけるようなコストを払い、遺伝操作の心配のない大豆でつくってくれるお豆腐なのだから、これぐらいの値段は当然なのかもしれません。一つ一つを大切に、よーく味わいながら、ありがたく食べることにします。
2009/01/10
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家から見た前の通り1月8日09 posted by (C)solar08大晦日からお正月へと無事にすべりこむことができたと安心していたら、その後、これまでにない寒波がヨーロッパを訪れました。それも、ふつうとはちがったタイプみたいで、スペインとか南フランスなどに雪が降ったり、現在も北ドイツだけはあまり寒くないようなのです。数日前はルーマニアが零下30度になったそうです。ドイツでは一昨日が寒さのピークで、ドイツの真ん中あたりの地域では零下27度を記録し、しかも気候の上下逆転で、山の上よりも谷の方が寒かったところもあるとか。私の住むフライブルクはライン川が近いおかげと南という位置のために、ドイツで一番暖かい地域です。ですから、零下27度まではいきませんでしたが、夜中は零下7度ぐらいの地区もあったようです。おまけに、数日前にちょっと雪が降ったこともあって、やっぱり地面は凍りついてしまいました。ベランダの床も。ご飯を炊飯器ごとベランダに出しておいたら(冷蔵庫代わり)、こちこちに凍って、取り出せなくなりました。というわけで、いよいよ恐れていた道路の凍結は具体的になってしまったわけです。月曜日に凍り始める寸前に買い物に行ったきり、外に出ませんでした。なんてやわなんだろうっと自分でもあきれますね。これは甘ったれです。ドイツに来る前に五年ほど住んでいた富士山の近くの地域では、冬は零下15度がふつうだったのに、いったい今の私はどうしちゃったんだろうって。でも、7,8年前にに札幌に講演に行ったときにも、会場の外に出て、凍りついた雪を目にしたときに、足がすくんでしまって、信号を渡ることができませんでした。すると、参加者の一人、白髪のご婦人、私よりも小柄でご年配のその方が、私の腕をかかえて、いっしょに歩いてくださり、無事にわたることができました。その方は地元に住んでおられて凍りついた道路には慣れているとはいえ、わが身の情けなさに恥じいりました。家にこもってばかりもいられないので、昨日はちらっとだけ外に出ました。っていっても連れの車が止めてあるところまで。つまり↑の写真の道路までだけ。歩道はどういうわけか(たぶん地面の下に配管されているもののために)、氷や雪がとけているのですが、車道がツルツルでした。この車道を渡るときには、つれの腕にしがみついて、やっと歩きました。寒さ自体は問題ないです。こちらの建物は寒さに対してはかなりしっかりできている(ペアガラスや厚い壁)し、ガスや石油を湯水のように使って集中暖房しているので。といってもわが家では室温はせいぜい19度にしか暖房設定していませんが、これで十分です。今、ロシアがウクライナへのガスをとめたために、ロシアからドイツへのガス供給もストップするのではないかという懸念がありました。これをきっかけに、そもそもガスや石油を外国に頼ることの危険が話題になったのは、うれしいことです。自分のところにある資源(太陽とか木材とか地熱とか)を利用しなければ、とつぜん暖房がストップする可能性もあるんだよ、ということが意識にのぼったことは。私も太陽熱温水で暖房できたら、そうでなかったら、せめて太陽熱とガスなどのコンビで暖房できたらっと思います。地下のボイラーがこわれたら、次回はぜひ実行したいと思っています(って、他の階の所有者が同意したらの話ですが)。
2009/01/08
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イングリッシュフルーツケーキ posted by (C)solar08なんだか、だんだん料理ブログになりそうでこわいですが、あーんまりおいしかったのでご報告。いつもながら、きたない写真ですみません。クリスマスの頃は、どこに行ってもシュトレンやフルーツパン(干した果物がたっぷりのケーキ)などのクリスマス関係のお菓子やその材料があふれていて、食べる気にも作る気にもなれませんでした。ところが年が明けて、スーパーに行ってみると、年末に売れ残った干しアンズや干しイチジクが店頭で大安売りされていました。これを利用しないのは罪というもの。色々なお菓子の本(ドイツのですが)を見くらべて、決断したのは、イングリッシュフルーツケーキ(日本でなんと呼ばれているかわかりませんが、ドライフルーツとラム酒たっぷりのパウンドケーキ)。二つのレシピをこちらの都合や好みに合わせてミックスして作りました。以下は長さ30cmのパウンドケーキ型にぴったり合った量です。・200gのバターを室温でやわらかくして、200gの砂糖とともにクリーム状にホイップ。・卵大三個を一つずつ、加えて、そのたびにホイップ。・小麦粉200g+ベーキングパウダー小さじ1+ナッツメッグ+クローブ+シナモン(各小さじ半)+塩少々をふるい入れて、混ぜる。カルダモンも入れたかったのですが、なかったので、代りにインドで買ったマサラ茶用のミックス(カルダモンやショウガの粉などが入っている)を小さじ1加えました。これはまったくの好みですから、なくても結構。・たっぷりのラム酒につけたレーズン100g(またはそれ以上)をラム酒ごと、刻んだ干しアンズ100~200g、刻んだ干しイチジク100~200g、刻んだオレンジピール100g強、アーモンドの粉100g、刻んだアーモンド100g、無農薬オレンジの皮の摩り下ろし一個分をまぜ入れる。・ブランデー、シェリー大匙各1杯か2杯(私はキルシュとオレンジリキュールで代用)を混ぜ入れる。・パウンドケーキ型または丸型のケーキ型に入れて、180度に予熱したオーブンで1時間余り焼く(まん中にくしを刺して、何もつかなくなるまで)。私は170度で80分焼きました。上がこげるようなら、アルミフォイルでおおいます。あるレシピ(ベジタリアン用のすばらしいお料理の本)には、140度で4時間半焼くと書かれていたのですが、そんな悠長なことはしたくなかったので、実験していません。このレシピにはまた、完成したケーキを密閉した缶にしまって、何ヶ月か置いてから食べろとまで書かれていました。味がなじみ、熟成するというわけですが、忍耐力のない私にはできない相談でした。ただし、このレシピの薦めにしたがって、焼けたケーキの上からピシャピシャとラム酒を半カップぐらいふりかけて、さらにしっとりさせました。昨日焼けたケーキをすぐに味見したのはもちろんです。これはこれでおいしかったのですが、一日置いた今日は昨日よりも、ずっと味わいがありました。明日はどうなっているかな。このケーキでは、干しアンズと干しイチジクが香りと独特な味を出してくれます。生地にアーモンドの粉や刻みアーモンドをたっぷり入れるのも、生地をリッチにする上で大切だと思います。もちろん、ラム酒その他のお酒も欠かせません。ドイツ独特の(って、これはイギリスのケーキということになってますが)乾いたケーキはあまり好きではないのですが、このケーキは豊富なドライフルーツとラム酒のおかげでしっとりしているので、シュトレンよりも好きになってしまいました。
2009/01/04
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あけましておめでとうございます。大晦日の昨晩はフライブルクは凍結しなかったおかげで、足をすべらせることもなく、無事・無傷で新年へとすべりこむことができました。でも、近郊のドナウエッシンゲン(ドナウ川の源流があるところ)では、凍結した道路で車が玉突き事故を起こして、死者(子どもさんです)を出しました。痛ましいことです。昨晩は家の前でも花火を打ち上げていた人がいたおかげで、目の当たりにたくさんの花火を見ることができました。拙宅が三階なので、窓を開けたら花火が飛び込んでくるのではないかと心配でしたが。一夜明けた今日、元旦は町中が静まりかえっています。ドイツでは大晦日は祝っても、お正月はほとんど祝わないんです(少なくとも私の身の回りでは)。クリスマスをたっぷり日をかけて祝ったばかりですし。元旦だけは祝日ですが、明日は平日です。だから、日本のようなお正月的雰囲気はまったくありません。家の中でも、今年はお餅もアジアショップで買わなかったので、お雑煮ができないのが今頃になってちょっと悔やまれます。ま、いいか。年越し蕎麦ならぬ、年明け蕎麦でもつくろうかしら。こんなことでは、今年もいい加減な生活を送ることになりそうです。昨年、ブログをはじめた私ですが、皆様にはつたない日記を読んでいただきまして、本当にありがとうございました。読んでくださる方に「ニヤッと」していただきたい、というのが私の願いです(ニヤッとできないようなことを書いて、笑えというのも酷な話ですが)。今年もまた、ドイツの習慣、フライブルクの紹介、エコライフ、料理など、話題は散漫になると思いますが、皆様にお付き合いいただければ、幸いです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2009/01/01
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