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ナオミが言い、工藤の正面に座ろうとしたら、スタッフが数人飛んできて、2人用のテーブルを寄せ始めた。「今夜は、何名様になりますので?」「どうだろうね。いまのところ2人増えて4人となったが、これからまた刑事がひとり、頭から湯気をたてて押しかけてくるだろうし、さっき姉から携帯に電話が入っていたようだから、もしかしたら青森から飛んでくるつもりかもしれない。けっこうな人数になるだろうが、貸切にしたから気にすることはない。外は、大いに荒れているな。私の前途のように。まずは、自家製のワインをもうひとつ。それから前菜を適当に。前菜は何がいいか、…まあ、そうだ、料理はそれぞれに好みがあるのだから、メニューの左から右までかたっぱしから頼むよ」「はい、かしこまりました」 ボーイは、とくに驚きもせず厨房へ消えていき、水と、新しいワイングラスを皆の前にセッティングしに戻ってきた。 店の中には、肉とソースの匂い、甘いリンゴの香りが入り交じってたちこめていた。厨房では料理人達が活気のある津軽弁を交わしている。 工藤は、手元にある赤ワインのデキャンターを取り上げ、ナオミの前にあるグラスに注いだ。 すでに、大きなデキャンターの赤ワインは消えようとしていた。 阿部は仕事中なので、あまり飲んでいた気配はないから、ほとんど工藤がひとりでこのワインを飲み尽くそうとしていたということになる。「君の名前だけは、あちこちで耳にする。初めて会えて、嬉しいよ。…噂に聞く以上に、可愛い人だ。絵のモデルにしたいくらいだが、私には、必ずモデルに恋する悪い病気があってね。…それでは、彼氏と決闘になるからよしておこう。佐々木君とは、諍いを起こしたくないからね」 工藤は、少々、酔いの回った目で隆一を見た。「なぜ、僕の名を?」「君の弟を知っている。県の教員試験に採用になる前は、私立学校を転々としていて、私立愛実学園高校にもいたことがあるのだよ。その頃は、後輩だったが、いまでは、会えば車の話をよくする。英治君は、見所があった。…いまでも、いい教師だと聞いている」「ああ…」「もちろん、君の話も聞いていた」 弟のことをほめられて悪い気はしない。隆一は、工藤をへこませてやろうという気持ちがそがれそうになった。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日は、用事の帰りに駅前の産直に寄ってみると、満開になっているビオラの苗を発見しました。 秋のガーデニング、どうしようかな~と、植え替えは寒いし・・・と迷いながらも、ひとつ70円のを6株、買ってきました。 いまはパンジー、ビオラが出回ってはいても、花が咲いていない苗が多くて買っていませんでした。 日当たりのいい産直の店先では元気に咲けたようです 持って帰ってきたら暗くなっていて、写真も撮れず、植え替えもできませんでしたが、連休中にはなんとかしたいです。 100円ショップでミニ扇風機を買ってきました。 1000円商品なので、今日はこれだけ買ってきました。 ハロゲンで温めた部屋の、サーキュレーターがわりに使ってみています。 可愛い姿のわりには、風力がけっこうあります 【FG1010】パンジー12個「ベーシックセット」11/7発送
October 31, 2008

ガラス越しに、パーマなのかくせ毛なのか、ウエーブのある髪が囲む、どこか無邪気な表情を見て、ふと思った。(この男は、どうも雰囲気がレンブラントと似ている…) それは、隆一が最初、葛西嘉世子がカミーユ・クローデルと似ていると直感した時と同じ感覚だった。 顔かたち以上に、雰囲気がそうなのだった。「というわけで、今日は八甲田牛が美味いとか、メニューはいくらでもあるから好きなものを食いたまえだの、料理の話ばかりで、事件の話はいっさいしようとせず、手こずっている。いま、成田さんと話してたとこさ」 阿部は、困った表情で呟いた。「と、いうことはモーちゃんも来るのね?」「ああ、もう、『なんぼふざけた話だば!そったに留置所さ入りたいなら、偽証でもなんでもぶち込んでやるはんで覚悟せ!いや何がいいか、そうだ公務執行妨害!、よし、こっちにもメニューはなんぼでもあるとこでな!!』と、こうだ」「まるで闘牛だ」 隆一は笑った。「じゃお招きにあずかりましょうよ、ここは寒いわ。阿部さんはもう、おいしいものいっぱい食べたんでしょうけど?」「何を頼んだらいいか解らなくて、ハンバーグカレー食ってたよ」「へぇ、ふつうの洋食屋みたいなのもあんだ。僕も、そっち系にしようかな。疲れてきたから、フレンチのフルコースが入るかどうか」 隆一は言った。「僕もハンバーグカレーは平らげてしまったし」「大丈夫、フルコースもまた別腹よ」 ナオミは、フードについた雪をはらい、店の中へ入っていった。 隆一と阿部も、あとに付いていった。 店のドアには、『本日貸切』のプレートがあり、中にいるのは工藤清人と、スタッフたちだけだった。「やあ、やあ、やっと入ってきてくれたな、可愛い探偵さんが。私の、しゃばでの最後の晩餐に、ゆっくり付き合ってくれ」 工藤はよく通る声で言い、こちらに視線を向けて笑みを浮かべた。 話を聞いて想像していたより、人なつっこい表情だった。この、どこか夢見るような空気は、あーちゃんや、葛西嘉世子、祐貴、と、いままで捜査の過程で会ってきた、芸術をする人皆に共通している。 久美でさえ、そうだったのだから。「やっと、お会いできましたわ」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!名画・油絵 レンブラントの名作 「夜警」模写☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ きのうから、急に寒くなりました~ 山の中では雪も降っていて、しっかり冬型です こちらも、エアコンだけでは寒くて、今日は七輪、豆炭で暖を取っていました。 1日、七輪をつけて置くと家中がじんわり暖かくなってきます。 灯油も高いので、このさい薪ストーブにしよう、と思っても、ずっと灯油に頼ってきたので、煙突を付ける場所がないんですね 薪ストーブを焚くと、真冬中でも暑いくらいになるんですが(^^;;; いまのところ、自室では楽天のポイントで買ったハロゲンヒーターと、ざぶとんサイズのホットカーペットでなんとかしのげます。 外でのガーデニングも、寒いのでジョウロを持ち走り回っています。 スイカを片付けたあとに、適当に撒いていた小松菜が育ってきています。 夏野菜もまだ、小さな収穫がありました。 梅の木になっていたカボチャも採りました。 なんと、フェンスの陰に隠れてゴーヤーが実っていました( ̄□ ̄;)!!【ポイント5倍】 ■送料無料 アラジン カーボンヒーター AJ-C9A 速暖カーボンヒーター搭載事...アラジンのは高い~でもカッコイイ
October 30, 2008

「これは・・・」 庭で、できたてのよもぎ団子を口にした福次朗も、不思議そうに団子屋の媼を見た。「おいしい菓子福のよもぎ団子と同じ味だわ」 ノコは、思わず言った。「そうです。餅から、あんこの味まで、お祖母ちゃんが作っていたのと同じです」 福次朗は言った。「おやおや、これはどういう事かね、団子屋の媼」 薬草屋の媼が、首をかしげた。「団子屋の媼と同じのを、人間が作れるなんて聞いたことないよ」「いや、おらは1回だけ、人さよもぎ団子の作り方を教えたことがあんだ」 団子屋の媼は言った。「それが、あんたのお祖父さんと、お祖母さんかもしれね」「えっ…」 驚いて、縁側に上がってきた福次朗に、団子屋の媼は言った。「実家は、二戸のほうかね」「はい」「そいだば、やっぱり菓子福の人だのう。昔、夫婦2人で小さなお菓子屋をやっていた人たちだべな」「あの、どのようにして出会ったのですか」 ノコは訊いた。ツチオも、神妙になって縁側ににじり上がってきた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- 今日は寒い1日でした~ 午後、早めに花の水やりを終えたあと、バナナパウンドケーキ作りに入りました。 そろそろ、使わないとバナナが溶けそうだったんです(^^;;; 100円ショップで買ってきたレシピを参考に・・・ ペースト状にしてラム酒を混ぜたバナナと材料を合わせます。 今度は焦がさないように、最初からアルミホイルをかぶせてオーブンに入れました。 慎重に焼いたせいなのか、それとも気温が低いせいなのか、今日はなかなか焼き上がらず、オーブンに入れてから1時間少々かかりました やっと出来上がりです~ 今回は、上に切れ込みを入れたにもかかわらず全体が盛り上がってしまい、あまりパウンドケーキの形をしていませんが、ラム酒の香りが効いていて美味しかったです ちょっとラム酒を入れすぎたかもしれません完熟バナナを贅沢に使ったバナーナ パウンドケーキクリスマスケーキ お歳暮 引き出物 引き...
October 29, 2008

「なんだって。いったい誰に?」 隆一は訊いた。「成田さんにさ。あの人が、傷害の現場を取り仕切ったろ?」「だが、あれは久美さんの狂言だよ」「そうなんだけど、まず成田さんは久美さんの言い分を前提として、処置が終わり、病室へ落ち着いたとたん、話を聞いた。成田さん、その点すごく頭の回転が速いからな。そしたら、自分があの晩、変装して弘前へ来たのは、旦那の浮気の現場を押さえるためだったと言ったらしいんだ」「田向修三さんにも見られてるし、防犯カメラの件もある。自分のアリバイがすっかり崩れたのが、わかってきたのね」 ナオミは言った。「まあ、下品な言い方をすれば、彼女もケツに火がついた状態ということだよ」 阿部は言った。「…しかし、話の辻褄は合うんだ。久美さんは、弘前駅に着いたあと、ごく目立たない私服に着替えて、ホテルの裏口から中へ入り込んで、岩村啓祐と葛西嘉世子が逢っている現場を押さえようとした。ノックして部屋へ入ろうとしたら、葛西嘉世子が飛び出してきたのに驚き、いったん隠れて、もう一度部屋へ戻ったら、旦那の悲鳴が聞こえて、工藤清人が部屋を出ていくのを見た。すぐ、部屋へ行き、バスルームに入ったら、岩村啓祐は風呂の中で手錠をかけられたまま溺れ死んでいた。久美さんは、工藤が殺った、と思い、彼に疑いがかからないよう、たまたま持っていた鍵で手錠をはずして、『Do not disturb』の札をかけて部屋を出て、駅からはホテルに電話して、手錠は家に持ち帰り、岩村啓祐の書斎にしまったと」「そんな…たしかに、話の辻褄は合っても、手錠の鍵だけ持っていたなんて、いくら親しい仲でもありえないわ」 ナオミは苦笑した。「だが成田さんには、そう言っているんだ」 阿部は言った。「それで工藤先生は何と?」「僕はさっき、その話をした。『そういうことなら、それでいいからさっさと逮捕してくれ、ただしデザートの後に』と来た」「はぁ?」 隆一は呆れて、店の中を見た。 工藤清人らしい、ツイードの背広を着たがっしりとした男の後ろ姿が見えて、ゆっくりとワインを飲んでいた。 ウエイターと話しながら、こちらを向き、人差し指で招いている。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日は気温が下がり、木枯らしのような音を立てて風が吹き、1日じゅう、肌寒かったです。 日も短くなり、午後いろいろバタバタしているうちに鉢植えの水やりが出来ないうちに暗くなりました(^^;;; これからはもう、お昼を過ぎたら即、水やりですね~ ゆうべ一晩かけて、フェリシモの革ポーチ、パート2を完成させました。 裏返しに縫い合わせた革に・・・ 接着わたを貼り付けた裏地を、ファスナー部分に縫いつけます。 表に返し、形を整えて完成です~ サークル型なんですが、最初はなかなかキレイな円形にならず、指で形を整えました これは、そのまま母にあげました。二つ折りのお札が入ると言って喜んでいたので、使っているうちに馴染んでくると思います これを作っている最中、革用の縫い針で指を刺したら、かなーり痛かったです 普通に布を手縫いする感覚で縫ってたけど、先端が鋭く太いので、意外に血がポタポタ・・・( ̄□ ̄;)!! 先週から、なんだか流血の一週間でしたレザークラフトキット連続ランキングインを記念して1.6mm厚30cm角(3000円分)の牛革付!さらに「...
October 28, 2008

「だが最初の時、君に色目を使ったあげく触ったのだから、あのくらいしたって罰は当たらないだろう。つまり、その…本気でやっつけてしまったんだよ。別に殴ったりしたわけじゃない。穏やかに話をつけようとしたし、自分よりずっと年上の人をやりこめるなんて、傲慢で良くないと思ったが、腹が立ってどうしようもなかったんだ」「隆さんも、強くなったのねぇ。きっと都会で鍛えられたのね?」「からかうなよ。良くてなし(ろくでなし)をやっつけるのは、成田君だけの専売特許じゃないだろ。成田君だったら、たぶん小学校の時から、そうだったろうと思うけど」「やだ、まだこだわってる」「いいから、行こうぜレストランへ。僕も腹が減った。非常階段を降りていこう、エレベーターホールで山本氏の泣きっ面と合うのは、都合が悪い」「……なんだか面白いわ」 ナオミは、コートを着ながら微笑んだ。「あなたって、帰って来てからどんどん強くなってく。昔付き合っていたときは、私が守ってあげなくちゃって思っていたのに」「男というのはさ、ほんの少しの間会っていなければガラリと変わってるもんなんだよ。今後も、よく見ていないと、また驚かすぞ」「まあ、怖い!」 ただ、ナオミに尊敬されたくてやっただけだった。が、言えなかった。 彼女は隆一の腕を支えに靴を履きながら、少し甘えた表情を見せていた。それが何となく面白く、さっきまでの自己嫌悪感が吹き飛んでいった。 2人は、非常階段を降りてホテル花吹雪プラザを出て、工藤清人が来ているというレストラン・トリコロールへ向かった。 ☆★ 弘前のメインストリート、土手町を歩き尽くして弘前公園にたどり着き、大通りから少し奥まった小径に入っていくと、レストラン・トリコロールがある。 時間は、日曜の夜9時近くなっていたが、白い壁と三色旗を飾った、こぢんまりとしたフランス料理店からは、橙色の灯りがもれて降る雪と雪道を照らしていた。 青、白、赤のイルミネーションがある植え込みの所に、阿部がいて、携帯で話をしていた。 ナオミと隆一の姿を認めて手を振り、電話を終えた。 かなり長く話していたようで、阿部の頭と肩には雪が積もっていた。「阿部さん、何かあったの?」 ナオミが訊ねた。「あったも何も。…岩村久美さんが、いまそこの、弘前医大病院で治療を受けてるんだが、話したんだよ、旦那殺しの犯人は工藤清人だと」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ きのうより、母もいくらか気分が良くなりました~ それでも、まだゆっくり横になっている方が楽なようで、まだ休んでいます。 皆様からの、お見舞いメッセージありがとうございますm(_ _)m 母も、とても喜んでおりました 週末、けっこう雨が降り、花の水やりをサボっていたら、菊の葉がしおれかけていました。 いまは、秋菊の成長期なので、菊の鉢が一番乾きやすいです。 食用菊に続いて、ポットマムが咲き始めました。 寒いのに、アサガオも咲き続けています。 いま、いろんな人から種を予約されているのですが、種がなかなか熟れないうちに寒くなってきて、霜が降りるまで持ってくれるかどうか微妙ですAid10 秋のポットマム祭り『ジャーマンガーデンマムブランロイヤル レッド 2株』【FPS0929】
October 27, 2008

「ほい、できたできた」 庭にいたツチノコの媼たちは、緑色のよもぎ団子を、山ほど南部鉄の鍋に載せて上がってきた。「今夜は、花巻でやるオペラの上映会でツチノコいっぱいあつまるから、余るだけ作ったよ~。薬飲んだら、好きなだけ食べなさい」 庭から来た、もうひとりの媼は、皆よりいくらか地味な着物を着ていた。よく見ると、紫色と青色の南部裂き織だった。「このお婆さんが、よもぎ団子の達人だんだよ」 煎じ薬を持ってきた媼が言った。「薬草屋の媼、そったらこといわれたら、こっぱずかしでねか~、普通に、作ってるだけだんだ!」「なに控えめにすことあって。いまは何でも宣伝の時代だんだから、団子屋の媼ももっと、前さ前さと出張ってかねば、だめだんだよ」「なんも、おらのはほんとに、なんのへんてつもねぇ味だもの・・・」 団子屋の媼と呼ばれたツチノコは、たしかに少々、控えめな感じだった。「まんつ恥ずかしがり屋だんだから、この人は~、ツチオだって、うまがってパクパク食べてるでねか。ノコさんも、まず食べてねか」 薬草屋の媼は、鍋からよもぎ団子を2個ばかり、小久慈焼の皿に載せてさしのべてきた。 ツチオは、まだ庭にいてよもぎ団子が出来るなり、食べまくっている。「はい、いただきます」 煎じ薬を飲みきったノコは、さっそく好物のよもぎ団子に手をつけた。「あっ・・・このよもぎ団子は」 一口、食べた瞬間、ノコは叫んだ。 なんのへんてつもない…これといって特徴のない、という意味の南部地方の方言です。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- 私が、やっと鼻血から回復したと思ったら、今日は母がダウンです(´ヘ`;) 朝、内線がかかってきて「Kaze今日は、具合わるいから寝てる~」と、言ってきました。 7月の地震から、いろいろと忙しく、やっと家の外壁の工事が終わって一段落して、疲れが出たのじゃないかな、と思います。 実は、私も地震からいままで、あっという間で、その間いったい何をやっていたのか、記憶が飛んでいるところもあり、日記やブログを読み返して思い出したりしています(^^;;; と、いうわけで、私も1日家にいました。「野菜ジュースとバナナ持ってきて」とか、「おにぎり食べたい~、あとゴミ出しもよろしく、あっコーヒー」とか、次々内線が来てけっこう忙しかったです 9月に買った新しい電話機は、内線がとても使いやすく、本日は呼び出されまくりです(笑 日曜だけど、病院へ連れて行こうかな?と思いましたが、食欲はあるのでもう少し様子を見てみようと思います。 今日は、たまたま雑穀ごはんを炊いていて、それで梅干し入りのおにぎりを作って、ふりかけをまぶして海苔で巻いたらおいしかった。 雑穀の風味と、ふりかけの味がよく合ったんですね。 おにぎりを握ったのは久しぶりです。 毎日、毎日、口はとっても元気なようでも、母も疲れてるんですね。ちゃんと料理しなくちゃ~ 家事を一段落させて、簡単な夕食にしました。 レトルトの『なっとくのエビドリア』を使って、オーブンでドリアを焼きました。 私はチーズ好きなので、必ずピザ用チーズをのせて粉チーズまでかけます。 なんだか、昔の喫茶店の味がする・・・ということは、喫茶店でも同じのを使っていたということでしょうか会員ランク別最大ポイント10倍 10/27(月)9:59まで エスビー なっとくのエビドリア ソー...ご近所では100円でした
October 26, 2008

が、実際は叩きのめしたかった。「…おれは、あの人が走って出ていくのを見ただけだ!」 しかし山本は、半べそをかきそうになって叫んだ。「あの人とは?」「葛西さんだよ。あの人が部屋に入って、たったの3時間も経たないうちに、コートを肩から引っかけて、俺の目の前を横切っていった!!歩く勢いときたら凄まじくて飛ばされるところだった」「その時、亡くなった岩村さんの部屋に、札はかかっていましたか?」「札?」「『Do not disturb』、起こさないでください、の札は!」「見てない…そんなのはなかった!」「そのあとは?」「6階に降りた。葛西さんに見られて…」 山本は口ごもった。(葛西嘉世子に、見られたと思ってとっさに、下の階に移ったのだな) 隆一は直感した。「わかりました。もういいです」「もういい、って…」 山本は、顔を真っ赤にして泣きはらしていた。 その場を離れようとする隆一に、山本が言った。「私、このホテルを辞めます、ここから消えます、ですから、」「そのようなつもりでは…」 隆一は言いかけたが、山本が本気でそうするなら、その方がいいと思った。少なくとも、ホテルを利用する女性に迷惑がかかることはなくなるのだから。「お話ありがとうございました。…もう、泣かないでください」 泣きじゃくっている山本をエレベーターホールに置いて、部屋へ戻った。 スーツに着替え、中には黒いタートルネックのブラウスを着て、紫色のヴェネチアン・グラスのネックレスを付けたナオミが待っていた。「ちょっと、隆さんどうしたの、そんな怖い顔して」 ナオミは目を丸くして、言った。「…山本さんと、話にならなかったの?でしょうね、ああいう人は百戦錬磨だもの。いいのよ、私が話してくる。これは、元から私の役目なんだから」「いや、たしかに話にはならない状態だったが、札のことは聞いてきた」「え?」「葛西さんが、例の部屋を出るまで、『Don’t disturb』の札はかかっていなかった、ってさ」「すごい!どうやって?」「あまり言いたくない。すごく嫌な奴になったからさ」「……?」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日は、久しぶりに静かな1日でした~ 革のポーチに簡単な刺繍をしたり、美術関連の本を読んだりして過ごしました。 おととい、昨日と雨がつづき、外の水やりもお休みです。 こうして、しだいにガーデニングもゆっくりとなり、家の中で過ごす時間がふえてきます。 そろそろ、年賀状の作成に入らなくては・・・ 今週は鼻血を出したりして、お菓子作りがほとんど出来ず、クッキー生地のストックもなくなりました(^^;;; バナナパウンドケーキ用に取っておいたバナナに、ポツポツと茶色い斑点が出来てきて、そろそろ焼き菓子に使えるように熟してきたので、2,3日のうちにバナナケーキ作りに入ろうと思います。 きのうの買い物のときには、とうとう強力粉まで買ってきました。 いま、小麦粉も値上がりしているんですよね~ 値段はそのままでも、中身は1キロから700グラムに減っているみたいです この強力粉は、11月30日まで中身はそのまま、価格も据え置きということで、2袋買ってきました。 冷蔵庫にドライイーストがあるから、いつかピザ生地やパンも焼いてみたいですパン・サンドイッチのおいしい法則
October 25, 2008

「えっ…」「その時の状況が解れば、この事件も早く収束に向かうと思うのですが」「……」 山本は、目線をあちこちに動かし、考え込んだあと呟いた。「うーん…すみませんね、何も思い出せなくって…」 あきらかに、隆一の質問が意図するところを察して、言い訳を思いめぐらしている。 その心中が手に取るようにわかると、隆一もさすがに気分が悪くなってきた。 ナオミが、久美の毒気に当てられて疲れ果てた、という気持ちがわかった。(なんという気持ちの小さい男なんだ。こんな男に触られ、のぞき見され、あるいはナオミのように身体を押しつけられて、具合が悪くなるほどイヤな思いをした女の人もあったろうに。こんな重大事件があったあとでも自分だけは助かりたくて、保身のために証言を拒もうというのだろうか?…情けない。あまりに情けない) 隆一は、腹が立つわ、呆れかえるわで思わず立ち上がった。「わかりました。もう、何も聞くことはありません」「えっ…」「山本さんは、あの夜は7階のフロアを回っていなかったということでしょうから。宿泊支配人の方が、まったく客室内外の事情を把握していないとなれば、人殺しも、傷害もやり放題です。こんな無法地帯のようなホテルは危険でしかたがありません。今後は、法人の客はがっさりと減るでしょう。山本さんひとりどころか、ホテル自体の存続も危ぶまれますね。このこともいずれ、調査の過程であきらかになるのですから」 隆一は、言いすぎたと思ったが、後悔はなかった。もし食ってかかるなら、いくらでも受けて立とうという気分だった。「こいつ…何の権利があって」 山本は、顔色を変えて立ち上がった。額には汗がにじんでいた。 怒って上目遣いににらむ様子は、まるでチンピラの表情だった。「刑事でもないくせに根掘り葉掘り、何様だと思っているんだ!!」「根掘り葉掘り聞いてなどいません。先週、土曜の夜に705号室周辺の様子がどうだったかお伺いしたいだけだったのです。僕は、刑事でも、私立探偵でも何様でも、かに様でも、なんでもありませんから、山本さんが見たことだけをお聞きしたいと…。はっきりと申し上げますが、あなたが何も話さないとホテルは潰れますよ」 隆一は言った。(これで取っ組み合いにでもなれば、負けるかな?) と、思った。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ また、株価が下がりましたね~ 8000円割れ、とお昼過ぎにニュース速報で知り、株をやっていない私も驚きです。 このあと、用事で出かけ、帰りに食料品などをいろいろ買い回ってきましたが、気分はすっかり緊縮財政(´ヘ`;) 余計なものを買わないようにしてきました~ それなのに、しっかり宝くじは買ってきました オータムジャンボは末等だけだったので、今回は100円くじにしました。 夕方の売り場にはけっこう人が集まっていて、「当たれば良いな」とか話し合っていました。「もう、億とかは当たらなくてもいい、でも100万くらいは欲しいな~」というと、「そうだよ、刺されるぞ」とか、「億となればやっぱり怖いねぇ、100万とか1000万とかだったら(人に知られても)大丈夫なのかなぁ」 と、宝くじ殺人の話になりました。 当たると怖いのに買ってしまう。今回は、ロトもミニロトの方にして、当選金額の低い方にしました・・・ これだけ株価が下がると、景気も後退するから、作れるものはなるべく自分で作ろう、ということで、スポンジケーキの型も買ってきました。クリスマスケーキくらい作れるようになったらいいのですが また、フェリシモのキット制作に取りかかりました。 今回の革ポーチは、サークル型です。 これは、出来上がったら母行きです。 モチーフの蝶はひとつだったのですが、革が余ったためまたふたつにしましたオーガニックニットキットニットキット『ポーム無垢綿で編むフリル袖のボレロ』 【ニットキット】そのうち洋服も作りたい
October 24, 2008

「おたくさんの社長は、少々、人が良いからきっと預かってくださったのでしょう。ホテル・プラザグループの…私どものオーナーは、戦前には画学生だったらしいのです。ところが、戦争から帰ってきたら、裕福だった家は傾いてしまっていて、商売の道へ入らざるを得なくなり、絵の道をあきらめたのです。ここだけの話、画学生時代も、ほとんど目立たなかったようですよ。しかし、商売で成功し、大金持ちになり、ホテル経営と」「…そうなんですか。企業家の最終目的は、やはりホテル経営なんですかねぇ」 隆一は言った。「うちのオーナーの場合は、ホテルを経営してその全室に、自分の作品を飾ることが夢だったようで」「は!?」「なにしろ、どこへ持っていっても売れませんから…」「……」「ロビーと、エレベーターホールにはこの通り、全階に飾っていますが、客室に飾る作品は制作がまにあわず、棟方志功のポスターを」 山本は、隆一が絶句しているのも構わず話しつづけた。(ホテル経営が、成功した企業家の夢、という話はよく聞くが、その目的は、人によって様々なのだなぁ)「いまは、リニューアル後の全室に、自分の作品を飾れるよう、精力的に制作に取り組んでおられます」「そうですか。だれか、強い影響を受けた画家はいるのでしょうか?」「私は絵のことはよくわかりませんが、若いとき、エドワール・マネという人の絵に、非常に衝撃を憶えた、ということでした」「ああ、なるほど」 そう思って、もういちど裸婦像を見ると、色遣いが印象派の影響を受けている、とは思った。ただ、ヘタに見えるのは色のセンスが無いのと、技量の未熟さを隠したくて、思い切った構図がとれないということなのだろう。(しかし、自分の絵を飾るためのホテル、と腹をくくったなら好きなように描けばいいじゃないか。ヘタだろうと何だろうと) と、隆一は思った。「今回は、それだけオーナーがリニューアルに期待をかけていらっしゃるので、いまのような事態が長引くのは客室支配人である私の責任ともなり、ヘタをすればクビということにも…」 山本は、泣きそうな表情となっていた。「山本さん。あの日7階で亡くなった、岩村さんの部屋を見ましたか?」 隆一は、単刀直入に訊いた。「えっ…」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!マネ『フォリ・ベルジェールのバー』リトグラフどこかで見たことのある1枚☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日は、夕方から雨となりました。 朝から曇っていたおかげか、外は暖かくても、家の中が肌寒かったです。 いろいろと用事もあってさっそく出かけようと思いましたが、今日は大人しく休んでいました~ 今年はいろいろとアクシデントの多い年で、ついこの間までは桜についた虫に手を焼いていました 退治したあと、こんどは葉を全部食べられたあとの枝に花芽が出来ているのを発見です 台風などで桜の葉がなくなると、秋にも咲くことがある、と摩凛819さんに教えていただいていたので、もしかして返り咲くのかもと思いながら見ています~
October 23, 2008

「はいできたよ~まずは風邪の煎じ薬」 ツチノコの媼は、庭で煮出し、漉したお茶のような煎じ薬を、小久慈焼(こくじやき)の湯呑みに入れて、ノコの所へ運んできた。「わ~、どうもありがとうございます」「あまり苦くしないでおいたから。熱さえ取れたら治るのだからねぇ」 媼は言った。 白っぽい、素朴な小久慈焼の器には、茶色いほうじ茶のような煎じ薬が入っていて、飲んでみるとほんのりと甘かった。「なんだか、懐かしい味がしますが、何がはいっているんでしょうか」 ノコが訊ねたら、媼はくくっと含み笑いをした。「それは、若いお嬢さんにはお教えできないねぇ」「えっ・・・」「まあ、薬草いろいろと、そして、ある生き物なんだけどね。いつか、家に帰ったら、お母さんかお祖母さんに聞いてごらんなさいな。小さいときに、薬では熱が下がらなくてどうしようもなくなったとき、飲んだことがあるはずだから」 ノコの側にいる媼が言うと、庭の方にいる媼たちがドッと笑った。「・・・・?」(いったい、何だろうこれは?) たしかに飲んだことのある味だった。 昔々、扁桃腺を手術で全摘したあとも、しばらく高熱を出す日々がつづいていた。 いつだったか、強い薬を何度飲んでも熱が下がらなくなり、思いあまった母と祖母は、とうとう怪しげだという噂の漢方医へ相談に行って、買ってきた煎じ薬で熱が下がり、助かったことがある。 いま飲んでいる薬は、その時の味とよく似ているのだった。「過去に、あんたとこでそのような事があったのが、こっちまで伝わってきたもんでねぇ。また飲ませだらいんでねか、って事になったんだよ」 媼は、庭でせっせと餅をこねている媼たちを見て、言った。「それで、いったい中身は・・・」「それは知らないでおいた方がいいと思うよ~」「はぁ」「さあさあ、次はよもぎ団子だよ」小久慈焼き 酒器セット(片口)岩手の金賞受賞酒蔵あさ開(あさびらき)直営源三屋の産地直送日...☆小久慈焼は、岩手県、久慈市の焼き物です。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- 昨日は鼻血を出して、お騒がせいたしました~m(_ _)m もしかして風邪でも引いたんでしょうか、鼻血はおさまったものの今日も、今ひとつふらふらとするので、午後まで寝ていました。 この後、商品関連の問い合わせがあって起き、何事もなかったようなフリをしてしばらく話をしていました。 しばらくいいお天気が続いていたためか、花鉢もカラカラになっていて、暗くなるまえに水やりです。 そうして動いているうちに、少しずつ元気になってきました。 鉢植えのバラ、コティヨンが新しい枝を出し、いままでで一番多く花を咲かせようとしています。 霜が降りるまえに、全部咲けますように アサガオもまだ頑張っています。
October 22, 2008

「キャンセルなさらないんですか」 山本は言った。「ええ、まだ仕事がありますから」 隆一は答えた。「それは、ありがとうございます。1週間ごとに、殺人、傷害と起こって、立て続けにキャンセルがあって…いくらリニューアルしたって、このホテルも、もう終わりかもしれないと思うと気が滅入って」「……」「とうとう、私も失業でしょうな」「いや、そんなことはないでしょう。事件は、いずれ解決するのですから。人の噂も七十五日、と言うじゃないですか。何でも悪い方へばかり考えないで」 隆一は言った。 思えば、田向修三もそうだったが、小さな犯罪を繰り返す人というのは、どうも物事を悪いほうへ悪い方へと考える傾向にあるような気がする。「僕だって、何回も失業しましたよ」「あなたはまだ若いから。それに、頭も良さそうで、人にも好かれて。…ただ、あまり欲がないんでしょうね。ぎらついた所がない。こういう仕事を十何年もやっていると多少、人が判るんです。あなたには、何だって出来るから、そんな風に余裕があるんです。しかし、私にはここしかない。この寒空に、放り出されるのはたまらない」 山本は、声が低く落ち込んでいた。「いまの職場も、常に崖っぷちにいるようなものですよ」 隆一は言った。「『石岡画廊』という、千戸市の画廊なのですが、絵はなかなか売れず、運転資金の調達も大変です」「ああ、石岡画廊さんですか」 山本は言った。「ご存じですか?」「知ってるも何も。うちのオーナーが、絵を何枚も預けてあるはずです」「え!?」「ほら、それです」 山本は、壁の裸婦像を指さした。「あれ…ですか?」「お店で見たことがありませんか?」「…いえ、あの、まだ入ったばかりなもので、すべての作品を見たわけでは」 隆一はしどろもどろになった。本当は、店の中には一枚もなく、どこに保管してあるかもわからない。「失礼しました、よく知りませんで」 隆一は言った。いくら、観賞にたえないと思っても、社長が見ればやはりどこかが違うのだろうか、と思い、自信がなくなってきた。「いや、構わないのです。たぶんそうだろうと思っていました」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 本日は、なんと起きるなり鼻血を出し、少し休んで起きたら再び鼻血がポタポタ・・・と止まらず、頭痛もあってまる一日休んでいました。 なので、今日のBlogは小説のupだけでまた休みます~ ところで、鼻血が付いた寝間着をしばらく見ていたんですが、血液ってなかなか変色しないんですね~ 意外にいつまでも赤い もしかして、いつか小説の参考になるかもしれません(^^;;; それでは、鼻血の話が続いたので、ハナはハナでも、我が家の花の写真でシメます。 春から世話している夏の花です。10月14日に撮りました。 真夏の勢いはさすがになくなりましたが、まだ暖かさがあるおかげで、元気に咲き続けています
October 21, 2008

「なるべく目立たないようにと思って、グレーのビジネススーツばかり着ていたけど、生地から選んで仕立てたのも着たかったの。…あ、隆さん、私の荷物から化粧ポーチ取ってくれない?真ん中のバッグからはみ出してるやつ」「はいはい」 隆一が、パンパンにふくれあがったナオミのボストンバッグから化粧ポーチを取り上げると、中に絵の具やスケッチブック、携帯用のイーゼルが入っているのが見えた。「おい、画材一式こんなに持ってきてどうするんだよ」「津軽に来ると、芸術的刺激を受けていろいろとやりたくなるのよ。今回は版木まで持ってきてしまったわ」「それはそれは。何か、大作でも出来そうかな?」「あら、そうからかうものじゃないわ。隆さん画商でしょ?私だって、いつかなにかがひっかかって、大芸術家になるかもしれないのよ?その時がきたら、私に、『作品を売ってください』って頼みこまなくっちゃならなくなるんだから」「その時を、首を長~くして待ってるよ。ただ画商のほうでプロデュースすることだってあるんだぜ。野心があるなら、作品を創ってくれよ」「冗談でなく、しばらく弘前に滞在して油彩の一枚でも仕上げたいところね」 ナオミは呟いた。 昔から、ナオミは絵が得意なのを知っていたが、制作に取り組んでいるところはあまり見たことがなかった。ただ、高校のときは、文化祭など、様々な行事のときによく引っ張り出されては何か描いていたことを思い出す。美術部にいたわけでもなく、誰に絵を習ったのかも謎だが。 ナオミが化粧直しをしている間、手持ちぶさたになって、隆一はエレベーターホールの絵を見に行った。あの、どうしてもプロの絵とは思えない、ざっと60号はある裸婦像の正体が気になってしかたがなかったのだ。 しんとしたエレベーターホールのソファーに、人がいた。 宿泊支配人の山本だった。「…どうしたんですか、山本さん」 思わず、隆一は声をかけた。彼は、座って頭を抱え込んでいた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日も、けっこう暑かったですね~ 毎日、蒸し暑くて春菊がなかなか育たず、日が暮れる前にもう一度、京菜と一緒にタネを蒔き直しました。 午後、ふたたびフェリシモからの配達があり、カットクロス入りの缶がおまけについてきました。 80枚入りで、それぞれ柄も違うので、小物の裏地にしてもよさそうです 今回の、革のキットは丸形のポーチでした。 こちらは前から母が欲しいと言っていたので、さっそく手を付けます。 東欧刺繍風のキットはペンケースでした。 通帳ケースは置いておいて、とりあえず小さくて刺しやすそうなペンケースのほうから先に作ってみようかな・・・と弱気になっています(^^;;;東欧雑貨●手作りの暖かさ●ペンケース 刺繍 鳥柄【Prague~プラハ~】
October 20, 2008

こんどは、薬草の匂いで目が醒めた。庭園から流れてくる香りを吸い込むと、鼻も喉もスッキリとしてくるようだった。 だいぶ、身体は楽になっていた。ノコの布団の脇おいてある小さな膳には、イワナの塩焼きと白粥、山菜の煮物がのっていた。「ノコ、薬飲む前食べる、元気出る」 ツチオが言った。「そういえばお腹がすいてきたわ~」 ノコは、さっそく起き上がってイワナの塩焼きに箸をつけた。「お~、美味い!やっぱり内陸はイワナだねぇ」 熱のせいで、かなり空腹になっていたので、ノコは夢中になって食べた。 白粥もふっくらと甘く、山菜の味は濃く、疲れ切った身体に滋養がしみとおっていくようだった。「もっと、たくさん料理を出したいけど、夜、ここで椿姫の上映会をやる時にお料理がいっぱい出るから、軽く食べておいた方がいいって」 宿屋の庭で、ツチノコの媼たちの煎じ薬作りを手伝っている福次朗が言った。「病み上がりだから、このくらいでじゅうぶんよ」「映画観る、食べるごちそう、いっぱい」 ツチオは喜んで、庭のほうへ降りていった。「もうツチオは~、スクリーンで何か観たあとはおいしいモノが食べられると思ってる」 ノコは笑った。 ツチノコの媼たちは5匹くらいいて、それぞれが派手な極彩色の着物を着て、薬草をすりつぶし、煮込んではこしたりと忙しそうだ。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- 土、日は2日間ともダラダラと過ごした末、やっとエンジンがかかってきて、これから食料品の買い出しに行くところです。 これからまだまだハンドメイドにハマりこみそうなので、菓子材料や裁縫道具など、100円ショップで揃えられるものを、じっくりと居座って買い込んできたいです。 100円ショップも、最近は300円とか1000円のもあるんですが さっそく、おととい完成したフェリシモの革ポーチを使ってみます。 けっきょく、小銭入れとなりました~ 小銭が入って、あとお札も数枚入り、カードも2~3枚までは入れられます。 ペタッとしているので、ポケットにすぽっと入って便利そうです。 さすがフェリシモだわ~~~キットのデザインがとても実用的です あとは・・・もっと腕を上げたいです(^^;;; 暗くなる前に、あわてて水やりに出たら、ナスタチウムが咲きほこっていました。 この花は、真夏の暑さに弱くて、初夏と秋~晩秋にかけて元気になります。 左隣にあるのは、母が作ったシルクフラワーアレンジです。 花の種類が少なくなってきたので置いた、ということです。手あみ キット あみぐるみキット sonomonoひつじ可愛い・・・
October 19, 2008

「津軽の料理人は、ひたすら他所と違う味を追及してるから、旨いことはたしかだぞ。牛肉にリンゴのソースを使ったりするんだからな」「やっぱ食べていこうかしら」「ほら来た。阿部君だって、工藤清人の所へ行ったきりだっていうじゃないか。工藤がのらりくらり阿部君の聞き込みをかわし、あの夜の証言を拒むかぎり、事件はおわらないぞ」「そうねぇ。もし久美さんがモーちゃんの追及にしなく(しぶとく)落ちないでいれば長引くわよね」「要するに、君と僕が残らないと、事はまた、ねっかえる(複雑になる)ということだ」「それもそうね。せっかくここまできたんだから、もうひとがんばりするか!」 ナオミはベッドから降りて荷物を解き始めた。「着替えて、レストラン・トリコロールへ出かけましょ」「そうこなくっちゃ」 隆一はいい、ナオミが荷物からいつものグレーのパンツスーツを出す様子を見ていた。「今回はあまりスーツ着なかったのはなんで?」 隆一は訊いた。「津軽では、いろんなとこに聞き込みに歩くのに、スーツよりセーターとチェックのズボン、といった雪国らしい格好のほうがいいと思ったからよ。ビジネススーツをビシッと着込んでいたら、相手に圧迫感を与えてしまうわ」 ナオミはクローゼットのドアの陰で着替えながら答えた。「そうだったのか。でも君にはスーツのほうが似合う。その、グレーのスーツはどこで買ったの?少し大きいみたいだけど」「これはイトーヨーカドーで適当に…」「そうだろ?どこかぶかぶかだと思った。もうちょっと身体にフィットするのを仕立ててやるから」 隆一は、ナオミの細い両脚を眺めながら言った。「嬉しいけど、昔のボディコンみたいなのはイヤよ」「心配するなよ、ちゃんとパンツスーツにしてやるから。ピンストライプの生地がいい、って言ってたろ?夏服と冬服と、両方仕立てよう。千戸市に帰ったら、生地を選べよ。それから仕立屋と相談して…じっくり作っていこうぜ。昔は、何回も仕立屋を行き来しながら、服を作ったものなんだから。大正館の前のテーラーでやってくれるよ」「わっ、オーダーなんてしたことないから楽しみだわ!」 着替えたナオミが、やっと笑顔を見せた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ゆうべ、やっとフェリシモのキットを完成させました~ まずは、表にてんとう虫のアップリケを縫いつけたあと、黒い糸で背中の点を刺繍してファスナーを付け、表革を縫い合わせました。ちくちく・・・ 次に、接着わたを張っておいた裏地を縫います。 裏地の上部にしつけをして、表の革を裏返して入れ、裏地の上をファスナーに縫いつけます。 これで出来上がりです。 大きさは、縦8センチ、横13.5センチくらいです。 出来上がりの目安時間は5時間だったのに、7時間くらいかかったうえ、見本の写真より形が・・・少々右肩上がりです(^^;;; でも自分で作ったのは愛着ひとしおで、ゆうべ寝床に持っていってしばらく眺めていました 何に使おうかな~ いずれ小銭入れになるんでしょうけど、裏地が白系なのですぐに汚れそうな気もします。 つぎ、東欧風の刺繍に取りかかろうとしたら、フェリシモから次回分の発送メールが来ていました。早っ( ̄□ ̄;) これでキットだけがたまっていくこと確定です・・・開運! ちりめん干支手芸≪丑≫福豆牛根付(赤・黒) TOGEI3230ちりめん手芸キット
October 18, 2008

「うん、もう私たちの出る幕はないもの。久美さんも病院行き、葛西嘉世子は警察が取り調べる。2人を詳しく調べれば、さっきの傷害事件の真相はおのずとわかり、いずれ久美さんは岩村啓祐殺しを吐くでしょ」「なんだ、やっぱりナオミもそう思ってたのか。なんぼなんでもさっきのは、あきらかに久美さんの狂言だよな。みんな、そう思ってるよ。さっき、成田君が聞き込みをしていたが、ホテルの中で葛西嘉世子を見かけた人はいなかったじゃないか。…しかし、ひどいケガだった。殺人の罪を逃れるためなら、人間ってどんなことでも出来るんだな。心底、ぞっとしたよ」「……」「久美さんが言った事なんて、気にすんなよ」 ナオミが答えないので、隆一は重ねて言った。「私には、いまはっきりと殺人の動機が判ったのよ。…それで、怖ろしくなってた」「動機、ってそりゃ旦那が憎いからだろ」「いえ、久美さんのやってきたことすべてが、葛西嘉世子への復讐なのよ。岩村啓祐との結婚も、自作絵画の個展も、そして岩村さん殺し、いまの件だって、なかなか葛西嘉世子に嫌疑がかからないことに苛立って、自分で自分を刺したのよ。そう、わかってたわ。久美さんの前では、あの人の言い分を信じたふりをしていたけど。そこまで、深い憎しみを人にたいして持ったことが、私には、まだない」 ナオミは、自信なさげに隆一を見上げた。「足もとの地面にぽっかりと暗い、深い落とし穴が空いたような感覚なのよ、いまは脱力感がひどい。様々な犯罪者を相手にしてきたというのに」「…あれほど、人生のほぼ半分以上をかけてひとりの人間を陥れるのをたくらんできたと思うと、たしかにおっかねな」 隆一は言った。「あの人は、もともと世間そのものが憎いのかもしれないな。たまにいるじゃないか、男でも、女でも、なにかと因縁をつけては周囲に迷惑をかけつづける人間が。どうしてそんな風になるのか、理由はいろいろあるだろうけど、とにかく久美さんは昔からそうなんだろうな。たしかに疲れる人だが、どこかほっておけないところもある。それで、殺した旦那や、工藤清人もいつまでも関わっていたのかな」 隆一は腕組みをして、考え込んだ。「とにかく、あとは警察に任せましょう。やれるだけのことは、やったんだから」「工藤清人はどうする。弘前フレンチ食わないで帰るってか?」「……あ」 ぐったりとしていたナオミの目が輝いた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 10月も半ばになってから返り咲きしている、春の花の写真を撮ってみました。 めったにないことなので、我が家の記念になりそうです サツキの花は、ちょっと弱々しいです。 まだ蕾が2~3個あり、そちらがどんな風に咲くのか楽しみです。 鉢植えのアルストロメリアまで、元気に返り咲きしました。 これもあまり秋には咲かないと思うので、不思議です(^^;;; その他、玄関のアジサイの木の下で休ませておいた、ミニシクラメンに蕾が出来ていて、球根の上に土をかぶせて前庭へ持ってきました。 初夏の花が返り咲きする中でも、寒菊など、冬の花がしっかりと育ってきているんですね。 ふたたび、マジカルミステリーです。 この花、春から夏場にかけては白っぽいピンクだったから、秋がいちばん色濃く咲くのかも冬に咲くキクです。クリスマス、お正月の切り花に最適です。切り花菊の苗 【寒菊】 小菊ミック...
October 17, 2008

上半身にガーゼを当てられ、ストレッチャーに横たわる久美を、救急隊員が引いてナオミと隆一の隣をすり抜けていくとき、彼女は言った。「だから言ったでしょう、白河さん。あの女は気がおかしいと…必ず、いつかひどい目に遭うと。主人にも、いつもそう言っていたのに」 久美は無念そうだった。「…そう、ですね。私が間違っていました」 彼女は低く答えた。「たしかに、葛西嘉世子さんが、久美さんを刺して非常階段へ逃げたんですね?」 ナオミは、久美に確認した。「言ったでしょう、彫刻刀をバラバラと落としたのを拾って、非常階段のほうへ逃げていったと。何度言わせると気が済むの。…もう、だれも、かれも、ばかばっかり!」 久美は言い捨てて顔をそむけ、それ以上はひと言も口をきかず運ばれていった。 ☆★ 成田は、集まった警察官たちと現場を詳しく調べたあと、本署へ行った。 ふたたび、ホテルのスタッフには現場の保存を言い渡し、久美が泊まっていた5階の宿泊客は、他の空室へ移動させることになった。 部屋の割り当てについて、宿泊支配人の山本は、忙しそうにフロントとエレベーターホールの内線電話で連絡を取り合っていた。 隆一は、彼から事件当夜の様子を聞き出す機会を待っていたが、なかなか手が空きそうにない。 仕方なく、703号室へ戻った。ナオミが疲れた様子で先に部屋へ上がっていったのも気になっていた。 彼女は、部屋にカギもかけずに、ナイトテーブルの灯りだけをつけて寝ていた。 入り口に背を向け、ベッドに横になっていた。 眠っていると思い、静かに歩いたら、「隆さん?」 と言って、寝返りを打った。「あれ、起きてたんだ。寝るなら毛布でも着てろよ」「荷物をまとめている最中だったけど、途中で、フテ寝してたの」 ナオミはゆっくりと起き上がり、今朝まで阿部が寝ていたエキストラベットの上に山盛りになった荷物を見た。「なして?もう引き揚げるの?」 思わず、隆一は訊いた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日も、少し動くと汗ばむような1日でした。 残暑というより、もう小春日和なんでしょうね~ いま、秋バラが咲き始めています。 初夏から育てていたコティヨンです。 4回目くらいの開花になります。花は小さくなったけど、秋になって、色が濃くなりました。 昨年の今頃から育てているマジカルミステリーです。 こちらも、いままでで一番ピンクが濃く出ました。 まだ暖かくても、バラはこれで今年最後の開花かも? 花がら切りをしないで、ローズヒップを実らせてみようと思います。 この間咲いていた、四季なりイチゴの花が実っていました いつ頃赤くなるのかな~待ち遠しいです病気に強く手間要らずの修景バラ!秋にはたくさんのローズヒップが楽しめます!マジカルミラク...
October 16, 2008

「そうかい。久しぶりのオペラなら、みんな観たいだろう。いま行くと伝えておくれ」「はい」 ツチ豆は、静かに戻って行った。「それじゃ、あたしはちょっと行ってくるから。ゆっくり休んでおいで。ツチ奴、お琴でも聴かせておあげなさい」 ツチ姐は、しゃんと立ち上がり、しっぽを左右に動かしながら歩いていった。「花巻の椿姫( ̄□ ̄;)!!ああ、あれにはカールが出演する」 ノコは叫んで飛び起き、また熱が上がりそうになってきた。「ノコ落ち着く、都志江さんいる、モルトさんいる、ゴローも、刑事も」 ツチオがノコをなだめたので、もう一度横になった。「だからこそ心配なのよ!!あの人達だけでどんな風にカールと対決するの!そう、思うだけで熱が100℃にもなるわ!」 ノコは咳にむせながら叫んだ。 とくに、都志江はカールにたいして無謀にも突進していきそうで心配だった「もし拳銃でもちらつかせたらどうするのか…」「大丈夫、カール必ず撃てばはずれる」 ツチオは手を振った。「どうなるのか、ノコ一緒に観る、楽しみ」 ツチオは余裕でニヤニヤとしていた。「怖くて観られるもんですか~」 ノコは、そう言ったものの、実は観たくてしかたがなかった。「夜までに少しは良くなるよう、大人しく寝てましょ~」 横になり、目をつぶると、ツチ奴のつま弾く琴の音が心地よく、(なんかお正月みたいだなあ)と思いながら、うとうとと眠っていた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- 日中、残暑があっても、もう10月も半ばですね~ ゆうべ、ちょっと時間が出来たので、やっとフェリシモのキットに手をつけました。 まず、革の小さなポーチから作ることにしました。 え~と、まず裏地を切り抜いて接着わたを貼って・・・ すでにズレてます(^^;;; 革の裏に、チャコペーパーとルレットを使って印をつけようとしましたが、ほとんど付かなかったです。 ルレットは、小5の時、家庭科の授業が始まって学校が配ったセットのものをそのまま使ってます 革用の縫い針はフェリシモから買いました。縫い針1本と糸のセットで600円でした。 まずはステッチ。ところどころ曲がっています。 出来上がりは、こういう図案です。 表側のてんとう虫用に付いてきた、キットの中にある赤色の革がけっこう余り、4個くらい採れそうだったので、てんとう虫を4匹貼り付けることにしました。 接着剤で仮留めした状態です。 これから、刺繍が大変・・・・・・ 今月中に、東欧スーベニール風刺繍に取りかかることが出来るのでしょうかレザークラフトトスカーナキットシリーズクワトロウォレットキット 41583キットが高い
October 15, 2008

「成田さん、何か先のとがったものでメッタ刺しに襲われたようです」 救急隊員のひとりが言ってきた。「いま応急処置してたら、刺したような傷と、ひっかき傷が無数にあって…刃物でなく、キリか目打ちのようなものです。木の柄が、うっすらと見えたって言うから、キリじゃないでしょうか」「…んだか。せばキリで襲われたんだな」 成田は呟いた。「それじゃこっちの彫刻刀は?」 隆一が訊いた。「葛西嘉世子が、取り乱して落としていったうちの一本か…」 ナオミが言った。「まさか。あの人がやるわけがないだろ。もし、彫刻刀を落としたとすれば、葛西さんのせいにするために久美さんが前もって置いたんだよ。君だって、葛西さんは計算高いからリスクを負うようなことはしないと、言ってたろ?」 隆一は、声をひそめて言った。 久美は救急隊員の手でストレッチャーに乗っている最中だ。「そう。でも、私はあの人がときどき狂ったような行動をするというのを、忘れていた。昨日の夜、あまりに弱々しくて、すっかり目が曇ってしまったのよ。葛西嘉世子だって、久美さんを憎くてたまらないはずなんだから、こういう行動にでることくらい、予測するべきだったわ」「しかし…版画の道具をどこにでも持って歩くかな?」「プロならば、商売道具はひとそろい持って歩くものよ」 ナオミは断言した。「わかった。葛西嘉世子の身柄は確保しねばまいね」 成田は言った。「とにかくいまは、奥さんがはっきりと葛西嘉世子の姿を見た、と言ってるんだ。瑠璃ちゃん頼む、刑事と何人かで、あの人を署さ連れてきてけ」「はい、わかりました」 瑠璃子は、成田が指名した警察官数人と一緒に、現場から離れた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 連休明けの今日は、少し蒸し暑いくらいです。 9月下旬の気温ということで、アサガオもかなり咲いていました。 葉は枯れ込んできましたが、まだ咲きそうな勢いです。 花が終わるころには、青いスジが紫色になるのですが、そうなっても夜中から翌日の午前中くらいまでは咲いていてビックリです いま、めずらしく春の花が返り咲きしています。 サツキやアルストロメリアがちょっとだけ花を咲かせたり、椿の蕾が大きくなってきたりしています。 この気象、大丈夫なんでしょうか(^^;;; 今日は、あまり雑草を取っていない場所にタンポポが咲いているのを発見です。 タンポポって秋も咲くのでしょうかタンポポあっ売ってる
October 14, 2008

「ここへ降りてくる途中で、瑠璃子さんと会って、一緒に来たのよ」 ナオミは言って、テープの中へ入った。「どうも、さっき葛西嘉世子が部屋へ押しかけてきたらしいんだ」 成田が言った。「ドアをノックしてくる人がいたので、てっきり息子の祐貴だと思って開けたら、葛西嘉世子が、いきなり切りつけてきた、って言うんだ」「凶器は何ですか?」 瑠璃子が聞いた。「それは、見えなかったってさ。手で顔をかばうのにせいいっぱいだったと。…だれか、不審者見た人いねが!変なもの、人、見たらなんでもいいから出てきて教えて!」 成田は、集まった宿泊客たちに声をかけはじめた。 彼らは、腕組みをして首をかしげるばかりだった。「悲鳴は聞こえたけどもなぁ」「人が走ってるような気もしたな」 と、誰もかれもはっきりとしないので、(狂言だ)と、隆一は思った。 瑠璃子の顔にも、そう書いてあった。彼女は表情を硬くして、刑事たちに状況を語る久美を、哀れむように見下ろしていた。 しかし、ナオミは悔しそうに唇をかみ、頬を紅潮させていた。琥珀色の両眼は、きっとつり上がり、あきらかに怒っていた。ナオミがこんな顔になるのは、自分にたいして怒っている時だ。「負けたわ。…私が甘かった」 彼女は、そう呟いて隆一の脇を通り過ぎ、成田の所へ行った。「成田さん、これが落ちてた。非常階段へ曲がるあそこの通路に」 ナオミは、ハンカチに載せた何かを成田に渡して、エレベーターホールとは反対側にある非常階段への通路を見やった。「なんだこれ。彫刻刀でねが」 成田が叫んだ。「そう。プロ用の彫刻刀なの。使い込んでいるでしょ?」「彫刻刀だって?」 隆一は、ナオミが渡したハンカチをのぞき込んだ。そこには、柄が黒ずんだ、長さ30センチあまりの大きな彫刻刀があった。「あの女です!葛西嘉世子が、それを持って…バッグの中から、彫刻刀がバラバラと落ちて…ひとつ何か拾って、私を刺したあと、あわててあとのを拾って、そっちへ、非常階段へ…」「じゃ、これで襲ったってか?血もなにもついてないぞ」 成田は叫んだ。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 昨日までの強風がおさまり、小春日和の1日となりました。 風がおさまってみると、平年より暖かいためか、鉢植えの土はカラカラになっています。 夏の花やアサガオたちも元気なので、まだまだ水やりと花がら摘みに小一時間はかかります。 終わったあと、新しいオーブンでパウンドケーキを焼いてみました。 いつも、パウンドケーキで失敗するのは、焼き目をつけるタイミングです なんと今回も焦がしてしまいました( ̄□ ̄;)!! せっかく新しいオーブンに替えたのに「あっ、焦がした~!」と、気づいてあわててアルミホイルをかけても、すでに時遅し・・・ しかし、まだ中が焼けていなかったので、アルミホイルをかけたままもう一度焼きました。 焦げは表面だけで、周りはなんとか無事でした 焦げ焦げのパウンドケーキでしたが、味は美味しかったです(^^;;; 今度は、キレイに焼きたいなぁ~バナナ・ヨーグルトパウンドケーキ 2枚
October 13, 2008

「福次朗が薬草に興味を持つとは、思いませんでした」 ノコは少し不思議に思った。「まぁ、ツチノコの媼たちだって、男手があった方が助かるよ。ざっと500年以上は生きてるとさすがに、足腰が弱るからねぇ」 ツチ姐は笑った。「今日は福次朗のおかげで薬草をたっぷり採って帰れるだろうよ」「なら、いいのですが」 ノコの不安そうな顔を見て、ツチ姐が訊いた。「わけありなのかい」「ええ。本当はいい子なのです。でも、しばらく悪事に手を染めていて…。きのうまで、福次朗の恩師だった人と再会し、一緒にいてだいぶ落ち着きかけていたのですが、私だけではどうにもできなくて」「なーに心配するこたぁないよ、だいぶサッパリとした顔つきだったよ」「楽しそう、福次朗」 ツチオも言った。「余計なことを気にしないでお休みなさいな。ツチ蔵さんだって、ツチコちゃんを訪ねていったらツチ乃さんとも会えるし、ノコさんのお母さんやお友達はみんな味方だというじゃないか。みんな会えるのももうすぐだよ」 ツチ姐は言った。「あの、ツチ姐さん、お客さんです」 小豆色の縞模様のショールを巻いたツチノコが、縁側ににじり歩いてきて声をかけた。「どなただい、ツチ豆」「ツチノコ劇場の、館主さんです」「用件は?」「今夜、花巻で椿姫をやるのがテレビに入るので、里の皆に大写しで見せたいけれど、上映中の活動写真がいっぱいだから、ツチ姐さんさえ良かったらスクリーンをこの宿の大広間に持ってきて、上映したいとおっしゃって。お料理もいりますし、いろいろと相談を、って…」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- きのう、今日と2日続きで、北日本に暴風が居座っていました。 鉢植えが倒れないかどうかはらはらしていましたが、いまは地震で壊れた場所の修理に入っているため、足場やビニールシートが風よけになり、たいした被害はありませんでした。 ただ、夕方に母がバジルスパゲッティを作ろうとして、外へ出たら、吹き荒れる風で髪がバクハツ状態になったそうです(^^;;; 霜が降りると、バジルの葉が黒ずんで自然に枯れていってしまうので、今日は多めに採ってペーストにしていました。 いま、家庭菜園から収穫できるのは、たまに赤くなるトマトと、バジル、食用菊くらいです。 急に蒸し暑くなったり、また寒くなったりと変な天候のせいか、秋野菜が順調に育ってくれないです ゆうべ、余ったクッキー生地を全部焼きました。 きのうの2日酔いの最中は、クッキーの匂いもかぎたくなかったのですが、夜になって復活し、いろんな具を入れて焼き上げました。 チョコチップと、アーモンドを一緒に入れたのがなかなか美味しかったです 今回は、海苔の袋から取った乾燥剤を入れて保存しておきました~チョコチップ・ハイカカオ 300g
October 12, 2008

「いやー、女のひとの犯罪って、はっきりとした動機がないのがけっこうあるよ。だけど検察に送るためにはそこんとこ突き詰めねばまいねんだ。…よし、わかった、岩村久美を任意同行!あとは、殺害時刻の目撃者がいればバッチリだが」 成田は立ち上がった。「ああ、じゃ山本氏に話を聞いてみよう。いつまでも待ってはいられないだろう?」 隆一は言った。「そうしてけ!俺、奥さんと話してるから」 成田が言いながら部屋のドアを開けようとしたとき、激しくノックの音がして、宿泊支配人の山本が飛び込んできた。「刑事さん、お願いします、5階まで来てください。岩村久美さんが、通路で何物かに襲われて…あの、葛西嘉世子さんに切りつけられた、と言っていて、通路に倒れて…、いま救急車を呼んでいますが、」 彼は、蒼くなって叫んでいた。 ☆★ 成田と隆一が、久美の泊まっている5階の客室へ走り降りたときには、すでに人だかりができ、救急隊員がやってきて、通路の壁にもたれている久美に応急処置をしている最中だった。 通路の、モスグリーンのカーペットには血が飛んでいた。 久美は、手のひらと腕、肩に切り傷を負い、セーターとスカートが破れて、腿からも血を流していた。「痛いでしょ。落ち着いてくださいね。いま応急手当したら病院へ行きますから。警察の人もきてるから、話せたら話してくださいね!」 救急隊員たちが、久美の手当をしながら叫んでいた。「あの女が、まさかここまで…どこまで私を苦しめたら気がすむの。お金だって、来週にはたっぷり手に入るというのに…!あの、きちがい女!」 久美は叫んだ。「皆さん、下がって!!」 成田は、集まった宿泊客に向かって叫んだ。通路は狭く、救急隊員がストレッチャーを置くと、歩きづらくなるくらいだった。 ナオミは、少し遅れて現場へ来た。婦警の瑠璃子と一緒だった。 ホテル周辺に詰めていた警察官たちも次々と上がってきて、弘前署からも警察官が来て現場にテープを貼り、写真を撮って、宿泊客たちに聞き込みをはじめ、鑑識係は通路を這いながら細かく調べ始めた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ う~… 今日は、不覚にも2日酔いです(´ヘ`;) ゆうべ、久しぶりに飲みに行く用事があり、それは仕事に近いものだったのですが、行った先のお店で置いてある日本酒がやたらとおいしくてつい適量を超えてしまいました そのお店で、『焼かぜ』を食べてきました。 ホッキ貝の殻にウニを詰めて蒸したのを、このへんでは『焼かぜ(やきかぜ)』、といい、私のニックネームのKazeも、これから付けました。 生ウニもいいけど、これも素朴な味わいがあります デパ地下にもよく売っていて、子供の頃はお醤油を垂らしてご飯にかけて食べましたが、飲み屋さんでも置いているところがあります。 お店を出たあと、酔いを醒まそうとしてカフェに入り、なんとアイリッシュコーヒーを飲んでとどめを刺しました。 アイリッシュコーヒー、けっこうアルコール入ってるんですよね(^^;;; とっても美味しかったので今度はしらふの時に飲もうと思います。 なんだかまだ頭に鈍痛があります・・・ 反省、反省の1日です 無添加【うに】貝焼き5ヶ入り 送料無料お酒のあてにも、ご飯のおかずにもお勧め
October 11, 2008

「それが、1月26日、土曜の朝9時半ごろだ。俺がホテルから、遺体発見の通報を受けて現場を調べたあと、岩村啓祐の自宅に電話したときは誰も出なくて、岩村ビルのほうへ電話したら、奥さんが出た。そして、祐貴と一緒に弘前署まで来て、遺体と対面し、狂ったように泣き叫んで、気絶したんだ」 成田は、そういったあと顔をこわばらせた。「…おっかないもんだ、まさかあれが演技だとは、最初思わねかったよ。すっかり騙されていた。いままでも、身内を殺して、しれっと知らないふりをする様子は何回もあったけれども、嘘は判るもんだよ。こんなのははじめてだ」「久美さんは、犯罪の被害に遭った遺族がどう振る舞うか、そういう本を読んだりして研究していたのかもしれないわ。あと、CSのクライムサスペンスもよく観ていたようだしね。おもに海外もののようだけどね」 ナオミは言った。「私だって最初はあの人がやったとは思わなかったわよ。単なる物取りかも?と考えたりしたわ。モーちゃんが、ずっと他殺の線で捜査を続けるから、久美さんはいずれバレると感じて、捜査を攪乱しようと私の所へ来たの」「ナオちゃんを甘くみていたんだかなぁ、奥さんは」 成田は言った。「きっと良く知らなかったのだと思うわ。あの人、世界が狭いもの。自分が知っている知識の範囲外のことを言われると泣くし…」 ナオミは隆一を見て、言った。「ああ、カミーユ・クローデルの件か。あれで泣かれたときには、びっくりしたな」 久美が、葛西嘉世子の写真を出したとき、『カミーユ・クローデルに似ていますね』と、何気なく言ったら、突然泣きだしたことを思い出した。「魚春の奥さんも言っていたけど、なにかの教室に出たりしても、久美さんは、いつもそうらしいわ。『皆さん、久美様のご存じないことをお話ししてはなりませんわよ、ひどく激しくお嘆きになり、手がつけられなくなりますからねえ』と、きつい皮肉を言う奥さんもいたりしたとか。それで世間を狭くして、街の噂ひとつすら、手に入れられなかったのよ」「社長夫人ということへの嫉妬もあるとこで、世間の目は、思っていた以上に厳しかったべな」「だから、私立探偵というだけで私の所へ来てしまったの。…でも、浮気していたとはいえ、彼女に冷たい世間の風からずっと自分を守ってくれていた旦那さんをなぜ殺してしまったのか、私にはその動機がまだ良くわからないのよ。お金だってすぐに自由になるわけじゃない。祐貴の話を聞いたって、いまは動かせる資産が少ないという話だし」 ナオミは呟いた。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ きのうに引き続き、今日も蒸し暑い1日です。 ゆうべ、先週作ったクッキー生地を多めに作り置きして、2回くらいオーブンで焼いたのを、密閉容器の中へしまっておいたら、なんと今日の夕方にはしけていました 先週は、2日間くらいはサクサクとしていたんですが・・・ 乾燥剤も用意しなくちゃならないんですね(^^;;;ちょっと高め・・・かも この暑さで、まだ咲いている夏の花の周りに大きな蜂が行き交い、生協の配達が来たときになかなか外へ出られませんでした 蜂がいなくなったころを見計らって脱出し、箱を抱えて歩いていると汗が流れてきました。 まるで、夏に戻ったみたいです。 葉が枯れこんで、今度こそ終わりかな~と思っていたゴーヤーが復活しました( ̄□ ̄;)!! 小さくても、まだ薬味くらいには使えます ゼラニュームも、日当たりに持ってきたらまた咲き出しました。 今年は、はじめてゼラニュームを育てています。 いつ頃まで咲いていてくれるんでしょうね
October 10, 2008

「とくに、デパートのベーカリーだば、パートの女の人ばかりだはんで、出入りが激しくて警備員もいちいち顔を憶えられねな」「これは推測だけど、そういう人たちに紛れ込んで入ったのかも」「それで、とにかく奥さんは岩村啓祐と葛西嘉世子が逢っていた、この階の705号室までたどり着いたんだな」 隆一は呟いた。「そう。そして、葛西嘉世子が出ていったあとに部屋へ入り込み、夫を浴槽に沈め、殺害した」 ナオミは言った。「問題はその後だな。奥さんは、翌朝、私立愛実学園高校の制服を着て、1月26日、土曜、朝7時6分発の『つがる8号』に乗ったんだ。その間、どこさ潜んでたんだか」「この真冬中、一晩外にはいられないけど、女子高生の制服に着替えてれば、コンビニやゲームセンターを徘徊してても、怪しまれないわよ。24時間営業の、カラオケボックスもある」「別なホテルに泊まれば、そっから足がつくかもしれないもんな。なにせ真夜中の客は憶えられやすい」 隆一は言った。「まず、久美さんは岩村啓祐を殺した直後に、弘前駅へ行って、公衆電話からホテルへ連絡した。『705号室の岩村啓祐さんは、チェックアウトしないで寝ていたいと言うから、明日はお掃除に入らないで休ませておいてください』とね。その後、また着替え、目立たないように弘前の街中へ潜んだんでしょ」「そして、翌朝になって『つがる8号』に乗り、千戸市駅から自宅へ戻った。そこで、岩村啓祐に借金を頼みにきた田向修三に声をかけられた、ということだな」 成田は言った。「その時、なして振り向いたりしたんだかな」「自宅の前まで来たときは、さすがに気がゆるんだんでしょ」 ナオミは言った。「その瞬間まで役者に徹していたら、迷宮入りになるところだったな」「自宅隣の料亭、『里菊別邸』の人は、すっかり娘の希美と田向修三が話していると思いこんでいたのに、惜しかったわね」 ナオミが呟いた。「おいおい…」 隆一は苦笑した。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今週は、ずっと雨がちでした。 今日になって、なぜか蒸し暑くなり、夕方になっても窓を開けたまま、ときどき扇風機を回しています。 ハロゲンヒーターを用意し、扇風機をサーキュレーターがわりに使うため天井に向けたり、布団を厚くしたりと、寒さに備えていたのですが、すっかり肩すかしにあった感じです(^^;;; 灯油代も高いままだし、これから電気代も上がるので、もう少し暑いままでもいいかな~と思ってしまいますが、これも地球温暖化の影響なので、なんとも複雑な心境です。 なかなか寒くならないせいか、季節はずれにカボチャが実をつけました。 梅の木にからみついて、スクスクと成長しています。 このまま順調に育ったら、月末にはハロウィンカボチャになりそうです
October 9, 2008

「なんぼでもツチ蔵さんにいいとこ見せたくて、神妙にも畑の手伝いなんぞ始めて、野焼きするのはいいけど何でもかんでも放り込めばいいってもんじゃない。火事かと思うじゃないか。煙たくってしょうがない。でも暑くて閉め切るのはイヤだねぇ」 ツチ姐は、西洋風の刺繍をしたハンカチで口を押さえた。「でもノコさんだって喉を痛めてるからね。ツチ奴(やっこ)、障子をしめておくれ」「はい、姐さん」 縁側に座っていた、若いツチノコが答えた。「いえ、いいんです。野焼きの匂いは好きですから」 ノコは言った。「へぇ、そりゃ面白い」「私が住んでいるところは、市の区画整理事業も手をつけられないほどの住宅密集地ですが、それでも昔はいくらか里山の風景があったものです。二十歳くらいまでは、ニワトリの声で目ざめていました。いまは道路がとおり、田は消えて、すき間にさらにマンションや建て売りができて、だれもニワトリなど飼えなくなりました」 ノコは、話の途中でせき込んだ。「おっと、大丈夫かい。煎じ薬はまだかねぇ」「すみません、手間をとらせて。風邪は引き慣れていますから、こうして寝ていればいずれは治ります。いまでもだいぶ身体が軽くなってきているんです」「ノコ熱さがった、顔白い」 ツチオが、ノコの額にピタッと手をあててみた。「まだある熱、あつい~」「青白いのは、まだ顔色がよくないせいだよ。ツチノコの媼たちに、福次朗とかいう若いのもついていったんだけど、遅いねぇ」「福次朗が!」「そう。媼たちが、薬草を煎じるのによもぎも取ってくると言ったら、あんた達と一緒に来た福次朗が、『俺も連れて行ってください』と、言いだしてね」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- 夕方、駅前の金物屋さんに注文していた、アイロン台を取りにいきました。 古い型の、板のようなアイロン台で脚のないものです。 しばらく、足つきのアイロン台を使っていたものの、あまり小回りがきかず収納も大変なので、けっきょく昔使っていたものを購入することにしました。 1枚900円で、色は白だけでしたが、調達できて安心です^^ いま地震で壊れた場所の修理がはじまり、なにかとせわしなかったため、夕方の5時ごろ、と中途半端な時間に出かけました。 帰りは、いつも行っているフルーツパーラーの本店で軽く食べてきました。 今日は、ワッフルの台にフルーツやアイスクリームを添えたものを注文です。 ワッフルに、バナナ、生クリーム、アイスといろいろ載せて食べたら美味しかったです。 このあと、しばらく駅前通りを散歩して帰りました。 このへんのお店は良く行きましたが、コーヒーショップのオーナーさんが亡くなって閉めたり、私が遠い職場に転職して行けなくなったり、と足が遠のいていました。 ここは、いつから営業しているか判らないほど年季の入った洋食屋さんの店先です。 仕事が遅くなったときはここでご飯を食べて帰ったりしていました。 どど~んと大きくてサクッとしたチキンカツ定食がお気に入りでした 量もたっぷりで美味しい店です。また来たいなぁ~アイロン用具【アダム】アイロン台 中#22(日本製)
October 8, 2008

「『お母さんが、胸やけを起こしている』というのは、まったくの嘘ね。その日その時間は家にいた、と印象づけたかったのよ。だから何としても、篠原先生と話したかった。医者とは、話さえ出来れば良かった。篠原先生が電話に出たあとは、もう医院にかけていない。そして、久美さんは22時55分、弘前駅に降り立つ。犯行のほぼ1時間前だわ」「1時間、どこで時間をつぶしていたんだろう。私立愛実学園高校の制服のまま、ここまで入ってきたのか?」 隆一は訊いた。「いや、その晩、ホテルの中で学生を見た従業員はいない。このホテルは、教職員がよく泊まる以上、生徒も団体で泊まることもあるが、1月25日、26日に学生の宿泊はない」「とすると、久美さんはどこかで着替えたのよ。どんな服に着替えたかは、わからないけど」 ナオミが言った。「どこで着替えたか、どんな服装で例の部屋へ行ったのかはまだ謎だな。葛西嘉世子が出入りするのは皆、見ているが、岩村久美の姿は誰も見ていない。もちろん、スタッフは奥さんの顔を知らないのだが、夜中の12時前に宿泊客ではない女性がひとりで入ってきたら、誰もがおかしいと思うはずだ」 成田が呟いた。「モーちゃん、だったら、もっと前からホテルにいたのかも。あの晩は、PTAの人たちが激しく出入りしていたでしょ?懇親会が終わった夜は特に、誰がどの部屋に泊まって、また外泊に行ってと、出入りが激しいんだから。その中に紛れ込んでホテルの中に入り込んだんじゃないかしら?」「だが、PTAの連中は奥さんを憶えているだろう?」 隆一は首をひねった。「久美さんは、こんどは別な変装をしたのよ。たとえば、出入りの業者に化けたとか。私たち、さっき裏口から入ってきたけど、コーヒー会社や業務用食品会社、あと街中のデパートに出店しているホテルベーカリーのスタッフとか、いろんな人が出入りしていたわりには、警備員のチェックが甘かった。身分証だって、見たり見なかったり…」 ナオミは言った。「ああ…!なーるほどな」 成田は膝を打った。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日は、俳優の緒方拳さんの訃報に接し、あまりに急で驚いています。 5年くらい病気をされていたということでしたが、まったくそうは見えませんでした。 昨年の3月に、秋田県の小坂町にある康楽館の舞台、『国定忠治』に悪役で出演したのを、バスツアーで観に行ったのが最後でした。 このときは、あくどい女衒の役を楽しそうに演じておられました。 バスツアーには珍しく、ひとりで観劇に来ていた方が多かったです。 帰りのバスの中で、「いま○○道路を走っている」とか、いまいる所と全然違う場所を、携帯で家の人(たぶん)に教えて、アリバイ工作をしてる方が何人かいたことを思い出します。 それだけ、緒方拳さん見たさに、康楽館行きの日帰りバスツアーを待って、家族に内緒で参加した方も多かったということでしょうね。 もっと活躍して欲しかったのですが…… この写真を撮ったあと、幕間で撮影禁止の放送が流れました いまはただ、ご冥福を祈るばかりです。 この商品は送料無料です。 田宮二郎/緒形拳/必殺仕掛人<劇場版>DVD-BOX(3枚組)
October 7, 2008

「まず、先週の金曜日、1月25日、金曜日からね。被害者の岩村啓祐と、私立愛実学園高校の保護者たちがPTAの大会のため、美術教師、工藤清人の引率でバスに乗り、千戸市から弘前市へ向かった。出発前、工藤清人は『里菊別邸』へ、人数分の弁当を取りに行っていた」 ナオミは言った。「その時工藤は、『里菊別邸』で、現場に残っていたバスルームの土を踏んだんだな」「その日の久美さんの行動をたどっていきましょ。彼女は、いつも帰る時間の夜8時すぎより、2時間早い夕方の6時ころ、自宅に戻った。訪問ヘルパーの人が、お姑さんにご飯を食べさせてから出ていく時間だったわね」「その時間は、ヘルパーさんと入れ違いに娘の希美が帰ってくる。が、その日は外泊してるな。金曜だからなのか、父親が留守にするとそうなるのか、そのへんは曖昧だが、とにかく奥さんが戻ってきたおかげで、姑さんはひとりにならずにすんだ」「ところが、奥さんは、けっきょく姑さんをひとり家に置いたまま、千戸市夜21時18分発、弘前行きの『つがる』に乗った。最初から、私立愛実学園高校の制服を着てたんだえか?」「家を出るときから、女子高生に変装していたのよ。久美さんは、千戸市内なら誰に見られてもおかしくないんだもの。きっと、希美と同じ姿に化けたんだわ。その姿のまま路線バスに乗り、千戸市の駅まで行った。夜9時台なら、まだ女子高生が駅の周辺にいたって怪しまれないものね」「じゃあ、姑さんはどうしたんだろ」 隆一が訊いた。「姑さんがすっかり眠ってから出てきたんでしょ」「しかし、お年寄りは夜中に目が醒めやすいぞ」「私が祐貴にしたように、睡眠薬でも飲ませたのかも。岩村啓祐のお母さんは、家の周りくらいは歩き回って、話もはっきりと出来るの。いまの事件について、何かおかしいと思ったら、そく、警察に電話して話してるわよ。田向さんが言っていたとおりの、しっかりとした人なんだからね」「姑さんから、なにも証言が無いということは、その晩はずっと、こんこんと眠り続けていたということだべな。…で、奥さんは特急『つがる』の中から、介護している最中を装って、かかりつけ医の篠原医院に電話をかけつづけた。これは、また裏をとるべし、夜の10時頃に特急の中で携帯を何回もかけていた女子高生がいたかどうか、車掌に聞いておくから」 成田が言った。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ きのうは、夕方からコインランドリーへ行っていました。 何回も、何回も後悔しているというのに、また洗濯物をためてしまい、暗くなってからカートに載せて行きました(^^;;; そういう時は、日が短いのが助かります コインランドリー生活も、もう4年くらいになりますね~ 洗っている間、書店でササッと本を買うつもりが、いろいろと衝動買いしてしまいました まずはこの一冊です。ひとりっ子の取扱説明書 私はひとりっ子なので、1回ぜ~んぶ立ち読みして『うんうん、合ってるなぁ~』と納得して、けっきょく買ってきました。 この中の、『メロンは半分に切って食べるものだと思っていた』という項目にうけました プリンスメロンなら半分に切って食べたことがある…かも スイカは、昔の庭で勝手になっていたのを食べてました もう一冊は、『イギリスのティーハウス』です。イギリスのティーハウス タイトル通り、イギリスの喫茶店を巡るエッセイと写真です。 スイーツのレシピ等はそんなに付いていないものの、風景写真と載っている紅茶、スイーツに惹かれました。いつか、アフタヌーンティーやってみたいですね。 あとは、美術関連の本を数冊です。いま、『週刊世界の美術館』という本が出ているので、少し見てみることにしました。 画家別の雑誌は以前よく見ていたため、またこの手か~という感じが最初はありましたが、今回は美術館で特集しているので、読み応えがあります。 つい買ってしまうようになっているんですね・・・週刊世界の美術館(no.1)裏表紙は、ほとんどフェルメール展の広告です 今日の写真は、庭木から一枚です。いつの間にか、ライラックの木が紅葉していました。
October 6, 2008

そこは、ノコたちが泊まっていたホテル加賀太郎を、少し華美にした日本旅館風の部屋だった。 部屋の窓は開け放してあり、縁側の奥にはひろびろとした庭園が見えたので、ここは1階なのだと思った。 竹で作った塀の中に池があり、小さな水車が回っている。庭園の中では、ツチコくらいの大きさの、子供ツチノコが数匹、しっぽで器用に毬を蹴ったりして遊んでいる。「ここはツチノコの里の宿場町なんだよ」 ツチ姐は言った。「父ツチ蔵、作った、ツチノコ町計画、宿場町、役人町、職人町、描いた地図、」 ツチオが説明した。「ツチ蔵さんの描いた地図を、ツチ政やあたしたちが預かって、ここまで造り上げ、ツチ蔵さん一家、そして日本中に散らばっているツチノコ達が安心して身を寄せられるよう待っていたんだよ」「それは、ずいぶん長い間かかったことでしょう」 ノコは、ほとんど声が出ない状態で訊ねた。「そうさね、ざっと1世紀と半分くらいはかかってるね」 ツチ姐は、こともなげに言った。「150年も( ̄□ ̄;)!!ツチノコって長生きなのね~」「それでなんとか、秩序ある町ができたけれども、元締めであるツチ蔵さんが帰ってくるまで、ツチ政たちが威張り散らすようになってねぇ。で、この間、ツチコちゃんを連れて帰ってきたから、少しは大人しくなってくれたけどさ、きのうツチ蔵さんが出ていってまた例のありさま。ツチオが帰ってきて、良かったよ」 ツチ姐はニヤリとした。<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- きのうの頭痛がいくらか良くなり、いつも通り、午後から鉢植えに水やりをしていました。 いったん収穫が終わったブルーベリーが、また成長している・・・と不思議に思っていたら、なんとまたふたたび花が咲いていました これ、ちゃんと実になるのでしょうか(^^;;; 夏野菜の時期はブルーベリーを構えなくて、枝もなにも伸ばしっぱなしで、今年も10個実をつけたかどうか、というところでした 放任のわりには元気なので、もう一度、さらに大鉢に植え直してしっかりと仕立てておきたいです。 前庭に持っていった四季なりのイチゴも、一輪だけ花を咲かせていました。 秋の陽気の中、なんだか眠たげに咲いています。【爽やかでフルーティな】果肉入りシャーベット ストロベリー 2000ml
October 5, 2008

「じゃあ、汽車の中から電話をかけた、という事になるわよね」「時間的には、そうなる。ただ、奥さんはずっと往診を頼んできていた、って言うんだ。『お母さんが夜に変なものを食べて、胸やけがする、って言っているから篠原先生に診ていただきたくて』ってさ、医者が留守にしている間にも何回も電話をかけてきて、『先生が帰ってくるまで待ちます、どうかお願いします』と、夜勤の看護師に言い続けていたんだそうだ。それでとうとう、篠原医師が戻ってきて話したら、『すみません、お騒がせして…いま、落ち着いて眠りましたから』と、すまなそうに言ったとか」「それで、篠原先生は何と?」「『わかりました、また具合が悪くなったらいつでも連絡してください』と返事したそうだ。しかし、電話の向こうからずっと汽車が走る音とアナウンスが聞こえていて、最初はテレビドラマでも観ているのかと思ったらしい。ところが、ときおり通話がとぎれるので、途中から、本当に汽車に乗っているのだ、と気づいたと」「じゃあ、医者も驚いたろう?」「まあ、な。ただあの奥さん、普段から『高齢者の介護を担当する家族の会』の集まりとかでもときおり、皆が忙しくお茶だししている最中にボーッとひとりで、人形のように座っていることもあるし、そうかと思えば突然立ち上がって延々と議題と関係のない質問をしたりという調子だから、その夜は、たいして変には思わなかったらしいんだよな。そのあとすぐ、消防署から電話があって救急患者の受け入れをしてたが、もう奥さんから電話は来なかったって言っちゅうんだ」「なるほどねー、自分が家にいると思わせようと電話したのに、すっかりバレていたなんて、ちょっとうかつ過ぎるわ」 さすがのナオミも唖然としていた。「まぁ、携帯から電話すれば、どこからかけているかバレないと思ってる人間は意外に多かびょん」 成田は言った。「ここでまたいったん、整理し直さねば、まいねな」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日は、ずっと頭が痛くて寝ていました~ 夕方からはなんとか元気が出てきて、ずるっと起きては通販のフェリシモから届いていた手作りキットをごそごそと整理したりしていました。 最近、なんでも手作りにハマってしまっているので、フェリシモに2パターンも注文してしまいました。 頭痛持ちなのに出来るのか私・・・ どちらも、ひと月に一度、6ヶ月届くものです。 こちらは、革小物キットです。 出来上がると、こういうものになるらしいです。 こちらは、東欧スーベニール風の刺繍ポーチキットです。 通帳ケースから作り始めることになったようです。 こっちのほうは、かなり時間がかかりそうです。 とりあえず型紙、作り方はぜんぶコピーしておきました。 ついてきた型紙をとっておけば、今度は自分で生地を買って作れるかもしれない、な~んて考えたりしていますが、このままキットばかりたまっていくような気もします(^^;;;東欧チェコの薫り漂う「香水瓶」クラシカルな細工が美しい工芸品蝶柄香水瓶これも東欧工芸
October 4, 2008

「なんだって、それならあの人しかないだろ?」 隆一は訊いた。「んだ。いまの私立高校の、女子の制服なんて、ブレザーの上着にピーコート、膝丈のチェックのスカート、とどこも似たり寄ったりではあるけれども、色柄は微妙にそれぞれ違うべ?よく見ると、千戸市の私立愛実学園高校の制服である、紺地に緑色のチェックのスカートで来たのは、ひとりだけだった。それで弘前駅の駅員にも訊いたよ。やはり、よそから女子高生が、夜中ひとりで何をしに来たのかと思ったってさ。よく見てるもんだ。出て来るときは、千戸市から三沢あたりの、周辺市町村に帰る女子高生に紛れ込んだつもりだったんだろうが、弘前まで来ればさすがに、ひとりになるはんでな」「時間は?」「ちょうど『つがる』の、千戸市から弘前まで来る最終が着く、22時55分過ぎだ」「と、なると、病院への電話も特急の中からかけたということよね?」「ああ、そこんとこは阿部が確認した。通話記録を調べるまでもなかったな。医者が、おかしいと思っていたそうだ」「奥さんからの電話を?」「んだ。岩村啓祐の母親のかかりつけ医は、篠原光春(しのはら みつはる)という内科の開業医だ。夜遅くまで医院にいて、直接電話を取って奥さんと話をしたそうだ」「あら、篠原医院の先生だったの?千戸市じゃ有名人じゃない」 ナオミが微笑した。「阿部に言わせると、ちょっとダークサイドな部分があるとかなんとか、言ってたがとにかく、高齢者の医療には熱心な人物っていうことだ」「あの先生は、関西のほうから来た人なの。若いときは都会で学生運動に参加していて、いまは労働者や高齢者の味方という話だわ。いまどき、夜中まで往診に駆けずり回っているとか…」「団塊の世代かな。と、すると親父たちと歳が同じくらいなんだろうな?」 隆一は言った。「そうらしい。まぁとにかく、なにかと濃い先生らしいんだが、…その篠原医師が、1月25日の夜、往診から帰ってきたとき、看護師が電話で奥さんと話していた。夜の10時頃だった」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ このごろ、郵便配達が早くなり、いつもは午後だったのが、午前中かお昼には届きます。 今日のお昼は、社会保険庁から『年金納付状況』のお知らせ葉書が来て、なんと1ヶ月分が未納になっているということでした 先月ちゃんと払ったはずなのに~~~と、見当がつかず、もしかして間違いでは?とあちこちひっくり返してやっと、未納になっている月の納付書を発見( ̄□ ̄;)!! 7月の地震で、ごっちゃごちゃになった書類の中に紛れ込んでいて、その月だけを飛ばして納付していたんですね(^^;;; そんなわけでお昼に判明したので、家の用事を済ませてからコンビニへ行き、お金をおろして払ってきました。 非常に痛い出費でしたが、年金納付状況に間違いがないことはその葉書で判りました 国民年金って、最低25年納めないと受けられないんですよね 私は何年払ったかな~・・・ 学生の時の免除期間もあり、厚生年金に入っていた時期を含めてもまだまだ25年には足りないです。 年金制度も、危ないニュースばかり耳に入ってくるけど、とにかく払っただけのお金は返ってくると思うので、頑張って払います~(´ヘ`;) 鉢植えのバラ、コティヨンが返り咲きしました。 アサガオもまだ元気に咲いています。 種がとれるまで、霜が降りませんように・・・年金をどうする!年金額上げて
October 3, 2008

「でしょうね。彼は、一筋縄ではいかない男よ。…いいわ、あとで押しかけましょ。ほんとうは、昨日の夜『トリコロール』でフレンチを工藤先生にたかる予定だったんだからね」 ナオミは、軽く笑ってソファに座った。「それで奥さんはどうしてる?」「ずっと部屋にいるよ。俺、1回会ったけど顔色が真っ青だった。聞いたら、『具合が悪い』って。いちおう、医者を呼ぼうかと聞いたが、いらないってさ」「ほんとうなのか。また、演技なんじゃ…」 隆一は言った。「演技には見えなかったけどな。指先まで蒼白になって震えてた。『寒気がして、風邪を引いたのかも知れないから、静かに部屋で寝ていたい』、と言ってた。…思うんだが、いまになってやっと、自分がやったことの重大さに気づいたんでねかな」 成田は、腕組みをして呟いた。「あの人、きのう来て、けっきょく工藤とも祐貴とも会えなかったろ。少しは頭が冷えて、怖ろしくなってきたんだ。取り調べるなら、いまだべな。…これだけ証拠が出そろえば、任意同行は求められるけども」「自首は無理そう?」 ナオミが訊いた。「その気配はねな。昨日の様子とはうって変わって、寄るな触るな、といった感じだもの。ただ、田向修三の話を元に、弘前駅の防犯カメラを調べたら、岩村啓祐がPTAの大会で弘前に来た1月25日、金曜の夜と、遺体発見があった1月26日、土曜の早朝、たしかに女子高生の制服を着た女性が映っていたんだ。顔はマフラーで半分、覆ってあったからはっきり見えなかった」<つづく>ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『Don’t disturb』は、携帯メルマガ『ミニまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』序章、第2章まで、フリーページにまとめましたこちらからどうぞ!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ きのうから、楽天ブログ有料サービスが始まりましたね~ 楽天フォトの容量が足りなくなってからずっと、ヤフージオシティーズからブログ用の写真を引っ張っていましたが、動画投稿ができなくなっていたりと不便だったので、さっそく登録しました。 ひと月100円、3ヶ月分300円をクレジット・カードで前払いです。 写真のアップロードに関しては、ジオシティーズにリンクしていた時と手間は同じくらいですね。 ただ、何枚もイッキにアップロードできるアップローダーなどが出来たらしいので、そっちも使ってみようと思います。 うちはまだナローバンドなので、かえって時間がかかるかも・・・(^^;;; きのう作ったクッキー生地で、チョコチップ入りとレーズン入りを焼いてみました。 まだ形はバラバラで、レーズンなどは取れまくっていますが、家族に好評であっという間になくなりました 残った生地は今夜のうちに焼いて、また新しいのを作ります◆保存に便利なチャック袋入りフランスパン専用粉 リスドォル 2.5kgできたてのフランスパンも食べたい
October 2, 2008

ノコは、ずっと小さなころの夢を見ていた。もう、30数年も前の風景だと思う。古い家は平屋立てて、家の敷地の前は田んぼだらけだった。 よく庭木に上っては落ち、そのへんを走っては転んで、まだ学生だった叔母さんをはらはらとさせていた頃だ。ノコはその叔母さんをずっと姉だと思っていた。 当時、ノコは扁桃腺を腫らすことが多くて、もうどうしようもなくなって6歳で手術するまでは熱を出してばかりいた。 だから家で本ばかり読んでいた。…と、いうのは大嘘で、勉強も、読書もあまり好きではなく、元気なときはずっと外で遊んでいた。 ノコにとって、寒くも暑くもない、春から初夏にかけての季節はありがたかった。あまり、風邪をひかなくてすむから。 田植え前になるとよく、野焼きの匂いがした。初夏と、晩秋に必ずある野焼きは季節の変わり目を告げる。 初夏のときは、「あー、これで風邪にかからなくなる」と、嬉しくなり、晩秋のときは、「寒くなったらまた風邪を引いて、病院通いかぁ~」と、少しゆううつになっていた。 夢の中でノコは、風邪を引いたときにいつも寝ていた南向きの部屋にいた。 窓から野焼きの匂いが入ってくる。 しだいに煙たくなり、あたりが真っ白くなってくる。「あれ!?これは野焼きじゃなくって火事!?あ~れ~、水、水、消防車~~~」 がばと起き上がって、正気に返ると、ツチオたちが布団の脇にいた。「あっ夢だったんだ、…あー、良かった」 と、ホッとしたものの、どうもあたりが焦げくさい。「火事じゃないのよ、いまツチ政たちが野焼きしてんのよ」 と、そばにいたツチ姐が言った。「いまツチノコの媼(おうな)たちが、風邪によっく効く薬草を煎じてるから、何か食べたら、お飲みなさいな。それで少し寝てればたちどころによくなるよ」「ノコ治る風邪、よかったよかった」 ツチオは嬉しそうに言った。「ここは・・・」 ノコはあたりを見渡した。畳と障子のある部屋には、カラフルな牡丹の花を描いた灯籠があり、野焼きの匂いと同時に三味線の音がどこかから聞こえてくる。<つづく>今日のは、ちょっと私小説風です(´ー`)ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます------------------------------------------------------------- きのう届いたオーブントースターで、久しぶりにクッキーを焼いてみました。 手作りクッキーをやるのは十何年ぶりでしょうか~ 小麦粉の袋の裏に印刷してあるレシピを見ながら、粉とベーキングパウダーをふるって、バターと砂糖、溶き卵だけで作る簡単クッキーです。 バターがなかなか室温に戻らず、電子レンジの生もの解凍機能で軽く溶かしながら、砂糖と混ぜ合わせ、スプーンでオーブンのトレーに並べていきました。 このとき、レシピには、直径4cm、厚さ3mm度に整えると書いてあったのですが、遠視のため読み間違って、厚さを3センチにするところでした( ̄□ ̄;)!! 途中でおかしいと気づき修正・・・それでも、かなり厚めです(^^;;; これ以上薄くできなかったので、16分の加熱時間を、18分と長めにして160℃で加熱です。 お~焼けてる状態が見える・・・・・ 出来上がり~ 手前はちょっと焼けづらいですが、火は通っていました 形は不揃いでも、なんとか完成ですヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ 試食したら、産直や道の駅で売っている手作りクッキーのような素朴な味がしました 思えば、挫折の多い人生でしたが、今日は達成感バッチリです これから、チョコチップやレーズンを入れて焼いてみます。私の台所 バタークッキーミックス粉(ミニ) 125gミックス粉があれば楽
October 1, 2008
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