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外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針の中核をなしている第3 外国人労働者の雇用及び労働条件に関して考慮すべき事項を本日と明日にかけて話していきたいと思います。ここでは、外国人労働者を募集・採用する際の遵守すべきことなどから始まり、雇用条件、安全・衛生、労災に関すること、その他福利厚生や解雇について項目別に書かれています。まず確認しておかなければならないことは、外国人労働者であれ国内で就労する以上は、労働関連法令が適用されるということです。労働基準法第3条では、国籍等を理由に労働条件を差別してはならないと定めています。当然、法定労働時間の遵守、休憩時間・休日の確保、労働者名簿・賃金台帳の調整をしなければなりません。さらに外国人ということで、労働条件の明示も外国人労働者に理解できるような内容の書面にしたり、賃金から控除する税金、社会保険料についても理解できるように説明することが求められています。特に外国人労働者の特性で、旅券等を保管しないようにしたり、労働基準法で定められている退職する際の金品返還義務には、請求から7日以内に外国人労働者が出国する場合には、出国前に返還するものとすると書かれています。安全衛生面でも、事業場内における労働災害防止に関する標識、掲示等について、外国人労働者がその内容を理解できるように図解等の方法を用いるよう努めなさいとしています。さらに日本語の習得についても努力義務とされています。これは、労災防止のための指示等を理解できるようにすることが目的ですので、本格的な日本語教育ではありません。このように外国人労働者ならでは努力義務が事業主には課せられています。私が良く聞いたのは、業務上の怪我に対する扱いが必ずしも適正に行われていないということがるということです。それでは、明日は、労災について考えてみましょう。
2005.08.31
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昨日の日記に、天むすさんがコメントをくださり一昨日に行われた社会保険労務士試験で外国人労働者に関する問題が出題されたということです。早速、探してみました。「労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識」という科目で、第5問の選択肢Cです。外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針によれば、事業主は、外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、人事課長等を外国人労働者の雇用労務に関する責任者として選任するものとされている。これが、○か×かです。いかがですか?回答は、○です。昨日リンクしておいた指針の第5ですので、確認してください。さて、外国人といっても、就労活動に制限のない在留資格の方もいます。例えば、永住者、日本人や永住者の配偶者、定住者です。 また文化活動、短期滞在、留学、就学、研修、家族滞在などは、原則として就労が認められない在留資格です。しかし、このうち留学、就学、家族滞在などは、地方入国管理局の許可を得てアルバイトなどの就労が可能になります。資格外活動の許可を得れば、留学資格では原則として1週28時間まで、就学資格は原則として1日4時間まで就労することが可能となります。また、留学資格でも在籍する教育機関が夏休み等の長期休業期間中については、1日8時間まで就労することが可能となります。 また、個別審査を受け資格外活動の許可を得れば、家族滞在資格でも原則として1週28時間まで就労することが可能となります。就労が認められない在留資格の外国人はもとより、在留期間を超過している、あるいは無許可滞在の外国人は就労することができません。このような外国人が就労することを不法就労といいます。不法就労外国人は、強制退去の処分を受けることになりますが、その人たちを雇用していた事業主も入管法第73条の2により3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられることになります。この罰則は、不法就労となる外国人をあっせんしたり、助長しても同じように適用されますので注意してください。外国人が就労資格を持っているか否かは、外国人登録証明書又は旅券面の上陸許可証印、就労資格証明書等により確認できます。また資格外活動の許可を得ているか否かについては、資格外活動許可書により確認することができます。 「就学」とは、高等学校や日本語学校などで教育を受ける外国人が持っている在留資格です。「留学」とは、大学などに留学生として勉強している外国人が持っています。いずれも「資格外活動許可書」を取得すれば、許可の範囲内でアルバイトが認められています。
2005.08.30
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申請取次行政書士という言葉を聞いたことがありますか?入管業務を専門にされている行政書士の多くは、この資格をもって入国管理局への書類提出代理業務を行っています。改正入管法施行規則(2004年5月施行)による新書式の末尾に「申請取次者」という項目欄ができました。これまでも行政書士による申請取次ぎはおこなわれていたのですが、この書式により申請取次者が明示されるようになりました。行政書士の中で、法務大臣の承認を受けた申請取次行政書士が申請すると本人が入国管理局に出頭しなくてもよくなりますので、外国人の方には大変便利で頼りになる存在かと思います。なんせ、平成15年の外国人登録者数は191万5千人を超えていますし、同年の外国人入国者数は570万人超ですので、依頼はあるでしょう。このブログの読者の方でも、しょうちゃん堂さんは、入管業務中心に行政書士業務をされていますね。アドバイスをいただければ良いのですが・・・ところで、今週のテーマは入管業務ではなく外国人就労についていろいろな問題を考えてみたいと思います。このテーマは、ハローワークなどに行くと外国人労働者の雇用についてのパンフレットなどが数種類用意されていたりして前述の問題とあわせて考えていかなければと思ってのことです。自分自身の勉強をかねて資料を紐解きながら進めていきます。厚生労働省では、「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針 」を出しています。これをもとにし、外国人労働者の雇用及び労働条件に関して考慮すべき事項を中心において展開していきます。
2005.08.29
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本日、社会保険労務士試験ですね、この時間は、択一式試験に格闘されていると思います。受験生の健闘をお祈りします。さて3月にチャレンジして尻つぼみになってしまったダイエット、再びチャレンジしてみようと思います。これでもダイエット成功経験はあるんですよ。20年ほど前です、そのころは体重が84kgまでありました。学生時代は63kgだったので、すごい太りましたよね。あるときダイエットを決意して、いろいろと試してみました。例えば、3日間断食しるとかしますと3kgくらいすぐに落ちます。でもまた食べ始めれば同じことです。そこで、原則に立ち戻りました。消費カロリーを増大し、摂取カロリーを削減する。まず、筋肉つけて基礎代謝をあげるため、腹筋、腕立て伏せを毎日欠かさず朝晩に行いました。さらに早朝に縄跳び1000回です。これで消費カロリーを増大させました。一方、これまで大好きであった揚げ物を絶ちました。刺身、焼き魚、煮魚を中心にした食事に変えました。食事は一口20回を目標に噛み、口の中に食べ物があるときには次のものを入れない。そして満腹を感じたら、その時点で食事はストップする。「もったいない」という言葉は、ダイエットの大敵です。例え、あと一口であっても満腹を感じたら食べない!これで、最初の1ヶ月で5kg痩せました。ウエストも細くなり、服がだぶだぶになりました。それを継続して6ヶ月目には69kgまでおちました。なんと15kgのダイエットです。あれから20年、、、10kgもリバウンドしています。少なくとも、ここで5kgを落としておきたいと思います。よし!8月28日をきっかけにして73kgを目標体重としてダイエットを始めます。
2005.08.28
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このヤローってって感じ!!PCの前の椅子の下にウンチをしてしまいました。えっ?私じゃないですよ!こいつです、こいつ↑今、このブログを書いている間、謹慎させています(笑)すぐ後ろに隅にトイレを置いてあるのですが、そこでしなかった罰で、トイレに正座(?)させています。くそー!ふんとにぃ~!(ウンチだけに「ふんとにぃ」となります)今週は、月曜から4連荘の飲み会、昨日の金曜日はオフでしたが、また本日も飲み会です。今日のテーマは「送別会」6時からの予定ですので、5時過ぎには出なければいけないと思い、PCの前に座ろうとした瞬間に発見したんです。きっと私がその前にトイレに立った隙にしたんだと思います。その前まで寝室で昼寝をしていましたから・・・まあ、運がつくとも言って、珍重する人もいるようですが、(ほんと?)なんだかどたばたしてしまいました。今週は、こんなことばかり書いていましたが来週はテーマを定めて書いていきたいと思います。おおよそのテーマは決まっていますが、どのように展開すれば良いかは、まだ検討中です。では、仕事を片付けて、飲みにいってきます!
2005.08.27
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PCの具合が悪かったので、初期化しました。しばらくノートで更新をしていたのは、Cドライブのバックアップを業者に依頼していたからです。いつもいつもデータをバックアップしておけばよかったのですが、ついうっかりしていました。ウィンドウズが立ち上がらないため、データをとることができずに困っていたのですが、そのようなときにデータ復旧業者がいるということを知り、電話したら、土曜日にハードを引き取り、昨日にはデータをDVDに入れてハードとともに届けてくれました。ほんとに助かりました。今年の経費の記録が全部入っているんです。来月には仕事場のウェブサイトもリニュアルする予定でその原稿も入っていたんです。みなさんも、データのバックアップはまめにされたほうがいいですよ。
2005.08.26
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昨日の講習で障害年金の裁定手続きの話をききました。その中で、あくまでもひとつの例ですが、ケースワーカーの中にはよけいなことをしたがらない人がいるという話が出ました。障害を持っているいる人が年金の裁定を受けるために頼みごとをしても、いかにも面倒なことを言ってくるという態度で嫌がる人がいるそうです。(もちろん、全員ではないです)また、ヘルパーさんの中でも「いろいろと言ってきて大変なの」という人もいるそうです。健常者なら主張しなくても何とかやっていけます。でも障害を持った人は言わなければ、気がついてもらえないこともあり、主張せずにはいられないこともあるんではないでしょうか?それにもかかわらず、そのことに気づかないような言葉は少なくとも介護・福祉に携わっている人の言葉としては悲しすぎます。もし、自分の子供が障害をもっていたら「だまっていなさい。きっと良い人が何かしてくれるから」そのように言うのでしょうか?もちろん一部の人の言動でしょうが、そんなことを聞いて悲しくなりました。社労士の仕事にも障害年金の裁定などを通じて障害を持った方と接することがあります。昨日の講師の話は、障害等級3級なら2級にする努力、2級なら1級にする努力をして、少しでも多くの年金をもらえるように助けることが必要だと言われていました。そのためには、医師を初め、ケースワーカー、ヘルパーの助力も欠かせないものだとのことです。あくまでも、講義の中の話の一部で事実確認をしたことではないので、間違っていたら謝らなければなりませんが、障害者に関わるすべての人が、相手の立場に立って仕事をする姿勢を持ち続けてほしいものだと感じました。そういえば、やはり昨日のことです。道路を渡ろうとしたら、交通規制がかかっていて信号がなかなか変わりませんでした。警官が出て規制をしているので、デモかな、あるいは小泉首相あたりでも通るのかなと思っていると白バイに先導された黒塗りの車の列が近づいてきます。やはり、小泉あたりが偉そうに通るのかと脹れていました。車が前を通ります。窓が開いていました。天皇・皇后両陛下が乗っていらっしゃいました。皇后陛下が窓から手を振って挨拶をされていました。その瞬間、不満なんか消え去りました。一緒にいた人たちも「わあ~」という声を上げていました。この感情って何でしょうか?天皇というものに対する多くの日本人の感情を垣間見た思いをしました。最後のフレーズは、悲しいことではありませんよ(笑)
2005.08.25
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いやあ、毎日連続で今週は飲んでいます。月曜から三連荘で、明日もまた飲む予定です。金曜日は予定がありませんが土曜日は送別会で、飲みます。今週は肝臓が休まらない日々が続いています。昨日も書きましたが、いろいろな人と話をしていろいろな経験や考え方を聞くことがこれほど自分の生き方の栄養となるとは思いませんでした。今週一週間は、ほんとにいい体験をさせていただいています。読者の方には、こんな酔っ払いのたわごとをきかせて申し訳ありませんが、今週いっぱいご容赦願います。
2005.08.24
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本日もセミナー&飲み会でした。この時間に更新するので、ろくなことも書けませんが、来週のテーマが見つかったような感があります。いろいろな人との出会いで、いい話を聞く機会がありなんだか充実してきました。こんな考え方もあるんだ、このようなやり方もあるんだって新しい考え方ややり方を知るのには、人との出会いが大切ですね。もし、あの人と知り合えなかったら、判らないことがあるんです。自分と違う人は、自分とは違う考え方を持っている。この当たり前のことを思い知るには修行が必要なんでしょうか?かつて、「何で、この人はこんなことも判らないんだろう!」って口には出さなくとも批判的な思いをしたことがあります。しかし、人それぞれの考え、価値観を尊重しなければ自分自身が成長しないんだなと思い至りました。「足並みの揃わない人を咎めるな。彼は君が聞いているより素晴しい太鼓に足を揃えているかもしれない。」(ソロー)
2005.08.23
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あ~あ、つらい、、、更新がこんな時間になるなんて久しぶりです。でも、毎日更新を目指すなんて言った関係で、こんな時間でも更新をします。実は、今日から講習会なんです。もちろん、内職用にPCは持ち込みました。重たい思いをして持ち込んだのですが・・・講習会場では、電波が通じず更新ができません。なら、さっさと帰ってきてやればいいかって?その後は、恒例の懇親会です。いま、ようやく帰宅しました。これが今週いっぱい続きます。せっかくBBSに書いてくれた人にもレスできず申し訳ありません。1週間ほど、待ってください。ですので、今週は夏休みといたします。更新はしますが、いつもの様な情報提供はしません。ほんとに愚痴だけになるかもしれませんが、たまには付き合ってください(笑)。
2005.08.22
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デスクトップPCの不調で、ノートでの更新です。ノートは、pdfを作るのに使っていたり、個人事業ですので、経理上の記録をつけるのに利用しています。やはり、長文を書くのにはノートでは打ちにくいのでデスクトップを使います。今週は、長文の日記は避けたいと思います。momo-tiaraさんから、「いいことバトン」なるものが回ってきました。バトンは、これで2回目ですが、いいこと?なんだか悪いことばかり起っているので…どうやら、過去、現在、未来のいいことを語るみたいです。悪いことではなく、いいことだからみんなに回してみるかな?1 その日にあった良い事その日って、今日かな?今日は、いつものとおり早起きしました。そして久々の散歩です。朝の空気を胸いっぱいに吸い込んで書いていた短編小説をしあげたこと。決して人様にお見せできるものではないのですが、けっこう、小説風のものを書いたりしています。何本目かのものが仕上がり、ちょっと満足感です。2 数ヶ月以内にあったいい事数ヶ月とは、何ヶ月をさすのかな?5,6ヶ月と決め付けて回答します。何よりも、このブログを始めたこと。たくさんの人が、このブログを訪問してくれたこと。多くの新しい知人、友人、仲間を得たこと。顧問契約をいただいたこと。健康であったこと。3 こんなことあったらいいなということこれは、これから先のことですよね?未来への願望ですね。やはり、宝くじで3億円あてることでしょうか。でも、買っていない!買わない宝くじは、絶対にあたらない(苦笑)仕事がバンバン来て、顧問の依頼も断るほどになること。ジャガーXJを、誰かがポンとプレゼントしてくれること。4 次に回す5人ん~、誰にもらってもらおうかな?以前、恋愛バトンをしましたので、かぶらないようにしなければ…となれば、次の人ですね。朱雅さんpotiyuriさん 猫眼0228さん cocomonetさんミナミ菜園ちゃきさん女性で統一をしてみました。ご迷惑であったり、嫌であれば、笑って無視してください。
2005.08.21
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PCが、Windowsが立ち上がらなくなりました。メーカーに電話して、復旧策をいろいろしてみたのですがどうもウィルスか何らかのソフトを入れたことが原因でないかと、結局、動きませんでした。初期化しなければだめとのことですが、バックアップしていない資料がたくさんあって困ってます。データの保存や復旧をしてくれるところもあるんですね。早速電話してハードディスクを取りに来てもらうことにしました。それから、初期化をします。こまるのは、メールです。そちらにメールが保存してあるので…そんなわけで、しならくはノートを使っての更新ですさて、第3問の解答です。しつこいようですが、これは一例ですので参考として見てください。A社の責任本件事故は、A社のベルトコンベア点検ミスに起因する安全装置の老巧化に原因があることから、A社の不法行為(民法709条)、指揮命令関係の存在を根拠として使用者責任(民法715条)に加え、このベルトコンベアーが土地に固定されているものであれば土地工作物責任(民法717条)を追求することも可能である。さらにB社労働者はB社との雇用関係にあるのもの、判例では、下請労働者または社外労働者が元請企業から就業場所、設備、器具類の提供を受け、その指揮監督下に作業を行っている実態がある場合、その企業は下請労働者に対して労働契約上の安全配慮義務を負い、その義務違反があったときには損害賠償義務を負うとしている。本件では、B社労働者のけがは、請負契約といえどもA社の指揮命令の下にB社労働者が作業に従事している実態から判例により、A社に安全配慮義務があると解すことができる。従って、使用者は労働者が業務遂行をするにあたり、労働者の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務に違反し、A社は債務不履行による損害賠償義務を負う。いzすれにしても、労働者が労災保険の給付を受けた場合は、損害填補を受けたものとみなし、使用者はその限度で労基法上の補償責任を免れる。B社の責任B社はB社労働者とは雇用関係にあるものの、実際の指揮命令はA社がしているため、B社の指揮命令下で従事していたとはいいがたく、B社に安全配慮義務を適用することは難しい。しかし、AB社間の請負契約は、実質的には、護送請負とも言え違法派遣であると考えられる。従って、A社へ労働者を派遣した行為とB社労働者の負傷との間に相当因果関係が認められ、不法行為(民法709条)に基づき損害賠償を負うことが考えられる。またB社は、雇用契約上の使用者として労働災害に関して労災補償義務を負うが、その責任を果たした限度で損害賠償責任を免れる。これで、ビジネス実務法務1級の選択式の一問でした。50点満点で、私は48点くらいとったのですが、総合点及ばず、落ちました。これが満点近くて、総合で落ちたというのはよっぽど他の問題の点が悪かったというのがばれてしまった(笑)
2005.08.20
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今日も暑くなりそうですね、朝のうちはよかったのですが、だんだんと温度が上昇してきています。さて、お楽しみ(?)の昨日の設問の解答を書いておきますが、これが絶対という解答ではありません。一つの考え方ですので、参考にしてください。設問(2)1.注文会社と請負会社間においては、請負契約関係が存在し、 請負会社と請負会社における労働者間では、雇用契約関係が存在する。 注文会社と請負会社の労働者間には、指揮命令関係も雇用契約関係も 存在しない。 そもそも請負会社の労働者が請負会社の指示により注文会社の 事業場内で仕事をする場合には、注文会社から指揮命令を 受けることがあれば、労働者派遣と類似する。 「労働者派遣事業と請負により行われた事業の区分に関する基準」 には、第2条1号及び2号に請負と認める要件が定められている。 設問では、注文会社A社の設備を利用してA社労働者と共同で 作業に従事し、しかもA社の管理責任者甲が直接作業の指揮命令を行い、 勤怠管理と時間外労働の指示を行っており、B社の管理責任者乙は、 給与計算のみしかしていない。このような場合は、請負契約とは 言い難い。 B社の行っていることは偽装請負であり、B社は許可なく労働者供給を 行ったものとして、労働者供給事業の禁止を定める 職業安定法44条に違反し、罰則が科せられる。 また、厚生労働大臣の許可なく労働者派遣事業を おこなったものとして、罰則の対象となる。 さらにA社の甲がこうした事実を知りつつ加担したといえる場合には、 同様の刑事責任が課せられる可能性がある。 加えて、A社・B社には派遣事業法62条、職業安定法67条の両罰規定が 科せられる可能性もある。2.本請負契約をコンプライアンスの則り継続させるのであれば、 B社が自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用し、 請け負った業務を 自己の業務として契約の相手方であるA社から 独立して処理しているといえるものでなければならない。 そこで、A社はB社に対して、労働者の始・終業時刻や労働時間の延長、 休憩・休日・休暇など指示・管理、労働者の服務規律事項の 指示・管理や配置などの決定・変更を自ら行うよう 申し入れるべきである。B社がこうした措置を取ることが難しいならば、 A社はB社に対してB社が厚生労働大臣の許可を受けることを条件に、 労働者派遣契約への変更を申し入れるべきである。本日の問題設問(3) A社は、新製品の納期に合わせるため、その自社設備であるベルトコンベアのスピードを上げたところ、その安全装置が作動せず、請負会社B社の労働者がベルトコンベアに指を巻き込まれて重傷を負った。なお、その原因は、A者がベルトコンベアの定期点検を数年間行っていなかったため、安全装置が老巧化していたことにあることが判明している。 この場合、A社ないしB社に、民事上、労働法上いかなる責任が発生するかをその根拠とともに論じなさい。なお、民事上の責任については、労働者が労災保険の給付を受けた場合の調整についても触れること。ただし、損害担保契約上の責任は考慮しなくてよい。最後の問題です、これについては明日までお考えください。
2005.08.19
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昨日、夕方にもう一度1,000円床屋へ行ってきました。今度は待たずに散髪してもらいましたが、やはり1,000円は…とりあえず、忙しいときの緊急避難的には、いいかもしれません。さて、昨日の問題への解答例を出しておきます。この解答が絶対というわけではありませんが、一つの考え方ですので参考にしてください。1.設問において、A社C社間での契約業務の内容は、 加工業務への派遣になっており、A社人事部長甲がC社派遣労働者を A社工場内の防犯・災害防止のための警備業務に配置転換することは 労働者派遣契約に定められた就業条件に反しているので、 契約業務以外の仕事を派遣先が命ずることはできない。 この場合、派遣元事業主は、労働者派遣事業法28条により 当該労働者派遣を停止し、または当該労働者派遣契約を 解除することができる。 また労働者派遣事業法4条1項3号では、 警備業務は労働者派遣事業を為しえない事業としており、 派遣労働者を警備業務に従事させることはできない。 よってA社の人事部長甲がC社の派遣労働者をA社工場内の 防犯・災害防止のための警備業務に配置転換し、 警備業務に従事させてはならない。 この規定に違反した事業者には、労働者派遣事業法59条1号に基づき 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられる。2.派遣元事業主と派遣労働者の関係は、雇用契約関係であり、 労働法上の責任を派遣元事業主は派遣労働者に対して負う。 派遣先事業主と派遣労働者の関係は、雇用関係はなく、 指揮命令関係であるが、派遣先事業主は派遣労働者に対し、 労働基準法の中の労働時間、休憩、休日、深夜業、危険業務の 就業制限、育児時間などについて責任を負う。 派遣先事業主と派遣元事業主の関係は労働者派遣契約の 締結当事者となる。 派遣事業においては、派遣労働者の労働時間にしては前述の通り、 派遣先の使用者が責任を負うが、労働条件の整備義務は 派遣元の使用者にある。このことから時間外・休日労働における 労使協定締結の義務は、派遣元事業主が負うことになる。 それゆえに設問の1日9時間、週45時間労働という法定労働時間を超え、 または法定休日に労働者を労働させるためには、 「時間外労働および法定労働時間に関する事業場協定を 派遣元事業主が労働基準監督署長に届け出なければならない。 派遣元の使用者は、派遣先の使用者が労働時間・休日・深夜業等に 関する規定に抵触することとなる場合には労働者派遣をしてはならず、 これに反し抵触が生じた場合には、派遣先の使用者とともに 労働者派遣事業法44条3項・4項、労働基準法119条1号の規定により 罰則の適用を受ける。よって派遣元の使用者であるC社、 派遣先のA社ともに時間外・休日労働に関する労働基準法の規定の 遵守義務があり、時間外・休日労働に関する事業上協定の 作成・締結・届出をしなかった場合、罰則の適用を受ける。 また派遣先であるA社は、法定労働時間を遵守すべき義務を負う。 この義務に違反した場合には、刑罰が科せられる。本日の問題です設問(2) A社総務担当者は、コンプライアンスの観点から 請負会社B社労働者の労働実態を見直す必要があると認識している。1.請負における、注文会社、請負会社及び請負会社の労働者との 三者間の法律関係を説明した上で、B社労働者の労働実態には いかなる問題点があり、A社ないしB社に、労働法上、 いかなる責任が発生するか論じなさい。2.A社は、B社労働者の労働実態をどのように改善するように B社に申し入れるべきか、事例に即して改善策を指摘しなさい。
2005.08.18
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散髪しようと、行きつけの床屋へ行くと週末まで夏休みでした。仕方なしに駅にある、今流行の10分1,000円の床屋へ行ってみました。でも5人待ちです。1人10分としても最低50分待つので、あきらめました。さあ、昨日の予告どおりビジネス実務法務1級の問題を出します。この試験は、共通2問、選択を4問中2問回答して各問50点満点、合計で200点中140点以上で合格です。この中から労働法が1問でましたので、それを出題します。この問題に3つの設問が出されますので、毎日1問ずつです。事例は、昨日の日記に書きましたが、念のために下にコピーしておきます。なお、持ち込みは判例のついていない六法全書です。設問(1)1.A社人事部長甲は、加工作業の効率を上げるため、 C社の了解をえることなく、加工作業に不慣れなC社派遣労働者を A社工場内の防犯・災害防止のための警備業務に配置転換した。 この場合、A社に労働法上、いかなる責任が発生するか論じなさい。2.A社人事部長甲は、製造数量を増加させるため、 C社人事部長丙に申し入れ、C社派遣労働者を1ヶ月間に渡り、 1日9時間(週45時間)勤務で加工作業に従事させた。 なお、A社工場では、1日9時間勤務を認める36協定が 締結されているが、C社では同様の36協定は締結されていない。 労働者派遣における、派遣元事業主、派遣先(事業主) 及び派遣労働者との三者間の法律関係を説明した上で、 この場合、A社ないしC社に、労働法上の責任が発生するか否かを その根拠とともに、論じなさい A社は、自動車部品の製造を業とする株式会社である。A社は、製造業務を外注化して効率化を図るため、従来から業務処理請負業を営むB社に対して、A者の製造工場の生産ラインにおける部品の加工作業を委託している。これを受託したB社は、A社工場内において、自社の労働者を当該作業に従事させている。 B社労働者は、A社労働者と同じ生産ライン上で、Aの設備を使用してA社労働者と共同で作業に従事し、A社の管理責任者(安全管理者)兼人事部長甲が、B社労働者に対し、直接、作業の指揮命令を行っている。また甲が、A社のタイムレコーダーに打刻されたB社労働者のタイムカードを確認して、A社労働者とB社労働者の勤怠管理と時間外労働の指示を行う一方、B社の管理責任者乙は、B社内で、B社労働者の給与計算のみを行っている。 今般、A社は、改正労働者派遣法の施行で製造現場への派遣が解禁されたことを契機に、B社の業務処理請負に加えて、派遣会社から加工作業について派遣労働者を受け入れることとした。そこで、甲は、一般労働者派遣事業を営むC社人事部長丙との間で、1日の労働時間を最長10時間(週50時間)、期間を3ヶ月として、C社の雇用する労働者を加工業務に派遣させることを内容とする労働者派遣契約を締結した。いかがですか、なかなか面白いでしょ?明日は、模範解答と設問2を出します。
2005.08.17
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派遣社員は、労働者派遣業を営んでいる会社(派遣元)に雇用され、派遣契約を結んでいる会社(派遣先)に派遣されて、そこの指揮命令を受けて仕事をしているとは、昨日の書きました。この派遣と似通っているのが、請負契約です。請負先の社員が、会社の中で業務に就いているところがあるでしょう?請負会社の社員と派遣社員はどこが違うのお判りでしょうか?民法代632条で請負契約について次のように規定しています。 「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」 すなわち、請負会社に対して「これこれの仕事をしてほしい」と申出て、その成果に対して「いくらの報酬を支払う」とします。請負会社が、その業務を遂行する対価として報酬額を承諾すれば契約が成立し、自社のスタッフを事前に定めた業務に就かせます。このスタッフは、請負会社の社員であるだけでなく、請負会社の指揮命令のもとに業務を遂行します。勤務時間、残業、休日労働なども契約の中で決めておきます。請負会社のスタッフは、請負会社の労務管理下で働き、成果物の納品という形で終わることが多いようです。例えば、建設工事が典型的かもしれませんが、「家を建てくれ」という依頼に、職人を送り込んで家を建てるまで働く、出来上がれば報酬をもらって終了する。簡単に書きましたが、こんなイメージを思い浮かべてください。これに対して、派遣社員は「事前に定められた業務」に就きますが、派遣先に指示で1時間いくらで専門スキルを提供します。36協定は派遣元と締結しますが、派遣先に指示によっては残業することも出てきます。派遣社員は、派遣労働法で様々な規制があります。この規制を逃れるために、「請負」契約として、実態は派遣社員同様に働かせるところが出てきています。いわゆる偽装派遣で、あきらかに派遣労働法違反です。具体的には、請負社員に対して時間管理や指揮命令をするという形で違反行為が現れます。この件で、私が知っているだけで昨年2回、新聞記事になりました。さらに昨年のビジネス実務法務1級の試験で、選択問題としてこれに類する事例が出題されました。この事例に対して設問が3問出ました。これ、読み返したのですが、このテーマにはいい問題ですね。明日から、この事例にそって話を進めていきたいと思います。少し長くなりますが、本日は事例を以下の掲載します。A社は、自動車部品の製造を業とする株式会社である。A社は、製造業務を外注化して効率化を図るため、従来から業務処理請負業を営むB社に対して、A者の製造工場の生産ラインにおける部品の加工作業を委託している。これを受託したB社は、A社工場内において、自社の労働者を当該作業に従事させている。B社労働者は、A社労働者と同じ生産ライン上で、Aの設備を使用してA社労働者と共同で作業に従事し、A社の管理責任者(安全管理者)兼人事部長甲が、B社労働者に対し、直接、作業の指揮命令を行っている。また甲が、A社のタイムレコーダーに打刻されたB社労働者のタイムカードを確認して、A社労働者とB社労働者の勤怠管理と時間外労働の指示を行う一方、B社の管理責任者乙は、B社内で、B社労働者の給与計算のみを行っている。今般、A社は、改正労働者派遣法の施行で製造現場への派遣が解禁されたことを契機に、B社の業務処理請負に加えて、派遣会社から加工作業について派遣労働者を受け入れることとした。そこで、甲は、一般労働者派遣事業を営むC社人事部長丙との間で、1日の労働時間を最長10時間(週50時間)、期間を3ヶ月として、C社の雇用する労働者を加工業務に派遣させることを内容とする労働者派遣契約を締結した。
2005.08.16
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金曜日に「デル、違法採用の疑い 自社で面接し派遣社員に」のニュース!ちょっと興味をもったのですが、ブログで取り上げませんでした。でも、考えてみると、このような脱法行為をしている会社もあるのかもしれませんね。もちろん、私は否定的に見ていますよ。他社でもあると考えた理由は、次のようなケースです。たまたま採用したい人がいても採用人員枠がないので人材派遣会社に頼んで一時的に派遣社員として使用する。人員枠ができたところで社員として採用するようなことが考えられたからです。Dellの場合は、上述のケースとは違い、明らかに悪質です。本人にはDellの社員として採用と思わせておいて実は派遣社員としたのですから職安法以前の問題です。昔の人買いのやるような所業だと感じました。Dell広報部では、法令の理解が不十分だといっていますが、社労士や弁護士が顧問になっていなかったのですかね。少しは、このブログでも読んでいればいいのですよ(笑)そんなわけで、今週は派遣社員について書きます。派遣会社といって検索すると、沢山の会社名が出てきます。私が派遣社員という働き方を認識したのは20数年前です。その頃から派遣会社はあったのですが、数が増えたのはここ10年くらいの間ではないでしょうか。派遣労働者は、派遣労働法によって規定されております。派遣労働者は、「派遣元」と呼ばれる派遣会社に雇われます。そして派遣会社と派遣契約をしている会社=派遣先の指揮命令の下で働きます。つまり、派遣社員は働いている会社=派遣先から雇われているわけではありません。労働基準法での使用者は派遣元ですので、労使協定も派遣元と結びます。この前提を理解して、明日からのブログを読んでください。
2005.08.15
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厚生労働省研究間の報告として、標題の見出しの記事が目に入りました。じつは同じ新聞で、厚労省が胸部X線検診の有効性に疑問があるとこれを廃止する方向で検討に入ったとの記事が7月中旬にでていました。X線検診の記事のときも驚きましたが、それに加えての追い討ちです。もちろん全ての項目に効果がないといっているのではありません。健康診断で実施されている24項目のうち、肝機能検査や心電図測定などの16項目は有効性を示す根拠が薄いとの評価結果を厚労省研究班がまとめたとのこと。労働安全衛生法の法定義務として、企業では社員に対して毎年1回の健康診断をしているわけです。また各自治体でも老人健康法で40歳以上に健康診断をしています。これらの費用は、年間9,000億円近くに上るそうです。この市場に関わっている人にとっては、ものすごいダメージになりかねない記事ですよね。今日は日曜日ですが、いつもの日曜と違う気がします。やはりお盆休みの中の休日ということで人出が少ないです。さて、今週は何を書こうかと迷う日曜ですが、心身とものんびりしてしまっているので、思いつきません。明日までに考えておきましょう。
2005.08.14
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帰省ラッシュも始まり、静かな東京がお正月以来、やってきます。今晩は、近くで花火大会です。ここから見えるところです。なんだか、わくわくしておつまみとビールを買い足してきました(笑)社会保険労務士の受験勉強をした最初の年、講師の教えに従って各法律の条文を筆記してみました。労働基準法でうんざりしたのが、「労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者…」のフレーズです。これを書き写すだけで、手が痛くなりました。(いま思えば無駄な労力でありました)ところで、このフレーズは、労働基準法の中に何度も出てきます。労働組合が従業員の過半数を組織していれば、その労働組合が労働者の代表となります。しかし、労働組合がない会社、あっても従業員の一部を組織化しているだけで過半数に及ばないときはどうするのでしょう?労働基準法に記載してあるとおり、「労働者の過半数で組織する労働組合」がないのですから、労働者の過半数を代表する者を選ばなければなりません。このとき、従業員の代表を選ぶ方法ですが、何のために選ぶのかを明らかにして、投票、挙手等の方法で選出することが必要です。(労基則6条の2第1項2号)また、代表となる者は、管理又は監督の地位にある者は除外します。ただし、管理監督の地位にある者だけの職場の場合は、同様に投票、挙手等で選出されれば問題はありません。注意しなければいけないのは、少人数の会社で社長がお気に入りの社員に「おい、ちょっと代表をやってくれ」というような方法で、代表者にしてしまうこと、それも他の社員は知らない間に代表者としての意見書を提出していたなんてことを起こさないようにしましょう。従業員代表が、使用者の意に沿わない場合、不利益を受けては困りますので、不利益扱いは禁止されています。このように保護はされていますが、これは罰則付きではないんです。しかし、労基法違反は違反ですので、労働基準監督署に申告できます。この申告したことに対して不利益扱いをすると罰則が摘要されます。使用者の方は、十分に気をつけてください。過半数代表の方は、どうどうと代表として正しい意見を述べてください。
2005.08.13
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朝のうち、雨がぱらついていたのですが、あがったようです。まだ気温はそれほど高くはないのですが、蒸し暑くなりそうです。昨日は、就業規則を作成する手順を書きましたが、これが絶対というわけではなく、他の手順もあります。あくまでも私の場合は、このようにするという例です。労働基準法で10人以上の従業員を雇用する企業は、作成して従業員の過半数を代表する者の意見を添えて、労働基準監督署に届出なければいけないとは、書いたとおりです。労働基準法第89条では、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。」となっています。次の掲げるとは事項とは、絶対的記載事項と相対的記載事項です。ここで、「常時10人以上の労働者を使用する」を説明します。常態として10人以上の従業員を抱えていること指します。ここで10人以上というのは正社員だけでなく契約社員、パートタイマー、アルバイトなど名称に関わらず直接雇用している者を対象としています。例え、社員は5人で、後はアルバイトを5人雇っている会社でも常に10人以上であれば作成義務があります。このアルバイトが、パートタイマーでも同じことです。ただし、派遣社員は含みません。派遣社員は、派遣元に雇用されていますので派遣元が就業規則作成の義務を負うことになるからです。では、10人未満なら作成しなくてもいいかというと、労働基準法の趣旨から言えば作成した方が好ましいでしょう。就業規則の各条項が長くなるなら、別規定にすることをお勧めします。人事制度、賃金体系、退職金制度などの性格から賃金規定や退職金規定などが別規程になっている会社が多いです。その他、出張旅費規程、育児休業・介護休業規程、慶弔金規程などを別規程にしている例があります。さて、パートタイマーはいるが、就業規則は正社員用に作成し、そのすべての条項をパートタイマーに適用しない場合はどうすればいいでしょうか。この場合は、パートタイマー用の就業規則を別途作成しておき、正社員用の就業規則には「適用範囲」として正社員に適用する旨を謳っておくべきだと思います。逆にいえば、パートタイマーを適用除外とすることを書いておきます。パートタイマーの就業規則を作成するといっても手を抜けません。そこでも法定要件は備えておかなければならないからです。パートタイマー用就業規則も従業員代表の意見を添えて労働基準監督署へ届出をします。このときの従業員代表は、事業所全体の代表でも構いません。ただし、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」というものがあり、その第7条で就業規則の作成の手続が規定されています。「事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。」ここでは、努力規定といいながらもパートタイマーの代表の意見を聴くようにしなさいとしています。ぜひ、パートさんの意見も汲み上げるように努めてください。
2005.08.12
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郵政民営化法案への参院否決から衆院解散、いろいろな問題がでてきてニュースを賑わせていますね。対立候補をたてられた反対派の前議員は泣き言を言っていますが、賛成派の候補者を立てないで、自民の反対派、もともと反対派の民主党、共産党の候補者だけで選挙をすれば、郵政民営化の是非につき国民の選ぶ権利を奪い取ることになります。ですから、対立候補を立てるのは民主的だと思うのですが…さて、会社を設立して労働保険に、さらに社会保険に加入しました。これで事業が順調に進展すると従業員数が増えていき10人以上になると就業規則を作成しなければいけません。就業規則には、Free Page Listにも記載していますが、絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項などがあります。これらの事項を、まずリストアップしてから、その空欄を埋めていく作業から始めます。これで、もれなく絶対的必要記載事項を埋めることができれば、相対的必要記載事項のうち決まりのあることを埋めます。その上で、章立てをして作成を始めtれいきます。前文や第一章で会社の理念や労務管理方針を謳ってもいいでしょう。就業規則の作成方法を書いた本は、本屋に何冊も並んでいます。本の中にある例を取り上げて言葉や数字を変えて作る方、形だけ整えるならそれでも結構です。しかし、会社の実態に見合った就業規則を作るのは難しいですよ。言葉を変えた結果、前の条項と後から出てくる条項が矛盾したり、法改正が反映されていない昔の例であったりとリスクはあります。また、抑えるべきところを抑えていないために後日、個別労働紛争や裁判沙汰になることもありえます。すこし費用は掛かりますが、専門家に頼んだほうが結局は安心できる就業規則を作成することが出来ます。さて、章立てした案ができたら、法的なチェックをします。労働法規は改正の多い法律分野です、必ずチェックしましょう。その上で、社長の考えが反映されているかどうか、社長自身によるチェックをしてもらいます。それが終わってから、従業員代表に読んでもらい意見書を出してもらいます。これは反対意見でもかまいません。その上で、その意見書を添付して労働基準監督署に提出します。労働基準監督署によっては、じっくりと読まれ、質問されるところもありますが、受領してもらえば手続きは終わりです。いかがですか、これで就業規則ができました。明日は、就業規則を作成しなければいけない10人とは?パートタイマーの就業規則はどうするのかを書いてみます。
2005.08.11
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このまま社会保険を終わらせてしまおうと考えていました。しかし、保険料のことを含めて説明不足は否めないので、その続きを書いてみます。労働保険は、毎年1回「年度更新」といって、保険料の清算手続きがありますが、社会保険はどうでしょう?実は、社会保険は毎月の賃金と賞与に対して支払いが生じます。しかし、残業手当などで毎月の支給額が違うからといっても毎月変動するわけではありません。社会保険料の決定方式は、定時決定、随時改定決定と資格を取得したときに決める3つの決め方があります。定時決定とは、その名のとおり毎年7月1日に見直しが行われます。4,5,6月の3か月に実際に支払った報酬の額をその月数で割って報酬月額を算定して標準報酬月額保険料額表にあてはめて標準報酬月額を決定します。ここで決められた標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月まで1年間固定されることになります。この標準報酬月額に保険料率を乗じて保険料を算定します。そして、これは事業主と従業員の折半です。よく4~6月は残業をしないほうがいいというのは、保険料が計算される基礎になりますので残業代が増えれば保険料は高いまま固定されるからです。随時改定は、昇給、降給などで固定的賃金が標準報酬の等級に2等級以上の差が生じたときに改定することになっている制度です。ここでは、簡単に書いているので、社会保険労務士、及び受験生が見たら「説明不足だよ」と怒られるかもしれません。でも、このブログの目的からいうと大まかなことを知ってもらえばいいので、この説明にとどめておきます。次にボーナス、つまり賞与からも社会保険料は取られます。標準賞与額は、被保険者が賞与を受けた月にその受けた賞与額に1,000円未満の端数を切り捨てて保険料率を乗じて算定します。ただし、健康保険で200万円、厚生年金で150万円を上限とします。ですから、300万円のボーナスでも、それぞれ200万円、150万円と計算されます。これが社会保険料の計算の方法です。大きな声では言えませんが、あんまり社会保険は好きでないのでここまでにとどめておきたいと思います。(笑)
2005.08.10
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郵政解散なることで、朝からテレビは大賑わいでした。あるテレビ局のニュースショーでは市民の声を紹介してました。「自分の言うことが通らないからと解散するなんて横暴です」こんなコメントを言っていた女性がいました。ん?政党に所属していながら党の決定に従わないで反対票を投ずる方が横暴でしょ?別に郵政法案に賛成というわけではないが、筋を通す姿勢がほしいと思っただけです。きのう、労働保険の適用について書きました。社会保険は、労働話ではないので省略しようと思いましたが、会社を設立したら必要な手続きになるかもしれませんので簡単に書いておきます。社会保険といいますと、広義には労災保険、雇用保険も含みますが、狭義ではには健康保険、厚生年金保険などです。社会保険の強制適用事業所となるのは法人(会社)ですが、それに加えて次の事業所が強制適用されます。1.個人経営の事業所で、常時5人以上の従業員を使用する 法定業種に該当するもの。2.船員法1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が 乗り組む船舶(厚生年金保険のみ)※農林水産業・サービス業・法務業・宗教業は、 法定業種に該当しないので、個人経営で常時5人以上の従業員を 使用していても強制適用事業所とはなりません。会社を設立せずに個人事務所で、5名未満でしたら任意適用事業所ですので、加入するかしないかは事業主次第です。この被保険者になる者、ならない者というのがあるんですが、これを説明すると長くなりますので、省略します。むしろ適用事業所になったときの手続きを話します。手続きは、事業開始後5日以内に社会保険事務所で行います。(1)新規適用届 (2)新規適用事務所現況(3)健康保険・厚生年金被保険者の資格取得・喪失届け(4)被扶養者届 これに添付書類が幾つかあるのですが、それとともに提出します。保険料は、事業主と従業員の折半で負担します。社会保険の保険料算出については、労働保険と違い、標準報酬という額を設定して、それに保険料率を乗じます。健康保険の標準報酬月額・賞与額表をリンクしておきましたので、ご覧ください。
2005.08.09
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新しい週が始まりました。週の始まりとともに新しいテーマです今日から、しばらくの間、労働法について書いていきます。といっても、労働法という法律があるわけではありません。7月11日の日記にも書いたとおり、労働法の分野には多くの法律があります。これらをすべて満遍なく説明をするのではなく、起業に伴って必要とされる労働法関係を手続きを含めて説明します。5月13日の日記「会社を設立したら」をご参照ください。会社を設立したら、従業員を一人でも雇用すれば原則として労働保険が適用され、事業主は成立届をだして労働保険料を支払います。労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険です。「原則として」と書いたのは、農林水産の事業のうち常時使用労働者数が5人未満の個人経営の事業は任意暫定適用事業とされているからです。(ほんとは、これにも例外があるんですが、ここでは省きます)労災保険は、従業員が業務上、負傷、疾病、障害、死亡に対して保険給付をしてくれる保険です。ご承知かもしれませんが、通勤途上の保険事故にも保険給付がされます。一方、雇用保険は、従業員が失業したり、雇用継続が困難になった場合に保険給付がされますが、教育訓練給付金のように従業員自身が教育訓練を受けた場合にも給付金が支給されます。これらの労働保険への加入は、事業が開始された日か、従業員を採用した日に成立し、10日以内に「労働保険 保険関係成立届」等を労働基準監督署長に提出しなければなりません。さらに「雇用保険適用事業所設置届」、「雇用保険被保険者資格取得届」を所轄のハローワークに提出しなければなりません。 ※農林漁業・建設業等は二元適用事業といって、少し違いますので 注意してください。そして保険関係成立の日から50日以内に概算保険料申告書を提出して概算保険料を支払わなければなりません。労働保険は、先払いです。まず、その年度に支払われる予定の総賃金額に保険料率を乗じて概算保険料を算出して、それを支払うことになります。年度が終わってから、確定保険料として実際に支払われた総賃金額に保険料率を乗じた額で清算します。不足すれば、その差額を納め、多ければ翌年度分に充当するか返還を求めることができます。では、その保険料は、いくらかということが気になりますね。業種によって違いがあり、労災保険は、5/1,000~129/1,000で、雇用保険は、19.5/1,000~21.5/1,000です。労災保険は、全額会社負担です。雇用保険は3.5/1,000を会社が負担し、残りを会社と従業員の折半です。判りにくいですか?具体的な例を挙げて説明します。ある会社、それは商社とします。社員を2名採用し、年間1,000万円の賃金を払うと仮定しましょう。労災保険は、1,000万円×5/1,000=5万円この5万円は全額会社が負担します。雇用保険は、1,000万円×19.5/1,000=19万5千円このうち、3.5/1,000の3万5千円と残りの半分8万円の合計11万5千円が会社の負担となり、残った8万円は社員の給料から毎月徴収します。ですから、会社負担合計が16万5千円、社員負担は8万円となります。労働保険料は、これらを合計した24万5千円を会社が一括して納めることになるのです。会社を設立したとき、社員を雇ったときには、この手続きをすることになります。
2005.08.08
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ふぅ~、今日も暑かった。。。天気予報が外れましたね、午後に集中豪雨があるようなことをいってましたが雨は少しも降りませんでした。他の地域では、雨が降ったのでしょうか?中間法人のことも、その性格、設立手続き、機関、社員について書きました。まだ、基金のこと、解散、清算、合併などもありますが、それは、ここでは省かせてもらいます。このところ、労働法関係の記事を書いていません。なんだか、心の中で労働法関係を欲していることを感じます。明日から、労働法関係の話を書こうと思います。起業し、人を雇うようになれば労働法に無縁ではいられません。でも、まだ何を書いていいのか決めていません(笑)
2005.08.07
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今日の午前中は、就業規則を作っていました。別に依頼があったわけではありません。(近々ある予定ですが)新しい問題点を見つけたので、それを反映した就業規則でも作ってみようかと思い立ったわけです。就業規則に限らず、定款も時間があるときに作成しています。さて、今日は中間法人を構成する社員について話をしてみます。有限責任中間法人の社員は、定款の定めによって中間法人の経費を支払う義務を負います。その社員は、2人以上必要とは書いたと思いますが、例えば、学校の同窓会を中間法人にしようとした場合、たくさんの卒業生をみんな社員にいなければいけないかというと必ずしもその必要はありません。卒業生の一部だけを社員にして中間法人を組織することもできます。しかし、同窓会に限らず、中間法人設立後に社員が1人となった場合には、解散することになります。法人は、有限責任中間法人の社員になることができますが、無限責任中間法人の社員になることはできません。社員の管理は、有限責任中間法人では、社員の氏名又は名称及び住所を記載した名簿を作成して行います。定款の定めによって、社員となることができる者の資格を基金の拠出者に限ることもできます。有限責任中間法人の社員総会での議決権については、原則として、1社員につき1議決権とされていますが、定款によって、これとは別の定めをすることもできます。社員は、いつでも退社することができますが、1年を超えない範囲で退社予告期間を定款で定めることはできます。とは言っても、止むを得ない理由があれば、いつでも退社はできます。任意の退社以外に法定退社というものもあります。社員は、次に掲げる事由によって退社すると定められています。1.定款に定めた事由の発生2.総社員の同意3.死亡又は解散4.除名基金を出資している社員が退社するからといっても基金の返還には制約がありますので、その社員が拠出した基金の返還ができるわけではありません。こんなところが、中間法人の社員の決め事です。NPO法人とは違いますが、これもまた非営利法人のです。NPO法人と違って特定の17分野に限られませんので、手軽に作れるといえるかもしれません。設立のお手伝いは、丑寅おじさんがしますよ。なんでもご相談下さい。
2005.08.06
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昨日の午後2時20分で、2万アクセス記念企画は終了しました。次は3万アクセス記念企画かな?さて、中間法人の設立手順を先に書いてしまいましたが、その運営についての話は、まだでしたね。中間法人の運営ですが、無限責任中間法人の章に比べ有限責任中間法人の章には、いろいろ書かれています。そこで中間法人の運営管理について、有限責任法人を説明します。以下、単に中間法人と書いたら有限責任中間法人と読んでください。中間法人法によると、中間法人には、社員総会と理事、監事が機関として置かれます。社員総会は、毎年1回一定の時期に理事が招集します。また社員総会は、総社員の議決権1/10以上があれば、理由を書いた書面を提出することで社員総会の招集を請求できます。さらに総社員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができます。この社員総会は、定款の定めた事項に限って決議できます。中間法人には、理事及び監事を1人以上置くことになっています。理事及び監事は社員総会で選任されます。理事は中間法人を代表し、中間法人の業務を執行します。理事が複数いれば、各自が中間法人を代表することになりますが、定款や社員総会の決議によって理事の一人を代表者にすることもできますし、共同代表とすることもできます。監事は、計算書類の監査をするほか業務、財産状況を調査し、社員総会へ提出する議案や書類を調査して社員総会で報告をします。その他、理事の業務遂行が正当に行われているかをチェックします。理事、監事が受ける報酬は、定款にその額を定めなかったときは、社員総会の決議によって定めることになっています。理事は、毎事業年度ごとに次の書類を作成し、社員総会で承認を得ます。・貸借対照表・損益計算書・事業報告書・剰余金の処分又は損失の処理に関する議案これらの書類は、社員総会前に監査を受けることは言うまでもありません。また一定期間は主たる事務所に備え付けておき、社員及び中間法人の債権者の請求により、閲覧又は謄本、抄本の交付をしなければなりません。ただし、そのための費用は請求者が負担します。そのほか、基金の返還に関する規定、定款、解散、清算に関する規定などが、第三章には書かれています。興味ある方は、ぜひお読みください。
2005.08.05
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暑いといっても涼しくなるわけではないのですが、つい口に出てしまいますね「暑い!」ところで、昨日は有限責任中間法人の設立について、基金額を最低300万円を用意しなければならないと書きましたが、無限責任中間法人には最低基金額の制限はありません。ただし、設立の際に社員として登記されたら、中間法人の債務には法人と連帯して債権者に対して責任を負うことになります。無限責任中間法人は、有限責任中間法人より設立手続きはシンプルです。定款を作成して、法務局で設立の登記を行うだけです。無限責任中間法人の定款には、次のような事項を記載しますが、これも有限責任中間法人より項目が少なくなっています。(1)目的(2)名称(3)社員の氏名及び住所(4)主たる事務所及び従たる事務所の所在地設立登記をする法務局は、主たる事務所所在地の法務局です。なお、無限責任中間法人の場合は、法人成立後の新たな社員の入社について、定款変更手続が必要となります。ですから、社員の出入りの多いことが予想される場合は、設立後の手続きが煩雑になります。このへんのことを判断して、有限責任中間法人か無限責任中間法人かを選ばれればいいでしょう。
2005.08.04
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今日も暑いですね~~~こんな日は、ビールがうまいんでしょうが、、、あと少しの辛抱です!ところで、2万ヒット企画も明日の午後2時20分までですね。何かある方は、お早めに!昨日も書いたように中間法人には、有限責任中間法人と無限責任中間法人の2種類あります。今日は、このうちの有限責任中間法人について書きます。まず、有限責任中間法人を設立するためには、300万円以上の基金が必要です。有限責任中間法人の社員は法人の債務について対外的な責任を負わないことに関連して基金が必要になってくるのです。その上で、次のような手順で設立登記をしていきます。(1) 定款を作成して,公証人の認証を受ける(2) 理事及び監事の選任を行う(3) 基金の募集・割当て・払込みの手続を行う。 現物拠出等がある場合には,所定の手続をとる。(4) 設立手続の調査を行う(5) 主たる事務所の所在地の法務局で設立の登記を行うこの1番目に書かれているの定款ですが、次の事項を記載しなければなりません。・目的・名称・基金(代替基金を含む。)の総額・基金の拠出者の権利に関する規定・基金の返還の手続・公告の方法・社員の氏名又は名称及び住所・主たる事務所の所在地・社員たる資格の得喪に関する規定・事業年度ここで基金が300万円以上必要と書きましたが、この基金を社員が拠出することは問題ないのですが、社員が必ず基金を拠出しなければいけないということもありません。誰でも趣旨に賛成してくれた人が出してくれればいいわけですし、拠出したから社員にならなければいけないとこともありません。法人成立後の社員の入退社は、社員名簿によって管理され、定款変更手続をとる必要はありません。もし社員が基金の拠出者であった場合、その社員が退社しても基金の拠出者としての地位には影響はありません。 なお、社員は2名以上ですが、拠出者は1人でもかまいません。有限責任中間法人では社員総会,理事,監事といった機関を設けてその運営を行うこととなりますが、無限責任中間法人では社員が業務の決定や執行等を行います。社員総会での議決権は、社員一人一議決権とされていますが、定款によって、これとは別の定めをすることもできます。 こんなところが有限責任中間法人の設立についての話です。暑いので、手を抜いているって感じがしますが、とにかく本職のほう仕事もたまっているので今日はこれくらいにしておきます。
2005.08.03
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きのう、予告しておいた中間法人について説明します。同窓会、県人会、業界団体、町内会や趣味のグループは、通常は任意団体として活動しています。これらの団体、グループでも「中間法人」という形態で法人化できることをご存知でしたか?実は、平成14年4月から中間法人法が施行されて、従来は任意団体として活動していたものも中間法人という名の法人格を取得できるようになったのです。中間法人は「剰余金を社員に分配することを目的としない社団」ですが、次のようなメリットがあります。法人格を持てば、法人名義で銀行口座名などを設けたり、不動産の登記をしたりできますし、債権者保護に関する明確な規定があることで取引関係の幅が広がる可能性も出てきます。このようなメリットがある反面、デメリットとして法人税が普通法人並に課税されるところがあります。中間法人には,有限責任中間法人と無限責任中間法人という2類型があります。いずれも2名以上の社員がいれば設立ができます。また法人は、有限責任中間法人の社員になれますが、無限責任中間法人の社員には、なれません。対外的債務について、無限責任中間法人の社員は法人と連帯して責任を負うことになります。一方、有限責任中間法人の社員は法人の債務について対外的な責任を負いません。このような中間法人として法人格を取得することができる団体は、冒頭に挙げたような団体、あるいは何らかの活動目的で結成された任意団体で、営利法人=会社になるものを除いて中間法人になることができます。「社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ剰余金を社員に分配することを目的としない社団」と同法第2条1号に定められています。だからといって中間法人制度によって既存の団体について法人格の取得を義務づけるものではありません。既存の団体が中間法人としての法人格を取得するかどうかは、その団体において自由に決めるべき事柄とされています。 こんなところで中間法人の概要が判っていただけたでしょうか。
2005.08.02
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消費者保護の話が続いてきましたね。これに乗っかって特定商取引法(旧・訪問販売法)とか、割賦販売法の話をしてみようかと思ったのですが、クーリングオフのことを既に説明したので、これ以上は屋上屋を重ねることになってしまいます。それで、他の話題に移ろうと思いますが、一つだけ気になることがあります。それは、クレジット会社に対する抗弁権です。売買契約とは別に立替払い契約や個品割賦購入あっせん契約などを結ぶこともあるかと思います。そんな契約をした覚えはないですか?商品を買うときにクレジットカードで分割払いをしたことはありませんか?これは、カード会社が立替えて店に一括して支払ってくれるもので、立替払い契約です。あるいは、分割払いで買えるからといわれて、分割払いの書類を書いたことはありませんか?これは個品割賦購入あっせん契約です。これらの契約は、売買契約とは別の契約ですので、クーリングオフで売買契約を撤回してもクレジット会社への支払は継続することになります。なぜなら法的には立替払い契約・個品割賦購入あっせん契約は、売買契約とは別個のものですのですので、支払義務は続くことになります。しかし消費者が、販売業者との間で生じたトラブルを理由に、信販会社に対して代金の支払いを拒絶することができる権利が割賦販売法により認められています。これを支払停止の抗弁(抗弁権の接続)と呼びます。「抗弁権の接続」をすると販売業者とのトラブルがある間、クレジット会社に対する支払は停止することができます。また売買契約の取り消し・解除などが発生した場合にはクレジット会社に既払い料金の返還をしてもらえます。抗弁権の接続ができる理由には、次のようなものがあります。・商品の引渡しがなかったり、遅延している場合 ・商品に瑕疵がある場合 ・見本・カタログ等と現物が違っている場合 ・強迫・強要されて契約した場合 ・詐欺や錯誤による意思表示の場合 ・クーリングオフができる場合この権利の行使の方法は、抗弁の理由と支払を停止したい旨をクレジット会社に連絡すると、所定様式の「抗弁書面」が送付されるので、必要事項を記入して送ります。もし抗弁書面が送付されない場合は、クレジットの支払いを停止することをその理由を書いて内容証明郵便で出すのがよいでしょう。 最近では、事業者が消費者金融会社を利用することが増えています。この場合、実質的には割賦購入あっせん契約でありながら、二者間の金銭消費貸借契約であって事業者とは関係がないと主張する消費者金融との交渉は難航しますので、気をつけてください。ところで、今週のテーマですが、6月27日の週にNPO法人設立の話をしました。このNPO法人と並んで話題に上るものに「中間法人」というものがあります。今週は、中間法人について話をしていきたいと思います。
2005.08.01
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