偐万葉シリーズ第192弾は、ふらの篇(その1)であります。「ふらののくらふと」こと
furano-craft氏
は北海道・富良野の森の保全に資するため、京都から富良野に移住、森の自然素材による木工雑貨の創作・販売の活動をされています。咋年3月からブログの交流が始まり、今回、偐万葉初登場であります。
<参考>
furano-craft氏
のブログは コチラ
からどうぞ。
同氏経営の木力工房「富麓庵」のホームページは コチラ
です。
偐家持がふらののくらふとに贈りて詠める歌19首
富良野まだ 雪にしあれど 大粒の 雪にしあれば 春は近しも
富良野には 雪は降りつつ しかすがに
野辺の光に 春はきざすも
槐 咲く 夏の丘べの 夕焼を 時計にとどむ 桑の葉ぞこれ
(桑の葉の時計) (オリオン座をあしらったランプシェード)
ラベンダーの 香りほのかに オリオンの
三ツ星冴えて 夜ぞ更けにける
北の地に 春や告げけむ
今箒
背子がかたへに 芽吹くこの頃
初子
の今日の
玉箒
手にとるからに ゆらぐ玉の緒
(大伴家持 万葉集巻20-4493)
木の根明け 今かと待ちぬ コキアにて 背子が作りし 箒の並ぶ
(コキアの箒)
蝦夷
鹿
も 春の野にいでて 草を
食
む
わがカメラでも 行き
来
に撮りつ (偐ふらののくらふと)
(本歌) 君がため 春の野にいでて 若菜つむ
わがころもでに 雪はふりつつ
(光孝天皇 古今集21 小倉百人一首15)
(エゾ鹿) (キタキツネ)
わすれじの キタキツネの子 かはいければ
けふにかぎらず つぎてや見がも (北の狐麻呂)
(本歌) わすれじの ゆくすゑまでは かたければ
けふをかぎりの 命ともがな
(高階貴子 新古今集1149 小倉百人一首54)
わが背子が 富良野の森の 木で作る
思ひのかたち 楽しきろかも
富良野麻呂 朝は草刈り 雨降れば
午後はひねもす 木を削るらむ
手にやさし 木の肌ざはり ごつごつと
森のスプーンの 武骨なるよし
み雪ふる 富良野の森の 奥深く 君切り出せる スプーンの形
ふーふーと 熱きスープを この匙で 凍てつく寒き
夕
にすすらむ
(木のスプーン)
楡の臼 杵は 榛 の木 柄はいたや 楊枝入れにも 入ればや遊び
(臼と杵)
来る年は うまにしあれど
倦
まずもや
われは作らな わが
思
ふ形 (森のくらふと)
わがうまを 下手とな言ひそ なべてみな
味あるものは うますぎもせず (森のくらふと)
(干支の馬)
夜をこめて 雪踏み行ける 蝦夷鹿の
もとなかなしき 足跡つづく (鹿角大夫)
(注)もとな=わけもなく、しきりに。
鹿角大夫=猿丸大夫のパロディ
夜もすがら 降りたる雪も 止みたれば
木間
ゆ朝日は 今しも昇る
赤々と わが初春を ことほぐは 富良野の森の 朝日なりけり
(鹿の足跡) (富良野の森の日の出)
(注)掲載の写真は全てfurano-craft氏のブログからの転載です。
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