やまぶろぐ・登る呑む撮る滑る山ブロガー

2020/08/14
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カテゴリ: 登山
池ノ谷左又-剱尾根R10-コルE-コルC(ビバーク)

3:30 起床。よく眠れた。身体が痛い。
朝食は牛とじ丼(フリーズドライ)。
食欲なし。水はたくさん飲んでおく。


月下で登攀準備。


池ノ谷から見る富山平野の夜明け。


5:20 1870m アイゼンを着けて出発、
風が谷を下ってくる。小窓ノ王のはるか
上空の月を目指して、池ノ谷左又を進む。


小窓尾根マッチ箱ピークがそびえる。

5:36 上方から2名下ってくるのが見える。
一度雪渓が薄くなるので右岸の草付きを歩く。

5:52 再び雪渓に立つ。雲の流れが速い。


近く見えて、結構遠い。

6:26 R10に到着。上方からの2名と出会う。
雪渓はわずかな幅でルンゼとつながっている。
2mほどの段差があり、下流には地獄の入り口が
開いている。意を決して砂利に向かって飛ぶ。

6:42 2240m いざ、剱尾根へ!
水流のある溝を詰める。


ハング壁下のガレ場を登る。
落石を起こさないよう慎重に足を置く。


R10の最上部は踏めば沈む真砂土斜面、
最後は潅木をつかんで尾根上へ出る。

7:23 コルE。凄いところに
来てしまったな。


池ノ谷右又側にテントが張れる
空間が見える。


小窓尾根の池ノ谷側には、まだ日光が
当たらない。


この樹木や草をたよりに登攀する。
かなりの高度感があり、スリップしたら
致命的だ。

7:50 2370m バンドで休憩。結構きつい
斜度でお助け紐が必要なところもある。
ビバーク前提で水を担いでいる(3.6L)ので
ザックが重たく感じる。

8:19 Ⅲ峰で陽光を浴びる。

8:22 岩壁が立ちはだかる。先行2名が
登攀中。我々はダブルロープで登攀の準備
に入る。

9:07 細隊(松っつあん、K山、やまやろう)
登攀開始。松っつあんがトップで登る。
待ち時間が長くて、指がかじかんできた。

9:44 後続2名が同時登攀する。


高度を上げてロープがたるんでも、
なかなか張られない。「あおー!!!」
「きいろー!!!」と声を張り上げて、
自分のロープを引き上げてもらう。
確保されていても緊張する高度感なのだ。

10:02 登攀終了。2本同時にロープを
引き上げるのは難しかったようだ。
小休憩し、ロープ回収。


10:17 出発。


ヤブが濃くて歩きにくい。かなりの
斜度だが樹木が多いので怖さは感じない。


ヤブの中を抜けると、夏の日差しの中に
いきなり「門」が現れた。

10:57 コルCの登攀地点。カンテから
ルンゼへと続く。ここでクライミング
シューズに履き替える。

県警ヘリ「つるぎ」が上空を旋回する。
Dがトップでカンテを越えピッチを切る。
その先のルンゼは松っつあんが先行。
ホールドが少なくロープなしでは怖いところ。


カンテ越えのピッチ。


ルンゼのピッチ。


11:24 潅木帯を抜けると、正面に
剱尾根の象徴「門」が現れた。

溝の中をガスが沸き上がる凄い光景だ!
ラスボス感が半端ないっ!!!


コルCまでは潅木と岩稜のミックス帯で
滑落は許されないところ。


先行者が登攀中(セカンド)。
え、あんなところを登るのですか?

12:33 コルCに到着。ここで我々6名は合流し、
わずかな平坦地で休憩する。登攀準備に入る。

安全第一で、アブミを積極的に使うことにする。
おら、垂壁を登れる気がしない。緊張して食事が
喉を通らない。


13:40 太隊のぬまつちトップで登攀開始。霧が出てきた。


垂壁で6箇所の支点を取る。支点と言っても
いつの時代のものが分からない錆びたハーケンと、
そこにつながる褪色したスリングだ。

ルートを確認しながら、アブミを交えてじわり
じわりと登っていく。


アルパインヌンチャク(カラビナ2個とスリング)
を9セット持って登ってみたものの不足、中間で
確保態勢を取る(本来は50mロープで上部の
潅木帯の支点まで登れる)。


14:40 Dがセカンドで登攀開始。垂壁途中で
アブミを落とす。

15:10 Dの登攀終了。


時間が時間だけに、撤退も視野に入れる。
コルCからは、R7、R5とエスケープ
ルートがあると聞いていたので、そちら
方面を撮影しておく。

15:42 T中の登攀開始。回収したDの
ものを含め3つのアブミを駆使して突破する。
我々はルートの指示を出す。

16:30 T中の登攀終了。今から我々が登り
始めたら、登攀途中で日没を迎えてしまうと
判断、コルCでビバークすることにした。

16:40 平坦地にビバーク態勢を取る。
草を刈って地面をならす。


夕食は五目ごはん。松っつあんお勧めの
コンソメスープが旨い。スマホ電波は
かろうじてつながる。

食事も終わってくつろいでいたら、
垂壁側から突然の落石。慌てて垂壁下部の
ハングに身を寄せ合う。今夜はヘルメット
を着けて寝ることにする。


18:00 無線による定時交信。太隊は
門の手前でビバークしている。我々細隊は
明朝に登攀可否を判断することにした。


19:30 無線による定時交信。下降路として
コルCからR7-R5を検討していたが、太隊の
上部からの偵察によればR5に雪がなく、下降は
博打になるとの報告。

上を目指して登るか剱尾根を引き返すかの
二択を迫られる。

19:50 シュラフカバーとツェルトを被って
横になる。衣類は乾いているので寒さは感じない。
夜中は星空がきれいだった。





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Last updated  2020/09/03 11:23:42 PM


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