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「尖閣諸島への自衛隊配備」 にわたしも賛成なのですが、それを実現するためにどれほどの時間と議論が必要か。民主党政権のうちは、まともな議論すらできないでしょう。 たかが、といっては何だが、国外にまったくノイズ (雑音) のない 「普天間基地移設問題」 でさえ、空しく時間が過ぎる。 尖閣諸島に自衛隊配備となれば、計画段階で中国が騒ぎ外交合戦が始まる。日本国内の議論も二分されるでしょう。 「なぁんだ、日本人にとって尖閣諸島って、国論を二分しなきゃいけない問題だったの ?!」と、かえって海外から侮(あなど)られる種になる。■ 重装備の機動隊配備が現実的 ■ 宮古島、石垣島、西表島(いりおもてじま)、与那国島にも、自衛隊は配備されていない。『日本の本領』 にも書きましたが、これら先島諸島は浜辺に横たわる全裸の美女さながら。 せめて国境警備部隊として陸上自衛隊を配備するのが当然で、これまた昔から議論があるが一向に進まない。 何が現実的かいろいろ考えました。 素人考えと笑うかたには代案をご教示いただきたいが、民主党政権のうちにやれることと言ったら、出来る限り重装備の 「沖縄県警 機動隊」 を島ごとに置くことではなかろうか。 漁民を装ったゲリラ攻撃・テロ活動に立ち向かうことを想定する。 機動隊の根拠地は、直ちに自衛隊基地として使えるような面積を確保し、自衛隊も使えるように装備を整えておく。 日頃は 「沖縄県警機動隊」 の看板を掛けておき、状況しだいで防衛省に管轄を移し、看板も掛け替える。 われながらアホなことを述べていると思いますが、こうでもしなければ宮古島や石垣島、与那国島などに自衛隊基地らしきものは すぐには作れないのではないか。 ■ 丸紅・今村 卓 論文 ■ さて、10月17日のブログ に引き続き、丸紅米国ワシントン事務所長・今村卓さんの報告の後半を読みましょう。 全文はこちら: 「尖閣沖衝突事件から浮上した中国異質論」 今村論文を読む前に、わたしなりに現状のおさらいを。 「尖閣諸島に領土問題は存在しない」 というのが日本の立場である。 「領土問題がある」 といえば、領土の帰属について中国や台湾と正面切って 「議論」 を始めなければならなくなるから。 「領土問題はない」 と門前払いするのが一番ラクだから、そう言い続けるのは日本の立場としては当然です。 しかし、現実には中国が領有権の主張を取り下げる可能性は全く無い。中国にとっては 「領土問題がある」 状態。ということは、第三者である米国も 「領土問題がある」 と認識せざるをえない。 そして、同盟国の米国の立場が 「領土問題がある」 というものである以上、日本も振舞い方を考えなければいけない。 ……これが今村論文の底流にあるロジックです。■ 米国の視点は日本と異なる ■≪米国も尖閣諸島が日本の施政下にあることは認めている。しかも、尖閣諸島が米国による日本の防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条にも適用されるとの見解を示している。しかし、その尖閣諸島に対しては中国も領有権を主張している。日・中 の 領 土 問 題 に 介 入 し な い 方 針 である米国は、日本と中国 そ れ ぞ れ の 主 張 の 存 在 を 認 め、日本の施政下にあり日米安保が適用される尖閣諸島に日・中 の 領 土 問 題 が あ る という認識をもっている。≫ 言われてみれば当然の内容だけど、ぼくはここを読んでゾクーッとしましたね。「領土問題が存在しない」 というのは、日本にとって便利な、日本だけの立場なわけですね。 第三国は、日・中の領土問題に介入したくなければ、「領土問題はある」 という立場に立たざるを得ない。≪領土問題を認めるか否かで、日本の中国船長逮捕に対する認識は大きく変わる。日本にとっては自国領海での公務執行妨害逮捕という当然の行為であり、国内問題への対応である。これに対して米国政府は、日・中の領土問題がある中、日本による船長逮捕を そ れ だ け で 日 中 間 の 緊 張 を 高 め て 軍 事 衝 突 を 誘 発 し か ね な い 非 常 に 危 険 な 行 為 と捉えた。≫≪船長の拘留が長期化してその先に起訴や有罪判決があれば、中国の強硬姿勢は極めて危険な水準に達し、それに日本も対抗することで緊張が極度に高まり、今度こそ軍事衝突の危険が迫ると米国政府は懸念していたと考えられる。≫■ 日本政府も内部では領土問題の存在を認めるしかない ■≪したがって船長釈放によって対話実現へ前進した日本は賢明な対応であったとして評価の対象になる。逆に、釈放後も謝罪と賠償を求め続け、4邦人拘束を続ける中国は 「対話の席に着こうとしない困った存在」 と米国には映り、牽制・批判の対象へと陥っていく。中国が強硬姿勢を続ければ続けるほど、米国内の中国への批判は強まることになる。≫ 今村 卓さんの文章は、今から1ヶ月前の9月29日に発表されたものであることにご留意ください。≪日本政府の 「領土問題は存在しない」 という主張は、日本が中国の主張を認めないと言っているに過ぎない。領土問題を消滅させるには、中国に領有権の主張を撤回させるしかないが、そんなことは現実には無理である。日本政府としては、中国との交渉入りの可能性を排除するために 「領土問題は存在しない」 と宣言し続ける一方で、政府内部では領土問題の存在を認め、日中間の緊張を高めないように細心の注意を払った対応をしていくしかない。≫■ 公務執行妨害でなく、殺人未遂を問うていたら… ■ 暴力船長の公務執行妨害行為は、殺人未遂レベルの行為だったとも伝えられます。 「公務」 執行妨害を問うならば、犯罪の現場が日本領か中国領かが最大の焦点となるわけです。 船長から見れば、中国領である尖閣諸島において海上保安庁による 「公務」 は存在しないから、いきなり議論は、日中間の急所に来てしまう。 しかし、もし犯罪状況ビデオを早期に公開し、公務執行妨害ではなく 「殺人未遂」 あるいは 「傷害 (未遂)」 の罪で問えば、別の展開がありえたのではないか。いまだにそこが残念です。* 冒頭に≪「尖閣諸島への自衛隊配備」 にわたしも賛成なのですが、≫と書きましたが、「尖閣諸島に領土問題あり」 が国際常識とすれば、自衛隊配備は極めてハードルが高い。 沖縄県警の機動隊を最大限に展開するしかない。来年度予算に至急盛り込んでほしいものです。(平成22年10月25日付の配信コラムを転載)
Oct 26, 2010
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サーカスといえばシルク・ドゥ・ソレイユ、という時代だろうか。いや、サーカスという単語じたいが死語かもしれない。シルク・ドゥ・ソレイユの 「シルク」 とはサーカスのことだが。小学3年生のころ、松山にもキグレサーカスが来た。行ってみたかったが、親に言い出せる雰囲気ではなかった。木下サーカスには幼稚園のころ一度連れて行ってもらった。道後公園にテントを張っていた。51歳になっても覚えているくらいだから、印象深かったのだ。キグレサーカスにも連れて行ってもらいたかった。といって、それではうちの娘たちをシルク・ドゥ・ソレイユに連れて行っているかというと、それはもちろん連れて行ったのだけど、親が期待するほどには今どきの子供は喜びを表わさないのだよ。すばらしいパフォーマンスだったのに。ぼくらが子供のとき、同じ状況がそこにあったら狂喜してたに違いないと思うのにね。何でこんなに白けてるんだよ、このバカものが!と思ったが最後だね。たしかそれから、家族で物見に出かけたことはないよ。ご存知のとおり、父さんだけは演劇狂いさ。さて、キグレサーカスが倒産したんだって。悲しいよ。報道によると、先月9月末に35人全員を解雇し、10月19日づけで事業を停止したのだそうだ。負債総額は5億8000万円。何でこれを知ったかといえば、北國新聞のコラムで読んだのさ。悲しいよ。北國新聞 平成22年10月25日 コラム 「時鐘」≪キグレサーカスが事業を停止した記事があった。戦前設立された日本3大サーカスのひとつで北陸の興行も多かったから思い出す人もいるだろう。都市型テーマパークが人気である。レジャーの多様化に加え、新型インフルエンザの流行でサーカスの入場者が激減、とうとうテントをたたむという。演芸、風俗、大衆娯楽史の節目を刻むニュースである。30年ほど前に 「キグレ村」 を取材したことがある。親子代々の団員、押しかけ入団した若者、歌劇団出身の美女や芸大出の女性ピエロもいた。団長は言った。「役者に文化勲章が出るのに、われわれになぜ出ない」 今年の泉鏡花賞を受ける篠田正浩さんの 「川原者ノススメ」 (幻戯書房) は、歌舞伎をはじめ日本の芸能が都市の川原から始まる歴史を描き 「川原になぜ大群衆が参集するのか」 を追究した労作である。キグレの団長は、サーカスも歌舞伎も原点は同じだと胸を張るのだった。子どものころに見た神社境内の巨大なサーカステント跡は、大人になって見るとあまりに狭い。幻のような空間に 「サーカスは文化だ!」 と叫んだ団長の姿が浮かぶのである。 ≫
Oct 25, 2010
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久野 章(すすむ、日へんに章)・高見健一 著 『謎解きの英文法 単数か複数か』 (くろしお出版、平成21年刊) は、文法の揺れがある事象について、用例を Google 検索してヒット件数を比較しながら母語話者の傾向を分析する手法を盛んに使っている。説得力が増す、いいやり方だ。同じ単語が単数形とされたり複数形とされたり、その機微がおもしろい。Today, statistics has become an important tool in the work of many academic disciplines.(今日、統計学は多くの学問分野の研究で重要な道具になっている。)These statistics look fishy to me.(これらの統計数値はうさんくさい。)単・複についてのアメリカ英語とイギリス英語の鮮明な違いの例の数々。Staff や crew の例も興味深いが、端的なのがこんな例だ。Microsoft is releasing its new product. (アメリカ英語)Microsoft are releasing their new product. (イギリス英語)The Yankees や The Mariners は定冠詞つきで複数扱い。AC Milan や Manchester United などサッカーチームは、アメリカ英語では単数扱いだが、イギリス英語では複数扱いだ。Nobody can see themself directly, can they?(鏡を使わずに自分自身を直接見ることなんて誰にもできないよね。)という文がなぜ正しいか。とくに、themself という驚きの語形!切れば血が出る英文法の本だからこれを読むと、「これって間違いでしょ」 と思う表現がじつは適格、あるいは適格・不適格の線上だ、といったことが分かって、視界が広がる感じがする。
Oct 24, 2010
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久野 章(すすむ、日へんに章)・高見健一 著 『謎解きの英文法 冠詞と名詞』 (くろしお出版、平成16年刊) を読んだ。文法の道具立てが決して死んだ飾りではなく、調味料として大活躍するところを見せてくれて、たのしい。I had boiled lobster. (ボイルしたロブスターを食べた)というところ、不定冠詞の a をつけてI had a boiled lobster.というと、 「1匹まるごと茹でたのが、大皿にドンとのってきたのを平らげた」 イメージになる、というあたりの導入で早くも引き込まれた。Who を 「誰が」 という主語で使うとき、文法的には単数扱いなので、「どんな人たちが公園に集まるの?」 はWho is gathering in the park?となる、という指摘はビックリだった。ぼくなら確実にWho are gathering in the park?が正しいと考えたろう。When and where from did he arrive in Bangkok? 「彼はいつどこからバンコクに着いたのか?」という英文が、適格・不適格の線上にあって、母語話者も受け入れる表現だ、というのにも、うなった。ぼくにはこの方式の表現を自分で作る勇気がまだない。John married a blonde who he had met at a party only a month ago.の who を which にはできないし、I hear that John married a blonde, which Mary is not. Therefore, he couldn’t have married Mary.の which は who にできない。このあたり、一読してなるほどだ。エスペラントにすると、それぞれJohano edzighis al blondulino, kiun li renkontis en bankedo antau nur unu monato.Mi audis, ke Johano edzighis al blondulino, kia Maria ne estas. Tial li ne povas esti edzighinta al Maria.となるが、この第2文のほうはエスペラント文としてもけっこう難しいだろうね。属性認定文 (characterizational sentence) と同一性認定文 (identificational sentence) という用語が登場する。Mr. Smith is our English teacher. は属性認定文。いっぽうOur English teacher is Mr. Smith. は同一性認定文。「僕はウナギだ」 に一見似ている I am the hamburger. が使われる言語状況について解説があり、これは5回くらいうならされた。I am the person who has ordered the hamburger. の縮約として使われる。何人かで別々のものを頼み、係りが注文の品をもってきたとき、「ハンバーガーは僕」 の意味で I am the hamburger. と。I’m the 2 o’clock.は、何人かの客が順番を待っているところに美容師が来て2時の予約の人は誰かと尋ねたときの答え。「2時はわたしよ」。I’m physics. は、学生が別の学生に所属学科を尋ねたときの答え。「ぼくは物理だよ」。いやぁ、ことばって、おもしろいですね。
Oct 24, 2010
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銀座一丁目の Gallery Q で、星山耕太郎さん (昭和54年生まれ) の 「誘惑」 という日本画を買った。象徴性が高い。タロットカードの逸品の原画にできそうな24枚シリーズ中の1枚。どんな絵だったかは後でご紹介するとして、今回の個展 「顔の中へ」 のメイン作品 「自画像」 を見ていただこう。「自画像」人物写実の腕の確かさ。色遣いは渦を巻くように大胆に変化するが、あれこれ盛り込み過ぎた感じはなく、適度なメリハリ。いいセンスだ。これが DM 葉書に使われていて、何としても実物を見なくてはと思っていたら、気がついたら金曜夜だ。金曜夕は、夜8時まで開館する美術館に行くのが恒例なのだが、やはりこの個展を見ねばと思って Gallery Q へ行った。星山さんは、あごひげをたくわえ にこやかな好青年で、ぼくが画廊に入ると控えのスペースからさっと出てきてくれた。「人物たちを色の渦が巻いていますね。曼荼羅(まんだら)でしょうか」と聞いたところ、「30歳になって、三十而立 (三十にして立つ) を思いまして、これまでお世話になった人たちのことをひとりひとり思い出しながら描いてみようと。それが自分にとっての自画像なのではないか。そんな思いで描きました。渦の出発点にいる子供は、3歳のときの自分です。自画像と言いながら、絵のなかにいる自分は3歳の子供で、あとは親や近所の人や、何かごとで手伝ってくれた人たちです。もう2度と同じものは描けないと思います」と星山さんは言う。「40歳になったとき、同じく自画像をお描きになったら、どんな絵になるか楽しみですね」と応えた。*ぼくが買った 「誘惑」 は、下の写真の右側に並ぶ12枚のうちの1枚だ。それぞれ、緻密に描かれた道具立てを読まないと良さが分からない。この写真からはそれが読み取れないので、ぼくが買ったのがどの絵かは言わずにおこう。絵には、あえぐように天をあおぐ、ひとりの人がいる。その下にぶらさがるように連なる過去のひとびと。天をあおぐ人を見下ろすように支那の仙人と哲人がいて、仙人は赤い液を満たした小さな玻璃瓶を手にしている。その赤い液を飲んで過去を離脱すれば、ひとはラクになる。しかしじつは赤い液は毒。毒にたよることなく、自分の来歴に向き合うしかないのだと、星山さんが自問自答しつつ一気に描いた。*タロットカードの逸品のような24枚は、それぞれにメッセージが隠されていて、それを連鎖させて読むとさらにおもしろい。絵と絵は共鳴する。星山さんにとって初個展だそうで、「誘惑」らの24連作は1枚18,900円という破格のお値段がつけられていた。「これは、どう見ても6万円以上の品です」と思わず言ってしまった。この段階で、勝負あったという感じだ。ぼくは絵の買い方がきわめてミーハーで、だいたい若い女性作家の絵ばかり買っているのだけど、星山さんの描いた仙人がもつ赤い毒薬瓶は手元に置かないと後悔しそうな気がした。まっさらの心で向き合えば、24連作から連鎖ストーリーを作れそうな3~4作をまとめて買いたいところだ。しかし、このところ絵を買いすぎているので、今回は 「誘惑」 の1枚のみ。ごめんなさい。ぼくが絵を買ったことで、星山さんはたいへん喜んでくださった。このかたは、これからぐんぐん伸びるひとだ。24連作も、詩人とタイアップしそれぞれの絵に詩をつけて詩画集として出版したらすばらしい。あるいはカードのセットとして売り出しても。そんなことまで思いを巡らせてしまう、楽しみな作家さんである。星山耕太郎展 「顔の中へ」@ Gallery Q (銀座一丁目14-12) は、10月23日 (土) 午後5時まで。
Oct 22, 2010
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中国共産党は、中国内陸部の成都、鄭州、西安で反日デモを起こした。 10月16日のこと。 北京や上海をちゃんとはずしているあたりが、藝が細かいですな。 おかげで、「頑張れ日本! 全国行動委員会」 (会長・田母神俊雄さん) が組織した16日の対中抗議デモについての報道規制を産経新聞はようやく解いて、10月17日号の1面に写真入りで報じた。( 【注】 同じ抗議デモが10月2日に行われたとき、AFPなど外電が報じたのに日本の大手メディアは産経も含め、そろって黙殺した。)■ 日本の出来事が、国際面でようやく読める時代 ■ ところが日本経済新聞は、「頑張れ日本! 全国行動委員会」 の抗議デモについての報道規制を解かなかった。 すると、まるで共産主義国家の新聞のような、おかしなことになった。 10月17日の日経朝刊では、社会面にも政治面にも対中抗議デモのことは報じられていない。それなのに、国際面の北京・佐藤 賢 記者の記事にいきなり、日本での対中抗議デモのことが出てくる。≪中国政府は……(中略)……東京での対中抗議行動に懸念を示す外務省談話を発表し、中国に厳しい姿勢を取る日本の政治家や団体を牽制した格好。≫≪中国国営の新華社は……(中略)……東京での対中抗議行動の主催者を 「右翼」 と断じ、反日デモのきっかけは日本側の動きとの立場をにじませた。≫■ 中国異質論についての秀逸の論評 ■ インターネットで日常的にニュースをフォローしている人なら、「頑張れ日本!」 の抗議デモのことは知っている。新聞もテレビも見ない、うちの美大生の娘が知っていたくらいだ。 しかし、日本経済新聞しか読んでいない人が仮にいたとしたら、びっくりしただろうね。 だってね、日本の新聞の政治面にも社会面にも書いていない日本の出来事を、忠良なる日経読者諸氏は、中国外務省 (外交部) の談話や新華社の論評に関する北京発の記事を読んではじめて知るわけですよ。 これって、共産主義国家にありがちなことだね。それとも、昭和10年代? 報道が落ちぶれるとは、こういうことを言うのだな。* * * 丸紅の米国法人のワシントン事務所長・今村 卓 さんが、秀逸の報告をまとめています。「尖閣沖衝突事件から浮上した中国異質論」 全文をお読みになることをお奨めしますが、さわりを抜粋してご紹介しましょう。 わたしと同じ商社マンが、こういう報告をまとめ、会社として公開していることを、わたしは誇りに思います。 日本へのレアアースの事実上の禁輸。≪このような中国の反応が米国の違和感と関心を招いた。……(中略)…… 米国の常識では、尖閣諸島沖衝突と船長逮捕への対応策としては、取り得ない手段だからである。≫■ 四半世紀の努力を自ら否定する行為 ■≪中国は、尖閣沖衝突の前から一部のレアアースを含む素材の輸出規制について、米国、EUとメキシコからWTOに提訴されていた。……(中略)……つまり中国は、レアアースの輸出制限がWTO協定に違反する可能性が高いことを認識した上で、日本という特定国に対する禁輸という さ ら に 過 激 な 措 置を選んだことになる。≫≪特定国に対する一方的な禁輸は、WTO協定違反というレベルの問題ではない。世 界 経 済 の 安 定 の 前 提 で あ る 自 由 貿 易 体 制 に 背 を 向 け る 行 為である。≫≪共産党一党独裁という特異な政治体制を続ける中国が孤立を避けられたのも、経済は他の民主主義の国々と共通する市場経済と自由貿易体制という枠組みを堅持してきたからであり、……(中略)……自 由 貿 易 体 制 の 恩 恵 を 最 大 に 享 受 し て き た 中 国 が、船長を逮捕した日本への対抗策として、これまでの四半世紀の努力を自ら否定しかねない禁輸を 簡 単 に 選んだ。どう考えても、禁 輸 の 代 償 は あ ま り に 重 く、船長の釈放や尖閣諸島の海洋権益の獲得への前進という求める成果とは釣り合わない。この中国政府の政策判断は、米国の識者やメディアにとっては驚きであり、中国政府の価値判断の基準がどこにあるのかが分からなくなって戸惑ったのである。≫■「領土問題」の有無 ■ ここで泉の解説を少々。 中国の書店にはかねてより、戦争というのは単にミサイルを撃ち合うことを言うのではなく、スパイ行為やサイバーテロにはじまり貿易制限や資産没収など多面的に展開するものだ、と大っぴらに述べた本が並んでいます。(わたしも読みましたが、けっこう気が滅入るものです。) 今回のレアアースの事実上の禁輸はその一環であり、中国政府としては将棋の歩でも動かすような気分だったでしょう。 ところが、政治をロジック (論理) の世界でとらえる米国の幻想好きなエリート層は、「中国がやったのは <自己否定> 行為じゃないかよ!」と、驚いちゃうわけですね。* さて、条件交渉もせずに暴力船長を釈放したのには、わたしもあきれました。 商社の仕事で言えば、支払い保証状(L/C)が届かないうちに、貨物を船積みするようなものじゃないか。 ところが米国政府や米系メディアは 「正しい決定」 「賢明な対応」 という見解で一致している、と丸紅の今村 卓さんは指摘します。 日米の見解がこれほど大きく乖離するのは、なぜか。 尖閣諸島に 「領土問題」 はないという日本の立場と、「領土問題」 になってしまっているという米国の認識とに、落差があるからではないか、というのが今村さんの分析で、これがまた示唆に富んでいるので、今度また取り上げます。
Oct 17, 2010
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自民党が、海上自衛隊によるインド洋での給油活動やソマリア沖での海賊行為の対処活動などに関する特別措置法の法案を、いまの国会に提出予定だという。たいへん良いことだ。雑音男の小沢一郎氏が雲隠れしたことでもあり、ここは民主党もひと芝居打てばよい。民主党推進の何か別の法案に自民党の賛成を得ることにしたからという整理で、民主党も自民党提出の特措法案に賛成して、社民・共産のみ反対というパターンでもって特措法を成立させるべきだ。いま日本が置かれている国際状況を直視すれば、当然の政治展開だ。ここで抵抗野党ならぬ抵抗与党を演じたら歴史の笑いものである。「歴史を直視する」 とは、中・韓のクセ球に屈することではなく、歴史展望のなかに自分の身を置くことを言う。日本経済新聞 平成22年10月13日夕刊2面ベタ記事≪インド洋給油法案を了承自民党は13日午前の内閣・外交・国防・国土交通合同部会で、海上自衛隊のインド洋での給油活動やソマリア沖での海賊行為の対処活動などに関する特措法案を了承した。活動の実施地域は 「いわゆる非戦闘地域であるインド洋の公海等」 と幅広く設定。法律の期限は当初2年、延長は2年以内と定めた。週内に党内手続きを終え、今国会に提出する。≫
Oct 13, 2010
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中国人のことを心の底でバカにしている日本人をテレビで探すのは、簡単だ。「中国人が…」 と言うところで 「中国の方々が」 という御仁(ごじん)がいたら、それです。「アメリカ人が…」 と言うところで 「アメリカの方々が」 とは言わない。アメリカ人のことをバカにせず、人間扱いしているから。 全共闘出身の変節“官”である (=だから信用できない) 仙谷由人官房長官が、中国政府に言及するとき「中国はお変わりになっていなかった」と、見せ掛けの敬語を使いましたな。 あれはじつは仙谷由人さんが、表面とはウラハラに心の底で中国をコケにしていることの表れです。 なんで中国政府は抗議しないんでしょうかね。 仙谷由人氏 (徳島県出身) のおかげで、四国人が 「四国の方々」 とバカにされる日が来ぬとも限らんな。* * * ノーベル平和賞受賞者に、政治活動家の劉暁波(りゅう・ぎょうは)さんが選ばれました。 劉さんが主導した 「08憲章」 は、一言でいえば中国共産党の独裁体制への反対を表明したもの。このブログでも 2年前に、わたしなりの日本語全訳を披露しました: 平成20年12月20日 「<08憲章> の和訳に手を入れたわけ」 「08憲章」 を一読すれば分かりますが、劉暁波さんは思想家ではありません。 だってね、「08憲章」 の内容は、日本の中学の 「公民」 科の教科書がホントに頭に入っていれば書けるものなんですね。 劉暁波さんのオリジナリティ (独創性) は、ゼロです。中国ウォッチャーの宮崎正弘さんが当時、「08憲章」 に対して意外に冷笑的だったのは、その辺りも理由でしょうかね。 それでも 「08憲章」 発表という 「行為」 をわたしは高く評価したわけです。「自由主義圏の基本常識を中国にあてはめるとどうなるか」 という命題を、中国人が中国語でインターネットに載せたことには、意味があったと思っています。 しかし結局、劉暁波さんの投じた一石を変革の 「波」 にしていこうという動きは乏しい。「08憲章」 を支持したほうが儲かりまっせ、という時代が来ない限り、中国人の間に支持は広がらないのかな。* * * 尖閣諸島の事件ビデオの公開が一向に進みません。日本政府+民主党は、中国政府に対しての「お慈悲」のつもりなのでしょう。 ここでもまた、日本政府+民主党が心の底で中国をバカにしていることが明確に分かります。隣国にお慈悲は、傲慢の表れです。 中国人の素直な感性からすれば、ビデオを公開しないのは日本側にやましいことがあるからだ、ということになりますな。 「公開しないほうがトクだから、日本はビデオ公開しないのだ」。 「トクか損か」 の二元論で割り切り、他人もきっとそうに違いないと想像をふくらませる中国人の国民性を、日本政府+民主党は理解できずにいるようです。◆ 読者メールから ◆ ノーベル賞に関連して、特許に詳しい読者の方からこんなメールをいただきました。≪ノーベル化学賞を受賞したおふたりが、「特許を取得しなければ、我々の成果を誰でも気軽に使えるからと考え、半ば意識的に特許は取得しなかった」という主旨の発言をしたために、「特許をとらなかったからノーベル賞を受賞できた」というような話が広がっています。 どうも、美談としてマスコミ受けするようで、困ったことです。 国の予算で研究しているわけですから、他国に勝手に使われないように新技術を特許で守ることも必要なことであるはずです。 中国などに盗用されて富を奪われてしまえば、次の研究をする資金も出ないということを冷静に考えて欲しいものです。 特許で収益を得てさらなる研究開発に投資することは、技術の進歩につながる重要なことです。 無償で発明を使ってもらいたいのならば、特許を取得した上で、適切な相手に無償で実施権を許諾 すればいいだけの話で、特許制度を誤解して出願しなかったことを美談に変えてしまうのは、スジ違いです。≫以上、配信コラムの平成22年10月12日分を転載
Oct 12, 2010
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世の中でいちばん腹の立つ悪は、本人としては 「良いこと」 をしているつもり、「善人」 のつもりでいて、それが 鈍感 → 怠慢 → 傲慢 → 傲悪 という具合に畸形化しているケースだ。泉用語では、悪辣ならぬ 「善辣なる人々」 である。日本で風力発電施設を経営している業者 (=東京電力のような電力会社に“クリーン”な電気を高く買ってもらっている中小業者) にも、「善辣」 の病が巣食っているようだ。環境省の実態調査によって、風力発電所の騒音・低周波音への苦情に対する対応がじつに杜撰(ずさん)であることが明らかになった。アンケート調査の回答があった389ヶ所のうち、苦情・改善要望書の提出をうけたところが64ヶ所。うち25ヶ所では苦情などが依然続いている。……アンケート調査でこれだから、実態はもっとひどいはずだ。日々の不快を我慢して言い出さない住民だっているし、環境省にウソを回答した業者、回答しなかった業者もいるだろうと考えるのが、人間の常識だからね。そもそも、風力発電の騒音や低周波音の実態を調べたことのない業者が、全体の62%にも達するというのだから、業界として失格だ。いや、「業界」 が組織されていないところに問題があるのかもしれない。そもそも、見渡した視野に民家があるところに風車を立ててはいけない。日本のように平地という平地に民家がある国は、風力発電を行うのに不向きなのである。地平線まで続く平原に恵まれた諸国のサル真似をしてはいけない。風力発電業者のモラルの向上を図るには、電気を買う側の電力会社がしっかりと指導をし、騒音・低周波音の問題のある業者からは電気を買わないといった強硬策をとるべきである。もっとも、電力会社自身が所有する風車の管理が杜撰な場合は、政府にお出ましねがうしかないが。大型の風力発電所の風車は、遊園地の観覧車よりもデカい。それがキュルンキュルンと回る。かりに観覧車があのスピードで回ったら、失神しないのは宇宙飛行士の訓練を受けた人くらいだろう。そのくらいのエネルギーで回るのだから、風切り音も低周波音も想像を超える。『日本経済新聞』 平成22年10月8日 夕刊14面≪風力発電所16%に苦情環境省調べ 騒音や低周波音環境省は8日までに、風力発電の騒音や低周波音に関する実態調査をまとめた。回答があった389ヵ所の施設のうち、住民からの苦情や要望書提出があったのは全体の16%にあたる64ヵ所。なかでも25ヵ所は苦情などが依然続いていることが分かった。風力発電の騒音や低周波音の実態を調べたことがある事業者は全体の38%と、意識の低さも明らかになった。風力発電施設は、低周波音などが体調不良を招くとの指摘も出ていた。調査では、施設から300メートル以上400メートル未満の範囲に暮らす住民の苦情が最も多かった。風力発電の施設が大きいと、それだけ苦情も増えた。環境省は今年度から千葉工大と東京大に委託し、風力発電から出る低周波音の人への影響に関する研究を始める。それに先立ち騒音や低周波音の苦情の実態を把握するため、全国調査を実施した。≫
Oct 11, 2010
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10月2日には、ぼくも31名の読者に浜松町駅ちかくの島嶼会館にお集まりいただき、講演+αのイベント を行いました。ミュージカル関連では、「モーツァルト!」 の 「星から降る金」 をぼく自身がドイツ語から訳した新訳を、ドイツ語版の上演CDに声を重ね歌ってご披露させていただきました。自分のイベント準備を進めていたころ、笹本玲奈さんの 「ディナーライブ」 が同じ10月2日の夜に開催と発表され、図らずもとても忙しい土曜日になりました。自分のイベントの参加者のうち有志10名との2次会に途中まで参加してから、ビジネス街ど真ん中にある 「大手町マンハッタンブルー」 に文字通り駆けつけたのでありました。笹本さんのディナーライブは、ファンクラブ・イベントそのままに気持ちを語ってくれるトークと、舞台で歌ってきた曲をはずして新鮮感たっぷりの歌の数々。たのしいコンサートでした。黒いドレス。お芝居のときとは違う、アイシャドーをきかせた化粧。長い髪をときどき右にかきあげる笹本さんは、大手町という場所柄もあってか、ふとした瞬間に 「エレガントなビジネスパースンのアフター・セヴン」 のよう見えました。今回は選曲に英語の歌が多かった。やや練習不足ではらはらした曲もあったけど、おおむねきれいな発音。チャレンジに好感です。そんななか、ミュージカル Hairspray の冒頭の曲 Good Morning, Baltimore は、笹本さん自身が大好きで聴きこんできた曲だから、もう、完璧の出来でした。ぼくも笹本さんにぜひ歌ってほしいとファンクラブ・イベントでリクエストしたこともあった曲なので、今回その夢がかないました。演目:1.Cinema Italiano (ミュージカル 「NINE」 より、英語で)2.早く王様になりたい (ミュージカル 「ライオンキング」 より)3.鉄道猫の歌 (ミュージカル 「CATS」 より)4.彼らの心は天国に (ミュージカル 「Jesus Christ Superstar」 より)5.Till I Hear You Sing (ミュージカル 「Love Never Dies」 より、英語で)<15分の休憩>6.もう一度 (竹内まりや さんの持ち歌)7.ただ泣きたくなるの (中山美穂さんの持ち歌)8.Tomorrow (ミュージカル 「アニー」 より、英語で)9.チャイナ・ドール (ミュージカル 「マルグリット」より)10.Good Morning, Baltimore (ミュージカル 「Hairspray」 より、英語で)11.ワイルドフラワー (スーパーフライの持ち歌)<アンコール曲>12.So Close (映画 「魔法にかけられて」 より、英語で)バランスのとれた、いい選曲でした。Tomorrow は、日本語で歌っていたかもしれません。チケットの裏に書いたメモをもとにご紹介しています。(演目表のコピー1枚、あとで配ってほしかったな…。演目 4. は英語だったかも。記憶があやふやです。)4人のバンドが演奏する Cinema Italiano とともに登場。この曲は華麗でいて、ひとを突き放すようなパワーがあって、ぼくも大好きですが、なにしろ歌詞が早口なのでむずかしい。笹本さんもところどころ苦戦していましたが、納得できるまで演じ込んでから上がる舞台とはちがう緊張があったことでしょう。トークが 「ピーターパン」 の話になりました。「子供のときに演じたピーターパンのほうがよかったと言われるのが不安だった」と笹本さん。(きっとそういう気持ちがあるにちがいないと思って、「ピーターパン」 初日にファンクラブが用意した横断幕には、大人になって演じるからこそ生まれるせつなさがお芝居ににじみ出ていたことを書いたぼくでした。)「よく、男の子みたいとか、男前! なんて言われること、ありますけど」。I’m Flying か Neverland を歌うかな……という展開で、彼女は「でも、ピーターパンの歌はもう歌いません。卒業しました。これが最後と言ってファンクラブ・イベントで歌ったし、高畑充希(たかはた・みつき)ちゃんやさらに若いひとたちがピーターパンを演じてゆくわけですから」。「男の子」 が歌う曲として歌ったのが、「ライオンキング」 から 「早く王様になりたい」。そして 「CATS」 「J. C. Ss.」 からと、劇団四季の演目からの曲が続いたところで笹本さんは、10年ほど購読している劇団四季会報 La Harpe で、「オペラ座の怪人」 の続篇ミュージカルのストーリー紹介を読んで複雑な思いになったことを話します。「え、ラウル、それでいいのかよ。クリスティーヌ、それでいいの? って」。その続篇ミュージカル Love Never Dies から Till I Hear You Sing を歌ってくれました。第1部は、この曲がいちばんよかったなぁ。*第2部のメインは、去年の1週間ウィーンひとり旅の話。笹本さんがヒロインのマリー・ヴェッツェラを演じた 「ルドルフ」 の、現場に行ったときの寒々とした思い。ルドルフ と マリー の愛の自死の場所、マイヤーリンクの別荘はいまでは修道院になり、ふたりが亡くなった場所には礼拝堂が建てられているのです。ウィーンに着いた初日にハンドバッグの引ったくりに遭って、大好きなお父さんに泣きながら電話した話とか、ザッハトルテが生まれたホテル・ザッハーでトルテをいただこうと思って行ったのに、係のひとにコートを渡してチップを払う習慣を知らなくて、ホテル・ザッハーのカフェの応対に戸惑って出てきてしまった話とか、それから…。と、落ち込んだ旅の間も笹本さんの心を明るくしてくれたのが、ニューヨークでお父さんと見た Hairspray の音楽。笹本さんは、とある対談で「ヒロインのトレイシー役をもらえるなら、役作りの肥満ダイエットをしてもいい」という発言をしていて、若いみそらで森公美子さんに変身するのだけは止めてほしいと ぼくは思っているわけですが、でもGood Morning, Baltimore の Oh, oh, oh, woke up today, feeling the way I always do… という明るくはずむ歌詞は、いちど笹本さんが歌うのを聴きたくて、これまでもリクエストしてきました。それが、今回のコンサートでかないました。うれしかった!次の笹本CDの演目には、Good Morning, Baltimore をぜひ加えてほしいな。あと、Marguerite の China Doll もぼくの心酔する曲で、ロンドン版を聴くと涙が出てくるんですが、今回のコンサートも前奏がかかったところでうるうるしてしまったのでした。いい選曲でした。しっとりとした歌声でした。この歌も、また聴かせてほしい。*これから、12月にはシアタークリエ 「プライド」 でオペラ歌手志望の音大生を演じ、来年3月にはシアターコクーン・こまつ座 「日本人のへそ」 で東北から集団就職で上京して踏み外してストリッパーになりかけて…という役を演じます。「4人劇のプライドでは、2曲歌って、オペラのシーンもあるんですが、自分がいまオペラを歌うと美輪明宏さんみたいになっちゃうので (笑)。でも、新妻聖子ちゃんとの初共演で、とっても楽しみです。聖子ちゃんは来年のレ・ミゼではファンティーヌ役ですから、エポニーヌ役のわたしとそこでも共演です」「東北辯(べん)はまったくできないし…。でも、最近は方言がしゃべれる人って、カッコいいじゃないですか。わたしは母が大阪出身なので大阪辯なんですけど、わたしがしゃべろうとすると、それは東京人の大阪辯だ、って言われちゃうんです。ストリッパーの役づくりもしなきゃいけないんですが、浅草のショーにも行ってみなきゃいけないかな、と (笑)。ミス・サイゴンでビキニ姿まではなったことがあるんですけど、演出の栗山民也先生はどう振り付けなさるのかしら」うん、ストリップの場面ではたぶん、体じゅうを肌色のストッキング地で包んで、一見ハダカだけど生身の肌は見えてない、そんな準備をしてから脱ぐことになると思います。ほんとのストリップではないわけだから、胸は肌色のパッドで隠して、パッドの上にウソの乳首を描くはずです。たしか、このあいだの 「キャンディード」 の来日公演で、そんな扮装があったような…。若くして、いただける演劇賞を次々に受賞してしまった笹本さんが、さらに深みのある女優として成長するよう、演技の小箱がいっぱい揃うよう、チャレンジの多い役どころを与える演劇界の人たちの温かいまなざしを感じます。これからも、いいお芝居を楽しみにしています。
Oct 5, 2010
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ブログ主宰・泉幸男の 講演+α イベント 「国際派時事コラム読者の会」 は、10月2日(土)に31名の皆さんの参加をいただき、とてもいい雰囲気に盛り上がりました。参加者の三村信二さんが写真を撮ってウェブ上に載せてくださったので、こちらをクリックしてイベントの雰囲気をご覧ください:「2010_10_02 泉幸男 読者の会」(画面左側の大き目の写真をクリックすると、拡大できます。)2次会にも10名の皆さんに参加いただき、ひとりひとりのかたとお話しできました。自分が 「これは面白い!」 と思う気持ちを素直にこめながらお話ししたのが、参加の皆さんにも伝わったようです。アンケートを拝見すると、 「皇室と藤原家」 や 「画廊めぐり」 の話が好評でした。読者の関心のストライクゾーンに球を投げ込めたようです。逆に、朝鮮総督府発行の教科書の話などは、掘り下げ不足におわりました。テーマを欲張りすぎたのが反省点ですが、来年のイベントに向けて改善点も見えてきました。今回、ミュージカル 「モーツァルト!」 の名曲 「星から降る金」 のわたしの新訳をみずから歌って披露させていただき、気が晴れた思いです。来年はドラマ性を磨いた朗読をやってみたいです。ご参加ありがとうございました。またお会いしましょう。
Oct 3, 2010
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