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● 1年に100ミリまで安全ならば、原発は安全な発電方法、
だからだ。
私が2006年の地震指針決定から「安全な原発推進」から「原発が不安全だから批判」に代わり、さらに2011年の事故で「原発反対」になったのは、1年1ミリが前提である。
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今回のことで、原発が安全な発電方法か危険なものかは思想問題ではなく、また技術問題でもなく、放射線医学の問題に還元した。
今まで、国際放射線防護委員会や国内の放射線に関する委員会で常に言われてきたことは、「1年に1ミリ以下」ということだった。
それを受けて、私のような原子力の方は安全性を強く意識したのである.
でも、放射線医学の先生が、「1年に100ミリまで安全だ」と言われるならば、今までの安全議論はバカらしいもので、私も何を悩んできたのか判らない。
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意地悪でも意図的でもないが、今回の福島原発の後に「1年に100ミリシーベルトまで大丈夫だ」と言った専門家の先生を集めて国の委員会を開き、それを公的に確定する.
国内法(文科省、厚生労働省所管の法律など多数)を改正し、大幅に「汚染物質」も減り、「管理区域」もなくなる。
これまでの放射線による障害の労災認定も取り消されることになるし、原子力施設は「安全な施設」に代わる.
でも、放射線の人体に対する影響は世界的なコンセンサスが必要である。
外国旅行をするとか、外国で食事をする、もしくは外国で水を飲むというときには、世界の人が放射線の安全性についてのコンセンサスが必要とされる。
従って、国内で1年に100ミリまで大丈夫であるというコンセンサスが得られたら、国内法の改定と並行して、国際的な活動をして世界を説得し、世界的に1年に100ミリの基準を確定しなければならない。
それができたら、日本の原子力発電所の安全基準を変更し、付近住民が100ミリまで被爆しても良いという基準に直す必要がある。
わたくしの考えでは、付近住民が100ミリまで被爆してもいいということになると、現在の地震指針にわずかな改正(事故時の対応)だけを加えることで原子力発電所は極めて「安全」に日本国内で運転することができるであろう。
エネルギー問題も考え直さなければならない。
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時に「武田は放射線医学の専門家でもないのに、1年1ミリなどと言うな!」と罵倒されるが、私は今まで放射線医学の専門家が「放射線はあびない方が良い。1年1ミリが限度だ」と言われるので、それを理解してきた。
もちろん、責任ある立場で仕事をしてきたのだから、私は「個別の因果関係では1年100ミリから障害がでること、それ以下では確率的にガンなどの発生が見られること」をデータなどで確認して納得してきた。
それが間違いなら、もう一度、原発の安全性もエネルギー問題もやり変えなければならない。
「1年100ミリ」と言っているNHK、朝日新聞、そして学者(主に放射線医学)の方は、
•1) なぜ、これまでと180度違うことを言い出したのか?
•2) 本当にこれから1年100ミリで良いのか?
について、早急に声明を出して欲しい.そうしないと私たちのこれからの多くの努力も無に帰する.
(平成23年5月5日 午前11時 執筆)武田邦彦
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