ある日、私は、親に連れられて、近所の雑貨屋へ買い物に来ていました。
すると、その雑貨屋の店先に、 前の方のページがだいぶ破られたマンガ雑誌 が置かれていたのです。もしかすると、その雑貨屋では、その雑誌を新聞紙がわりに使っていたのかもしれません。
でも、私は、 そのマンガ雑誌に目を奪われました。と言いますのも、その雑誌には、 私が大好きだった手塚治虫先生の特集が載っていた からです。
と言っても、 前の方のページがすでに破かれていて、無かったので、全部を読めた訳ではありません。しかし、残っていたページでは、 手塚先生が過去に描いたマンガの一覧表 が、10ページぐらいに渡って、ずらっと並んで、載っていたのです。
私が、 この雑誌を勝手に手に取って、食い入るように読んでますと、この雑貨屋の主人も良い人で、私に、 このマンガ雑誌をタダで譲ってくれました。 で、私も、喜んで、この雑誌を自宅へと持ち帰り、 貴重な手塚先生の特集本 として、繰り返し読みまくったのでした。
今でこそ、手塚治虫氏の研究本は溢れるほど出回っていますが、 40年以上前の昭和の時代では、手塚先生も、そこまで 「マンガの神様」 として神格化はされておらず、 氏の特集本と言うのも僅かでした。何よりも、 この雑誌の作品リストの部分 が参考になって、私には、とてもタメになったのです。
さて、このブログで昔の思い出話を書いておりますと、急に、そんな事も思い出しまして、あらためて、 この手塚先生の特集が載っていた雑誌の正体を探ってみる気 になりました。
ところが、私は、 この本の表紙ページを知らないのであります。破かれてて、すでに無かった訳ですから。てな事で、 ネットで、雑誌の表紙ページを見ただけでは、十分な照合ができない のでした。
それでも、 どうやら、この本じゃなかろうかと、怪しく思われた本が、 「週刊少年マガジン」の昭和49年17号 (講談社)です。この本には、確かに、 「手塚治虫30年史」 と言う巻頭大特集が組まれていたようなのであります。しかし、過去の私は、この表紙ページを見てませんので、 何とも、断定できないのでした。ネットで、さらに、この昭和49年17号のことを調べてみたのですが、 私が見た事のある手塚作品一覧表も掲載されていたのかどうか は、ついに分かりませんでした。
しかし、私には、 別の手がかりが、もう一つ、ありました。この手塚治虫特集の雑誌には、 永井豪 氏の 「バイオレンスジャック」 が載っていたと記憶しているのです。それも、当時の私をドキドキした気持ちにさせてくれた、 恵子先生が木に縛られて、服を脱がされてしまう回 です。
「少年マガジン」の昭和49年17号を調べてますと、確かに 「バイオレンスジャック」は載っています。それも、 連載時期を照らし合わせます と、昭和49年17号の頃は、かの 恵子先生が服を脱がされちゃうエピソード の時期と、 ちょうど一致しているようなのです。
よって、 私が読んだ手塚治虫特集のマンガ雑誌 は、 まず「少年マガジン」の昭和49年17号で、間違いなかったらしいのでした。
この雑誌のあとは、私は、コロタン文庫の 「手塚治虫全百科」 (小学館・1981年)を入手しまして、 手塚マンガの大事な作品目録 として、しばらく愛用する事になります。こちらの本の中身は、 手塚先生の少年マンガだけに限定されていた のですが、 氏の作品の過半数は少年マンガなので、ほとんど問題はなかったのです。
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