四次元に興味を持つようになった、きっかけの本 が、このナンバーワン・ブックスの 「驚異!なぞだらけの四次元」 (フレーベル館・1974年)です。
多分、私が 小学生中学年ぐらいの時に読んだような気がします。でも、その頃の私って、 「マグマ大使」のテーマ曲 とか、 四次元怪獣 とかで、すでに 「四次元」って言葉は知ってた ような気もするのですが。
にも関わらず、この 「なぞだらけの四次元」 は、 石原豪人氏らの描いた リアルなイラスト が、 なんとも言えない不気味さ を醸し出していて、当時の私に強い印象を与えたのでした。
まず、 四次元の話題だけで、一冊の本を書き上げちゃっているところが凄いです。
次元を説明するにあたり、 蟻を例えに使っている あたりから、なんか 別世界の話をしているみたいで、子供心をグイッと掴まれてしまいました。そのあと、 バミューダ海域 や メビウスの輪 などが紹介されており、さらには、 「アキレスはカメに追いつけない!?」 とか 「消えてしまうふしぎな正方形」 と言った、四次元とは関係ない、 数学の奇妙なロジックの話まで掲載されています。
また、この ナンバーワン・ブックス と言う児童書のシリーズは、 ライセンス博士 というオリジナルキャラをマスコットに使用しており、加えて、 各章ごとのクイズ や、長め(1話10ページほど)の 読み切りマンガ も何話か収録されていて、他の同傾向の児童書と比べてみても、 内容がとても豊富です。
ちなみに、この 「なぞだらけの四次元」 には、 ウェルズ の 「タイム・マシン」 と ハインライン の 「歪んだ家」 がマンガ化されて、収納されていました。「タイム・マシン」の モーロック人 が、原作小説や映画版以上に、 凶悪な姿に描かれていて、インパクト大なのです。
こうして、この本を読んで以来、私は 「四次元」 にとハマり、その後も、少年少女講談社文庫の 「四次元の世界をさぐる」 (1973年)とか、ユアコースシリーズの 「SF入門 なぞの四次元」 (学習研究社・1975年)を買ったり、それどころか、 ブルーバックス (講談社)や 物理学の入門書 、ついには、学校の図書館から 幾何学の本 まで借りてきて、読んでみたのでした。
でも、若かった私には、 レベルが高い本ほど、内容が難しくて、訳が分からないのであります。そのうち、 私の四次元への熱も、普通のレベルにまで冷めてしまった のでした。
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