サイクロプスと言うのは、私のエロ小説オムニバス 「ハイスクール全裸」
の方で、何度も登場させてきたキャラクターです。基本設定は 「人喰い種族」
なのですが、具体的なディテールには一貫性がなく、登場するたびに、そのキャラクターは変わっていました。繰り返し使っているうちに、作者の私自身が愛着を持ち始め、もっと掘り下げたくなりましたので、 普通の小説であるトライアングル・シリーズの方にも出演させる事にしました。こうして、執筆したのが 「サイクロプス大作戦」
です。
もっとも、 かなりの難産でした。トライアングル・シリーズでは、すでに 「人喰い料理大作戦」
という話も書いていましたので、食人ネタとして、色々と差異をつける必要もありました。オチや全体の構造は、早い段階でまとまっていたのですが、うまい構成ができなくて、かなり長い期間、構想のままで眠らせておりました。何とか書き上げた完成品では、当初、書き込もうとしていた 「人喰い生物ネタのフィクションについての考察」
や 「トライアングル版サイクロクプスの詳しい設定」
などを、結局、ほとんど、はしょっています。
なお、序盤で、 トライアングルの面々が、サイクロプスの都市伝説を披露しあう場面がありますが、これらの内容が、 「ハイスクール全裸」に出てきたサイクロプス
となります。
「最後のお化け坂」
は、ついでに書かせていただいた <お化け坂>シリーズの最終回
です。タイトルは「最後」なのに、実は、 全ての始まりの物語である点がミソです。この題名は、 「お化け坂を訪ねて」
を書いた際も、候補にしていたタイトルの一つでした。今回の作品も、 総集編の形式をとっています。
なお、作中で 予知能力者・御船が最初に視る原爆被害の光景
は、「坂道の多い場所」と言う事で、広島ではなく、 長崎の方なのでありました。
(注・この二作品は、 「ルシーの明日とその他の物語(改装版)」
の方に、書き下ろし新作として掲載させていただきました。)
2023年04月05日
「蝶の揺らぐ未来」解説
この作品は、 読者巻き込み型のオチ
を書きたくて、とーとつに閃きました。で、 どうせ読者を巻き込むなら、コンテスト参加作にした方が、巻き込まれる読者も増えて、執筆意図にも沿うだろうと判断して、そのような発表の仕方に変更した訳です。
もともとは、 「ハイスクール全裸」 の一編にするつもりで、ネタを練っていました。 「語り手の主人公が、モテる為の呪文を読者にも教えてあげる」 みたいな筋書きでした。それが紆余曲折して、今の形にまとまったのです。だから、タイトルの方も 「愛の呪文」「ルシーの贈りもの」「蝶と揺らぐ少女」「未来に揺らぐ蝶」 など、色々と候補が上がっては消えていきました。
なんだかんだで、結局、ルシーものの新作にしたのは、 過去確率 のことを、あらためて説明したかったからでもあります。前に過去確率を紹介した短編の 「過去確率」 は、奥に引っ込めちゃったので。(ちなみに、「過去確率」も読者巻き込み型の小説でした)
当初、ヒロインを 蛙里いずみにしようかとも思ったのですが、これも採用はしませんでした。また、重要キャラのお婆さんは、作者としては、 「おばあちゃん」 に出てきた キボ をイメージしておりました。
完成品はざっと短くまとめてしまいましたが、 「ツキをあやつる少女」 の章に書き並べたエピソードの数々を、最初期の構想では、丁寧に各所に盛り込むつもりでもいました。主人公の女生徒が、わざわざ、遠い塾に通っていたのも、実は、 その帰り道で、帰宅途中のアリタ先輩と遠目に出会えた、と言う設定だったからなのであります。
なぜ、あえて、各エピソードを詳しく書き込まなかったのかと言いますと、自分で執筆しておいて何ですが、 内容やアイディアに、そこまで斬新さが感じられなかった からです。それじゃ、正攻法の書き方をしても、普通の作品にしかなりませんので、そこで、 わざとメインエピソードの部分を「ツキをあやつる少女」の中だけに凝縮してしまうと言う荒技を使って、代わりに、もともと、一番書きたかった 冒頭の呪文 の印象が強まるような構成にした次第です。
この冒頭の呪文は、すぐ気付いた方も多かったでしょうが、 バタフライエフェクト(効果) を、逆さに読んだだけのものです。もっと難しいアナグラムにしても良かったのですが、そこまで凝る必要もないかと考えて、逆に思いっきり分かりやすくしてしまいました。 バタフライ効果という理論を知っている人でしたら、これだけで、本編のテーマの方もおよそ見当がついてしまったのではないのでしょうか。
「蝶の揺らぐ未来」
もともとは、 「ハイスクール全裸」 の一編にするつもりで、ネタを練っていました。 「語り手の主人公が、モテる為の呪文を読者にも教えてあげる」 みたいな筋書きでした。それが紆余曲折して、今の形にまとまったのです。だから、タイトルの方も 「愛の呪文」「ルシーの贈りもの」「蝶と揺らぐ少女」「未来に揺らぐ蝶」 など、色々と候補が上がっては消えていきました。
なんだかんだで、結局、ルシーものの新作にしたのは、 過去確率 のことを、あらためて説明したかったからでもあります。前に過去確率を紹介した短編の 「過去確率」 は、奥に引っ込めちゃったので。(ちなみに、「過去確率」も読者巻き込み型の小説でした)
当初、ヒロインを 蛙里いずみにしようかとも思ったのですが、これも採用はしませんでした。また、重要キャラのお婆さんは、作者としては、 「おばあちゃん」 に出てきた キボ をイメージしておりました。
完成品はざっと短くまとめてしまいましたが、 「ツキをあやつる少女」 の章に書き並べたエピソードの数々を、最初期の構想では、丁寧に各所に盛り込むつもりでもいました。主人公の女生徒が、わざわざ、遠い塾に通っていたのも、実は、 その帰り道で、帰宅途中のアリタ先輩と遠目に出会えた、と言う設定だったからなのであります。
なぜ、あえて、各エピソードを詳しく書き込まなかったのかと言いますと、自分で執筆しておいて何ですが、 内容やアイディアに、そこまで斬新さが感じられなかった からです。それじゃ、正攻法の書き方をしても、普通の作品にしかなりませんので、そこで、 わざとメインエピソードの部分を「ツキをあやつる少女」の中だけに凝縮してしまうと言う荒技を使って、代わりに、もともと、一番書きたかった 冒頭の呪文 の印象が強まるような構成にした次第です。
この冒頭の呪文は、すぐ気付いた方も多かったでしょうが、 バタフライエフェクト(効果) を、逆さに読んだだけのものです。もっと難しいアナグラムにしても良かったのですが、そこまで凝る必要もないかと考えて、逆に思いっきり分かりやすくしてしまいました。 バタフライ効果という理論を知っている人でしたら、これだけで、本編のテーマの方もおよそ見当がついてしまったのではないのでしょうか。
「蝶の揺らぐ未来」