127.X-Blades

Xブレード




 本日はこちら「エックスブレード」のレビューです。語感が悪いので私はエクスブレードと呼んでますが、激しくどうでもいいですね。

公式サイト

 さて、本作の何よりの特徴といえば、このゲームは日本のアニメーションに感銘を受けた外国人たちが、日本のアニメの特徴などをリスペクトして作り上げたという、海外製しかもロシアから届けられたジャパニメーション風アクションゲーム、という点です。
 ぶっちゃけこのことを知っているかどうかで作品に対する評価も大きく変わってくるでしょう。
 というか、はっきり言いますと、その挑戦的なスタイルは大いに評価できるのですがいまいち理解できていない部分が多く、またゲームとしても非常に大味で印象の薄い作品です。
 彼らの頑張りに対して人情が働くかどうかで、ばっさりクソゲーと評されても仕方がないかな、と言えてしまうと感じました。

 まずゲームプレイについてですが、「印象に残らない」という反面進行や操作、アクションの幅などは可もなく不可もなく無難な出来だと思います。よくある剣を振り回して銃をぶっ放す3Dアクションで敵を殲滅しながら先に進んでいく、DMCに比べれば非常に見劣りしますが根幹部分はよく似ています。
 敵を倒して通貨のソウルを集め、メニューでアイテムを買ったりアップグレードを買ったりして強化し、クリアを目指します。
 アクションをアップグレードすればスタイリッシュなコンボで舞ったり、派手な魔法を結構気軽にぶちかませたり、銃の撃ち方にも特徴があってなかなか爽快です。

 本作で少し面白いのは属性の概念が割と強く設定されていることでしょうか。特定の敵は特定の属性(火、氷、雷、光または闇)に弱く、それ以外は無効化してしまうといった具合です。
 一見するとパズル要素が加わって面白いアイデアなのですが、実際にプレイしてみると結構極端で、出現する敵の種類の少なさや、ボスには基本打撃が効かないなど、ストレスに化けてしまう部分もありました。

 次に世界観やストーリー、キャラクターの魅力についてですが、これも大分目を瞑らなければなりません。
 あまり複雑ではなくシンプルな設定を置き、キャラの魅力で曳いていこうという意図を感じたのですが、ちょっとシンプルすぎます。
 世界観そのものや画面から目に飛び込んでくる風景などはなかなか日本人好みの、どことも知れないファンタジーな遺跡で好感が持てるのですが、「光」だとか「闇」だとか抽象的すぎる概念に単純に善悪をくっつける構成はちょっと残念です。
 ストーリーについてもきちんと「起承転結」が用意されており、物語の体を成してはいるのですが、やっぱりシンプルすぎますね。

 さて、そこまでしてキャラクター造詣に力を入れた本作ですが、一応それは成功していると思えます。主人公アユミは普通に美少女であり、多くの方がすんなりと受け入れられるでしょう。まぁ、見た目だけですが。
 本当に力を入れたのは「アユミ」の3Dモデルだけであり、性格やその他脇役との関係性からキャラの持つ内側の魅力を引き出すことには注力していないのかな、と感じました。
 特に、中盤から出現する「ジェイ」というキャラにもう少し力を割いてほしかったです。

 最後に演出についてどうしても言いたいことがあります。
 本作はトゥーンレンダリング? というのでしょうか? 似ているもので言えばボーダーランスやプリンスオブペルシャ、ダークネス2のような、色の濃淡を濃い目に、アニメに近い感じの見せ方をしています。それに関してはまったく問題ないのですが……。
 問題はムービー中のカメラワークとキャラの動きです。さすがにこれはないわ、と感じ、同時に「ああ、やっぱり日本のアニメの何が良いのか、本当のところはわかってないんだなぁ」と感じてしまいました。

 ムービー中、動きを表現しようとするのはいいのですが、その方法が、ただカメラを360度ぐるぐる回すと……たったそれだけなんですよ。
 たとえば、広い円形のマップの中央にアユミとボスが構えて対峙しているとします。二人はその場で構えたまま微動だにせず世界がどうのこうのと言い合っています。
 非常に海外アニメらしい、口だけ達者に動いて体は棒立ちというシュールな構図です。そこにカメラが上から下から、「パン」したり、拡大縮小を織り交ぜ、あとはあたかもカメラマンが二人の周囲を走り回るようにぐるぐる回っているのです。
 これはないわぁ、と思うと同時に若干気分が悪くなりました(笑)。

 本当のところ、つまんなかったです(爆)。
 いえ、でも、決して悪くはない出来です。操作が思い通りにいかなかったり、酷い処理落ちがあったり、壊滅的な落とし穴があったりするわけでもないので、ゲームとして遊べるものではあるのですが。
 むしろ褒めてあげたい。どこか良いところを探してあげたい。
 そう思える愛すべきクソゲーです。

 あ、VCはくぎゅですよ。

 ではでは。

P.S.
 公式ホームページにスペシャルコミックが掲載されています。
 画風は作者さん本来の持ち味ですが、ストーリー展開や雰囲気についてはなかなか本編を踏襲されています。
 ゲームの「ノリ」を知りたい方はご一読を。ゲームもだいたいこんな感じです。

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2015年08月28日

この記事へのコメント
↓ 濁点を探してコピペしたら思いっきり化けたでござる……
Posted by あるへ at 2015年09月16日 12:46
ききょーさんお久ですー!
PC、調子が悪いみたいですね。実際のお店を覗いていないので何とも言えませんが、最近PCのOSに新しいwindows10というものが出現しました。
ということは、win7やwin8.1などの型落ち品が安く手に入るかもしれません。
とはいえこのwin10、実は無料なんですよね。7or8.1→10アップデートも簡単ですし、もしかしたら量販店のセールにはなっていないかも……。
曖昧でごめんなさい。

あ˝い˝ですよ、あ˝い˝。
ゲームを、あ˝い˝する、心が、あれば
……
……
……できます

某戦場カメラマン風その2
Posted by あるへ at 2015年09月16日 12:45
お久しゅうございます、ききょーです。
本当に久しぶりにPCが動いたのでご挨拶を〜。

この作品、わたしにも合いませんでした(泣き笑い)。
ただ・・・。
北米版も、持っては、いるのですが、
やる気が、起きないので、積んでいます(泣)。
*戦場カメラマン風 ゆっくりな話し方
Posted by ききょー at 2015年09月15日 11:09
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