本日はこちら「FRACTURE」のレビューです。
値段、パッケイラスト、知名度、どれを取ってもクソゲー扱いな雰囲気が半端ないですが、
……え、いやこれ、面白いんですけど(笑)!
結構、ゲームとして面白いアイデアゲーだと思うので、細かいところは練り切れていない部分は確かにあります。
たとえば本作はTPSですが、跳んだり跳ねたりのアクションが多め(戦術としてのアクションであって、ジャンプアクションではありません)なのでカメラがキャラから若干遠いんですね。
そのお陰で視野は広く取れますが、敵認識がし辛く(更に敵のアーマーの色が保護色気味)、レティクルもよく滑ります。代わりにスティック感度が最大でもあまり良くないので、この仕様とのバランスを取ったのかもしれないですね。視野が広いのに高速でぐるぐる回せちゃうと酔いますから。
ストーリーはお粗末なB級アクション。どう見ても日本人の血を引いているとは思えない日本人っぽい名前のキャラとか出てきます。
そんなことより許せないのは字幕のやる気の無さ(笑)。
たとえばこんな一文があったとします。フラクチャーの世界観っぽく即興で作りました。
「未曽有の天変地異に襲われたアメリカ大陸は、地殻変動を可能にするエントレンチャー技術によって難を逃れたが、大陸は分断され東と西で対立することになってしまった」
この長めの一文を字幕用に分割するとすると、
「未曽有の天変地異に襲われたアメリカ大陸は、地殻変動を可能にするエントレンチャー技術によって難を逃れたが、」
「大陸は分断され東と西で対立することになってしまった」
こんな感じでしょうか。
しかし本作は違います。
「未曽有の天変地異に襲われたアメリカ大」
「陸は、地殻変動を可能にするエントレン」
「チャー技術によって難を逃れたが、大陸」
「は分断され東と西で対立することになっ」
→カット「てしまった」
終始こんな感じで、わざとか? と思えるくらい一番読みにくいところで切ってくるんですよね。おかげでストーリーが全然頭に入ってこないです。
挙句の果てには、初めは普通の子だったちょっと男勝りな輸送機パイロット(女)が、次の登場シーンでは(字幕の中で)性転換してたり、主人公の応答「Copy that(了解)」が、「ありがとうございます」になったり……。
まぁ、この辺はゲームというよりローカライズの問題なので、本作の評価とは少し関わりが薄いですね。
さて、本作一番の魅力というか面白さは主人公の持つ特殊な装置「エントレンチャー」にあります。
これは小規模な地殻変動装置で、むき出しの地面に向かって撃つと、その地面を自由に上げ下げできるというものです。
この地面もりもりさげさげを使って、ある時は遮蔽物を作り出したり、あるいは足場にしたり、逆にクレーターを作ってその中に敵をまとめてグレネードを投げたり、周囲のオブジェクトも巻き込んで押しつぶしたり。
さらに面白いと思ったのは、むき出しの地面に埋まってるものは大抵これで上下できるので、結構大きな重そうなものでも動かせるんですよね。
これでちょっと大型の装置を故障させたり、あ、そうそう、天井が低ければ敵をぺしゃんこにも出来ますよ。……自分もぺしゃんこになる危険もありますが。
そんな感じで、本作はこのエントレンチャーを最大限生かせるようにデザインされていて、とても楽しいです。
少し進めて二段ジャンプを覚えれば、戦術性と爽快感もぐっとアップします。
また、エントレンチャーだけでなく、序盤から様々なクセのあるガジェット武器が登場するので(砂潜り魚雷ランチャーとか小規模ブラックホール銃とか)、地面の上げ下げだけでなく武器をも使って敵をもみくちゃにするのがかなり快感でした。
本作のグレネードにはただのグレネード効果だけでなく地形変化効果ももれなくついてくるので、だいたい戦闘が終わるとエリアがカオス状態なんですよね。
カメラが遠い分、グラの粗さも目立ちませんし、普通に綺麗で今でも十分に遊べると思います。
コレクタブルであるデータパッドですが、これは好感が持てました。
大きな紫色をしているので目立ちますし、変なところには隠してありません。しかし、見えてはいてもすんなり取れないところにあったりして、周囲を見回して入り口はないか、とか、手持ちのガジェットやエントレンチャーを使って道を作れないかとか、そういった謎解き要素があって楽しかったです。
本作は通しプレイではミッションの繋ぎ目がわかりにくく、今何章の何ステージ目なのか、データパッドはそのステージで取り切ったのかどうかわからないのですが、メインメニューのエピソード選択で問題は解決できます。
ただクリアフラグの懸念(実績)があるので初周は気にせず回っちゃった方がいいですね。
ここまでが難易度カジュアルでの話。
ハードコアとなると話は違ってきます。楽しいことは楽しかったです。
本作のハードコア攻略は、表示に偽りなくかなりハードでした。
といっても鬼畜レベルではないので根気とやる気次第でどうにかなります。
一番嫌らしいのは、敵の硬さですね。
他作品でロケランにあたる「バンガロール」一発でも雑魚が死なない!
これが一番厄介です。とにかく硬いんです。
だから地道に削るしかないんですが、そうなるとカジュアルの時のように気軽に出ていけなくなるので遮蔽物をうまく利用する必要が出てくるんですね。
カジュアルではエントレンチャーによる遮蔽物建築は若干空気だったんですが、ここに来て非常に重要になります。
とくにドラゴンブレス(設置型ミニガン)やシャーマン(重装甲グレネード兵)に狙われたらひとたまりもありません。
そのうえ強力な火器や敵が気軽(まるで足元の小石でも投げるかのように)にぽいぽい放ってくるグレネードには掘削効果があるので、一度小山を作ったからと言って安心できないんですよね。
さらに酷いことに、敵が硬くなったことによって慢性的な弾切れに悩まされます。
汎用武器である連射武器(自軍ブルドックマシンガンと敵軍マシンガン)と、敵軍ラプターライフルは長短がはっきりしていて、どちらを持っていくのか悩ましいのも面白いです。手持ちは二つまで、バンガロールなどの強武器を拾えば残りは二択なんです。
最初に強武器で一掃して敵の数を減らすか、強敵に使うか。それが済んだら遮蔽物を作って立てこもり散らばった敵武器を集めながら地道に殲滅。
一掃したエリアで戦場の荒廃ぶりを眺めて一息つきつつ次のエリアへ。
戦場のほとんどはこのように一戦ごとに一息つける間があるのも非常にありがたかったです。
敵も特徴豊かですし、大地を操作するということでゲームは結構派手な展開になりやすいです。
一本道のステージを順にクリアしていくオーソドックスなTPSで、エントレンチャーがあるからといって自由度があるわけではないのですが、このエントレンチャーを始め各ユニークな武器を使って攻略に繋げていけるゲームデザインは優秀で、いやほんと、掘り出し物を見つけた気分です。
ごくごくごく一部で有効なTIPS
・(インベーダー)ショットガンは発射間隔が若干長い。しかし間に近接攻撃を振ることで即座に次弾を撃てる。RT→B→RT→B……。ドレッドノート内での戦闘でちょっと役に立つ……かも?
試したことないけどバンガロールとかにも応用できるかな?
・クリーパー(地中を這う虫のような敵)は基本無限湧き。まともに相手はしないこと。レーダーを見て近づいて来たら二段ジャンプの地形隆起で足止めするか、ジャンプ中Bのストンプで大ダメージを与えられる。
うまくいかないことも多いので、ハードコアでは、特にラスボス戦では地道に撃って倒した方が安定する。攻撃を食らうとものすごく痛い。
・ウェポンテスト場奥のバリアの張られた出入り口。その両側にある巨大なエネルギー装置。これはたぶん、武器では壊れないので、ロードストーンやブラックホールグレネードなどを使って周囲のオブジェクトを当てて壊す。結構難しい。
それか、中ほどにあるバリアキラーボール(勝手に命名w)をバリアに当てる? よくわからなかったが、派手な爆発をして壊れて、バリアが消えました。
→追記・攻略サイトによると、中央の大砲を利用してオブジェクトを当てるのが簡単そう。
・ACT3・シールド復旧作業の中盤、装置を壊してバリアを消すところは装置の頭の上にブラックウィドウをくっつけて爆破したら壊れた。でも実際それでいいのかわかりません。ここだけは何が正解なのかよくわからない……。
ちなみにここでは一つ前の戦闘エリアに落ちてるロードストーンをバリアに向かって撃ち込めば、みんなバリアに吸い寄せられて焼き殺せるのでとても簡単。
→追記・攻略サイトによると、ビームを屈折させて破壊するらしい!?
攻略サイト
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