205.L.A.Noire

L.A.ノワール 【CEROレーティング「Z」】




 本日はこちら「エルエー・ノワール」のレビューです。
 言うまでもありませんが、L.Aはロサンゼルスに掛けた洒落っ気ムンムンなタイトルです。

 本作はGTAを手掛けるロックスターの作品で、本作にも彼らお得意の「作り込まれたオープンワールド」と「ハートを鷲掴みするストーリー」がぎっしり詰まっています。

 本家GTAに比べると、期待されるも振るわなかったという話がありますが、私から見れば十分すぎるほどの傑作で、非常に面白かったです。
 ただ、ジャンルとしてはサスペンスアドベンチャーとしての面が強いですので、銃撃戦などのアクション要素はありますが、それにフォーカスした出来ではないです。

 本作は1940年代のロサンゼルスが舞台で、その時の様子が克明に作り込まれています。この空気感がまずたまりませんね!
 バイオショック、フォールアウトなど、あの頃のアメリカ文化に興味のある人ならきっと気に入ることでしょう。
 そんな世界観の中で描かれる濃密なストーリーが、ほんと面白いです。

 本作は主人公の警官に扮して、起きた事件を追い、犯人を突き止めるアドベンチャーもので、気だるい朝の陽気に、やる気のない上司の小言を聞きながら車を走らせ、現場に行き、聞き込みや張り込み等、捜査の一通りを体験して犯人を突き止め、尋問する、この流れが何とも言えない空気+洒落やジョークの利いたセリフ等々、何度も言いますが世界に浸らせてくれるんですよね。
 これはもう、ある種の雰囲気ゲーです。

 ただし、気を付けなければならないのがこのアドベンチャー要素です。
 本作は力の入ったリアルなエンジンを使用し、人の表情を作り出すことに注力しています。よって、捜査および攻略のヒントは文字としての情報ではなく話を聞くNPC達の表情から「嘘」か「真実」かを見極めなければなりません。
 これが英語を聞き取れる人ならまだなんとかなる、かもしれませんが、当然英語がわからないと、字幕を目で追いつつ、刻々と変化する相手の表情を読まなければならないので非常に辛いです。その嘘の吐き方もウィットに富んでいて、読む分には非常に面白いのですが、捜査する身になると途端に無理ゲーと化します。

 実績には全ての事件をパーフェクトで解決に導かなければならないため、そういった事情もあって早々にガチ攻略は諦めました。ネットなどを漁り、攻略チャートを入手して正解の選択肢を選んでいったわけです。
 だからこそ、余計な攻略部分に神経を尖らせる必要もなく、世界観と海外ドラマ仕立てのストーリーに没頭することが出来たんですね。
 ある意味、これが正解の遊び方かと(笑)

 これでも十分に満足していますが、そんな中でも些細な不満を言うとすれば、それはあまりに意識され過ぎたリアリティではないでしょうか。
 表情を読み取って嘘を見抜くという斬新なシステムもリアリティゆえ、プレイヤーの置き去り感を誘発すると思いますし、メインストーリーに至ってもリアリティが非常に強く、まるで現実の事件かのように、最後まで関わらせてくれません。
 特に汚職や惰性といった負の世界観まできちんと作り込まれているので、犯人は逮捕したものの「あとはこっちで処理するから」と別の部署に飛ばされたり、犯人が突然逃げ出したので射殺、事件の真相は永遠に闇の中とか、スッキリしない終わり方ばっかりなんですよ。

 サブクエストに当たる路上犯罪では、前後の流れは無視して、緊急無線が入る→現場に急行→逃げる犯人を追いかける→手錠をかけてパトカーに押し込む

 の流れが全てで、どうして犯行に至ったのか等詳しいことは一切闇の中です。

 これらも濃密でリアルな世界観造りに一役買っていることは確かですが、欲を言えば普通のドラマのように、事件と人間関係の一部始終を知り、「一つの事件」としてスッキリ終わりたかったですね。

 こういうスッキリしない部分が多く、本作を表する時に「これが!」といったものが言い辛く、なんともいえない濃密な雰囲気ゲーという言葉に落ち着いてしまうと思います。
 この辺がGTAと比べると「大人向け」の趣向であり、スリル満点なGTAやレッドデッドと比べて理解されにくい部分なのかなぁと。

 わかる人にはちゃんとわかる、深入り苦めの珈琲味です。

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2016年05月15日

この記事へのコメント
日向さんこんばんは〜

創作……すごい! 本当に何でもアリですね!
作詞作曲まで出来るとか……。私、オタマジャクシだけはどうにも苦手で……リズムゲーは好きなんですけどね(関係ない)

単なる受け取り手から発信者・創作者になると、世界が広がり、趣味はより充実したものになると思います。
日向さんのブログにXboxに関連した手作りのものが出現するのをわくわくして待っております!

P.S.
 レタクエ記事にある動画、素敵ですね。
 自身で撮影されたプレイ中の風景というのは個人的にすごく興味があります。どんなゲームなのかはもとより、宣伝用に作られた誇張気味の動画よりよっぽど参考になります。
Posted by あるへ at 2016年05月20日 19:53
あるへ様、こんばんは。

そういえば、他のコレクティブルもありましたよね。
続編があれば、また購入したいなと思わせるゲームでした。

GとNの意味は、なるほど〜!
そういう意味でしたか。 納得です(笑)。
おかげ様でスッキリ致しました、ありがとうございます♪

創作・手作りは、何でもアリです。
小説、詩、絵、作詞作曲、実際に何かを形にして創ってみたりなど…様々です。
Xbox関連の物でさえあれば、今後ブログにも載せて行く予定です。

それでは、また!
Posted by 日向 at 2016年05月19日 20:12
日向さんこんばんは〜

作中に出てくる全ての車に乗る実績は……どうだったかな。攻略ノートを見返して未乗車リストのチェック項目とか書いてあるんですけど、実はあまり印象に残っていません。目的の車が出やすくなる、ちょっとした裏技があるので、印象に残るほど大変ではなかったのかもしれません。

私にとって印象深いのは、金のフィルム集めですかね。
ネットで手に入れたマップの一部が間違っており、途方に暮れた私は英文のみのリストも入手して照らし合わせながら集めていった記憶があります。
ただ、フィルムは車と違って(笑)配置が固定なので、ストーリー中では訪れなかった場所などを散策しながら集めるのは、楽しい苦労でした。

L.A.ノワールは、部署毎についてくれる相棒が、どれも良い味を出していて、車中会話がすごく面白いですよね。
とある事件でかつて組んだ相棒が応援に来ていたりすると、なんだか嬉しくなります。

GとNの意味ですが、単純です(笑)
私のライフワークは好きで好きでどうしようもないゲーム(Game)と書く方の小説(Novel)……なんですが、今のところ小説の方はお休みです(汗)

日向さんのブログによると、趣味は「創作」のようですが、どのようなものを作るのでしょうか? 小説などの文章かな、それとも実際に何かを作るのかな。
Posted by あるへ at 2016年05月19日 18:10
あるへ様、こんばんは!
このゲーム、わたしも過去にやりました。
色んな車に乗る実績が大変だった記憶があります。

その大変さ以外、ほぼ思い出せなかったのですが、
この記事のおかげで『そういえば、そうだったなぁ!』と
懐かしい思い出に浸ることが出来ました♪

アメリカの40年代の雰囲気って、たまりませんよね。
わたしも好きです。

ところで気になっていたのですが、あるへ様のブログのタイトルの
『GとN』とはどういう意味なのでしょうか?
Posted by 日向 at 2016年05月18日 21:51
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