本日はこちら、エッジの利いた快作「End of Eternity」についてレビューします。
良作、と呼ぶにはすこし失礼か。しかし名作……と呼ぶには若干掘り下げが足りない……。そこで結構悩んで決めた格付けですが、なかなか的を射ているのではないかと。
公式サイト
このゲームは豪放磊落なSEGAの社風(ベヨネッタ、ヴァンキッシュ等、そんな一面があると思います)と戦闘に定評のあるトライエースの技術力がなかなかにハイレベルな融合を見せている作品です。
かのSO4を髣髴とさせるキャラデザインですが、ムービーシーン時キャラクターの一挙手一投足が笑いを誘うSO4に比べれば比較的おとなしめで、戦闘中のかなりアグレッシブな動きは逆に爽快感をアップさせています。
ストーリー面で見れば、シリアス半分、なんと笑いが半分くらいの、ライトノベルに近い作りになっていまして、ある突出した要素が存在し、その存在の謎についてキャラたちが意識、無意識、様々な思惑を持って巻き込まれていく、よくあるお話です。が、何を思ったかヴィジュアル面にも相当力を入れ、コスチュームにも気合いが入り、立ち居振る舞いから厨二の入ったセリフから、戦闘中の躍動感溢れる動きなど、実はかなり格好いい三人の主人公たちが、序盤から中盤にかけてプレイヤーから笑いを取りに来ます。
笑えます。大笑いできます。このシュールさがたまりませんね。どうやら声優陣も豪華らしく、私はそういったことには疎いのですが、誰もが聞いたことのあるあの人や、あの人やこの人までも、おそらくはそういった意味でも楽しめるのではないでしょうか。
正直なところ、シリアスなストーリー基盤は可もなく不可もなく、といった程度なのですが、ライトノベルに似ていると申したとおり、このゲームはこの魅力的なキャラクターたちの掛け合いと、戦闘を楽しむものだと思っています。ゼファーもヴァシュロンもリーンベルも、素直に格好いい、可愛いと思え、魅力に溢れていますし、その三人の掛け合いは非常にうまく表現されています。一つの巨大な塔に、ほぼ全ての人たちが身を寄せ合って生きている、建物の密集感といい、主人公たちの拠点となる初めの街も、すごく良い雰囲気を持っています。
本作品はRPGですが、そのシステムは既存のものとは大幅に異なり、プレイヤーにも辛抱と理解が求められます。理解できれば非常に面白く、見ていて気持ちの良いものに仕上がっていますので、wikiを熟読するなどして早く慣れてもらいたいところです。
銃撃戦という言葉から連想できる戦闘シーンを廃し、あのようなシステムにまで落とし込めたのは本当にすごいと思います。
戦闘において一つひとつの行動のメリットがとても大きいのですが、失敗した時のリスクも無視できない大きさで、この極端なバランス取りが味でもあります。
行動を開始する前にじっくり悩む必要があるので、シミュレーション要素も備えていますね。
ただ、このゲーム、取っ掛かりが悪く、理解すれば途端にハマる、そんな中毒性を持っているのですが、するめゲーとは個人的に言えません。
特に、トライエースが作る戦闘システムというのは、すごく面白いんですけど、コツを得て、その楽しみ方を知り、ある程度やりこむと、なんというか底が見えてくるんです。限界がある、というのとはちょっと違いまして、このままこういう風にキャラを成長させたらどうなるんだろう、と考えた時、その戦法、動き、戦略、カスタマイズ要素などが、なんとなく想像の範疇に収まってしまうんです。
うまく言えないもどかしさ。
これはSO4でも感じたことでした。
ですので、若干奥行きが足りない、何かもう一つ、ほんの少し足りないんじゃないか。そんな疑問を持ってこのようなレビューになりました。
とはいえ、これは完全に個人的なフィーリングによるものですので、そうは思わない人もいると思います。
本作品が、特に戦闘が面白いということだけは間違いありません。
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