本日はこちら「アンダーヒーロー」のレビューです。
ざっくりまとめて神ゲーでした!
個人的な感覚でいうと「Undertale」と「(古くて申し訳ないけどスーファミの)スーパーマリオRPG」を足して2で割った感じ。
よく揶揄として何と何を混ぜて10で割るとか100で割るとか、100倍に薄めるとか表現しますけど、そういう馬鹿にした感覚はまったく抜きで、アンダーテイルのような独特な世界観や表現、かつマリオRPGのようなコミカルで楽しくも惹き込まれるストーリーやアクション感に仕上がっていました。
本作では「賄賂」という禁じ手が使えるんですよね。戦闘中にお金を払って、敵を倒さずともスルーできるようになります。戦闘中に会話コマンドを選んだり、こうして手籠めにすることで、彼らモンスター一体一体に設定されたテキストセリフも楽しむことが出来ます。
このシステムがね、素晴らしい。
賄賂額は決して高くないのでぶっちゃけ可能なモンスターは全て賄賂で押し通ることができます。倒さなければモンスターは友好的なNPCとしてマップに居続けるので、なんかね、マップが賑やかになるんですよね(笑) 中には倒さないと進めない敵やボスもいるんですが、遭う敵全てを倒しているとマップが寂しくなっちゃうので素晴らしいギャップだと思います。
こういう塩梅がアンダーテイルを彷彿とさせ、いい雰囲気になってるんですよね。何より敵キャラ一人ひとりに性格付けがなされていて、喋るセリフも全員違いますからね。
じゃあ賄賂一択かというと実はそうでもありません。
それが本作独自のタイミングバトル。敵は攻撃を仕掛けてくる際必ず予兆を発します。その予兆を見極めて正しいタイミングで正しいアクションを起こすことで有利に立ち回れるというシステムなんですが。
簡単に紹介すると、最初に出会うことになるトカゲのモンスター、首を縮めた後目を二回ぱちぱちさせたら中段の噛みつきが来る合図なのでタイミングよくAを押すことでジャンプし回避できます。
もう一つのパターンとして舌が二回ちょろちょろと出てきたら上段攻撃の合図なので、下を押し続けてしゃがんで回避します。
そしてこれら適切なアクションを適切に行うことで得られる快感はもちろんのこと、こうすることで攻撃時に消費するスタミナを瞬時に回復できるので、敵との読み合いをうまく制すれば制するほど快適に動けるようになるんですよね。
こういった戦闘のタイミング、リズム的なレスポンスが非常に気持ちよく、したがってアンダーテイルでいういわゆるGルートも、めっちゃ楽しいんですよね。
初見の敵とかボスとか、まずはどうやって立ち回るべきか、ある意味パズル的な一面があるのでそれを探るのが本当に楽しかったです。
ちなみにルート分岐は無いのでやりたい方法で進んで構いません。
またBGMの存在が本作の魅力を何倍にも引き出しています。素晴らしいです。この作曲者さんの「階段」(正式な言い方わからないんだけど、ぽろろろん↓とかぽろろろん↑みたいなwww)がすごく耳心地が良いです。タイトルBGMと、アイススケートの二番目の曲が好きだなぁ。いやーボス戦も捨てがたいなー。てな具合で延々聴ける(笑)←永遠とか口が裂けても使うなよ!
ゲームのクオリティそのものに関しては非の打ちどころがないくらい大変素晴らしい出来でした。ストーリーで一喜一憂させてくれ、笑わせてくれ、熱く感動させてくれ、演出やBGMで常にモチベーションを保ってくれ、そもそものゲームプレイ、戦闘やパズルに関しても常に高いモチベーションを以て楽しめる絶妙な難易度です。
ダンジョンも戦闘一辺倒ではなく探索が占める割合も高く、シャンティシリーズのようなプラットフォームアクションを満喫できます。
そして何よりプレイヤーに寄り添った開発姿勢というか、非常にユーザーフレンドリーなプレイフィールがそれらを縁の下から支え上げているのが脱帽ですよ。
具体的にこれってうまく言えないんですけどね、プレイしてて「ここ面倒くさいな」とか「あ、これは嫌だわ」とか「少しならいいけどこれ以上続くとな」とか、そういうネガティブな感情が現れる前に、それらの反応を見越した痒いところに手が届くような配慮がところどころに見て取れるんですよね。
あのジャンプアクション地帯をまた帰るのか、と思っていたら、NPCが競走を吹っ掛けてきて、そのだるさを払拭してくれたり、うまく伝わるといいけど(汗)
さて、ここまでべた褒めしたところで。
本作もまたインディーゲームの部類に入る作品ということで、規模が小さいゆえにプレイヤーにかなり寄り添えたゲームになったというのも事実なれば、規模が小さいがゆえにやはり技術的な観点、スクリプトやプログラム部分にはまだ不満が残ります。
そうだなぁ、例えばこのゲーム。RPGとしてみれば100点満点ですけど、アクションゲームとしてみれば及第点から合格点といったところでしょうか。それでも十分に高得点には違いないですけど、ゲームの出来がいい分、これらは渇望から来る不満ではなく不便からくる不満になってしまいます。
シンプルに、アクションの操作性が良くないです。
走ってから止まるまでわずかに横滑りするのですが、ジャンプの反応や踏切がダイレクトなので(ちょっと何言ってるかわかんない)結構ね、足を踏み外すんですよ。ギリジャンがしにくい。
滑空中の操作性が悪く、左右の方向転換に意図しない慣性が加わったりして思った操作ができない時があったり。
ジャンプする度に画面も一緒に上下に動くのでちょっと疲れるかも。
そんなどうでもいい事柄が気にならなくても、誤って角に立った時に(動く足場に乗る時とかそれなりの頻度)挙動がおかしくなったり、蔦に掴まろうとして延々登り続けるバグが発生して一切の操作を受け付けなくなった時もありました。
戦闘面では、敵と接触してエンカウント、つまり戦闘状態に移行した時に敵との距離が正しい位置関係にならず(たとえば段差を挟んで接触したり)、こちらのあらゆる攻撃が届かず当たり判定も消えて、敵の攻撃のみ受けてしまうようなバグにも遭いました。
実績もバグか仕様か、ある一つの実績に結構苦労させられたんですけどね、それは後で。
正直この辺は結構細かい部分なので、特に初見時は気にならないと思います。取り逃した実績など追うために、何周かやりこんでくるとだんだんとこの辺のプログラミング能力のもろさ、人手を割けないインディーの弱みみたいな部分が顔を出してくるんですよね。
さて、実績のお話いきましょうか。
本作にはRPGらしく、取り逃したらもう一周、という実績が相当数存在します。ミニイベント関連や、そもそも1から5まであるワールドの中で3の後半と4まるまるは一度クリアすると戻って来られないので、そこで取り逃しがあるともう一周ということになります。
また、多くのコレクティブルも、これに伴い取り逃す可能性があります。
そして辛酸を舐めさせられたのがこいつ「Employee of the Month!」。
PS系でいうプラチナトロフィーであり、全ての実績を解除すると解除される実績なんですが、たぶん普通に全実績解除してもこいつは解除されないと思います……。
そのせいで私はこいつのためだけにみっちりもう一周する羽目になりました。
まず、ぼーっと待ってても自動的に解除はしないと思います。なのでなんらかのアクションを起こして、ゲーム側にプラチナ実績を解除する条件を満たしているかどうかのチェックをさせる必要があります。
そのためにはもう一度なんらかの実績解除のフラグを建てる必要があることまではなんとなく想像できると思います。たとえば最初のボスを倒してみたり、残しておいたサブクエストをクリアしてみたり、お店でアップグレードを買ってみたり。
私も試してみましたが全然ダメでした。
そして最終的に私の仮説は「HPアップグレードを全て集めた瞬間のみ、プラチナ実績のチェックをする」というところにたどり着きました。
一番面倒くさい実績です(笑)
装備のフルアップグレードとか、いろいろ試したんだからね?
もし本作をプレイ予定の方がいましたら、「絶対に」まずは実績一覧を調べてそれぞれの条件を覚えておいてください。
というのもこのゲーム、秘密の実績が結構多いのでノーチェックでいくと結構落とすんですよ。その中には「特定の場所では全ての敵を倒さずに進む」なんてのもありますからね。しかも最終盤なんで、ここ落とすとまるまるやり直す羽目になります。というか敵の数が有限なので普通に賄賂20回とかも取り逃す(笑)
(ロードは最後にタイムカードを押した地点、コンティニューはあらゆるセーブ状況で最新の地点、というのを覚えておくと最悪の事態を回避できるかも?)
で、コレクティブルであるカセットの一部はクリア後に解禁されるものもあるので、プラチナ実績を狙う場合は、あえていつでも取れるHPアップグレード(お店に売ってるのはNG)を一つだけ残しておいて、全ての実績を取り終えた後にそいつを取る。
もしHPフルアップグレードの実績のみが解除されてしまったら、セーブせずに終了してもう一度そのアップグレードを取る、などすればもしかしたらうまくいくかもしれません。
確実なことは言えないのが怖いですが、ホームとなるお城のアパート入り口前にサブクエストのNPCがいるんですよ。終盤で自動的にフラグを回収し、その後話しかけることでクエスト達成となり「HPアップグレード」がもらえるんですが、もしかしたらこいつ、残しておいた方がいいかもしれませんね。
幸いなことに、TAのガイドを書いてくれた人の情報が非常に詳細で、役に立つと思います。その方もまたプラチナのみが解除されず、HPアップグレードを全て集めたときにポコンしたって書いてます。
さてさてさて、面白そう、やってみようという気になったそこのあなた。
最後に一つ、大事なことを伝えておきましょう。
そう、このゲーム。英語です。
とはいえね、本作ではネイティブな言葉遣い、いわゆるスラングは相当少ないです。教科書通りのレトリックが大多数なので、結構読み易いとは感じました。ところどころわからない単語とかあったものの、普通にストーリーを楽しめましたよ。
↓戦闘の様子はこんな感じ、というのを見せる前にどうして画面がこんなまっ黄色になったかも入れたかったんだけど……。実際にプレイしてる際の頭の中ではちょうど5分なんだけどな〜(笑)
↓BGMが最高に素敵。ぴろろろん、だか、ぽろろろん、だかさっき言ったの、これでわかる?
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