今回はこちら「ファイナルファンタジー13」をレビューします。
私はこのゲーム、大好きです。美しい映像、迫力の演出、さすがはスクエニ。ですが、私が真に「このゲームいいな」と思うところはやはりストーリーライン、ゲームプレイも含めた全体を通して見える、 ゲーム作りの四本柱 の美しさでしょうか。
そのため「コクーンがルシでパルスがパージ」というようなニュアンスのコメントを見かけると、ちょっとがっかりします。
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たしかに、上のコメントは事実の一部を表しています。随時更新されていくオートクリップを読まずにどんどんイベントを進めると、こんな状態になるのではないでしょうか。
まるでSF大作のように専門用語がたくさん飛び出しますが、別段、独自の概念を特殊な言葉で表している、というような難解なものではないので、理解は簡単です。大抵のものはその世界独自の名前に言い換えているに過ぎません。最序盤は、この様々な特殊な専門用語を理解しながら、実際に起こるイベントと合わせて覚えこんでいくのが醍醐味になります。
中盤は、私がこのゲームでもっとも好きな流れです。映画でもよく使われる王道的な手法で、たくさんのキャラたちを少数のグループにいったん分けることで、それぞれのキャラクターの魅力を引き出します。
おかげで主人公たち一人ひとりが生き生きとしていますし、それぞれが抱える苦悩などが浮き彫りにされ、手に汗握るドラマに仕立てあがっています。別に大爆発のシーンとか、強大な軍隊に追われることだけが「手に汗握る」わけではありませんよね?
ホープの揺れ動く復讐心とか、サッズの希望と絶望の葛藤とか、今までのFFシリーズにはなかった等身大の人間の心理が、非常によく描きこまれていると思います。
そのせいか、全員がやがて思いを一つに最終ボスへと立ち向かう終盤から、すこしストーリーの味が薄まってしまうのが残念と言えば残念です。
とはいえ、終盤は今度は戦略の幅が広くなった戦闘の独壇場(本来は「どくせんじょう」と読み、独擅場と書きます)です。ラスボスを倒した後は成長システムの制限がなくなり、ある意味ここからが本番と言うこともできます。
中盤にかけてキャラ数を絞ったため、ここまで来たプレイヤーならば急に広がったオプティマの戦闘も、とくに苦労なく飲み込めるのではないでしょうか。初めて降り立ったグラン=パルスの敵はどれもこれも強敵ですから、おそらく様々な戦略を組み立てながらじっくり進むことになるのではないでしょうか。敵が手強くなっていくにつれて、本来はコマンド戦闘であるにも関わらず、アクションゲームのように戦況に合わせて能動的にスタンスを切り替えていく様は、見事なアイデアです。
このように、FF13はストーリーを進めていくにつれ、当てているスポットが違います。ですが、ゲーム内では「ここはこのように楽しんでください」というような案内はもちろんありませんが、自然にそうなるように計算されて作られています。
こういった、ゲーム全体とプレイヤー心理を計算して設計され、しかもそれがかなりハイレベルで自然にまとまっているところが、さすが大家スクエニの良いところであり、私がスクエニを評価するポイントです(残念なことですが、こういったハイレベルな設計は、=お金の力とも言えます。FF13-2やLRでは、やはり質が落ちています。あくまでスクエニ作品の中では、という比較ですが)。
「ストーリーはおまけ」という風潮が根強いせいか、はたまたリアル志向が強く、愛だの希望だの世界だのといったテーマには拒絶反応が起こる時代なのでしょうか、私の見る限りFF13が正しく評価されているとは感じられません。
ゲーム作品としても、やりこみ要素のあるゲームそのものとしても、はたまた新しいゲームの模索、挑戦としても、とても面白い作品に出来上がっています。私はこれらの要素を踏まえて大変に感動しました。
PS3のみで発売された時は友人に本体ごと借りてプレイしました。お礼にプラチナトロフィーを返しました(笑)。しばらく経ってXbox360版が出たときも購入し、実績コンプリートまでやり込みました。英語は新鮮でしたが、やはり日本語が恋しかったですね。
大好きなゲームなので、もっともっと評価されればと願わずにはいられません。
ではでは。
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