Amazonで検索したら自分が買った本と表紙が違っていました。手元の本を捲ってみると、内側にもう一つの表紙が。なるほどリメイクしたんですね。
一方、元々の表紙は紺色に「努力不要論」というタイトルを中心としたシンプルなもの。
こうやって比べて見てみると、その差は明らかです。
元々の表紙だったら書店で手にとっていなかもしれないですね。いやいや、ジャケットって大切ですね。
さて、本の内容です。
この本を書店で手に取ったとき、 自分がどちらかというと「努力論者」かもしれないという考えが浮かびあがってきました。同時に、 それが自分を窮屈にしている一つの要因かもしれないと連想しました。
「この真逆の考え方は、今の自分に必要な考えかもしれない」
「中野信子さんの分かりやすい解説なら読んでみたい」
書かれていた内容は、やはり今の自分にとって必要なエッセンスでした。
以下、感想です。
どんな本だった?
タイトルの「努力不要論」の意味するところとしては
・”無駄な”努力は不要だ
・努力のための努力は害だ
ということが大きいです。
「報われる努力(=成果が出ること)こそが本当の努力」だと中野さんは書いています。
目的の設定、戦略の立案、実行というプロセスがそのためには必要で、それをしない努力は間違いだと。
この当たり前とも言えること、でも日常の中で忘れがちであったり見過ごしがちであったりするこのことを、中野さんは指摘します。その根拠として挙げられているエピソードや、添えられる脳科学的エッセンスに「なるほどなあ」と納得させられてしまう構成です。
その中でも 「努力中毒」「努力は人間をスポイルする」の解説 は、まさに今の自分に刺さる内容でした。
今の自分は「努力中毒」の状態に近いものがあるかもしれないとじわりと汗をかきました。
読むことで得られるもの&どんな人にオススメできる?
「努力は尊いものだ」という思い込みのようなものが自分の中にあったことを気付かされました。
その思い込みは、何となくですが、日本の社会全体の中にもあるような気がします。
この観念を一旦ニュートラルに整え、成果を出すための本来の方法論はどうなのか?ということを考えるきっかけが出来たと思います。
「努力が尊いもの」という思い込みは、努力が本来どうあるべきかという観念から目を逸らさせ、ただただ目の前のことに取り組ませるという盲目的な姿勢になるのだなあと思い知らされました。
その背景にあるものが「成果を出す」という目的に向かってのものなら良いのですが、ただただ「自分は頑張っているんだという快感」を得るためのものにいつしかすり替わり、その結果、成果を得ることは難しくなるどころか、様々な弊害を生み出している・・・。
そんなの駄目じゃん!
思考のモヤが切り払われたような感覚すらありました。
努力という言葉、概念に惑わされては駄目。
「自分は頑張っている」という意識を持っている人、さらに言えば、「自分は頑張っているのに・・・」という不満を少しでも持ったことがある人 ・・・ つまり今の自分自身に強くオススメできる本でした。
そういう事ってあるかも・・・と感じた人は、ぜひおすすめです。
中野さんの本は何冊か読みましたが、どれも分かりやすく、科学的な背景も添えられているのでとても面白く読める本ばかりです。凄いなあ。