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2020年09月30日

ツインデミックを避けよう!10月末までにインフルエンザワクチン接種を

ツインデミックを避けよう!



予防接種.jpg

インフルエンザと新型コロナに同時に感染したらどうなる?

公衆衛生の専門家は、今年はインフルエンザの予防接種が重要だと言う。

COVID-19とインフルエンザを併発したときの危険性が、まだわからないからだ。

今年はいつもの秋とは違う。

季節性インフルエンザと
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の両方が
同時に大流行する「ツインデミック」の恐れがあるからだ。

専門家の研究では、この2つの感染症に同時にかかる
可能性があることが示されている。
ハ?ンテ?ミック.jpg

季節性インフルエンザは悪化すれば死に至ることもある病気で、
過去10年間で、年平均1万人が亡くなっています。

インフルエンザと新型コロナの両方に感染することは、
医療システムから見てもかつてない脅威だ。

季節性インフルエンザに限らず、
鳥インフルエンザが人間に感染して、
新しいパンデミックを引き起こす最悪の事態も見据えなければならない。

そもそも季節性インフルエンザとCOVID-19の症状は、非常に似ています。

ですから、正確かつ迅速に診断することは重要な課題です。

もし症状が軽かったとしても、自分で判断しないでください。
特にCOVID-19かどうかを、ひどい咳の有無だけでとらえてしまうのは危険です。

体や喉の痛み、発熱、呼吸器の症状がある場合は、
医師に連絡するようにして、COVID-19の検査を受けましょう。

実は、新型コロナが疑われる症状は様々であることが、明らかになってきています。

味や匂いがしなくなるだけではなく、
吐き気や下痢、
さらに足のつま先が赤く腫れる場合があることも分かっています。

病気になったときは、どんな感染症に罹患しているかはっきりさせることが重要です。

インフルエンザなら、かかりつけ医が抗ウイルス薬を処方してくれます。

COVID-19にかかった場合、重症者用の病院に行く必要があるかどうか、
かかりつけ医が助言してくれるでしょう。

ステロイド剤や、治験薬が処方される場合もあります。

もちろん、他の人に感染させないように、
患者は隔離されなくてはなりません。

インフルエンザは、軽症なら2、3日具合が悪いだけで自然に治るから、
たいしたことはないと考える人もいるかもしれませんが、それは誤りです。

インフルエンザは、入院する可能性もある感染症です。

知り合いに、インフルエンザウイルスが引き起こす肺炎になった
ことがある人がいるなら、病気の間どれほど辛かったか、聞いてみるべきです。

北半球でのインフルエンザ・シーズンが、
どれほど深刻なものになるかは、誰も分かりません。

ただオーストラリア、ニュージーランド、チリなど、
一足早くインフルエンザ・シーズンを迎えた南半球諸国から、
とても参考になるニュースはありました。

これらの地域では、冬場の季節性インフルエンザの発生率が驚くほど低かったのです。

理由として考えられるのは、南半球の各国政府が、
社会的距離の確保、手洗い、マスクの着用など、
効果的な新型コロナ対策をすぐに打ったからです。

このおかげで、南半球の冬でも、
インフルエンザウイルスが広がりにくくなっていたと考えられます。

ちなみに、オーストラリアのメルボルンは、
新型コロナのため、現在(20年9月15日時点)も
ロックダウン(都市封鎖)下にあります。

ところで、季節性インフルエンザの最大の感染源は子どもです。

つまり、学校の閉鎖も、感染拡大の防止に役立ちます。

やはり、インフルエンザの予防接種は受けるべきです。

あなたが感染して大丈夫だったとしても、
インフルエンザにかかったことが原因で亡くなる可能性がある人たちに、
感染を広げてしまうことを忘れてはいけません。

インフルエンザワクチンは100%有効ではありません。

ワクチンは、何カ月も前に、
そのシーズンに流行すると予想される4種の異なるウイルス株から作られます。

ですから、予防効果も、その年にはやるインフルエンザによって変わります。

ワクチン接種後にインフルエンザにかかったとしても、
軽症で済み、早く治る可能性も期待できます。

季節性インフルエンザとCOVID-19—
—この2つのウイルス性疾患を併発する可能性があること、
それらを免疫システムが同時に撃退するのが難しいことが既に分かっています。

肺が深刻なダメージを受け、回復までに時間も長くなり、
さらには合併症にかかるなどして重症化すれば、
死に至る危険も出てきます。

現在のところ、COVID-19とインフルエンザのどちらかにかかったことが原因で、
もう一方に感染する可能性が増すかどうかまでは分かっていません。

呼吸器ウイルス感染症は、気道の組織にダメージを与えます。

ですから一般に、抵抗力が弱まって
他の呼吸器ウイルスを撃退することが難しくなります。

さらに肺炎(どちらのウイルス感染でもなる可能性がある)が引き起こされれば、
今度は細菌が肺に侵入することにもつながります。

インフルエンザワクチンを接種するのであれば、20年10月末までに打つことをお勧めします。

ワクチンを接種してから免疫ができるまでに、10〜14日かかります。

このため、ワクチンを早期に接種すれば、
本格的なインフルエンザ・シーズンが始まる前に、
みなさんの体に「防衛システム」が作られます。

予防接種が遅くなるほど、
インフルエンザにかかる可能性は一般に高くなります。

厚生労働省も早めの接種を勧めていますが、
65 歳以上は10 月1日(自治体により異なる)から、
それ以外の人は10 月26 日から接種するよう
協力を求めています。

インフルエンザの「万能ワクチン」は
どんな型のインフルエンザ株に対しても効果があることです。

そうなれば、毎年、予防接種をしなくてもよくなるでしょう。

インフルエンザに対する万能ワクチンの候補は現在、
臨床試験の第3相(治験の最終段階)にあります。

万能ワクチンは、インフルエンザウイルスの表面にある
タンパク質の「ストーク領域」を標的とする抗体を生み出します。

ストーク領域は、18種あるインフルエンザウイルスの亜型ですべて同じです。

現在、アジアで、家畜から人間に感染する可能性が懸念される
2種類のインフルエンザウイルスがあり、注視されています。

今年は、新たなインフルエンザ株のパンデミックが危惧されています。

ランダムに起こる遺伝子の突然変異と、
ウイルスが人間の免疫系とどう相互作用するかが組み合わさることで、
鳥インフルエンザや、豚インフルエンザが
動物から人間へと感染することは分かっていても、

実際に、これらのウイルスが人間に感染する能力を、
いつどうやって獲得するかまでは予測できません。

COVID-19の登場で、
ワクチン製造能力を強化し、新規にワクチンを開発することを
余儀なくされています。

現在、COVID-19のワクチン開発に取り組んでいる企業は、
世界に150社以上あります。

こうしたインフラ、そして創造的な思考の文化を
構築できたことは、人類にとって大きな強みです。

今後も、感染症が大流行することは避けられないでしょう。

でも、私たちの「備え」も、ずっと良くなっています。

こうした事実から、未来に希望はあると私は考えています。

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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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